あなたは今キャパオーバーになっていませんか。キャパオーバーと聞いてどんなことを思い浮かべますか。英語の意味をはっきりと理解してなくても、聞けばなんとなくニュアンスで分かるほど、現在社会に浸透している言葉です。
今回はそんなキャパオーバーについて説明します。今キャパオーバーになって苦しんでいる人、身近にキャパオーバーの方がいる人も、ここで原因と対処法を理解して少しでも改善の参考にしてください。
キャパオーバーとは?
キャパオーバーとは「キャパシティ(capacity)」と「オーバー(over)」の二つの言葉を掛け合わせた略語です。
キャパシティ(capacity)とは保持、受け入れ、または取り込む能力、を意味する言葉です。オーバーは(over)とは超えることです。つまりキャパオーバーとは、許容量・許容範囲を超えることを意味します。
キャパオーバーは大きく2つに分けられます。それは人間の内面的キャパオーバーと、物体のキャパオーバーです。それぞれキャパオーバーになってしまうはどんな時があるのでしょうか。
人間がキャパオーバーを起こす場合
私達がキャパオーバーになってしまうにはどんな時があるのでしょうか。身近で起こりやすい
事例をもとにいくつか紹介します。
■仕事量のキャパオーバー
社会人になりある程度経験を積んでくれば、立場や責任感も変わってきます。新人時代に比べれば仕事量が増えるのは当たり前のことですし、それだけ上司からの信頼もあるという証拠です。
しかし、時として自分一人では処理しきれないほどの仕事量を抱え込んでしまう場合があります。どうにも手が回らなくなり、キャパオーバーになってしまうのです。
■悩み事・トラブルが多すぎてキャパオーバー
人それぞれ悩みの種は違いますが、同時に複数の悩みを抱えてしまった場合、なかなかすぐに
解決できずキャパオーバーに陥ってしまいます。
■ストレスや疲れによるキャパオーバー
ご近所付き合いや人間関係、毎日の家事など日々ストレスや疲れを溜め込んでしまっている状態になってませんか。気が付かないうちに処理や解決が追い付かず、キャパオーバーになってしまうなんてこともあります。
■睡眠不足で体力の限界によるキャパオーバー
しっかりとした睡眠時間を確保することは毎日の生活をスムーズにおくるうえで、重要なことです。しかし、仕事で帰宅時間が遅くなったり、深夜までの家事、試験勉強などで睡眠時間が減ってしまう場合もあります。
睡眠時間が減ると、人間の体に様々な不調が出てきます。日中に支障が出るほどであれば、それば睡眠不足によるキャパオーバーといえるでしょう。
■勉強によるキャパオーバー
資格試験や受験のために勉強することはよくあります。しかし、焦るあまりに必要以上に頭の中に詰め込みすぎようとしたり、無理なスケジュールを立てていませんか。
人の脳には限界があります。限界を超えてしまうとキャパオーバーになってしまい、本来の力も十分に発揮できなくなります。
■食べ過ぎて胃袋がキャパオーバー
ホテルやレストランなどの食べ放題や、好きな食べ物を目の前にしたらついつい食べ過ぎて、
気分が悪くなったり、食べたものを吐いてしまったなんて経験一度はあるのではないでしょうか。それは、胃袋がキャパオーバーを起こしているサインです。
■育児によるキャパオーバー
初めての育児など、慣れないことや分からないことで悩みを抱えるお母さんはたくさんいます。子供をちゃんと育てなきゃいけない!とプレッシャーに感じている方も多いのではないでしょうか。
ご主人は仕事で帰りが遅かったりすると、手伝ってもらえなかったりして、一人で子育ての責任を抱え込んでしまいキャパオーバーになる場合もあります。
物体がキャパオーバーを起こす場合
人間がキャパオーバーを起こす場合とは違って、私たちの身近な物で起こるキャパオーバーもあります。
■満員電車
朝の通勤ラッシュ時など、電車がぎゅうぎゅう詰めになってる光景を目にする場合があると思いますが、これはキャパオーバー状態といえます。
■エレベーター
エレベーターに乗ろうとしたらブザーが鳴ってしまった、なんて経験はありませんか。これは定員以上に人が乗ってしまったことによるキャパオーバーです。
■PCやスマホのデータ量
写真やお気に入りの動画などを保存しようとしたとき、メモリー不足で保存できなくなった状態は、データ量がキャパオーバーしてるということです。
キャパオーバーになる原因
物体のキャパオーバーはの場合は、原因が明確でその場ですぐに対処しやすいものですが、私達自身の人間のキャパオーバーは、なぜ起こるのでしょうか。自分に原因があったり、周りの環境にも原因がある場合もあります。
いくつかの原因をもとに、なぜキャパオーバーになってしまうのか考えてみましょう。もしかしたら自分にも該当するものがあるのではないでしょうか。
処理スピードが遅い
キャパオーバーになる人で最も多いのが仕事場などのビジネスシーンです。原因の一つとして仕事をこなすスピードが遅いということがあります。仕事が遅いと、次にしなくてはならない事がどんどんと後回しになってしまい、周りの上司や同僚、取引先にも迷惑がかかります。
また、仕事が遅いとうことは、与えられた仕事に対して能力が足りてない・低いということに
なります。能力が低いため仕事の効率が悪く、無駄な作業を行ったりして遅くなってしまうのです。
時間の無駄遣い
仕事や家事などでキャパオーバーになる原因として時間の無駄遣いがあります。まずやらなくはならない内容に対して、どのくらいの時間配分が必要なのか、いつまでに終わらさなければいけないのか、またその優先順位はどれか、など時間を上手く計算できていないのです。
その結果、ダラダラと時間を無駄に使ってしまい終わらなくなってしまうのです。
コミュニケーション能力が低い
キャパオーバーしてしまう人はコミュニケーション能力が低い傾向にあります。悩み事を抱えている場合、友人や周りの人に相談することで早く解決した経験はありませんか。
コミュニケーション能力が低い人は、周りに相談すれば解決できるかもしれない事でも、自分一人で抱え込んでしまいキャパオーバーしてしまうのです。
分量配分ができてない、量が多すぎる
単純に抱えてる内容が多すぎる場合もあります。なぜ多いのかというと、一つは周りの環境のせいもあるでしょう。無理にあなたに任せてしまってる場合もあります。
もう一つは、自分がやれるべき分量配分や能力が理解できておらず、必要以上に抱え込んでしまう場合です。やれると思っていたのに終わらず、焦ってパニックを起こして余計に作業が
終わらない、解決できない、という感じで悪循環に陥ってしまいます。
被害者意識・被害妄想が強い
被害者意識や被害妄想が強い人は、他人の言動に過剰反応してしまいます。周りは相手を傷つけたり責めたりするつもりはないものの、本人は攻撃されたと思い込み、追い詰められてキャパオーバーを起こしてしまう場合があります。
その結果、感情がうまくコントロールできなくなってしまうのです。
自身がない・ネガティブ思考である
ネガティブ思考な人は職場での少しのミスや、上司から怒られた場合など深く考え込んでしまう傾向にあります。
自分に自信がないために与えらえた仕事もうまく処理できず、キャパオーバーを起こしてしまうのです。
人手不足
忙しい会社でよくありがちな環境ですが、抱えてる仕事に対して人手が明らかに不足してしまっている状態では、処理しきれずキャパオーバーを起こしてしまいます。
優先順位を立てられない
複数の作業や問題を抱えている場合、優先順位をつけることによってスムーズに解決できたりするものです。
しかし、優先順位が立てられない人は、早く終わらせないといけない事を後回しにしてしまったりと、更に状況を悪化させてしまう傾向にあります。それではいつまでも終わらずキャパオーバーになってしまいます。
スケジュールの管理不足
優先順位と同様にスケジュールの管理をきちんと立てる事はキャパオーバーを防ぐ上で重要なことです。
いつまでに何を、今抱えている案件はどれくらいか、など明確に管理できていない人は、作業効率も悪くキャパオーバーになりがちです。
完璧主義
一見、完璧主義の人はキャパオーバーにならないように思われがちですが、完璧すぎる性格で自分を苦しめてしまう場合もあるのです。上司から責任ある仕事を引き受けた際など、必要以上に質の高いものを目指そうとします。
手を抜いたり、人に頼ったりすることが許せず、全てを完璧にこなそうとするあまりキャパオーバーになってしまうのです。
プライドが高い・負けず嫌い
プライドが高い人は自分の能力を過信してしまっている傾向にあります。
ですから「自分ならこれくらいできる」「私にしかできない」などと思い込んでしまい、周りにも頼ることが出来ず結果としてキャパオーバーになるのです。
我慢強い
我慢強い人は、少しくらい疲れていようが、作業が大変だろうがどうにか対処できてしまいます。しかし、自分の限界に気が付くのもその分遅くなってしまうため、気がついた時にはキャパオーバーを起こしてしまっている場合もあります。
キャパオーバーが招く体の不調
キャパオーバーになると強いストレスを抱えている状態になります。その状態を解消せずに、そのまま放置しているとやがて「うつ病」になる可能性があります。
うつ病は現代病ともよばれ、職場だけでなく家庭でも発症する場合があります。
うつ病の症状について
うつ病には様々な症状があります。自分はもしかしたらうつ病かもしれないと思っている人はまずはセルフチェックしてみてくだい。
- 仕事に行きたくなくなる・欠勤してしまう
- 食欲がない
- 何を食べても味が薄い、美味しく感じない
- 首や肩に痛みがある
- 頭がぼーっとする、頭痛がする
- 睡眠が浅い、熟睡できない
- 目覚めが悪い、朝から疲れている・ダルい
- 本が読めない、内容が頭に入ってこない
- 相手の話を聞いていないことがあった
- 服装やメイクが手抜きになる
- 趣味が楽しくない
ストレスの要因を知る
うつ病には必ず原因があります。そうならないためにも、まず何が原因かを理解する必要があります。うつ病になりうるいくつかの原因を環境別にあげてみました。
■職場でのストレス要因
- 担当している仕事でミスをした
- 上司に叱られた、注意を受けた
- 苦手なことを頼まれた、押し付けられた
- 思い通りにいかない、やりたいことが出来ない
- パワハラがある
- 残業が多い
■プライベートでのストレス要因
- 親や自分自身が離婚して環境が変化した
- 人前に出ないといけない
- 友達や家族、恋人と喧嘩している
- 引っ越しや親との同居
- 親しい人や家族が亡くなった
- 試験に落ちた
- ご近所トラブル
- 育児ストレス
キャパオーバーになった時の対処法
キャパオーバーになってしまった場合の対処方法をご紹介します。
今現在キャパオーバーで苦しんでる人も、解決策として参考にしてみてください。少しは楽になるかもしれません。
人に相談する
誰かに相談して話を聞いてもらうことはキャパオーバーを改善するうえでとても重要なことです。仕事でのキャパオーバーは上司や同僚に、プライベートなら家族や友人、恋人に相談しましょう。相談することで、何か解決策を提示してもらえるかもしれませんし、手伝ってくれるかもしれません。
人に頼ることは恥ずかしいことではありません。いつまでも一人で抱え込むよりは相談してスッキリさせましょう。
優先順位つけて整理する
キャパオーバーになってる時は頭の中はパニック状態です。そんな時は、一度冷静になって抱えている事の優先順位をつけましょう。
リスト化して優先順位をつける場合は、期限や重要度の高さから判断しましょう。自分一人では判断できない場合は、周りに相談してもかまいません。
人に手伝ってもらう
周りに自分がキャパオーバーしている状態であることを知ってもらうのも大切です。もしかしたら気づいてもらえてないだけかもしれません。
人に手伝ってもらうことで、負担が半減しますし、何よりも自分では浮かばなかった解決策も見えてくるかもしれません。
休息をとる、一旦距離を置く
キャパオーバーしている状態で無理にそのまま作業や仕事を継続しようとしても、悪循環です。効率が悪くなりいつまでたっても終わりません。疲れが溜まる一方です。
休むことは非常に大切なことです。怠けていることではありません。休むことで一旦頭の中をリセットできますし、何よりも距離を置くことで客観的に判断できるようになります。
しっかりと睡眠をとる
キャパオーバーしてると身体は非常に疲れている状態です。職場などですぐに睡眠をとれない環境であっても、帰宅後はしっかりと睡眠時間を確保するようにしてください。
しっかり睡眠をとれば頭もスッキリ冴えるし、気持ちも安定します。
一旦感情を開放してみる
自分の感情を我慢して一人で抱え込んでしまってませんか。そんな時は、思いっきり泣いたり、大きな声を出してみたりと感情を開放してみましょう。感情が開放されてスッキリすることで思考が冴える場合もあります。無理はいけません。
気分転換に外出する
いつまでも同じ環境に閉じこもっていても視野が狭くなるばかりです。そんな時こそ気分転換に外出してみましょう。散歩や公園、近所のカフェに行くなんてことでもいいです。
外出できない場合は窓を開けて外の空気を吸って深呼吸してみてください。外の空気を吸うことで気持ちが落ち着きます。何かいいアイディアが浮かぶかもしれません。
楽しみや目標を持って働く
生活のためだけに面白くもない事をやり続けるのはストレスです。何か一つでも楽しいことや目標があれば、やる気にもつながりますし、今まで苦痛にしか感じなかった仕事も楽しくなるかもしれません。
また、楽しみがあることで作業効率アップにもつながります。
まとめ
いかがでしょうたでしょうか。もしキャパオーバーしてしまったら、無理をしないのが一番です。一人で解決しようと抱え込むのはかえって状況を悪化させるだけかもしれません。本当につらい時こそ周りに相談してみましょう。
また、仕事などどうしても環境を変えることが難しい場合は、そのまま同じ職場で働くよりかは思い切って転職も視野に入れてみましょう。無理をして働いてうつ病になってしまうほうが大変です。環境の変化があなたを救うかもしれません。
キャパオーバーはけして劣っている人や、能力の低い人だけに起こることではありません。環境や状況によっては誰にでも当たり前に起こりうる問題です。そうなってしまった時のためにも、解決策を理解し自分一人で抱え込まないようにしましょう。
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