大学生になると、多くの人が始めるアルバイト。中には高校生でも、アルバイトをされている人もいるでしょう。アルバイトを始めるのは簡単です。基本的に履歴書を書いて応募し面接するだけですから。
とはいえ、アルバイトを始めたものの、職場の人間関係や仕事内容が自分に合わない、あるいはシフトの時間が学生生活と上手く合わない、などアルバイトを辞めたくなるケースも多々あります。そんなアルバイトを辞めたくなるときには、辞める気まずさや辞めるための手続きの面倒さから、気分も重くなりがちです。
そこで今回は、アルバイトを辞めると伝える相手やタイミング、アルバイトを辞める理由、円満に辞めるためのポイントなどについて、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。
アルバイトを辞めると伝える相手やタイミング
そもそもアルバイトを辞める際に、その意思を伝えるべき相手やタイミングについて、どのように考えていますか?
ただ自分が辞めたいからといって、誰にも告げずに出勤しなくなるのは言語道断です。そこで、まずはアルバイトを辞めると伝えるべき相手やタイミングについて、ご紹介したいと思います。
アルバイトを辞めると伝える相手
アルバイトを辞めると伝えるべき相手は、アルバイト先にもよりますが、基本的には自分が勤務する部署・場所における責任者です。
例えば、コールセンターや事務系のアルバイトなどの場合は直属の上司でアルバイトを取りまとめる社員に対して、トンカツ屋などの飲食店やコンビニなどの場合は店舗を取りまとめる店長に対して、辞める意思を伝えることになります。
アルバイトを辞めると伝えるタイミング
アルバイトを辞めると伝えるべきタイミングは、概ね1ヶ月前を目安と考えるべきでしょう。
この点、法律上では勤務先の店側や会社側に対して、退職日(退職希望日)の2週間前までに退職の意思を伝えれば良いと、民法627条に定められています。また、お店や会社の就業規則に定められているケースも多いようです。
とはいえ、アルバイトのシフト予定の多くが1ヶ月毎に組まれますから、2週間前に辞めると伝えても既にシフト予定が確定していることがほとんどでしょう。そこで、自分の希望を押し通して辞めることは、それまでお世話になった雇用側だけでなくアルバイト仲間にも迷惑をかけることになります。
ですから、アルバイトを辞めると伝える最も良いタイミングは、新たなシフト予定を組む前のタイミングであり、それが退職日の大体1ヶ月前にあたるのです。
ちなみに、退職日を給料計算上の締め日に設定すると、雇用側にとっても自分側にとっても切りが良く分かりやすいでしょう。
アルバイトを辞めると伝える手段
アルバイトを辞めると店側や会社側に伝える際には、上司や店長などに面と向かって直接口頭で伝えるのがマナーであり常識だと言えます。
たしかに、アルバイトを辞めると伝える際に、その気まずさから顔を合わせずにメールや電話で済ませたいという気持ちも理解できなくはありません。しかしながら、メールや電話で退職の意思を連絡することは、基本的にマナー違反とされますので避けるべきでしょう。社会人になると、言いにくいことも上司に報告しなければならない状況は日常茶飯事ですから、良い経験になると思って直接伝えるようにしましょう。
アルバイトを辞める理由
このようにアルバイトを辞めると伝える相手やタイミングなどを、ご理解いただけたものと思います。それでは、実際にアルバイトを辞めると伝える際に、どのような理由を伝えれば良いのでしょうか?
アルバイトを辞めると伝えると、おそらく十中八九の確率で退職理由を問われるでしょう。そこで、アルバイトを辞める理由について、ご紹介したいと思います。
辞める理由の本音と建前
アルバイトを辞めると伝えると、理由を問われないこともありますが、多くの場合は理由を問われるでしょう。
もちろん理由を問われれば、本来は辞める理由を正直に伝えることを選択すべきなのでしょう。しかしながら、やはり無用なトラブルを避けるためには、本音と建前ではありませんが、理由によっては正直に話すべきでないケースもあるわけです。
例えば、辞める理由が職場の先輩などアルバイト仲間との人間関係が上手くいかないことだったり、時給の低さや拘束時間の長さなど労働条件への不満だったり、単に他で良い条件のアルバイトが見つかった、というケースです。
このようなケースで、正直に辞める理由を伝えてしまうと、余計なトラブルを招いてしまう可能性も否定できません。ですから、本当の辞める理由が職場におけるネガティブな事情である際は、本音を隠して建前的な別の理由や言い訳を考えておき、そちらを伝えると良いでしょう。
納得せざるを得ない建前上の理由
それでは、理由を正直に話すべきでないケースで辞める理由を問われた際に、どのような理由や言い訳が建前上適切で説得力があるのでしょうか?そこで、いくつか雇用側も納得せざるを得ない建前上の理由を、ご紹介したいと思います。
学業や部活動への専念
雇用側が納得せざるを得ないアルバイトを辞める理由の一つとして、学業や部活動への専念を挙げることができます。
そもそも学生の本分は、学校での勉強や部活動です。そのため、学校の単位取得状況が厳しくなったので学業に専念したい、部活動やサークル活動で役職に就いたことで忙しくなってアルバイトの時間を捻出できなくなったなどと理由を述べられたら、お店の店長や会社の上司も何も言えないでしょう。実際に、卒業論文や研究でアルバイトをしている時間がない学生も少なくありませんから。
ですから、学業や部活動へ専念したいという理由は、アルバイトを辞める理由としては非常に説得力があるものと言えるでしょう。
就職活動やその準備
雇用側が納得せざるを得ないアルバイトを辞める理由の一つに、就職活動やその準備を挙げることもできるでしょう。
大学生も3年生や4年生になると、多くの人が就職活動やその準備として自己分析や企業研究に取り組むでしょう。近年は、企業でのインターンシップに大学1年生や2年生といった早めの段階から応募する人も増えているようです。
ですから、就職活動やその準備に追われているという理由は、それが建前であったとしてもアルバイトを辞める理由として最もらしいと言えるのです。
家族・家庭の事情
家族・家庭の事情に変化があったことも、雇用側が納得せざるを得ないアルバイトを辞める理由の一つになり得るでしょう。例えば、次のような理由です。
- 祖父(祖母)の介護で、介護をする両親を助ける必要性が発生した。
- 母親(父親)が怪我・病気をして、その面倒を見る必要性が発生した。
- 親戚のお店(会社)を手伝わなければならない。
このようにアルバイトを辞める理由の一つとして、家族・家庭事情をダシにする方法は古典的方法ではありますが効果的な方法です。もちろん、自分の家族・家庭の事情を知るような近しいアルバイト先だと難しいかもしれませんが、そうでなければ雇用側としても強く引きとめたりはできません。
ですから、家族・家庭の事情の変化という理由は、アルバイトを辞める建前上の理由として十分に信用性があるように見える理由だと言えるのです。
アルバイトを円満に辞めるためのポイント
ここまでアルバイトを辞めると伝える相手やタイミング、アルバイトを辞める理由について見てきました。これらのことを踏まえて、アルバイトを円満に辞めるには、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか?
そこで最後に、アルバイトを円満に辞めるためのポイントや注意点について、ご紹介したいと思います。
感謝や申し訳ない気持ちを表現する
前述のようにアルバイトを辞める理由は人それぞれで、もちろん本音と建前が存在するケースもあるでしょう。
しかしながら、アルバイトを辞める理由が何であれ、雇用側が働く場所と労働に対する対価である賃金・給料を提供してくれたことは紛れもない事実です。その点に対する感謝の気持ちを態度や言葉で表現することは、アルバイトを円満に辞める上で大切なポイントです。
また、自分が辞めることによって、雇用側に様々な事務処理等が発生するわけですから、申し訳ない気持ちも態度や言葉で表現できると、なお良いでしょう。
もちろん辞める理由によっては、感謝や申し訳なさなどを感じない場合もあるかもしれませんが、本音を隠して建前上は感謝や申し訳ない気持ちがあるように振る舞うことも、円満に辞める上では必要かもしれませんね。
職場の同僚への挨拶(あいさつ)
アルバイトを辞める際に、職場の人たちに一言挨拶をしておくのも、円満に辞めるポイントと言えるでしょう。
職場によっても対応は異なりますが、職場で朝礼があるケースでは最終日に挨拶を促される場合もあるでしょう。そのような挨拶の機会がなければ、仲の良いスタッフや仲間にタイミングを見計らって一言お礼や挨拶をしておきましょう。
辞める前の確認事項
アルバイトを辞める際には、次のような事項を確認しておくことも大切です。
- 職種によっては、引き継ぎ事項と引き継ぐ相手
- 出勤最終日
- 最後の給与の受け取り方(銀行振込か、手渡しか)
- 貸与されている備品の扱い(名札・制服・入館証など)
まとめ
いかがでしたか?アルバイトを辞めると伝える相手やタイミング、アルバイトを辞める理由、円満に辞めるためのポイントなどについて説明してみましたが、ご理解いただけたでしょうか?
たしかに、アルバイトを辞めるときには、辞める気まずさや辞めるための手続きの面倒さから、気分も重くなりがちです。実際にそのような理由から、雇用側に何も言わずに仕事に来なくなる、いわゆる「バックレ」は良く耳にします。
しかしながら、そのように何も言わずにアルバイトを辞めることは、雇用側だけでなくアルバイト仲間にも迷惑をかけますし、お互いに気持ちの良いことではありません。なにより、社会を構成する人として失格と言えるでしょう。
ですから、本記事なども参考にして、アルバイトを辞める際には、しっかりと直接口頭で退職の意思を伝えて円満に辞めるようにしましょう。「立つ鳥跡を濁さず」です。