局所麻酔の種類や副作用を知ろう!どのように対応すればいいの?

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麻酔とは、手術中の痛みや不安などのストレスを除去するために、薬剤を使って、痛みや身体の反射を起こさないようにすることです。麻酔には、意識を失う全身麻酔と、意識はあっても痛みを感じなくなる局所麻酔があります。

局所麻酔は、全身に及ぼす影響が少なく、負担も軽いので、侵襲性の少ない手術や緊急処置など広い範囲で使用されます。しかし、局所麻酔は副作用や合併症が起きることが少なくありません。発症すれば重篤化することが多いので、早期に気づいて対処する必要があります。

局所麻酔の種類と作用、その副作用についてお伝えします。

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局所麻酔とは?

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局所麻酔とは、末梢神経に麻酔薬を注入して、意識を保ったまま、痛みをなくす麻酔の方法です。全身麻酔よりも手軽にできるので、歯科・美容外科・眼科などはもちろん、外科の日帰り手術・緊急処置などによく使われます。

最近は、安全性や手術後の疼痛管理という観点から、全身麻酔と併用することが多くなっています。また、局所麻酔に鎮静剤を併用することが少なくありません。

[局所麻酔と麻薬系鎮痛薬・鎮痙薬・鎮静剤・筋弛緩薬]

同じように痛みを鎮めたり、除去したりする薬剤に、鎮痛剤があります。同じ鎮痛作用ですが、局所麻酔とは区別されます。

筋弛緩薬や鎮痙剤も痛みを除去することがありますが、局所麻酔や鎮痛薬とは区別します。

鎮痛薬

痛覚の中枢神経系に作用して、意識を消失させることなく、特定の痛みを抑制します。局所麻酔と似ていますが、局所麻酔は末梢神経に作用して、痛みを無くします。

鎮痛剤には、モルヒネのような麻薬性鎮痛薬と、アスピリンのような解熱性鎮痛薬があります。

鎮痙薬

消化管の痙攣(胃痙攣など)は、副交感神経の活発な働きにより、消化管運動が激しくなって起こります。激痛が生じますが、この時は、局所麻酔薬や麻薬性鎮痛薬は使用しません。

副交感神経を鎮めるブチルスコポラミンのような鎮痙薬で、痛みを鎮めます。

鎮静剤

中枢神経系に作用して興奮を鎮めます鎮痛作用ではなく、鎮静作用なので、痛みを緩和したり、除去することはできません。

睡眠薬として使用したり、手術時に、麻酔をする前に鎮静剤を投与して、不安を鎮めたりします。

筋弛緩薬

神経や細胞膜に作用して、筋肉の働きを低下させる薬です。アメリカでは死刑執行に使用されるなど、使用法によっては死に至るので、毒物として扱われます。日本では、「筋弛緩剤による殺人」という記事が、記憶にありますよね。

しかし、医療現場では、医師により適切に使用され、効果を上げています。

全身麻酔の場合、麻酔導入時や手術中に筋弛緩薬を使用し、全身の筋肉の緊張を解きます。気管内挿管や筋緊張が障害となる時の術野確保、手術の侵襲による反射的筋収縮の抑制に効果があります。

緊張性の頭痛や筋肉の痙攣(こむらがえりなど)にも、効きます。鎮痙剤としても用いられます。中枢神経系を抑制するので、弱い筋弛緩薬は睡眠導入剤にもなります。

[局所麻酔のメリットとデメリット]

全身麻酔と同様に、局所麻酔にはメリットとデメリットがあります。

局所麻酔のメリット

  • ①意識が失われないので、何が起きているか理解できます。全身麻酔のように、健忘が起きて時間の感覚がおかしくなることはありません。
  • ②侵襲性が低いので、身体の負担が少なくなります。手術後の回復が早くなります。
  • ③麻酔薬の使用量が少なく、呼吸抑制作用が起きないので、安全性が高くなります。
  • ④全身麻酔のできない妊娠中の女性や帝王切開に使用できます。
  • ④手術後の鎮痛管理にも利用できます。
  • ⑤麻酔機器が少ないので、費用が安くなります。

局所麻酔のデメリット

  • ①意識があるので、恐怖・不安が高まり、ストレスが強くかかります。手術中の記憶がトラウマになることもあります。
  • ②麻酔の効果が不確実です。表面だけ麻酔が効いていて、手術中に痛みを生じることなどがあります。
  • ③麻酔をする手の技術(手技)が難しく、失敗することもあります。硬膜外麻酔の場合は特に困難です。麻酔薬が骨髄液に漏出したり、クモ膜下腔に誤って注入したりします。神経を損傷して、永久的な髄神経麻痺を起こすこともあります。
  • ④幼児には局所麻酔の使用が困難です。幼児は恐怖が先に立ってしまって、じっとしていられず、泣いたり騒いだりします。

[局所麻酔の種類]

局所麻酔には、7種類あります。それぞれ使用する薬や使用法が異なります。

表面麻酔

眼科・歯科・耳鼻科・泌尿器科の手術に使います。外傷・火傷(熱傷)・潰瘍による疼痛を除去します。胃カメラ(内視鏡)・食道鏡・大腸ファイバーの検査の痛みをなくします。

創面や粘膜の表面に麻酔薬リドカインを直接塗布するか、スプレーで噴霧します。麻酔薬が皮下へ浸潤して、神経終末に作用します。正常な皮膚には麻酔効果はありません。

局所浸潤麻酔(浸潤麻酔)

主として小さな切開をする時に使います。狭義の意味での局所麻酔です。歯科治療や小さな傷を縫う時、簡単な切開手術に、よく使います。また、脊椎麻酔や硬膜外麻酔の針を刺入する前に、浸潤麻酔をして痛みをなくすようにすることが少なくありません。

皮内または皮下に麻酔薬を注射して、麻酔薬が浸潤する範囲の神経を遮断して、痛みを感じないようにします。

目的組織の周囲に麻酔薬を注射して取り囲むことを、フィールドブロックといいます。

使用する麻酔薬は、リドカイン・メピパカイン・プロカインです。

脊椎麻酔(脊髄クモ膜下麻酔・脊髄麻酔)

下腹部や下肢など下半身の手術に使います。盲腸炎手術や帝王切開、卵管結紮術などを行います。

麻酔薬を細い針でクモ膜下腔に注入して、脊髄神経をブロックします。下半身の痛覚・運動・交換の各神経を一時的に遮断します。「クモ膜下ブロック」、腰椎から下のクモ膜下腔に麻酔薬を注射するので「腰椎麻酔」ともいいます。

硬膜外麻酔よりも少量で麻酔効果が表れますし、麻酔薬を刺入する手技もそれほど難しくありません。しかし、麻酔の可能な部位が臍(へそ)周辺より下に限られます。つまり、上腹部や胸部の手術には使用できません。麻酔の持続投与ができません。

脊椎麻酔薬は、プロカイン・ブピバカイン・テトラカイン・ジブカイン・リドカインです。

硬膜外麻酔

麻酔薬を硬膜外腔に注入します。椎管内面の骨膜・靭帯(じんたい)と硬膜の間にある骨膜外腔に麻酔薬を刺入して、脊髄神経をブロックします。知覚神経と交感神経を直接ブロックできます。「硬膜外ブロック」ともいいます。

硬膜外の刺入部位を変えることで、目的の部分の痛みを除去できます。顔面と頭部を除くいろいろな部分、胸部・頸部・腹部などに麻酔することができます。手術以外にも、末期癌の疼痛を除去するためにも使用します。

注入するカテーテルを硬膜外腔に留置すれば、麻酔薬を追加することができ、長時間痛みを取り除くことができます。専用ポンプを用いれば、注入カテーテルにより持続的に麻酔薬を投与することができるので、胸部・腹部・下肢の手術には、よく行われます。

全身麻酔の時に、硬膜外麻酔を併用すると、全身麻酔には必要な鎮痛剤の量を減らすことができます。

ただ、脊椎麻酔よりも刺入の技術が難しいので、失敗することもあります。麻酔薬が漏出したり、クモ膜下腔に誤入したりします。脊髄クモ膜下麻酔(脊椎麻酔)よりも麻酔量が多いので、局所麻酔薬中毒が起こりやすくなります。

日本国内でよく使用される麻酔剤は、リドカイン・メピバカイン・ロピバカインです。最近は、レボブピバカインもよく使われています。

詳しくは、硬膜外麻酔について!痛みや副作用について紹介!メリットはなに?を読んでおきましょう。

伝達麻酔

末梢神経の中枢側に麻酔薬を注入して、疼痛刺激の神経伝達をブロックします。ペインクリニックの「神経ブロック」と同じです。手術する目的部位の知覚を支配する神経をブロックし、限られた範囲内の痛覚鈍麻を行うことができます。周術期(術前・術中・術後)鎮痛が可能ということです。

伝達麻酔は、「神経ブロック」と「神経叢ブロック」があります。

神経ブロックは、目的組織の感覚神経の付近に注射針を用いて麻酔薬を到達させて、情報の神経伝達を一時的に遮断します。

神経叢ブロックは、1本の神経だけでなく、神経束が集中している神経叢に麻酔薬を注射し て、神経伝導をブロックします。「腕神経叢ブロック」「傍脊椎神経ブロック」などがあります。全身麻酔を必要としないで、手術できます。

麻酔薬としては、リドカイン・メピバカイン・ロピバカインが頻繁に使用されます。

(神経ブロック注射)

消炎鎮痛剤が効かなかったり、治りにくい腰痛には、神経ブロック注射を行います。腰痛の原因となる神経、あるいはその周辺に、局所麻酔を注入して、痛みの情報の伝達を遮断します。炎症による痛みが強い場合は、炎症を抑えるステロイド剤を局所麻酔といっしょに注入します。

静脈麻酔(静脈局所麻酔)

上肢の静脈に低濃度の麻酔薬を注射して、1~2時間、痛みを除去します。

(静脈内鎮静法)

歯科医が親知らずの抜歯や歯周病治療、インプラント治療などで使う麻酔法です。歯の治療が怖くてたまらない人にはオススメの治療法です。

静脈内に、点滴により鎮痛薬や精神安定剤を注入し、ウトウトしている状態にします。意識がぼんやりしているだけの人も、眠ってしまう人もいます。治療する時は、別に局所麻酔を注射します。

表面冷凍麻酔

沸点の低いエチルクライドを目的部位に噴霧して、短時間、痛覚を鈍麻させます。

[局所麻酔の作用機序]

局所麻酔薬の作用対象は、電位依存性ナトリウムチャネルです。電離していない塩基型で細胞膜を通過して、イオン型に変わり、細胞質の内から電位依存性ナトリウムチャネルをブロックして、作用を発揮します。

局所麻酔薬はアミン型の弱塩基なので、水に溶けません。使用されるのは塩酸塩となっています。リドカインは、リドカイン塩酸塩の形で使用されます。

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局所麻酔の副作用

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局所麻酔の副作用は、一過性の症状、麻酔薬中毒症状、ショック症状があります。麻薬中毒とアナフィラキシーショックは、麻酔薬の合併症といいます。

副作用も合併症も、手術中に起こる可能性があります。ですから、麻酔薬を投与した時は、手術中も手術後も、十分注意して看護・観察する必要があります。

麻酔薬には、「エステル型」と「アミド型」があります。アミド型は麻酔薬中毒が起きやすく、エステル型はアナフィラキシーショックを発症する可能性が高くなります。

[麻酔薬に共通する副作用]

局所麻酔薬にはいろいろな種類があります。麻酔方法にも、前述のように7種類もあります。麻酔薬の種類、麻酔方法の違いに関係なく、麻酔した時に共通して起こる副作用があります。ただは、表面冷凍麻酔は除きます。

頭痛・吐き気・悪寒が生じます。視界が霧がかかったようにぼやけます(霧視)。不安感が起きたり、興奮したりします。蕁麻疹(ジンマシン)や浮腫(むくみ)が生じることがあります。

これらの症状は、多くの場合一過性です。重篤化することはあまりありません。しかし、症状が長引いたり、重症化したりする場合は、すぐに医師に連絡します。日帰り手術で病院から帰宅した後に症状が続いたり、悪化したりしたら、すぐに病院へ戻ります。合併症が起きている可能性があります。

[局所麻酔薬中毒症状]

局所麻酔薬中毒には、即時型と遅発型があります。遅発型は麻酔薬投与後30分以上経ってから起きます。

即時型中毒症状

局所麻酔薬を投与して、すぐに起きます。いきなり、痙攣(けいれん)・意識消失・昏睡・循環虚脱が生じます。

循環虚脱とはショックのことです。急激な血液循環障害が起きて、極度の脱力状態になります。脈が弱く速くなり、冷や汗が出て、不安感が増します。呼吸は浅く早くなります。顔面蒼白になり、チアノーゼが現れます。意識障害に陥ります。

呼吸停止・体温と血圧の降下・頻脈・徐脈(脈が異常に遅くなる)・不整脈が生じ、心停止に至ることもあります。

遅発型中毒症状

遅発型は、麻酔薬を投与して30分以上経ってから発症します。それも、段階的に発症するので、初期に気づいて治療することが大事です。

①刺激症状

初めは「刺激症状」という中枢神経症状が起きます。

舌や口がうずいたり、しびれたりします。めまいや耳鳴りが生じます。興奮状態になり、多弁になります。

②抑制症状

次に「抑制症状」という中枢神経症状が起きます。

振顫(しんせん)・痙攣(けいれん)が起き、意識消失・昏睡に陥ります。呼吸が停止します。続いて、心血管系に障害が生じ、循環虚脱が起きます。急激に血圧が降下し、体温が低下します。徐脈・頻脈・不整脈が生じ、心停止に至ることもあります。

[麻酔薬のアナフィラキシーショック症状]

麻酔薬の投与で、アナフィラキシーショック症状を起こすことがあります。

麻酔薬を投与して、5~30分後に発症することが多いので、看護師や医師は、手術中の患者のバイタルサインや様子を注意深く観察する必要があります。また、数時間後に発症することもあるので、手術が短時間の場合は、術後にショック症状が起きることがあります。看護する人は、術後しばらくの間、患者を良く観察する必要があります。

初期

めまいや浮動感が生じます。平衡感覚や聴覚に異常が起きます。汗が出ます(発汗)。

続いて

続いて、顔面が蒼白になります。眼の痒みや結膜腫脹が生じます。皮膚症状として、紅斑・発赤・掻痒感・血管浮腫・蕁麻疹が現れます。鼻症状として、鼻がかゆくなったり、鼻づまり・鼻水などが起きたりします。唇や舌が腫れて、顔面浮腫(顔のむくみ)が生じます。

進行すると

さらに、消化器症状、つまり、悪心(吐き気)・嘔吐・腹痛・下痢が生じます。循環器症状として、血圧低下・頻脈・徐脈・不整脈・循環虚脱が起きます。呼吸器症状が生じます。上気道浮腫が生じ、声がかすれたり(嗄声)、喉が締め付けられるように感じたり(喉頭絞扼感)します。喘鳴・呼吸困難・胸部絞扼感・気管支痙攣・ラ音聴取(異常な呼吸音が聞こえる)・呼吸停止が起こります。中枢神経症状としては、昏迷・意識喪失・痙攣などが起きます。

[麻酔薬の種類]

麻酔薬には、麻酔薬中毒を起こしやすいアミド型とアナフィラキシーショックを起こしやすいエステル型があります。

どの麻酔薬にも、アレルギーを起こす可能性があります。

アミド型

よく使われるアミド型麻酔薬は、ジブカイン・リドカイン・ブピバカインです。

エステル型

よく使われる麻酔薬は、コカイン・テトラカイン・プロカインです。

[麻酔方法による合併症]

脊椎麻酔(脊髄麻酔)と硬膜外麻酔は、麻酔薬による副作用だけでなく、麻酔する手技(技術)が困難なために、合併症が起きることがあります。

脊椎麻酔(脊髄麻酔)

手術中に、麻酔の広がりと自律神経の麻痺がアンバランスになり、心停止を起こすことが、まれにあります。

手術後は、頭痛・排尿困難・尿閉・穿刺部痛・腰痛が生じることがあります。脳脊髄膜炎や脳神経麻痺(外転神経麻痺・聴神経麻痺・動眼神経麻痺・滑車神経麻痺・顔面神経麻痺など)が起こる可能性があります。

硬膜外麻酔

麻酔の手技が困難なため、硬膜を穿刺したり、脊髄液漏出したり、クモ膜下腔や血管内に麻酔薬を誤って注入したりします。仙骨部で骨髄に誤入することもあります。脊髄神経根部を穿刺して損傷し、永久的な脊髄神経麻痺が生じることがあります。誤って血管内に針を刺して麻酔薬を注入すると、血中の局所麻酔薬濃度が急上昇して、中毒症状を発症します。

硬膜外に感染が起き、膿瘍や血腫を形成することがあります。

[アドレナリン添加]

リドカインなど一部の局所麻酔薬にアドレナリンを添加することがあります。

アドレナリンは、血管運動神経に作用して、血管を収縮させます。血管が収縮するので、麻酔薬が吸収されにくくなり、長時間、作用するようになります。局所の血の中に麻酔薬が留まり、麻酔薬の血中濃度が上がりにくくなります。

ただし、糖尿病・甲状腺機能亢進症・高血圧症など全身疾患を持っている患者への使用は、原則として行いません。血管の運動が傷害されて、重篤な副作用や合併症が起きる可能性があります。使用する時は、慎重を要します。

また、指先や耳介など終動脈となっている部位に血管収縮が起きると、壊死する場合があります。終動脈となっている部位には、アドレナリン添加の麻酔薬は禁忌となっています。

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局所麻酔の副作用への対応

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局所麻酔の副作用は、術前・術中・術後に分けて、対応します。

局所麻酔の副作用は重篤な合併症(麻酔薬中毒やアナフィラキシーショック)に移行することがあります。早期に症状に気づいて、対処することが何より大事です。手遅れになると、呼吸停止・心停止になる危険があり、死に至ります。

[術前]

どのような手術でも、受ける患者の不安と恐怖は大きいものです。患者さんは、担当医師や麻酔医とよく話し合って、術前の不安を取り除きます。

アレルギーのある人は、アレルゲンやアレルギー症状について、くわしく正確に伝えます。糖尿病や甲状腺機能亢進症、高血圧症などの持病、現在治療中の疾患、現在服用中の薬についても、正確に医師に話すようにします。患者の健康状態により、使用する麻酔薬・麻酔方法を選択します。

医師と患者、相互の情報を正確に伝達・交換することが、局所麻酔の副作用を防ぎます。

局所麻酔薬投入前に、鎮静剤の注射を受けると、少し落ち着きますよ。

[術中]

手術室の中で起こることは、医師と看護師に任せるしかありません。そのため、麻酔医の責任は、執刀医と同様に大きく、重要です。医師と看護師は、患者のバイタルサインや訴えに注意して、早期に異変に気がつくようにすることが大事です。

一過性の副作用と思っていたら、重篤な合併症に移行することがあります。

中毒症状が生じた場合

ただちに麻酔薬の投与を中止し、酸素吸入や気道確保を行います。ジアゼパムや超短期作用型バルビツール酸製剤を投与して、中毒症状を消すようにします。

ショック症状が生じた場合

ショック症状は局所麻酔薬投与後5~30分に起きることが多いので、30分間はバイタルサインに気を配る必要があります。

ただちに麻酔薬の投与を中止し、酸素投与・気道確保を行います。輸液とともに、アドレナリン・H1ブロッカー・H2ブロッカー・コルチコステロイドなどを投与します。

副作用が生じた場合

患者さんは意識がありますから、頭痛やめまい、吐き気などの副作用が生じれば、医師や看護師に訴えることができます。医師と看護師は、副作用の訴えを軽視せずに、症状の増悪や新しい症状の発現に注意して、経過観察します。

合併症に移行するような兆候があれば、ただちに適切な処置をとります。

[術後]

手術後に、軽度な副作用が生じることがあります。また、軽度な副作用が、重篤な中毒症状やショック症状に移行することがあります。

入院している場合、患者さんは、軽度の副作用もガマンしたりしないで、看護師や医師に伝えるようにします。手術後の疼痛も、きちんと伝えて、適切な処置を受けるようにします。医師や看護師、看護をする家族は、術後の患者の言葉を大事な情報と受け止めることが必要です。

歯科や眼科、耳鼻科、美容整形などでは、日帰り手術が多くなります。帰宅してから、副作用が合併症に移行することが、まれにあります。少しでもおかしな症状や痛みが生じたら、ただちに、病院に戻ります。あるいは、手術をした病院に電話して、指示を受けます。

局所麻酔の手術は、意識のある状態で行われますから、患者さんの精神的な負担が大きくなります。精神的な後遺症が残らないように、術後も、看護師や担当医とよく話し合うことです。

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まとめ 局所麻酔の重篤な副作用が起きる確率は低い

局所麻酔により重篤な副作用(合併症を含む)が起きる確率は1%以下と言います。頭痛やめまいなどの軽い副作用は、しばしば起きますが、多くの場合、一過性です。手術後、副作用に悩むようなことは、ほとんどありません。

麻酔は、全身麻酔でも局所麻酔でも神経に作用して痛みを除去するものです。全身麻酔にしても局所麻酔にしても、神経に作用するのですから、影響を全く受けないということはありません。局所麻酔だから、副作用が軽いということもありません。重篤な副作用が生じて、死に至ることもあります。

局所麻酔が影響を及ぼすからといって、痛みをガマンすることはできません。歯の治療や眼の治療でも、痛みが強ければ、患者がガマンできず、うまく治療できないことがあります。まして手術となると、いくら切開創の小さい手術でも麻酔なしにはできません。

局所麻酔は、全身麻酔と併用することで、鎮痛薬や麻薬性鎮痛薬の使用量を減らすこともできますし、全身麻酔手術後の疼痛の除去もできます。神経ブロックにより、つらい難治性の腰痛を緩和することもできます。

局所麻酔は、医療には必要不可欠なのです。

しかし、局所麻酔の中でも、脊椎麻酔や硬膜外麻酔は、麻酔する手技が困難で、失敗することもあります。脊髄麻酔や硬膜外麻酔は、信頼できる医師のいる病院で受けるようにします。

副作用が起きた場合は、軽度であっても、すぐに医師に伝えることが大事です。軽度の副作用が重篤化する可能性はゼロではありません。副作用は早期発見して、早期に症状を消すようにすることが大事です。

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