キズパワーパッドを使用している時や、剥がしたときに傷口に膿が溜まっていたりすることがあると思います。
また、貼り替えの時期や、効果的な治療を行うための正しい使い方について紹介します。キズパワーパッドは湿潤療法と呼ばれる切り傷や擦り傷などを治療する上では最も有効な治療法とも言われています。
最短で傷を治すために有効な方法を知っていきましょう。
キズパワーパッドを使う事で膿が出来る原因
キズパワーパッドは、怪我をしたときの傷痕を元の状態にまで修復し綺麗に治してくれる新しいタイプの傷口保護テープです。
ですが、使用時・使用期間中に膿ができるケースが多々あります。キズパワーパッドを使用する事で何故、膿が出来てしまうのか原因を覚えておきましょう。
適切な使用方法
傷薬や消毒液にはたくさんの種類があります。その中には、強く刺激を与える薬品であったり、傷の再生に必要なはずの細胞物質を壊したり、傷の回復速度自体を遅らせる消毒液まであります。
傷口を消毒液や消毒剤を使用して消毒してしまう事で、肉体が本来持つ再生機能や自然治癒力を低下させてしまっている為、体液などが上手く出ずに膿が出来てしまいます。膿は下手に薬物をあれこれ使用するのではなく、水道水で十分に洗い流すことが大事です。
キズパワーパッドを使用する時は消毒液や傷薬、消毒剤の使用は控える事が必要です。
細菌感染による膿
上述したような原因で、肉体が本来持つ自然治癒能力が低下する事で、抗体菌が弱体化したり死滅してしまいます。その死滅した菌の死骸から有害な毒素が発生、と同時に不快な鼻を突くような臭いを発生させます。
更に抗体菌が弱ってる所に外部から細菌が襲ってきます。抗体菌は弱ってる所を攻められるので、ひとたまりもありません。もちろん傷口を守り抜く力や抵抗する力は無く、外からやってきた細菌におもうがままに攻められ、戦いに敗れてしまいます。
勝利を得た、外からやって来た細菌が傷口で大繁殖を起こし膿が出来てしまいます。
キズパワーパッドの効果の範囲外の怪我の可能性
意外と多いのが傷口の見た目に反して痛みや違和感が大きいのに、表面的には普通に切り傷だからと言って、キズパワーパッドを貼っておくだけの人がいます。確かに傷は痛みますが、明らかに不自然に痛みや違和感を感じるようであれば、それは他の怪我や感染症状が原因と考えられます。
小さな傷口でも根深く傷が入って、大事な血管や神経を傷つけてる場合もあります。感染症も同じです。そうなるとキズパワーパッドでの治療は難しく、病院へ行き適切な治療や専門的な治療をうける必要があります。
キズパワーパッドの特徴
キズパワーパッドを使用する事で膿が出来てしまう原因がわかったところで、「キズパワーパッドの特徴」を覚えておきましょう。理解する事が適切な使用法にも繋がりますので重要になります。
傷を早く治す
キズパワーパッドは、湿潤療法を手軽に行える絆創膏になります。傷口に貼る事で肉体の持つ自然治癒力を向上させ、傷口の回復を早くし、痛みを減少させます。
また傷口の細胞活性化を行う事で傷の痕も綺麗に治り残りにくくなります。
その効果の理由は、ハイドロコロイドと言う素材を使用しているからです。ハイドロコロイド素材が普段使用させているのは、病院や専門の医療機関などで使われており、擦り傷や切り傷や外傷によるけがをした時に患部の治療、保護の為に使用してきました。それを家庭用向けのキズケア用品として商品化したものになります。
傷口を綺麗に治す
以前までは、キズは消毒をして、乾燥させて、かさぶたを作って治療するという方法(ドライヒーリングと言われています)が傷口の治療の代表的なやり方でした。
幼い頃に、上記のような方法で怪我を治したことはありませんか?そして、その方法で傷を治し、傷口が「痕」になったりした経験はありませんか?それらを解消する為に治療方法は進化しています。
現在の主流の治療方法は傷口と外空間を遮断するように覆い密閉空間を作り、その中に潤いを保つ事で、状態によっては完璧には無理ですが、キズパワーパッドを使用する事で傷口が綺麗に治る方法が主流になってきています。
痛みを和らげる
怪我をすると傷口の表面に痛みや不快感を感じさせる炎症部分や神経がむき出しになります。
キズパワーパッドは、痛みの原因となる患部を保護してキズパワーパッド自体がかさぶたの役割をしてくれます。上皮が破損する事で、体外に剥き出しになった神経がキズパワーパッドによって空気と遮断され、中に密封空間を作り、その結果、傷口が原因による痛みが和らぐ事になります。
湿潤療法
湿潤療法(モイストヒーリング療法)とは、怪我をした傷口や患部を密閉、閉塞したりすることで、傷による痛みを軽くしたり、傷口に潤いを持たせる事で傷跡も残りにくく、患部の治療の促進を促す治療法です。
これは怪我をしたときの幹部から出てくる滲出液と言う体液を保持し、そうすることで滲出液の中に含まれている細胞物質の働きを尊信し、人体が本来持つ、自然の治癒能力を引き出すことのできる治療法です。湿潤療法とはモイストヒーリングとも呼ばれています。
浸出液と膿について
一見、同じように見える膿と体液ですが、その効果はまったく別のものです。その詳細を覚えていきましょう。
浸出液
浸出液と言う言葉を聞いた事がありますか?浸出液とは傷や傷口の欠損箇所や表面部分からジュワジュワと滲み出てくる体液のことで、滲出液と言います。このジュワジュワとした体液がたくさん出てくることは、傷口を治療する上で「良い事」なのでしょうか?それとも「ダメな事」なのでしょうか?
浸出液が大量に滲み出る時は、細菌に感染し、化膿していると思われるケースが多々あります。たしかにジュワジュワしていると患部の傷が治りにくく、ガーゼやティッシュで浸出液を取り除き、早めに乾燥させてカサブタを作り治す。というのが少し前までの治療法です。ところが、浸出液と言う体液にか傷の治療に欠かせない大事な物質が大量に含まれているのです。
浸出液にはたくさんの種類のサイトカインや細胞物質、成長因子などがあり、患部の治療レベルに合わせて、表皮細胞や血小板や線維芽細胞などの細胞が順番に増殖したり遊走するのに大事な役割をしています。
更に浸出液の中には白血球や他の免疫細胞などが含まれており、それらの免疫細胞が傷口を感染から守ってくれています。浸出液が傷口から出てくる事で患部の湿潤環境がキープされて、傷の回復に必要な細胞が活発に活動する事が出来る為、傷口の回復が早まります。ですので、浸出液は、傷を治したり、治す為の時間を早めたりと、傷の治療において大事な体液になります。
浸出液と膿の違い
浸出液と膿はパッと見た時に「ジワジワ」としていて同じように見えますが、浸出液と膿は似て非なるものです。膿とは、感染症を起こすきっかけになった菌と、それをやっつけようとしてきた大量の白血球の死骸などが混じったものです。この中では菌が多く繁殖していて、細菌から出る有害な毒素の物質も含まれています。その為、膿は水などで洗い流し、全て取り除く事が必要です。
浸出液と膿を見分ける事が必要になってきますので、見分け方を覚えましょう。
■浸出液
サラサラとした体液で何も混じってないと透明。
血が混ざり少し赤くなることもあります。
若干臭います。ただ膿ほどは臭くなく、鼻を突くような腐敗臭もありません。
滲出液と言われるように「ジワジワ~」とにじみ出てきます。
■膿
若干の粘度があり、ドロドロッとしています。
色は白っぽかったり、黄色から濃い黄色っぽいのが特徴的です。
鼻を突くような、不快な臭さがあるのですぐにわかります。
患部が熱くなったり痒くなったりと感染兆候が見られます。
上記の方法で見分ける事で、浸出液は治療に使い、膿は取り除きましょう。知らずに浸出液を取り除いてしまうと、それだけ傷の治りも遅くなってしまいます。
自然治癒能力
人間の肉体は本当によく出来ています。怪我をしたときに、人体の持つ本来の能力だけで治療をしようとする自然治癒能力があるからです。
昔は自然治癒能力のおかげで「唾を付けとけば治る!」なんて言葉も定着していたほどに、高い回復力を人の体は持っています。ですが、肉体からは年を取るごとに減っていく細胞や筋肉の衰え、精神もやせ細っていきます。言わば、元々持っていた機能が衰えて行くのです。「前は傷の治りが早かったのに、最近は怪我すると治るのに時間がかかる」なども、肉体の衰えによるものです。
そうやって減っていった細胞や回復力を、自己の知識や経験でフォローしてあげる事で、本来持っていた機能とまでは言わずも、それに近い状態まで戻してあげましょう。不足した回復力を適切な知識や経験、キズケア用品(ここで言うキズパワーパッド)などで補ってあげましょう。ちょっとした怪我でも気になったりしますし、不快感を与えます。知らず知らずのうちに衰えた肉体の治癒力では時間がかかってしまう事もありますし、下手したら免疫物質が負けて感染症を起こす事も。細胞を増やす事は難しいですが、補う事は出来ます。
そうすることで、自身の体と上手に付き合っていく事も大事な事です。
キズパワーパットの正しい使い方
キズパワーパッドを使用した正しい傷の治療方法について紹介します。どのように使用すればキレイに傷を治療することが出来るのかについて見ていきましょう。
まずは傷口の洗浄
キズパワーパッドには既に傷口側に消毒を行うための成分が含まれています。
ですので、今までの治療法のように消毒液を使用して傷口を殺菌する必要はありません。流水で患部の表面の汚れなどをキレイに洗い流して血なども拭き取るだけで構いません。
止血
出血が多い場合はまずは止血を優先して行っていきます。清潔なティッシュやタオルなどを使用して軽く押さえて、出血部位を心臓よりも高い位置に保持して出血を抑えていきましょう。
キズパワーパッドが剥がれないように、軟膏、クリーム、汗の油分などはしっかり拭き取ってください。
貼る前にシートを温める
キズパワーパッドの商品ページでも紹介されていますが、貼る前に手のひらで包んで1分間ほどシートを温めることが推奨されています。
そうすることで粘着面の成分が温まって、効果が高まるとともに粘着力が高まります。
貼る
しっかり傷口全体を覆うようにシートを貼っていきましょう。傷口が乾燥しないように密閉して貼ることで滲出液が乾かないようにして、その滲出液のお陰で治療が進みやすくなります。
キズパワーパッドは体液を吸って、中央が白く膨らんで来ます。これは、保湿効果を更に高めるもので柔らかく膨らんだ患部部分はクッションの働きもあります。
このように白く傷口部分がふくらんでいることはしっかり成分が働いて、治癒力を高めている段階なのでそのままの状態でいいでしょう。
新しいものに貼り替える
次のものに貼り替える分については「剥がれそうになったら」「汚れてきたら」「傷口から出る滲出液が漏れ出してきたら」という事が指標になります。
このサインが確認できたら、新しいものに貼り替えたほうが良いでしょう。キズパワーパットは乾燥させて治療する方法とは逆の治療法なので、外気になるべく触れさせないようにしなくてはいけません。
もったいない精神で、貼り替えのタイミングが出ているのに放置してしまうと、治癒効果が低下します。傷口の大きさや傷の深さなどにもよりますし、患部が指先など特に使う部位なのかどうかなどで、貼り替えの時期は1~4日程度と異なります。
しっかりとサインを確認していきましょう。
怪我の状態を確認する
貼り替えのタイミングで怪我の状態を確認していきます。キズパワーパッドを使用していると傷がじゅくじゅくしている場合は滲出液がたくさん出てくるので、その液を吸ってシートが白く膨らむようになるのですが、傷がほとんど塞がってしまうと滲出液が出てこなくなるので白い色に変化しなくなります。
これがほとんど完治しているサインになります。患部の状態を確認してキズパワーパッドがまだ必要かどうかを確認してください。
色素沈着を予防する
傷の治癒が完全に出来ていない状態で直射日光を浴びると、紫外線の影響で色素沈着が発生し変色してしまう可能性があります。
暫くの間はキズパワーパッドを継続して使用するか、包帯、ガーゼ、テーピングなどで保護して紫外線を予防していきましょう。
注意点
キズパワーパッドや絆創膏などを使用して2週間以上回復が確認できない傷に関しては皮膚科や形成外科などに行って治療を行うようにしましょう。
糖尿病や血行障害、白血病などを抱えている患者の方も小さな傷口から感染症に繋がり、思いもよらない病気に繋がってしまう可能性もあります。深部にまで達している事が確認される傷はしっかり医師の治療を受けることをおすすめします。
キズパワーパッドが有効な怪我
最後にキズパワーパッドが有効な怪我について一覧で紹介します。以下の通りです。
- 軽い擦り傷、切り傷
- 靴ずれ
- さかむけ
- 軽症のやけど
痛みや、見た目の症状的にも軽度の症状のみに有効な治療道具になります。正しく利用してしっかり傷を治していきましょう。
まとめ
キズパワーパッドを使用する事で膿ができる原因は、適切な使用方法や感染症、またはキズパワーパッドでは治療が困難な傷が原因と考えられます。キッパワーパッドには様々な効果があります。治療を早くしてくれたり、細胞の活性化、それにより傷跡が残らず綺麗に治療出来たりと。それらの特徴をよく理解する事で適切な使用を行い、感染症などから傷を守りましょう。
浸出液と膿は見た目が似ていることから同じように処置されるケースがありますが、似て非なる物と言う事を理解しておくことが大事です。浸出液は無意味に取り除いたりせずに、逆に膿の場合は水などで十分に洗い流し全て取り除きましょう。そうする事でキズパワーパッドの効果も本来の効果で傷を癒し、治療してくれます。
これらの医療品などに対しての知識を蓄える事で、肉体の本来持つ自然治癒能力と上手に付き合い、効果的でスムーズな傷の回復を目指しましょう。
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