「コンチクショウ!人をバカにしやがって!」と、イラッとすることがありますよね。学校や会社や趣味のサークルなど、どのコミュニティにも「人をバカにする」人がいます。人を見下して心を傷つけるようなことを平気で言ったり、鼻先で笑ったりします。
人をバカにする人は、劣等感やトラウマを抱えているかわいそうな人です。無意識に「自分を護りたい」「人より優位に立ちたい」という欲求を強く持っています。
人をバカにする人の心理や性格の特徴とその対処法についてお伝えしますね。
人をバカにするのは、かわいそうな人?
人を馬鹿にする人は、心理的コンプレックスやトラウマを抱えています。コンプレックスやトラウマが強いと、無意識に自分が傷つかないように護ろうとします。深層心理が働いて、自分が他の人たちよりも優位に立つために相手を馬鹿にして貶(おとし)めます。人を馬鹿にする人の心理は劣等感と大きく関係しています。
コンプレックスのために人をバカにする人の性格の特徴や心理的特徴は、4つあります。
①劣等感が強く、自分に自信がない
人を馬鹿にする人は自信家で傲慢に見えますが、実は強い劣等感(コンプレックス)やトラウマ(心の傷)を抱えています。劣等感を他人に知られたり心を傷つけられたりした経験があるので、これ以上傷つけられることをとても恐れています。自分に自信がないので、真正面から勝負しません。バカにして興味のない顔をしたり鼻先で笑ったりして、逃げています。
他者から認められたいという欲求が強い
劣等感が強いので、他者から認められたいという承認欲求が強くなります。自分で自分の価値を決めることができず、他者から評価されることでプライドを保ちます。社会的評価基準は他者評価になります。ですから、会社など職場で上司・先輩から評価されている間は心理状態が安定し、人をバカにしません。
自分が得意としていたこと・自分の価値を認められていたことを他の人に奪われそうになると、急に攻撃的になります。会社の同僚や後輩が自分よりも高い評価を受けると、その人の仕事にケチをつけてバカにします。その人の欠点をほじくり出してバカにします。
自分より劣っている人を攻撃目標にする
劣等感の強い人は、「自分より明らかに劣っている」「自分より明らかに下だ」と思う人間には攻撃的になります。劣等感の強い人は「なんとかして補償したい」という深層心理が強く働きます。この補償の行為が、相手をバカにしたり自慢をしたりすることです。
自分に劣等感があることで人を攻撃する
劣等感の強い人は、自分が劣っていると感じている部分で他者を攻撃しバカにします。他の人をバカにすることで、自分が優位に立とうとします。
容姿容貌に劣等感がある人は、他人の容姿容貌をバカにする
容姿容貌にコンプレックスを持っている人は、「美しくなければ人間として価値はない」と思い込んでいます。それで、他の人の容姿や容貌やファッションを細かくチェックしてバカにします。
お金にコンプレックスがある人は、経済力をバカにする
仕事・地位・経済力をバカにする人は、「お金がなければ人生は終わりだ。お金のない人間に価値はない」という偏った価値観に縛られています。お金に対してコンプレックスを持っています。他人の収入や仕事の内容や社会的地位をバカにする人は、自分自身がたいした仕事をしていないし、経済力もありません。
②優越感を感じたい
劣等感が強いのにプライドが高い人は、「優越感を感じたい」という心理が無意識に強く働きます。優越感は麻薬のようなもので、とても心地よい感情です。
他者の評価を下げて、自分が優位に立つ
プライドが高く自己評価を評価基準とする人は、他者の評価を下げることで優位に立とうとします。人をバカにしたりケチをつけたりすることで、その人の評価を下げようとします。他者をバカにすることで、自分の優秀さをアピールします。しかし、人をバカにする人は、本人の能力がそれほど高くありません。
客観的な社会的評価基準で争おうとしない
他者を下げて自分を上げて優越感を感じたい時は、能力・スキル・知識・人間的魅力などの客観的な社会的評価基準で争うより、人をバカにする方が簡単です。自己評価が基準ですから、人をバカにしたり見下したりするのは自分の意志でできます。
嫉妬心が強い
優越感を感じたくて人をバカにする人は、強い嫉妬心を持っています。「人の不幸は蜜の味」というタイプです。人の不幸や弱みを「ザマァミロ!」と喜びます。ライバルを蹴落として満足します。でも、実力で勝負するのではなく、バカにしたり嘲笑したりしておとしめます。
③人を比較してランク付けする
人をバカにする人は、自分の周囲の人たちを比較してランク付けする傾向があります。自分と比較して自分を脅かす存在だと思うと、相手に脅威を感じます。相手と自分を差別化して、自分のランクを上位に保とうとします。相手をバカにしたり見下したりして、自分の優位を護ります。
自分は他の人とは違う特別な存在であることを主張するために、人をバカにしたり見下したりします。ムダに高いプライドを満足させるために、自分とはレベルが違うことを相手に言葉や態度で示します。人をバカにして、まともに会話をしない人もいます。
④組織の中で成功できない
何らかのコンプレックスを抱えているのにプライドがムダに高い人は、社会的評価よりも自己評価が頼りです。自己評価を揺るがすような他者の存在に怯えます。自分より地位が高い人・優秀な能力のある人・高い実績のある人など、自分の属する社会の中の優秀な人たちの欠点や弱点を見つけ出して批判したり悪口を言ったりします。
批判精神が旺盛ですから、組織や上司を批判します。周りにいる自分より劣っている人に対しても、容赦なく批判したり悪口を言ったりしてバカにします。
実際に優れた能力も実力もない
批判したりバカにしたりすることで、自分の立場を周りの人たちよりも上にしてプライドを満足させます。学歴や実務能力の高さには関係がありません。周囲にいる他者を下げて自己評価を保とうとする人は、組織の中で成功できません。
人をバカにする人には、実際に優れた能力も高い実力もありません。仕事で結果を出すことができません。組織の役に立たない人間が組織の中で成功する可能性はゼロです。
因果応報
周りの人たちの悪口を言って攻撃したり批判したりすると、バカにされた人は心を傷つけられ不快な思いをします。いつも人をバカにしている人が困った状況に陥っても、だれも助けてくれません。いつも人をバカにしている人に協力する人たちはいません。
批判ばかりするチェック男やチェック女を信頼する上司はいません。悪いことをすれば、悪い報いがあります。まさに因果応報です。
他にも人をバカにする人がいる
人をバカにする人は劣等感の強い自信のないタイプばかりではありません。
完璧主義者や傲慢な自信家も人をバカにします。人をバカにする言動を親しみと勘違いしている人もいます。
①こじれた完璧主義者
完璧主義の人は、常に高い水準を求め自分にも他者にも厳しい批判的な態度をとります。完璧主義者の中でも「他者志向型完璧主義者」は、人をバカにする可能性があります。
他者志向型完璧主義者
心理学では、完璧主義者を3つに分類します。「自己志向型」「社会規定型」「他者志向型」の3タイプです。タイプによって、信念・態度・行動・動機が異なります。
自己志向型は自分に求める要求水準が極めて高く、常に完璧であろうと努力します。社会規定型は自分が完璧であることが社会(他者)にとって意味があると考え、欠点のない人間になろうと努力します。この2つのタイプは、自分自身に極めて厳しい完璧主義です。
他者志向型完璧主義者は他人に完璧を求める
他者志向型完璧主義者は、自分だけでなく他人にも完璧であることを厳しく求めます。学校でも会社など職場でも周囲の人たちに完璧を求め、「完璧にできない」とわかると見下してバカにします。厳しい批判の言葉を浴びせ、見下して嘲笑し、バカにした態度をとります。
エニアグラムタイプ1の可能性
エニアグラムとは、人間の性格を大きく9つのタイプに分ける性格分類法です。エニアグラムタイプの1は、改革する人です。理念・理想・倫理観の高い完璧主義者です。エニアグラムタイプ1の人が不健全な心理状態になると、完璧主義が過ぎて他者に批判的攻撃的になります。
他者に自己の価値観を押しつけます。人をバカにする人は、エニアグラムタイプ1の可能性があります。
②自信家で傲慢な人
自信家で傲慢な人は、人を見下したりバカにしたりするのが癖になっています。常に上から目線で人に接します。知識量の豊富な人は知識のない人をバカにします。IT関連の技術の高い人は、パソコンのスキルが低い人をバカにします。オシャレと自認している人はファッションのセンスのない人をバカにします。
バカにすることが相手のためになると思い込んでいる
自信家で傲慢なタイプの人は、「バカにすることが相手のためになる」と思い込んでいる可能性があります。何の根拠もなく、ただ上から目線でそう思い込んでいます。心を傷つける言葉やイライラさせる言い方・行動・態度で相手の欠点を指摘して、改善するように鍛えているつもりです。悪気はないので対処に困ります。
③ストレス発散
周りの人たちをバカにすることで、溜まっているストレスやフラストレーション(欲求不満)を発散する人がいます。劣等感の強い人やプライドの高い人はストレスや欲求不満が溜まりやすいので、人をバカにして鬱憤を晴らします。
相手が傷つくとスッキリする
たいていの人は、人をバカにする言動で相手を傷つけると後悔します。「あんなこと言わなければよかった」「あんな態度をとるのではなかった」と、自責の念に駆られ自己嫌悪になります。かえってストレスが生じます。でも、人をバカにしてストレス発散をする人は、後悔したり自己嫌悪になったりしません。
バカにされた相手が悔しい思いをしたり傷ついて落ち込んだりすると、バカにした人は「いい気味」と思い、気持ちがスッキリします。相手の怒りや悲しみなどのマイナスの感情を想像して、喜びます。人をバカにする人の特徴の一つは、相手をバカにして精神的に傷つけると気分がスッキリすることです。
④フレンドリーな態度と勘違い
だれとでも仲良くなりたいと思っている人は、できるだけフレンドリーで気さくな態度をとろうとします。相手の気持ちをリラックスさせようと、フランクな言葉遣いをしたりざっくばらんな言い方をしたり馴れ馴れしい態度で接したりします。このフレンドリーな態度が行き過ぎると、相手の欠点や弱点を批判してバカにする可能性があります。
このタイプの人は、意図的に「相手を貶(おとし)めてやろう」「相手を批判してへこましてやろう」などと考えていません。むしろ、相手と親しくなりたいと思っています。相手をバカにすることがフレンドリーだと勘違いしています。相手の「バカにされてイラッとした」「バカにされて傷ついた」という思いに全く気づきません。
チャラ男は知らない間に人をバカにする
チャラ男と呼ばれる男性はフレンドリーで、その場の雰囲気を楽しくしたり会話を盛り上げたりするのが得意です。でも、本当は自己中心的で、自分が楽しむことを優先します。
チャラ男たちは自分の話に熱中しているうちに、相手をバカにする可能性があります。
⑤好意を持つ相手にかまってほしい
小学校の頃、好きな女の子にイタズラしたり意地悪したりする男の子がいましたよね。女の子の注意を自分に引き付けようとして、わざと女の子をイジメます。この「ツンデレ」タイプの子供が大人になると、好意を持つ相手にかまってほしいためにバカにする言動をします。
好意を持っている相手に「自分を見てほしい」「自分をかまってほしい」という気持ちを伝えたくて、相手や相手の周りの人たちをバカにします。相手が触れられたくない弱点や欠点を攻撃して、自分に注意を向けるようにします。
子供っぽいタイプ
気になる相手をバカにして注意をひこうとするのは、子どもっぽいタイプです。バカにされた相手が怒ったり気分を害したりすると、「かまってもらった」と考えて喜びます。さらにバカにするようになります。バカにされた相手が無視すると、自分に目を向けてもらえるまでバカにし続けます。バカにする言動がエスカレートするばかりです。
人をバカにする人にはどう対処する?
人をバカにする人は学校にも職場にも趣味などのサークルにも友達の中にもいます。どのコミュニティにも人をバカにする人が必ずいます。バカにされて困っている人たちからの投稿や対処の方法に関する記事が、サイトには沢山載っています。
友人たちの集まりや趣味などのサークルならば、対処法は人をバカにする人を避けてつき合わないことです。でも、会社などの職場では、避けてばかりもいられません。人をバカにする人へは相手別の対処方法を身につけて、傷ついたり落ち込んだりしないようにします。
①かわいそうな人だと思って怒りを抑える
人をバカにする人は「自分には問題がある」と大声で言い触らしているようなものです。劣等感が強かったり優越感の毒に浸ったり、相手を傷つけてスッキリした気持ちになったり傲慢でバカにするのが癖になっていたりします。人間性に問題があり人より劣っているために、虚勢を張って自分を優秀に見せようと必死になっています。
このことを理解して、「人をバカにする人はかわいそうな人間だ」と思うようにします。相手を「コンプレックスの塊で、イライラを周囲の人たちにぶつけるしか方法を知らないのだ」と考えます。深層心理に大きな苦しみを抱えているのです。情緒未発達な子供と同じです。このように考えると、理性で怒りを抑えることができます。
②無反応で対処する
人をバカにする人は、バカにされた相手がイラついたり気持ちを落ち込ませたりするリアクションを期待しています。自分の発した悪意ある言葉や心を傷つける言い方で、相手がマイナスな感情を引き起こすと喜びます。怒りでも悲しみでも相手がマイナスな感情で反応すると、さらに「相手をバカにしたい」という気持ちがエスカレートします。
人をバカにする人への対処方法の一つは、バカにする言動を完全にスルーして反応しないことです。人をバカにする人が職場の上司・先輩・同僚や取引先の人なら、付き合いを避けたりコミュニケーションを断ったりすることはできません。でも、何を言われても平然としてにこやかに対応して、マイナスな感情の反応を示さないことはできます。
無反応は面白くない
バカにされても徹底的に無反応で対処すれば、人をバカにする人は面白くありません。初めはしつこく反応を引き出そうと攻撃を続けますが、そのうち詰まらなくなって他のターゲットに目を向けます。自分がバカにされているように感じて、離れて行く可能性もあります。人をバカにする人には、平常心を保ちマイナスの感情を表さないことをオススメします。
③相手の心理状態を意識して対応する
人をバカにする人の心理状態を意識しながら対応するようにします。人をバカにする人は、強い劣等感や高すぎるプライドのせいで優位な立場を確保しようとします。同僚や友達が攻撃されている時は、人をバカにする人に決して同調しないようにします。さりげなく話題を変えたり、所用を口実にして攻撃されている人と一緒に立ち去ったりします。
自分自身が攻撃のターゲットになっているならば、相手の心理状態をよく見て怒らせないように気を付けながら、冷静に毅然として自分の考えや気持ちを主張します。言われっぱなし・やられっぱなしにしておかないで、「私はこう考えています」「私はこのように思います」と自己主張します。
相手に「否定された」と思わせない
人をバカにする人は劣等感が強く自信がない可能性が大です。「自分が相手から否定された」と感じると、さらに気持ちが鬱屈します。自己防衛の心理が働き、ますます攻撃的になります。
人をバカにする人に「否定された」というイメージを与えないように気をつけながら、冷静に自己主張することをオススメします。「否定された」と感じさせなければ、相手との間に変な力関係が生じないで済みます。
④バカにする言葉を真面目に受け止める
人をバカにする人は、相手を貶めるために汚い言葉を遣い悪口を言います。その発言を真正面から真面目に受け止めて、「そうか、自分にはこういう短所があったのだ」「自分のこういう点が人を不快にさせるのだ」と考えます。そして、「あなたの指摘してくださった点を改善するには、どうしたらいいですか?」とアドバイスを求めます。
人をバカにする人には、深い考えがありません。相手を不快にしたり傷つけたり怒らせたりしたいだけですから、本当に相手の欠点や短所を指摘しているわけではありません。改善策など考えるのも面倒です。
前向きに対処する人は、面白くない
人をバカにする人の攻撃的な発言を「自分を向上させるための厳しい指摘」と受け止めて前向きに対処しようとすると、人をバカにする人は期待外れでつまらなくなります。
人をバカにする人は自分の発言で相手にダメージを与えたいのに、プラス思考でポジティブに反応されるのでは何にもなりません。しかも、改善方法まで相談されては煩わしいだけです。自然にバカにする言動を控えるようになります。
「その人のためになる」と考えている人とは良い関係になれる
人をバカにする人の中には、「バカにすることがその人のためになる」と考えている人がいます。上から目線の人ですが、悪気はありません。
そのタイプのバカにする人に「自分を向上させるための指摘」と考えて前向きに対応すると、「鍛える価値がある人間」と見てくれます。くれます。良好な人間関係を築く可能性があります。
まとめ 人をバカにする人は人間性に問題がある
人をバカにする人は、あらゆる汚い言葉を遣って相手にダメージを与えようとします。相手の心を傷つけ、怒りや悲しみなどマイナスの感情を引き起こして喜びます。人をバカにする人自身が、人間性に問題があります。
人をバカにする人は劣等感が強く、自分に自信がありません。実力で真正面から他者と勝負することができません。でも、プライドが高すぎるので、何とかして他の人たちより優位な立場に立とうとします。自分より弱い劣っている人を攻撃対象にしたり周りの人たちの評価を下げたりして、自分が優位に立とうとします。人をバカにして悪口を言ったり欠点・弱点を攻撃したりすることで、他者の上に立ち優越感を感じます。
他者に完璧であることを要求する完璧主義者は、完璧にできない人をバカにします。人をバカにする人は、相手を傷つけることでストレスやフラストレーションを解消します。人が傷つくと、気持ちがスッキリします。
人をバカにする人への対処方法は、無反応で完全にスルーするか、怒らせないようにしながら冷静に毅然として自己主張をするかです。人をバカにする人は相手が感情的に反応することを期待しますから、無反応や冷静な対応を嫌います。あるいは、自分を向上させるための厳しい指摘と考えて前向きに反応すると、相手を傷つけられないのでバカにするのをやめます。
人をバカにするのは人間性に問題があるかわいそうな人です。優れた能力も実力もなく、虚勢を張ってイライラを他人にぶつけることしかできません。組織社会で成功できません。そう考えると、人をバカにする人に対して怒りを抑えることができます。
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