就職活動をする上で必ず通らなければならないのが、履歴書やエントリーシートの作成です。そして、履歴書やエントリーシートの作成において必ず求められるのが、趣味や特技の記入です。
この点、特に趣味がないので書くことがない人もいるかもしれませんし、映画鑑賞や読書など当たり障りのないように書いておけば良いと考えている人もいるかもしれません。しかしながら、就職活動は企業側の採用担当者によって選考されていることを忘れてはいけません。そのため、一見すると選考と関係なさそうに思える履歴書やエントリーシートの「趣味」記入欄ですが、実は選考にも大きく影響していると意識すべきでしょう。
そこで今回は、履歴書やエントリーシートにおける「趣味・特技」が果たす役割、履歴書やエントリーシートにおける「趣味」の書き方と注意点などについて、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。
就職活動における「趣味・特技」が果たす役割
たしかに、一見すると履歴書やエントリーシートにある趣味欄・特技欄は、選考とは関係のないように思えます。しかしながら、企業側の人事担当者は、応募者から送られてくる数多くの履歴書やエントリーシートに目を通さなければなりません。にもかかわらず、選考と関係のない事柄の記入を求めるでしょうか?そこで、まずは履歴書やエントリーシートにおける「趣味・特技」が果たす役割について、ご紹介したいと思います。
書類選考において
多くの応募がある会社では、履歴書やエントリーシートの内容を採用担当者が評価して、面接などのステップに進む応募者を選考することになります。コストや時間的な制約がある以上、書類選考を行うことは当然のことだと言えるでしょう。
とはいえ、履歴書やエントリーシートといった書類から、応募者の能力や人柄が全てわかるはずもありません。書類選考においては、評価や判断のポイントになる情報は限られているからです。
とすれば、履歴書やエントリーシートにおける「趣味・特技」が選考とは関係ないとは考えられないでしょう。少なくとも、読書・映画鑑賞・音楽鑑賞といった当たり障りのない趣味を記入してある書類よりも、ボランティア活動やアフリカ旅行といった少し珍しい趣味が記載されている書類のほうが、採用担当者の目を引いて印象に残ることは確かです。なぜなら、それらの趣味から、多少なりとも応募者である就活生の人柄や人間性をつかむことができるからです。
ですから、履歴書やエントリーシートにおける「趣味・特技」は、応募者である就活生の人柄を知る手掛かりとして、書類選考における判断材料の一つとなっている可能性が高いわけです。
面接において
そもそも多くの企業・会社が新卒大学生を採用するのは、長期にわたり自社で活躍してくれる人材を迎え入れたいからです。つまり、即戦力としてではなく、潜在能力に期待するポテンシャル採用なわけです。そして、企業側が就活生のポテンシャルを評価する上で、重要なポイントとなる一つが就活生の人柄・人間性だと言えるでしょう。
前述のように履歴書やエントリーシートなどの書類で把握できる情報には限りがありますから、企業側は面接を実施することで就活生の人柄・人間性をより深く知ろうとします。その面接の際に、面接官は書類に記載のある情報を元に、就活生の人柄・人間性をより深く知るための質問をします。
ですから、人とは異なる趣味やユニークな趣味の記載があると、面接官にとっては就活生の人柄・人間性を把握するための良い質問材料となるのです。つまり、面接においても「趣味・特技」は、就活生の人柄・人間性を知る材料となるのです。
ちなみに、これを裏返せば、ユニークな趣味のある就活生にとっては、面接官の興味を引くことにより自分に有利なアピールポイントで自分自身を売り込むことができるわけですね。
履歴書やエントリーシートにおける「趣味」の書き方
このように履歴書やエントリーシートにおける「趣味」の役割をふまえた上で、それでは実際に履歴書やエントリーシートにおいて、どのように自分の「趣味」をアピールすれば良いのでしょうか?そこで、履歴書やエントリーシートにおける「趣味」の書き方について、ご紹介したいと思います。
「趣味」の書き方と構成
履歴書やエントリーシートにおける「趣味」の書き方・構成は、基本的に自分の趣味を一言で示した後に、その詳しい説明をする形が良いでしょう。詳しい説明では、いつ始めたのか、趣味の簡単な内容、趣味で得られた実績や資格などを簡潔に記入すると良いでしょう。
この点、よくありがちな回答例として、単に「 趣味 : 読書 」とあまりにも簡潔に記載してしまうことでしょう。このような回答が間違いとは言いませんが、「趣味・特技」も自分の人間性を知ってもらう自己紹介や自己PRの一つと考えれば、せっかくの記入スペースがもったいないと言えるのではないでしょうか。
「趣味」の具体的な例文
記入スペースによって調整が必要となりますが、基本的には以下のように書けば問題ありません。
・旅行(まとまった休暇には、アジアやアフリカの国々に行きます。通算すると20ヶ国以上の国々を訪れています。)
・野球(小1から高3まで12年。大学では野球サークルに所属。今後も草野球を続けていきたいと思っています。)
・英会話(外国の人と話すことが楽しくてたまりません。英検1級。大学2年次に1年間の留学経験あり。)
書くべき「趣味」の選択方法
とりたてて「趣味」と呼べるようなものが無いと悩む人もいるかもしれません。そのような場合は、次のような手順で書くべき「趣味」を選択していきましょう。
・趣味や興味があって少しでも経験した事柄を紙に書き出す。
・志望企業や志望業界で必要になる能力やスキルを把握する。
・志望企業で求められる能力やスキルと関係のありそうな趣味を選ぶ。
・採用担当者や面接官の目を意識して、具体的に記入。
ちなみに、履歴書やエントリーシートにおいて「趣味」を記入するスペースは、それほど大きくはありませんから、趣味を複数有している人は志望企業や志望業界によって使い分けても良いかもしれませんね。
書きやすく好印象を与えやすい「趣味」
選考を意識するならば、読書・映画鑑賞・音楽鑑賞といった当たり障りのない趣味よりも、企業の採用担当者に好印象を与える「趣味」を記入したほうが良いでしょう。
例えば、PCスキルやプログラミングなどの趣味はIT系職種の業務内容に関わりますし、英語・中国語などの外国語会話などの趣味もグローバルなコミュニケーション能力として仕事に直結します。
また、サッカー・野球・スキーなどのスポーツ関係の趣味で活動的な人柄や行動力をイメージさせるので、営業職を志望する場合には良い印象につながるかもしれません。
履歴書やエントリーシートにおける「趣味」の注意点
このように履歴書やエントリーシートにおける「趣味」の書き方について説明してみましたが、中には書くことを避けるべき趣味もあります。そこで、履歴書やエントリーシートにおける「趣味」について注意すべきポイントについて、ご紹介したいと思います。
大前提として嘘はダメ
履歴書やエントリーシートにおける「趣味」を書くにあたって、大前提として嘘を書くことは避ける必要があります。
というのも、上手く書類選考を通過したとしても、面接において面接官から趣味について深く掘り下げる質問があると、たいていの場合は嘘だということが分かってしまうからです。嘘を書いていたとなると、当然ですが評価も大きく下がってしまうでしょう。
ギャンブル系の趣味
パチンコ・パチスロ・競馬といったギャンブルが趣味の人は、それを書くことを避けたほうが良いかもしれません。
もちろん法律に反しない範囲で、これらのギャンブルをすること自体は悪いわけではありません。中には、ただ単に賭け事が好きだというのではなく、パチンコで勝つために確率論の勉強をするなど真摯に取り組んでいたり、純粋に走る馬の姿が好きだという人もいるでしょう。
しかし、やはり就職活動という場面を考えると、ギャンブルに関わる目的がどうであれ、書くことは避けたほうが良いでしょう。その理由は、ギャンブルの一般的なイメージが悪く、しかも賭け事という性質から就活生の堅実性や計画性といった資質が疑われかねないからです。
政治・宗教といった個人の価値観に関わる趣味
政治・宗教といった個人の価値観に関わる趣味も、書くことを避けたほうが良いでしょう。
中には学生時代から政治活動や宗教活動に携わる人もいるかもしれません。そして、特定の政党や宗教で、ボランティア活動などをすることが好きな人もいるでしょう。
もちろん思想信条で差別されてはならないことは憲法で保障されています。しかし、採用する企業側の担当者としては、特定の思想信条や宗教に偏った物の見方をする可能性がある人に対して、良い印象は持ちづらいものです。
いわゆるオタク的な趣味
アニメ・漫画・ゲーム・アイドルなどといった、いわゆるオタク的な趣味も書くことを避けたほうが良い部類に入るかもしれません。
もちろんアニメや漫画などのサブカルチャーは、「クール・ジャパン」戦略として政府が外国に情報発信していますから、いわば国のお墨付きを得た文化です。
しかし、面接官となる一定以上の年齢層では、このようなサブカルチャーに対して良いイメージを持たない人も未だ多いのが現実です。とすれば、就職活動では人が人を選考する以上、相手側の視点も意識しなければなりませんので、書くべきではないとなるわけです。
まとめ
いかがでしたか?履歴書やエントリーシートにおける「趣味・特技」が果たす役割、履歴書やエントリーシートにおける「趣味」の書き方と注意点などについて説明してみましたが、ご理解いただけたでしょうか?
履歴書やエントリーシートにおける「趣味」記入欄は、一見すると選考には直接関係なささそうにも思えます。しかしながら、就職活動において新卒大学生を採用するということはポテンシャル採用であり、そのポテンシャルを評価する上で大きなウェイトを占めるのが就活生の人柄・人間性です。そして、就活生の人柄・人間性を把握する上で、「趣味」は非常に良い手掛かりとなるのです。
ですから、履歴書やエントリーシートにおける「趣味」についても、自己PRや長所・短所といった項目と同様に、しっかりと相手側の視点を意識して書くようにしましょう。
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