劣等感の強い人はどんな性格?その特徴や原因、克服方法を知ろう!

劣等感の強い人は身近に1人や2人いるものです。もしくはこの文章を読んでいるあなたも、劣等感を強く感じる人の1人かもしれません。そして、どうにかしたいという気持ちがあるのかもしれませんよね。

劣等感は大なり小なり誰でも持っているものです。では、劣等感が強い人はどういった特徴や原因・理由があるのでしょうか。また、それを克服するためにはどういったことをしていけばいいのでしょうか。これらのことについてみていきましょう。

劣等感が強い人の特徴とは?

コンプレックス

劣等感が強いタイプの人は行動面や精神面に特徴があります。

それがネックとなって行動ができなくなることもありますし、落ち込みやすいということもあるでしょう。具体的には以下の特徴があります。

他人の優れた部分を見て自分と比較する

周囲の人の人は自分より優れた部分が必ずあります。仕事が早かったり、コミュニケーションの能力が高かったり。そういった部分は尊敬や憧れを持つ部分であると思います。

しかし、劣等感が強い人はそういった身の周りの人や友達の良いところを評価しつつ、自分と比較してしまいます。そして「自分はあの人より劣っている」と自己否定をし、悩みこんだり、妄想してしまうのです。例えば他の人の自慢話を真に受けて、自分を否定してしまうようなケースです。

誰しも人より劣っている・不得意な部分はありますが、それは否定されることではありません。人と違うのですから当たり前ですよね。そう受け止めるのではなく、自己否定をしてしまう。それが劣等感が強い人の特徴の1つです。

強い嫉妬心を持つことがある

周囲の人の優れた部分を尊敬しつつ、自身と比べて劣等感を感じ、自己否定をする。その心が育ってしまうと相手に対して嫉妬心を持ってしまうことがあります。つまり「あいつは何でもできるのに、どうして私はできないんだ」というような攻撃性の気持ちです。

強い劣等感は相手への嫉妬を育んでしまうのですね。これは非常に危険な心理現象・心理状態と言えるでしょう。相手の足を引っ張ってしまったり、周囲の人に迷惑をかけることもあるからです。

本来、人は互いの得意なところを伸ばし、不得意なところは補う方が関係はよくいきます。ただそうではなく、嫉妬心で相手の足を引っ張るようになってしまうと、物事はうまくいかなくなってしまいます。

自分を受け入れられない

他者と比較する生き方をしていると、自分には欠点しかないように思ってしまいます。その結果、自分自身のことが大嫌いで、受け入れることができなくなっています。アイデンティティそのものが否定的で、ネガティブなものになってしまうのです。

例えば自分の容姿にコンプレックスがある女性は、なかなか自分自身を受け入れることができません。他の人と常に比べ、自分の醜さを考えています。

これは行動の面にも現れます。欠点があると思っていると、物事に対して消極的になり、逃げ癖がついてしまうこともあります。どうせ失敗する…というようなネガティブな感情が湧き上がります。

行動がポジティブなものか、ネガティブなものかどうかは自分を受け入れられているかどうかがとても重要です。劣等感が強ければ強いほど、行動が制限され、視野が狭くなってしまうでしょう。

不幸アピールをする

周囲の人が自分に構ってくれないと、不幸アピールをするケースがあります。自分はどれだけ不幸で恵まれていないか。こういった話をして周囲にアピールすることで気を引こうとするのです。

周囲と関わりたいというのは自然な人の心の反応ですが、ネガティブな不幸アピールをされても、相手は良い感じはしないものです。しかし、本人はそのことに気づいていません。

不幸アピールが続く限り、その人の不幸は続きます。周囲から人がいなくなってもなお、その状況に気づかないこともあるでしょう。

反対に自慢話ばかりするケースも

劣等感が強い人は自分の弱い部分を見せまいとして、自慢話ばかりするケースがあります。話を誇張したり、大げさに話す。コンプレックスが原因で起こると考えられていて、これを優越コンプレックスといいます。自慢することで弱い部分を隠そうとする傾向があるのですね。劣等感が強い人はそういった側面も持っているのです。

ただ、周囲の人からすれば自慢話を聞かされてもあまりいい気持ちがするわけでもなく、不満が溜まるでしょう。また人によっては優越性のコンプレックスを見抜いてしまうかもしれませんね。

劣等感が強くなる原因とは

暴力

劣等感が強い人は共通した原因・背景があります。家庭的な問題から社会全体の問題まで。自分が意図しない部分で影響を受けてしまうこともあるのです。具体的には以下のことが挙げられます。

家庭環境で強い圧力を受けてきた

親から受ける影響や環境というものはとても大きなものです。子供時代に親からどういった教育を受けて成長するかどうか、さらに言えばどういった言葉をかけられるかでその子の性格は大きく変化します。

劣等感とは先ほども述べたように、他人と比較し自分を否定してしまう特徴がありました。つまり、親から「あの子はできるのに、なんであなたはできないの」というような比較するような言葉をかけられると、劣等感が強くなってしまうのです。

親も自分の子供が周りの子供と比べてしまうことを当たり前と考えてしまっているのかもしれません。少しでも周りの子どもより優秀に、よりできる子に育てたい。しかし、そう思う一方でその子供の可能性を小さくしていることに気づいていません。親自身もまた考え方を変える必要があるのかもしれませんね。

日本の競争文化

日本の社会では「優れた人というのは勉強ができる人」と考える節があります。努力して良い学校へ行き、良い会社へ就職する。確かにそれが良いことのように思われますが、そうではないケースもあります。

そのレールからはずれた場合、周囲からは落ちこぼれとレッテルを貼れられることがあります。周囲と比べ、できないやつ、稼げないやつと思われてしまうのですね。

ただ、実際そう思っている人は思っているほど多くありませんし、一番思っているのは他ならない自分です。勉強ができなければ他の部分を伸ばせばいいだけなのですが、なかなかその考えに至るのは難しいでしょう。

自己肯定感が低い

親からかけられる言葉や競争社会によって、自分は何もできないという気持ちが強くなるとそれは自己肯定感の低さを招きます。行動は制限され、思考はネガティブになっていくのです。競争はとても強い劣等感を生んでしまうのです。

自己肯定感とは物事に対して自分を肯定する気持ちです。自分はこのままでいいんだ、自分はありのままでいいんだというような受容の心です。反対に自己否定は自分はダメだと責めてしまうような心の状態です。

自己肯定の欠如は物事に対してネガティブな姿勢をとることがあります。自己評価が低いですから、逃げ癖がつくようになったり、否定的になったり…実生活の中でしばし問題を作ることがあります。

過去のトラウマがある

家庭の問題にしろ、競争社会にしろ、どこかでトラウマとなるような出来事がその人を覆い尽くしていることがあります。劣等感を強く感じるような経験やストレスがトラウマとして心に残っているのです。

例えば恋愛で恋人に否定されるようなことを言われた…好きな人から否定的なことを言われると、強いトラウマになってしまいますよね。そういった経験が劣等感を強くしてしまうのです。

トラウマは年齢限らず起こるものです。それが心にひっかかりを作ってしまうと、次に同じことが起きた時、動揺してしまうものです。それほどトラウマは強力でやっかいなものなのです。

劣等感を克服するために

自分を受け入れる

では、劣等感を克服するためにはどういったことをしていけばいいのでしょうか。自分の性格を直すにも等しいですから、時間がかかりますし、労力がいるでしょう。では、その克服法についてみていくことにしましょう。

自分を受け入れる・受け止める

劣等感の根本にある自己否定感を直すために、まずは自分を受け入れるということを意識してほしいと思います。受け入れるというのは良いところも悪いところも全て受け止めるということです。

人は必ずしも悪いところばかりあるわけではありません。良いところが必ずあります。しかし、劣等感が強いとその良いところが見えなくなり、悪いところに焦点を当ててしまいがちです。

そうではなく、自分の良いところを考え、それを感じること。自分にはこういう得意なところがあって、自分でそれを認める。そう語りかけてみてください。心が揺れ動いた時も、対処法としてすぐにポジティブな言葉を語りかけるようにしましょう。

人の心というのは不思議なもので、自分に語りかける言葉で性格や言動が変わります。常日頃から自分に語り抱える言葉をポジティブなものにすると、自分を受け入れることができるはずです。克服方法としてまず試してみてください。

自己評価を大切にする

自分への評価を自分でするということも大切です。劣等感が強い人は自分を過小評価してしまうことがあります。しかし、誰しも得意な分野があり、それときちんと評価してあげることが大切です。

勉強ができなくても絵が描ける人もいます。人との関わりが苦手でもITに強い人がいます。人それぞれ違いますから、自分の中で価値を認めてあげてみてください。

また、他人のいった評価をそのまま取り入れないことも大切です。たとえだれかからダメなやつといわれても、気にしないこと。相手は自分の表面しか見ていないからそういったことが言えるのです。

自分の評価を決めるのは自分です。できることもできないことも全てひっくるめて自分ですし、それを受け止めてあげられれば前に進むことができるのです。

自分を客観的に見る

劣等感が強くなり、自己否定感や嫉妬心が大きくなると、どうしても自分を見失ってしまうかもしれません。感情的になったり、人に当たってしまったりということがあるでしょう。

そういう時は一度立ち止まって、自分を客観的に見るようにしてみてください。自分がどういうことを思っていて、どんな過剰を持っているか。また、どうなりたいのかを理想を冷静に考えるのです。

客観的に自分を見てみると、様々な気づきを得ることができます。自分にはできないことがあり、また得意なこともある。できないことは悪いことではありませんし、得意なことで人より頑張ればいい。そういうことに気づくはずです。

相手を理解する

だんだん自分を受け入れられるようになってくると、心の余裕が生まれてきます。そして、心の余裕が生まれてくると、批判や自分を否定する人たちのことを理解できるようになります。

それは物を客観的に見れるようになってきたということと、自分に自信が付いてきたからです。ちょっとしたことでは動じないようになり、自己肯定感が強まります。

批判や否定というのは、往々にして理解不足によって起こります。そうならないためには、心の余裕と客観的に物事を見る冷静さが必要です。

成功者としての素養

劣等感が強いということがプラスに働くことがあります。自分に常に劣等感を感じているので、物事が起きた時、中途半端で良しとしません。完璧主義な部分や向上心が見られるのです。これは成功する上でとても大切な長所でしょう。自分をより良くするため、物事をより良くするために潜在的なエネルギーを秘めていることがあるのです。

アドラー心理学との関係

アドラー心理学という心理学の分野があります。劣等感という言葉もアドラー心理学によって考えられたのが始めだと言われています。劣等感とはどういったことなのか。アドラー心理学ではこの答えを「自分が傷つかないための行動」というようです。

劣等感を持つと、行動しない理由ができます。そして、実際に行動しなければ、何事も起こらず、自分の心は傷つくことはありません。心理的にとても楽で簡単な方法ですよね。

実はアドラー自身も劣等感の強い人だったといわれています。幼少期の体験から自身に強い劣等感を抱いていたというのです。ただ、アドラーの経験はその後、アドラー心理学として大きな影響を与えることになったのです。

劣等感と自分との向き合い方

自分と向き合う

劣等感を感じている・感じていないに限らず、自分との付き合い方はとても重要です。目の前で起こる全てのことは自分に責任があり、問題が起きたらどうにかしなければなりません。

劣等感という問題をどう処理するのか。それもまた、その人の問題であり、解決する必要があるのかもしれません。自分との付き合い方を考え直すことで、その解決のヒントがあるのです。

自分の一番の理解者は自分

劣等感を感じている自分に対して、何かしらの評価をしてしまう。その評価は自分で下したものです。たとえ周囲の人があなたのことを見下したとしても、そのことを真に受けて評価しているのは自分なのです。

つまり、他人がどう言おうと自分のことをきちんと評価していれば、心を穏やかに保つことができるのです。劣等感が強い人はしばし人の言葉を真に受けやすいですが、このことを理解する必要があります。

自分のことをわかっているのは自分であり、得意・不得意もわかっています。不得意なことで相手に否定されたとしても、凹む必要はなく、ましては劣等感を感じる必要はありません。それは仕方のないことなのです。

できないことはできなくてもいい

人はそれぞれ全く違う人であり、それぞれ得意・不得意があります。ただ、劣等感が強い人は他人と比較して、できないことばかり考えて、自分を否定してしまいます。

しかし、考えて欲しいのは全てが全てできるわけではないということ。誰しもピカソのような絵が描けるわけでもありません、モーツァルトのように音楽を作曲できるわけではありません。

自分にはできないことがあるけど、そのことと自分の価値は別のものです。自分が自分らしく生きていることにこそ価値があり、そのことを常に意識していると心がとても軽くなります。

できないことは人に任せる

1人の人が全てできるわけではありません。自分ができないと思ったことはできる人に任せる。これは仕事でもなんでも物事をうまく行かせるためのポイントだと思います。

そして、できないからといって自分を否定しないこと。できない自分を受け入れて、他のことに集中すればいいのです。必要以上に自己否定をしてしまうと、それは深く心の傷となってしまうかもしれませんね。

まとめ

劣等感が強い人は誰よりも弱い心を持っているのかもしれません。ただ、それは自分の弱さを知っていて、ある意味では伸びしろ・バネがあるとも言えます。人に助けを求められれば力を発揮するでしょう。

劣等感が強く、それを直したいと思っているのであれば、少しずつ自分を受け入れてみてください。誰しもできないことがある。それは当たり前のことです。そのことを理解することが大切です。

劣等感から解放され、自分の思うような行動ができるようになると、現実が変わり始めます。周囲の人間関係が良くなったり、仕事がうまく行き出すかもしれませんね。ぜひ、少しずつ行動していってみてくださいね。

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