俗にいうリウマチとは、関節リウマチのことをいいます。関節リウマチとは自己免疫疾患の一つで、関節が炎症を起こし骨が破壊され、激しい痛みや腫れを伴い、放置すると関節が変形してしまう病気です。
お年寄りに多い病気というイメージですが、実は発症のピークは30~50代。男性よりも女性の方が4倍多く発症すると言われています。
関節リウマチになってしまったら、薬物療法やリハビリテーションなど幾つかの治療方法がありますが、食事療法も効果が高いと言われています。今回は関節リウマチの際に気を付けたい食事、逆に積極的にとった方が良い食事についてご紹介します。
関節リウマチの原因
関節リウマチは冒頭で述べた通り、免疫機能に異常が起こることによって発生する病気です。
この免疫機能にどうして異常が起こってしまうかは様々な要因が考えられますが、ケガなどの外傷や、体力が落ちている時に細菌やウイルスに感染してしまうことがきっかけとなり、異常が起こると言われています。女性の場合は、妊娠や出産によるホルモンバランスの変化で発症することもあります。
また、体だけでなく、ストレスなどの精神的な要因も大きいと考えられています。このように、年齢に関係なく、いつ誰が発症してもおかしくはない病気なのです。
関節リウマチの症状
関節リウマチの症状について知っておきましょう。
関節に起こる症状
最も大きいものが「関節」に起こる症状です。初期段階では関節にこわばりや違和感を感じる程度なので、見過ごしやすいかも知れません。関節リウマチの初期症状については、リウマチの初期症状をチェックしよう!指のしびれに要注意!の記事を参考にしてください。
特徴としては、関節リウマチの場合、朝が特に強く症状が出る傾向があります。朝起きた時に手や足の関節にこわばりなどの違和感を感じたり、朝以外にもお昼寝や長時間同じ姿勢を続けた後にも起こりますので、こういった症状がある場合には関節リウマチを疑い、早めに病院を受診することが大切です。
病気が進行してくると、関節の腫れ・痛みが現れ始めます。多くは手や足の指の関節といった小さな関節から段々と腫れあがってきますが、肩やひざ、ひじなどの大きい関節から腫れてくる場合もあります。特に日本人の場合、膝から腫れてくる傾向が高いようです。
また、左右対称に症状が出ることも多いのも特徴です。
関節以外にも症状は出る
関節だけに症状が起こると思われがちですが、実は全身にも症状が現れます。
・風邪に似た症状
疲れやすく倦怠感が続く、食欲が低下する、微熱が出るといった風邪の初期段階に似た症状がでます。
・皮膚に出る症状
皮膚の下に固いしこりができる場合があります。大きさは1~2cmほどで、痛みはあまりありません。かかとや肘などの骨が出っ張っている部分にできやすいです。
・目に出る症状
目が充血したり痛みが出ることもあります。また、ドライアイや目がゴロゴロするといった症状もあります。
・貧血
関節リウマチになると鉄分を吸収する機能が低下し、貧血が起こりやすくなります。
早期発見、早期治療が重要!
症状に記載した通り、関節リウマチの初期症状は非常にわかりずらいかも知れません。ですが、放置していくと症状は急速に悪化し、強い痛みを伴います。また、治療が長引きますので、少しでも違和感を感じたら病院を受診することがとても重要となってきます。
現在は治療法も確立されてきており、少しでも早く治療を始めることで発症前と変わらない生活を送ることができるのです。
関節リウマチに有効な食事療法
関節リウマチと食事の関係ですが、冒頭でもお伝えした通り、関節リウマチは自己免疫疾患の一つとされています。自己免疫疾患とは、通常、人は自分の体をウイルスから守るための免疫システムをもっているのですが、このシステムが何らかの要因で異常を起こし、自分の体の一部でさえウイルスだと勘違いして攻撃をしてしまうという病気です。
自分自身を攻撃し続けてしまい、炎症によって栄養が吸収されにくくなり、更に免疫機能を低下させてしまいますので、食事により意識して体の栄養状態を保つことも非常に重要な治療方法といえます。(栄養状態が悪い人は症状が重くなる傾向があると言われています。)
そこで関節リウマチの人にとって、できるだけ避けた方がよい食事と積極的に摂りたいおすすめの食事をご紹介します。
避けた方がよい食事
・塩分
塩分過多になると、尿中にカルシウムが排泄されます。関節に炎症や破壊が起こってしまう関節リウマチの方にとって、カルシウムは骨粗しょう症を防止するためにとても大切な栄養素となります。
せっかく摂取したカルシウムを失わない為にも、塩分のとりすぎには注意しましょう。
・インスタント食品
上記の塩分が多量に含まれていることもありますが、それだけでなくインスタント食品にはたくさんの「添加物」が含まれています。この「添加物」には免疫を低下させる力がありますので、自己免疫疾患である関節リウマチの方は特に避けたい食事といえます。
・アルコール、スナック菓子
アルコールや砂糖、油を多くとっていると、痛みを強くしてしまう場合があるようです。とはいえ、元々お酒や甘いお菓子が好きな人であれば、我慢することがストレスとなり、かえって症状回復への妨げとなってしまうかも知れません。
その場合、絶対に摂取してはいけない訳ではありませんので、「適量」を身体と相談しながら摂取するのが良いでしょう。過剰摂取はご自身の体がつらくなってしまいますので、控えるのが賢明です。
おすすめの食事
・サバなどの青魚
青魚にはDHA・EPAが多く含まれています。DHA・EPAには抗炎症作用があります。血液をサラサラにする効果もありますので、サバやブリ、イワシなどの青魚を積極的にとりましょう。
・大豆食品、肉、卵
関節リウマチの炎症により、タンパク質が消耗しやすい状態になっています。タンパク質は、傷ついた組織を修復する上でとても大切な栄養素です。納豆や豆腐などの大豆食品、肉、卵などから良質なタンパク質を摂取することが重要です。
・野菜、果物
タンパク質と同様、ビタミンやミネラルも組織修復に欠かせない栄養素となります。また、症状により発生する痛みや体の疲れを和らげることにも効果があります。
ほうれん草や小松菜などの青野菜、果物では特にみかんに含まれるビタミンPが、ビタミンCの吸収をより高めてくれる作用があるのでおすすめです。
・牡蠣などの貝類
免疫を高める亜鉛が多く含まれる貝類もおすすめです。貝類にアレルギーのある方は、先にあげた大豆食品や魚(亜鉛の場合は赤身の魚に多く含まれます)にも亜鉛は含まれますのでそちらで補うようにしましょう。
・レバー、ひじき
症状として起こりやすい貧血対策として、鉄分を摂取しましょう。鉄分を含む食品として有名なレバーやひじき、また、先にあげた肉、魚、卵、貝類にも、体に吸収されやすい「ヘム鉄」が含まれますので、あわせてとっていきたい食品です。
また、鉄分をとる際にコーヒーや紅茶、緑茶などの「タンニン」が含まれる飲み物を一緒にとると、鉄の吸収を悪くしてしまいますので、食前食後に飲むのは避け、どうしても飲みたい場合は比較的タンニンの含有量が少ない麦茶やルイボスティーなどをおすすめします。また、冷たい飲み物で体を冷やすと貧血を起こしやすい為、温かいものをゆっくり飲むと良いでしょう。
まとめ
基本的にリウマチの方が絶対に食べてはいけない食事はありませんが、大切な栄養素が流れ出てしまうことが多い為、健康的な食生活を送ることが症状の改善に非常に重要となります。
難しい場合はサプリメントを上手に使うことも良いですが、腎臓や肝臓に負担をかけることがありますので、なるべく食事から摂取することを心がけましょう。
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