自分の考え方や物事を相手に分かりやすく伝えることは、思った以上に難しいことです。特にビジネスシーンにおいては、後輩に仕事の仕方を教えたり、仕事で直面する問題の経緯や要点を上司や同僚に説明したり、取引先に対してのプレゼンなど、何かと説明をする機会が多くなります。
しかしながら、このような説明が下手だと、自分の伝えたいことを相手に理解してもらうために時間も手間もかかってしまいます。また、なによりも説明が下手だと、あたかも自分が仕事をできない人間であるかのような印象を相手に与えてしまいかねません。
とすれば、仕事の効率の悪さを改善し、周囲の人に良い印象をもたらすためにも、なんとか説明下手を克服したいものですよね。そこで今回は、説明下手のデメリット、説明下手となる原因や理由、そして説明下手の克服方法・改善方法などについて、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。
説明下手のデメリット
そもそも説明が下手であっても特にデメリットが無ければ、説明下手を克服する必要も改善する必要もありません。しかしながら、説明下手に悩む人は何らかのデメリットを感じるからこそ、その克服や改善をしようとするわけです。
そこで、まずは説明下手であることのデメリットについて、ご紹介したいと思います。
話の内容や要点が分かりにくい
説明下手であることのデメリットとして、まずは話の内容や要点が分かりにくいことが挙げられるでしょう。
説明下手ということは、物事を説明する側の話し方や表現が分かりにくいということでもあります。また、そもそも話し手が説明する話の内容や要点を理解できていないために、上手く説明ができないケースもあるでしょう。
とすると、当然ですが、聞き手には話の内容や要点が理解しにくくなります。ですから、話し手が説明下手だと、話し手の意図するように情報が伝わりにくいわけです。
無駄に時間がかかってしまう
説明下手であることのデメリットとして、無駄に時間がかかってしまうことが挙げられます。
話し手が説明下手であると、前述のように聞き手には話の内容や要点が分かりにくくなります。すると、話の内容や要点を理解するために、聞き手が質問をして話し手が答えることが何度も繰り返されます。
このようにして、説明が上手であると本来かからない時間が、説明下手だと無駄に費やされてしまうのです。
仕事ができない人間という悪印象がつく
このように説明下手であると、話の内容や要点が分かりにくく、無駄に時間がかかってしまいます。となると、話し手だけでなく聞き手の仕事の効率も低下させてしまうことになります。そして、意図せず仕事の効率が低下する聞き手としては、話し手に対してイライラするなど不快か気持ちを抱きやすくなります。
そもそも仕事に必要な能力は多岐にわたり、物事を人に説明する能力が低いことと仕事ができないことはイコールではなく関係ありません。しかしながら、聞き手が抱くマイナスな感情は話し手に向けられますから、説明下手な話し手は仕事ができないといったレッテルや悪印象がついてしまうわけです。
説明下手となる原因や理由
このように説明下手であることには、いくつかのデメリットが存在します。それでは、どうして説明下手になってしまうのでしょうか?
そこで、説明下手となってしまう原因や理由について、ご紹介したいと思います。
結論が曖昧・不明確である
説明下手となる原因・理由の一つとして、説明する話の結論が曖昧だったり不明確だったりすることが挙げられます。
そもそも「説明」とは、何らかの物事や事柄について良くわかるように述べることです。ということは、説明の対象となる物事や事柄がある程度明確でなければ、説明自体が成り立たないわけです。
例えば、話し手が不勉強で話そうとしている問題の理解度が低かったり、問題の本質を把握していても自分なりの結論を導き出せていない場合には、いくら言葉を重ねて説明したところで「最終的な結論は、なに?」という状況になってしまいます。
ですから、結論が曖昧で不明確な場合には、説明が下手だと思われてしまう可能性が高いわけです。
説明すべき情報や内容が未整理である
説明下手となる原因・理由の一つに、説明すべき情報や内容が頭の中で整理できていないことも挙げられます。
これは二つのケースが考えられます。まずは、単に勉強不足・学力不足によって論理的思考力や理解力が伴わないために、物事や事柄を理解し把握することができないケースです。自分で物事や事柄を理解できていない以上、それを相手に分かりやすく説明することはできません。
また、論理的思考力や理解力に問題はなくとも、説明をしようと気持ちが先走り自分なりに物事や事柄を整理する前に話し始めることにより、途中で説明が混乱するケースです。
いずれにしても、説明すべき情報や内容が未整理だと、説明が下手だと思われる可能性が高くなります。
相手方への配慮不足
説明下手となる原因・理由の一つとして、相手方への配慮が欠けていることも挙げられるでしょう。
前述のように「説明」とは、何らかの物事や事柄について良くわかるように述べることです。とすれば、説明をするにあたっては、説明事項についての相手方が有する情報や知識のレベル、聞き手が理解しやすい言葉・表現の選択や話の流れなど、相手方・聞き手側の立場に立った配慮が必要でしょう。
例えば、聞き手が全く知らない事柄について説明するならば、結論や理由のほかにも背景となる知識にも触れるほうが分かりやすくなります。また、聞き手が話し手と同程度の情報や知識レベルならば主語を省略したりしても説明は伝わりますが、そうでなければ主語・述語・目的語などを省略した途端に説明は分かりにくくなります。
性格的な要因
説明下手となる原因・理由の一つとして、性格的や要因も挙げられるかもしれません。
例えば、内向的で人とのコミュニケーションが苦手な性格の人は、いわゆる会話力に欠け、人と話すこと自体を好みません。それゆえ、人に何かを説明しようとする際に、早く終わらせたい心理から過度に早口となったり、緊張から声がか細くなったりと、聞き手にとっては説明が聞きづらくなる傾向があります。
逆に、外向的であまりにもおしゃべり好きな性格の人は伝えたいことがありすぎて、説明の途中で別の話題に話が飛んでしまうなど、聞き手は話についていくだけでも大変でしょう。
また、性格的に真面目で融通が利かないタイプの人は、何らかの物事を説明するにあたって、自分の持っている情報を全て伝えようと説明の文章が無駄に長くなって冗長化しがちです。説明は長くなりすぎると、かえって分かりにくくなるものです。
このように説明下手となる原因・理由として、人それぞれの性格的要因の影響を否定することは難しいかもしれませんね。
説明下手の克服方法・改善方法
このように説明が下手であることには、様々な原因や理由が考えられるのですね。それでは、このような説明下手を克服・改善するには、どうすれば良いのでしょうか?
そこで、説明下手の克服法・改善法について、ご紹介したいと思います。
情報を整理して物事を理解する
説明下手を改善して克服するには、まずは説明の対象となる物事についての情報を整理して内容をしっかりと理解するように努めることが必要です。
勉強不足・学力不足によって論理的思考力や理解力が伴わないのならば、少なくとも説明の対象となる物事についてだけでも勉強して基本的なポイントは理解すべきでしょう。
また、説明をする際には、気持ちを落ち着けて事前に説明すべき事項や順番を整理しなおす必要もあります。説明時に気持ちが先走る傾向があるならば、説明事項のメモを作成して手元に置いておくのも良いかもしれません。
結論を明確にして最初に伝える
何らかの物事や事柄を説明する時には、まず最初に結論を明確に伝えるだけで、聞き手の分かりやすさが大きく異なります。それゆえ、説明下手を改善するコツの一つとして、結論を明確にして最初に伝えてしまうと良いでしょう。結論を最初に伝えた後に経緯・理由などを話すと、聞き手としてもスムーズに物事を理解できます。
いくつかの説明の型・形式を利用する
物事を上手く説明するには、いくつかの説明の形式や説明の型を利用する方法があります。このような説明の形式や型に当てはめることにより、説明者の性格等に大きな影響を受けることなく、物事や事柄を上手く説明することが可能となります。そして、そのような説明の形式・型は、主に次のようなものが挙げられます。
・5W1H(Whenいつ、Whereどこで、Who誰が、What何を、Whyなぜ、Howどのように)
・起承転結
・結論→詳細
・時系列
まとめ
いかがでしたか?説明下手のデメリット、説明下手となる原因や理由、そして説明下手の克服方法・改善方法などについて説明してみましたが、ご理解いただけたでしょうか?
たしかに、物事の説明が下手だと、自分の伝えたいことを相手に理解してもらうために時間も手間もかかってしまいますし、あたかも自分が仕事をできない人間であるかのような印象を相手に与えてしまいかねません。
ですから、仕事の効率の悪さを改善し、周囲の人に良い印象をもたらすためにも、なんとか説明下手を克服したいものですよね。本記事などを参考にして、是非とも汎用性のある説明スキルを手に入れてみてください。
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