血液検査でldh値を調べて判明することは?異常値や測り方を知っておこう!

健康診断や人間ドックで必ず調べられるのが血液検査です。血液検査も現代は可なり進歩して、可なりの疾患を見つける事が、できるようになりました。

血液検査で多くの事が調べられますが、その中でも血液検査ldhの数値を知ることで、色々な病気の前兆を予測できます。

生活改善をしたり、早期発見、早期治療もできますので予防医学としての第一歩となります。なぜ血液検査ldhの数値が病気を決定できるのか?血液検査ldhについて今回、見てみたいと思います。

血液検査ldhとは

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LDHは体の中の殆どの細胞に、含まれている酵素の一つです。

体の中のぶどう糖から、エネルギーに変わる働きがあり、私たちの生きていく生活活動において、無くてはならない酵素となっています。

LDHとは

私たちは生きるためには、エネルギーが必要となります。エネルギーがなければ、生きていられません。そのエネルギーはどこから、作り出されるのかと言いますと、私たちの身体はぶどう糖をエネルギーに変えて生きているのです。

エネルギーに変えられるのは、ぶどう糖しかないために、食事で取り入れた、炭水化物、砂糖、脂肪、タンパク質などは、酵素の力をかりて、ぶどう糖に分解されエネルギーに変えられています。

乳酸脱水素酵素

LDHとは乳酸脱水素酵素といわれる、酵素の一つです。この酵素は細胞の中で糖を、エネルギーに変えるときに必要になる酵素なのです。

人間の身体はぶどう糖から、必要なエネルギーに変えるのですが、その過程においてビリルビン酸を、乳酸に変換する乳酸脱水素酵素の働きがあるのです。

ですから乳酸脱水素酵素は、私たちの生きていくための生命活動に、無くてはならない酵素だ、ということがお分かりいただけます。

あらゆるところに入っています

この乳酸脱水素酵素は血液細胞をはじめ、肝臓、腎臓、心筋、肺、骨格筋など身体の殆どの細胞に存在していて、身体のどこかの臓器や組織が障害を受けると、血液中に流れ出して、LDHの数値が高くなります。

これでもお分かりのように、LDHはどこの臓器にも入っているため、LDHの数値が上がることは、病気を意味しています。

時には運動や加齢、出産などによっても、数値が高くなることはありますが、健康診断でこの数値が続くようであれば、どこかの臓器が異常をきたしてることになります。

血液検査ldhとは

血液検査ldhとは血液の中の、LDHの数値を調べる検査です。LDHの乳酸脱水素酵素の数値が高くなっていると、肝臓疾患、膵臓疾患、腎臓疾患、心疾患、肺疾患などの疾患を疑いますが、それではどの臓器の異常が、起こっているかわからないので、LDHはアイソザイムを5種類に分類しているのです。

血液検査で1種類の酵素だけが、異常に高値になったり、低値になった時に、人体が異常をきたした時の検査と乖離がある場合、酵素結合性免疫グロブリンの存在や、酵素のサブユニットの欠損が見られると判断できます。

このLDH酵素は臓器のあらゆるところに入っています。特に肝臓・腎臓・肺・心臓・骨格筋・赤血球に多く含まれるために、これらの臓器や組織が損傷を受けると、数値が高くなります。

臓器や組織の細胞が破壊されると、血液中にLDHの乳酸脱水素酵素が流れ出してくるため、LDHの数値が高くなり、障害の有無が分かるのです。

LDHの障害以外の異常値

LDHは年齢によっても変化し、妊娠後期にも上昇して、激しい運動を行った後なども、数値が上昇します。また病院によって測定方法も違うので、検査結果の比較ができない事もあります。

LDHの数字が高くなったときの病気の疑い

LDHを健康診断や人間ドックなどで調べたときに、血液検査ldhの数値が高くなった場合は、急性肝炎や肝臓がん、慢性肝炎や肝硬変、アルコール性肝炎などの肝臓の病気を疑います。

また血液病では心筋梗塞や腎不全や悪性貧血、腫瘍などの疾患を疑います。また赤血球が破壊される溶血が起こった時なども、LDHの数値が高くなります。また筋肉においては筋ジストロフィーなどの、骨格筋の病気なども疑われます。

また間質性肺炎など非常に多くの病気の時に、血液中ににLDHが漏れ出して増加しますので、まずスクリーニングとしてふるい分け、病気なのか健康なのかを、LDHにより検査利用されています。

血液検査ldhの測り方

基準値

血液検査ldhの測り方は血液を採取して、自動分析器で遠心分離して測ります。またLDHの基準値は180~370IU/l のSFBC準拠法です。その他にもUV法と、PL反応法がありますが、測定法によって異なりますので注意が必要です。

以下はUV法(JSCC勧告法)ですので、基準値については測定方法で違いがあります。ちなみにPL反応法の、基準値は成人で240~490IU/lです。

  • 1歳・・・202~437(IU/l)
  • 0ヶ月・・198~404
  • 1ヶ月・・201~405
  • 2ヶ月・・203~410
  • 3ヶ月・・205~418
  • 6ヶ月・・211~428
  • 成人・・・120~245

血液検査ldhの検査は上にも書きましたが、疾患を持っているのか、健康なのかのふるい分けに利用されています。ですから基準値より異常に高値になったり、低値になった場合は病気を疑います。

そしてLDHの値が高くなると、もう一度ldhの精密な血液検査が行われます。今度はLDHのアイソザイムによって、臓器の特定がされるようになるのです。

血液検査ldhアイソザイムについて

血液検査

血液検査のldhにはアイソザイムが、5種類に分かれていることをお話ししました。その5種類のアイソザイムについて見てみたいと思います。これはLDHの増え方で分けられます。

アイソザイム酵素

アイソザイムとは酵素の一種ですが、LDHアイソザイムとは酵素としての働きが同じでも、タンパク質分子として、アミノ酸配列が異なっているタンパク質で、タンパク質の中でも、アミノ酸配列により、体の中の細胞が違ってきます。

酵素には働きが幾つも分かれていて、1つの酵素に1つの働きのものが多く、またアイソザイムは臓器によって、含まれる酵素も違うので、血液検査ldhを調べると、どの臓器の病気かが判断つくわけです。

一口で言うとアイソザイムは、酵素としての働きは同じでも、分子構造の異なる酵素群だということが、お分かりいただけます。

ですから食べ物からも、色々な酵素を補わないといけない事も分かります。酵素は高温にかけると、壊れてしまいます。発酵食品などは酵素を補う上では、とても良い食べ物です。

酵素

酵素は体内で3000種類以上の、酵素が発見されています。その中でもLDHは体内の殆どの細胞に含まれているので、病気が分かるのです。

人間の体の中で消化、吸収、運送、代謝、排泄などの働きをするのに、必要不可欠な物質が酵素なのです。そして酵素は年齢と共に失われていきます。

その為酵素を食べ物やサプリメントから、積極的に補うことが必要となってきます。

食物酵素を多く含んでいる食べ物
  • 野菜・・・・レタス、ニンジン、キャベツ、セロリ、とまと、キュウリ、大根など
  • 果物・・・・キウイ、アボガド、バナナ、リンゴなど
  • 発酵食品・・味噌、醤油、納豆、キムチ、漬物、麹など

アイソザイムの5段階

アイソザイムにはLDH1~LDH5の5段階に分かれています。

アイソザイムのLDH1、LDH2は心筋、赤血球に多く存在し腫瘍細胞にも存在しています。またLDH4、LDH5は肝細胞や骨格筋に多く存在しています。

アイソザイム濃度が上昇すると何らかの臓器に異常をきたしているので、もう少し詳しい検査をして臓器を絞り込むことが出来ます。

★LDH1・2 心筋・・・・心筋梗塞

◇LDH1・2 赤血球・・・溶血性貧血・巨赤芽球性貧血・悪性貧血

◇LDH1・2 腫瘍細胞・・卵巣・精巣・縦隔の胚細胞性腫瘍・腎梗塞

★LDH2・・・・・・・・・筋ジストロフィー

★LDH3・・・・・・・・・大腸がん

★LDH2・3 骨格筋・・・ 多発性筋炎・慢性遊出

◇LDH2・3 リンパ球・・ 膠原病・ウイルス感染

◇LDH2・3 腫瘍細胞・・ 慢性骨髄性白血病・悪性リンパ腫・肺がん・肺梗塞・神経芽腫など

★LDH5 ・・・急性肝炎・肝臓がん(但し慢性肝炎や肝硬変では数値は余り上がらない)等

★LDH3・LDH4・LDH5が上昇すると悪性腫瘍

LDは様々な組織に存在しているので、上昇は色々な疾患や病態でみられることになります。ですから病態や由来臓器を確定するためには、LDHアイソザイム分析が必要となってきます。

血液検査ldhの異常値の場合

血液検査

血液検査でLDHが異常値を示したときに、どの様に考えればよいのでしょうか?LDHが高いときと低いときの考え方について見てみたいと思います。

血液検査ldhの高値

LDHが高くなる時は、身体の細胞が損傷を受けたときに増加します。LDHが高くなると疑われる病気には次のようなものがあります。

  • 心疾患・・・心筋梗塞・心不全など
  • 腎臓疾患・・腎不全・ネフローゼ症候群など
  • 肝臓疾患・・急性肝炎・慢性肝炎・肝臓がんなど
  • 血液疾患・・白血病・悪性リンパ腫・溶血性貧血など
  • 筋肉の破壊・進行性筋ジストロフィー・多発性筋炎・皮膚筋炎など
  • 感染症や悪性腫瘍など

これらの病気の時はLDHの血液の中での数値が高くなります。肝臓・心臓・肺・腎臓・血液・骨格筋などの病気や、悪性腫瘍などでLDHは増加します。

激しい運動

また激しい運動や、階段を駆け上った場合などの後で測ると、このLDHの数値は上昇しますので、測る前は落ち着いた状態でいる事が大切です。

出産

また妊娠後半期には急上昇して、お産前は基準値の2倍近くになったりしますので、そのことを頭に入れておかれる方が良いです。

血液検査ldhの低値

LDHが低くなる時の病気で見られるのは、糖尿病です。糖尿病は細胞内で糖の代謝に異常をきたしますので、LDHが低くなります。その他にはLDHサブユニット欠損症などがありますが、この病気は非常に稀な病気です。

血液検査ldhから解る事

肝臓がん 末期

LDHは肝臓が異常をきたしたり、悪性腫瘍になった時は、LDHの数値が高くなります。肝臓は沈黙の臓器と言われるように、中々症状を現しません。そんな時にLDHなどの数値を血液検査でしらべると分かる事があります。

転移性がん

肝臓は肺と並んで転移しやすいがんで、大腸がんや乳がん、胃がんなどから転移しやすく、転移性肝がんの初期症状は殆どでていません。

この場合肝臓・胆道の血液検査の値は、GOT,GPT,ALP,LDH,YGTPなどの上昇が見られます。また元のがんと同じような腫瘍マーカーの上昇も見られます。

悪性腫瘍

LDHが高値になった時には、アイソザイムで測定して、臓器を特定します。と同時にAST(GOT)を測定して、LDH/ASTの比をみて、高値の場合(10~25)悪性腫瘍や溶血性疾患を疑うことができます。

癌関連ガラクトース転移酵素(GAT)腫瘍マーカー血液検査結果が、適正範囲より大きく離れているときは、疾患の可能性がありますので、医療機関で精密検査など受けるようにして、医師の診断を仰ぐようにしてください。

★腫瘍マーカーとは血液内にがん細胞から多く産生される物質が出てきます。この物質を血液中にどれだけ出ているかの値を測定して、癌の進行状況などを推測することが出来ます。

肝臓機能検査

肝臓は沈黙の臓器ともいわれ、異常をきたしても、症状が出ないので知らないうちに重症になっていることが多いため、血液検査で肝機能検査をすることが出来ます。

AST

AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)は健康診断の項目ではGOT、GPTとなっていますが、世界ではAST、ALTが使用されているので、日本でも最近使用されるようになりました。

AST(GOT)ALT(GPT)は身体の中で必要な、アミノ酸を造るのに大切な酵素です。これらは肝臓の中の細胞の中にあります。

AST、ALTとも肝細胞が損傷を受けると、血液中に流れ出して高値になる事から、肝細胞の障害の程度を数値から知る事ができます。

AST、ALTとも値が高度(500U)以上上昇の場合は、アルコール性肝障害、活動型の慢性肝炎などが疑われ、軽程度(100U)以下の上昇では、脂肪肝、アルコール性障害、非活動型の慢性肝炎や肝がんなどが疑われます。

また閉塞性黄疸、甲状腺機能亢進症、貧血などでも高値になる事があります。またASTだけが高値の場合は、心臓の心筋や骨格筋などの細胞にも、肝細胞だけでなく多く含まれていますので、心筋梗塞や筋ジストロフィーなどの、筋肉の疾患の可能性も疑われます。

γ(ガンマ)-GTP

γ‐GTPはこれもタンパク質を分解する酵素の一つです。肝臓の障害や胆汁の流れが悪くなると、血液の中に漏れ出して数値が高くなります。

γ‐GTPはアルコール摂取に反応することが多く、γ‐GTPだけが高値の場合はアルコールが原因で高値になっていることが考えられます。

LAP

LAPもタンパク質を分解する酵素です。様々な臓器の細胞に存在し、脳、心臓、肝臓、膵臓、小腸、子宮、精巣などに存在しています。健康な人はその中でも胆汁に最も多く含まれ、通常胆道から排泄されます。

しかし胆道が閉塞して胆汁のうっ滞が起こると、それが血液に流れ出します。そうする事でLAPの値が増加することになり、肝臓や胆道の病気の手掛かりになります。

しかし肝臓がんの場合はLAPの値は、胆道の閉塞が無くても増加します。LAPが高値の場合の考えられる病気は肝臓がん、胆管がん、肝炎、すい臓がんなどがあり、子宮がんや卵巣がんのときでも値は高くなります。

A/G比

Aはアルブミン/Gはグロブリン比です。タンパク質の種類は血清中に、80種類以上もあると言われています。

その中で主なものがアルブミンとグロブリンです。健康な人でアルブミンは約67%で、グロブリンは約33%と言われています。

この比率を調べることで、病気の診断や進行が判断できるのです。肝臓でアルブミンは作られます。肝臓に異常があると、血液中のアルブミンは著しく低下して、A/G比も低値になってしまうのです。

グロブリンは感染症や外傷などで炎症が起こると、グロブリン値は高くなり免疫システムが活性化します。免疫システムの異常によって、グロブリンは増減します。

基準値を外れた場合の病気は高値の場合は、無y‐グロブリン血症で、低地の場合は肝臓障害、多発性骨髄腫、感染症などです。

まとめ

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如何でしたでしょうか?血液検査ldhについて色々見てきました。この血液検査ldhの数字が、基準値より大幅に増加していないかどうかは、毎年の健康診断でチェックする必要があります。

この血液検査ldhの数字が高値でなければ、まず体は一応健康を保っています。この血液検査ldhは最初の病気の判定に必要となりますので、この数字だけは必ずチェックしておきましょう。

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