完璧主義は悪いことのように思われません。私から見るととても羨ましいです。しかし、完璧主義者であるが故に、うつ症状になることが多く、自分自身もつらい思いをしないといけません。
完璧主義の人は理想を追い求めるあまり、体力的にも精神的にもつらいことが多くあります。ですから、少し妥協をして自分の精神をゆったりとした気持ちに持って行くことが必要です。
完璧主義について詳しく調べて記事にしました。
完璧主義について
完璧主義の人たちについて、いろいろ見ていきたいと思います。完璧主義者たちは、本当に異常者なのでしょうか?
完璧主義の経営者たち
完璧主義者とは一切の妥協を嫌い、完全に仕事をこなします。経営者たちの中には完璧主義者が多くみられます。
しかし、この完璧主義が経営の命取りになることもあります。中途半端な経営者と、完璧主義者の経営者とでは中途半端な経営者のほうが結果を出します。
アップル創業者の故スティーブ・ジョブ氏は完璧主義がゆえに家具が選べなくて自分の部屋にはほとんど家具がなかったそうです。
完璧主義者がなぜ悪いのか?
完璧主義は悪いことではないのですが、ある程度の妥協が人間社会には必要とされています。ですから、このような性格を治すことで人間関係もうまくいくようになります。
仕事がちゃらんぽらんな人より、完璧主義の人の方が、仕事を任せる側から見ればよいに決まっていますが、完璧主義が抱える心の心理状態は決してよいものではありません。
完璧主義とは心理学において過度に高い目標設定をして、万全を来すため努力し、自分に厳しい自己評価を課し、他人からの評価をとても気にする性格とあります。
完璧主義者の人は自己批判をしすぎて自殺の危険因子にもなります。完璧主義者は大局的にみると生産性が落ち、局部の完成度にこだわりすぎます。
また、自己嫌悪に陥る人が多く摂食障害や脅迫障害を誘発する人が多くいます。
完璧主義には3つのタイプがあります。
心理学者は完璧主義の3つのタイプを分類しています。
自己指向型
要求する水準やレベルが自分自身に対して非常に高く、自分に対して基準を設けそれに向かって努力を続ける人で、自己規制が厳しくストイック(自分に厳しく欲望に流されない)な生活を送りやすい人です。
完璧であろうと努力し向社会的な性質を持ち合わせ、親和的なユーモアを好むタイプで社会規範や他者に対する期待を持ち合わせています。
社会規定型
社会規定型の完全主義者の人は、自分の完璧さが必要であり貢献していると固く信じているタイプの人で、常に自分自身を完璧な世界において努力を重ねています。
欠点のない人間になろうと努力し、自虐的なジョークを飛ばす自尊心や自己愛が低く劣等感を持っています。ポジティブな反応にうまく対処できず、反社会的で無感情になります。
歌舞伎の世界に生きる人たちの中にはこのような人が多いかもしれません。
他者指向型
他者指向型は自己指向型や、社会規定型とは全くかけ離れた性質の持ち主で、他人を見下し他人に対して厳しい視線を向けます。
自分以上に他者に完璧さを要求し、その通りに行かない場合は叱責や怒号を飛ばします。このタイプの人はナルシズムの人の自己陶酔型の人が多いです。
他者を犠牲にする攻撃的なユーモアを好み、他者や社会規範をないがしろにする傾向があります。
完璧主義の原因
完璧主義の原因には条件的な愛というか、自分のエゴの押しつけしか示さない両親の保護の元で育った場合にこのような気質の人が出てくることがしられています。
例えば、何かよくできた場合のみ褒めて、何かができないと愛さないという親の元で育つと子供は自分が何かができるかどうかということを異常に過敏な性格になっていきます。
子育てにおいては子供が努力していることに対して、親が愛情をもって接し、結果が出なくても愛情を示し続けることが大切なのです。
完璧主義者の特徴
完璧主義者でもいろいろなタイプがあるので、一概に特徴といってもその人により違いがありますが、主な特徴を見てみました。
自意識過剰で責任感が強い
完璧主義は、責任感が強くて自意識過剰な人がなりやすいです。責任感と自意識過剰が合わさったときに完璧主義になります。
どちらか片方だけなら、妥協することはできますが、周りからのプレッシャーや結果を過度に意識する自意識過剰な性格が災いして、責任感の強さから妥協を許すことができません。
結果がすべて
完璧主義者の特徴は結果が全てであるということです。例えば、完璧主義者の人が部下を持っていたとします。しかし、部下がどのようなよい仕事をしても、結果を出さなければ褒めることができません。
結果を出す社員になるためには、いくつかの失敗を積み重ねて、それを乗り越えて成長できるのであって上司がどれだけ部下の手助けをしてあげられるかで、「褒める」「叱る」を効果的に使って初めて部下は成長します。
常に理想を追い続けている
ストイックな生活に陥りやすく、理想を追い続け毎日成長している自分が好きなのです。自分が頑張り成長できたというところまでもっていかないと満足できません。
また、予定が空いてる時間がないほど詰まっていることに充実感を感じています。
小さなミスでも直そうとする
完璧主義者はマニュアル通りいかない場合、たとえ些細な失敗であっても、小さなミスや間違いも修正されます。
これは、本人にとっては大問題で、マニュアルや取扱説明書が大好きです。
自分の意見を曲げない
完璧主義者の典型的な特徴に、自分の意見を絶対に曲げないで、自分の恩師や上司から警告を受けたとしても、自分の持つ考えや知識に絶対の自信をもって、自説の意見を曲げることはなく、自ら進める意見や考えが一番優れているという思考で固まっています。
大枠よりデティールにこだわる
どのようなことにおいても、部分的なことにこだわって、全体像が見えなくなる傾向にあります。物事の外見やアウトラインを客観的に見ることができません。
本人はそのことにあまり違和感を感じていませんが、部分的にこだわるあまり全体像が見えなくなっています。
いつも忙しい
完璧主義者の人は絶えず何かをやっています。その中身を見ていると時間の無駄と思えるものもあります。
一つのことに時間をかけすぎて生産性の悪い仕事の遂行をやっているので、いつも忙しいと言っています。
意見の違いで相手とぶつかる
完璧主義者の人は自分の意見が絶対に正しいと思っているので、他者の意見と違う場合徹底的に意見を曲げず相手とぶつかることが多いのです。
自分の意見が間違いであるということは誰しも思いたくありません。しかし、間違いに気がつくことも世の中を渡る上で非常に大切です。自分の意見を絶対に曲げないので、意見の違いでぶつかることが多いです。
他人の悪いところに目が行く
完璧主義者は他人の欠点や短所、悪いところを探すのが得意で、相手の欠点をついて自分が相手より優秀だと見せびらかす心理からきています。
相手と面と向かって相手のあら捜しを行う人は完璧主義の素質を持っています。他人の悪いところを見つけるのではなく、良いところを見つけるポジティブシンキングになりたいですね。
失敗を恐れる
完璧主義者は失敗を非常に恐れます。自分のすることに間違いがない、みんなから注目を集めている、失敗したら自分の居場所も存在価値も無くなるという思考に支配されています。
小さなミスや失敗も彼らにとって絶対犯してはならない行為なのです。
完璧主義を改善する方法
完璧主義を改善する方法は性格を治すことです。自意識過剰な人は自分勝手に振るまい、責任感の強い人は断ることをよしとして、逆の性格を演じることです。
友だちや職場の同僚は協力し合うために存在するということを認識し、自分でできる範囲の量を超える前に助けを求めることです。
そうすることで、気持ちも楽になりプレッシャーに押しつぶされることもなくなります。
仕事に優先度をつける
完璧主義の人は、仕事に優先順位をつけることができないので、明日でもよい仕事を今日やっているため、残業をしている人が多いです。
仕事にはすぐやらなければならない仕事と、明日でもよい仕事があります。その、優先度をつけることが完璧主義の人にはできません。
今やる仕事をしっかりと認識することが大切で、仕事を後回しにする考え方も、完璧主義を克服する方法です。
完璧にこなしているのに評価されないことを知る
完璧主義の人は仕事を完璧にするあまり時間内に終わらないことがあります。時間内に終わらなければ、部署全体のスピードが下がり、大勢の人に迷惑をかけることになります。
完璧主義の人は、それでも、完全にできたと自己満足し客観的に見ることができなくなっています。
自分を客観的に見る方法は周りの人に聞くことです。
自己愛を緩める
完璧主義の人は完璧にこなした自分は偉い、頑張った自分を褒め称えます。このように自分に酔っているため妥協をすることが難しく、妥協すると自分を否定したことになるので妥協できないのです。
これは、幼少期の環境から来るもので、98点テストでとっても褒められず、100点取ると褒めてもらえたような環境で育つと完璧主義の人になります。
予定通りに終わらない100点の仕事をするよりも、98点で予定通り終わる仕事の方が評価されることを認識することで完璧主義の人の克服ができます。
理想を追求しすぎない
完璧主義の人は理想が高く、歴史上の偉人や天才などの名言が好きな人が多いです。それを自分の目標として追いついていこうとします。
目標が高く向上心があるのはよいのですが、身体を壊しては元も子もありません。尊敬できる先輩や上司を目標にして、頑張りすぎて身体を壊す人もいます。
完璧に仕事をこなして上司や先輩に褒めてもらいたい、早く出世をしたいなど、はやる気持ちを抑えて、自分のペースでゆっくりとマイペースで仕事をこなすこともよいのではないでしょうか?
完璧主義の人は妥協することを覚える
完璧主義の性格は、悪いことではありませんが、度が過ぎた完璧主義は克服する方がよいでしょう。妥協を覚えることで肉体的・精神的にプレッシャーを感じうつ症状などを引き起こすこともないです。
人間関係を良好に保つためには妥協が大切で、妥協することができると時間に余裕ができて、考え方も柔軟になってきます。完璧主義を克服するだけで周囲の環境がよくなり、今以上に職場環境がよくなることができます。
人によって習熟度もやり方も異なるものとして受け入れることができれば、ストレスを抱え込むことはなくなります。
完璧主義者の治療
自分の親や条件的愛情しか示さない場合、心理的・物理的に親の影響から遠ざかることも一つの方法です。
専門家の治療を受ける
親がそうでもないのに自分が完璧主義症候群の症状が出ている場合は認知療法を受けることがよいですが、専門家の治療を受けなくても、認知療法のエッセンスを記した書物などを読んで実行するだけでもかなりの効果が出てきます。
また、心理カウンセラーに相談してみるのも一つの方法です。
認知療法の行っている方法はモノの考え方の癖や、見え方を変えることで違ってきます。完璧主義の人は、外部的な行為や条件ばかりに意識が行き、自分の思考の流れや思考形態に意識が向いてない人が多いです。
認知療法では自分自身でものの見方や考え方を変えるノウハウが提供されているので大体の人は変えることができます。
しかし、本当に完璧主義者は性格を直さないといけないのでしょうか?
完璧主義者は本当に治療をする必要ある?
完璧主義者のやる気管理術は、完璧主義者の多くはもの作りや、芸術関係、研究職を目ざす職人気質の人が多いそうです。
完璧主義者が職業を間違えなければ、自分の心理状態も、ストレスを抱え込まなくて済むのではないでしょうか?
例えば、ミケランジェロが彫刻を作るときに、少しここ失敗したけど「マ・いいか」とは言わないですよね。また、この薬少し実験データーと違っているけど「マ・いいか」というでしょうか?
また、税務などの数字を扱う人、お金を扱う人は間違ったけど「マ・いいか」とはいわないです。完璧主義者の理想の職場を見つけることの方が大事なような気がします。
完璧主義の人は他人の評価を気にしすぎるといいますが、「いいものを創りたい」「もっといい仕事をしたい」「納得いくまでやり遂げたい」という人たちが多いのです。
完璧主義者のメリット
完璧主義者のデメリットについて多く語られてきましたが、完璧主義者にはとても良いメリットがあります。
細かく丁寧な作業が得意
完璧主義者は人の気が付かないところに気が付き、丁寧に作業を進めます。注意深くて慎重なところを利用して、会計士や税理士のような数字を扱う仕事は完璧主義者に向いているので、職業を間違えなければ、転職と言えるでしょう。
また、美術工芸などの職人さんにはこのような性格が必要です。
緊張と責任感を持って仕事をする
ミスや失敗を避ける意識が強いので、緊張感をもって仕事を行い、責任をもって最後までやり遂げようとして「さぼらない」「だらけない」という特徴があり、緊張感と責任をもって仕事にあたります。
分析力や論理的思考が得意
完璧主義者は、複雑な仕事でも要素や成分を細かく分けて把握する力に優れています。問題解決のため具体的な道筋を立てて考える力も優れていて、優れた分析力と高度な論理的思考を、ミスや失敗があってはいけないという心理から持ち合わせています。
重要な場面で集中力が優れている
「必ず成功させ最後までやり遂げる」という思考が高い集中力を発揮します。ほかの人に比べて大事な場面で成功率が高い傾向があります。
質の高い結果を出しやすい
向上心にあふれた努力家でできるだけ無駄を省き効率的効果的に仕事を進めようとします。完全な仕事を目指すため質の高い結果を出しやすいです。
大きな仕事を任されやすい
性格上まじめで努力家であるため優れた結果を出しやすく、上司が考える以上の結果を出すことがあります。
小さな実績と信頼が積み重なることで、大きな仕事を任されやすい傾向で、昇進昇格もほかの社員より早いことが多いです。
周囲から信頼されやすい
きちんと細かく丁寧に仕事を進め、結果の質も高いため周囲から信頼されやすく、時には社会人の手本として「すごい人だ」「素晴らしい人だ」「あの人に任せれば大丈夫」と尊敬されることも多いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?完璧主義者はかなり特異体質のように思われているようですが、ちゃらんぽらんな私から見ると、うらやましい素質を持っていると思います。
ですから、完璧主義者のメリットも調べておきました。完璧主義者は誰にでもできる性格ではないと思います。
何かできない人間が完璧主義者を批判しているように私には感じられます。いろいろな人間がいてこの世の中成り立っています。
完璧主義者自身が重荷に感じているのであれば直せばよいですが、もし、重荷に感じていないのであれば、自分の良いところを生かしてつなげていってほしいと思います。
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