膵臓の位置はどこ?働きや健康な状態を保つ方法を紹介!

私たちの身体には、非常に優れた機能を持つ、様々な内臓が備わっています。生まれたときからこれらを持っていたせいか、当たり前のように感じてしまいがちですが、改めて自分の身体や健康について考えてみると、知らないことがたくさんあるのではないでしょうか。

例えば、内臓の位置。胃や腸、肺、肝臓などは、比較的明確に位置を示すことができる人が多いと思いますが、膵臓は、どうでしょう。膵臓が、体内のどの位置にあって、具体的にどのような働きをしているのか、明確に答えられる人は、そう多くはいないのではないでしょうか。

膵臓は、とても重要な消化器官です。そこで、ここでは、名前はわかるけど、あまり詳しくは知られていない膵臓について、詳しくご紹介いたします!

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膵臓はどんな臓器?

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膵臓は、胃から十二指腸に運ばれた栄養を消化するための消化液(=外分泌機能)と、血糖値を調整するホルモン(=内分泌機能)を分泌する、2つの機能を持っています。

実は、このように、外分泌機能と、内分泌機能の両方を持っているのは、ほかの臓器の中でも、膵臓だけなのです。せっかく体内に取り入れた栄養も、膵臓が分泌する消化液(=膵液)がなければ、分解されません。

さて、ここでは、膵臓について、さらに詳しく見ていきましょう。

膵臓が分泌する「膵液」の働き

膵液がなければ、私たちが食べた栄養が意味のないものになると言っても過言ではありません。

口から入った食べ物は、胃で消化された後、十二指腸に送り込まれると、膵臓が刺激され、膵液を分泌します。また、この時、胆のうからは胆汁が、同時に分泌されます。これらの分泌液によって分解された食べ物が、小腸に運ばれ、初めて「栄養素」として吸収されるのです。

1日に約500ml~800ml分泌されるという膵液の中には、いろいろな酵素が含まれています。タンパク質を分解するトリプシンや、アミラーゼの他に、脂肪分を分解するリパーゼといった酵素を含む、強力な消化液であると言えます。さらに、弱アルカリ性の消化液のため、胃液で酸性になった食べ物を中和する働きも持っています。

膵臓が分泌する「ホルモン」の働き

膵臓には、「ランゲルハンス島」と呼ばれる細胞があります。これは、10%以下の割合で膵臓内部に含まれている細胞です。α細胞、β細胞、δ(デルタ)細胞といった複数の細胞が集まった細胞の塊で、まるで島がいくつも膵臓内に広がるように分布しており、とくに尾部に多く存在しています。

この、ランゲルハンス島のα細胞が血糖値を上げる「グルカゴン」、β細胞では、血糖値を下げる「インスリン」というホルモンが作られており、この2つのホルモンが協力し合うことによって、正常な血糖値が保たれるのです。

さらに詳しく説明すると、グルカゴンは、脂肪組織が血中に放出した脂肪を、エネルギーとして使えるようにブドウ糖に変えたり、肝臓細胞が蓄えているグリコーゲンをブドウ糖に変え、血糖値が下がり過ぎないように調整しています。

一方、インスリンは、肝臓細胞や筋肉細胞にグリコーゲンの収納スペースがなくなったとき、余ってしまったグリコーゲンを脂肪細胞に変えることで、血糖値が上がりすぎるのを防ぎます。すなわち、食生活の乱れなどによって、血糖値が高い状態が続くと、体脂肪はどんどん増えていくということです。

これらのほかにも、δ細胞では、胃酸の分泌を促す「ガストリン」や、グルカゴンやインスリンの分泌を抑制し、胃酸の分泌量を調整する「ソマトスタチン」というホルモンが生成されています。

膵臓の位置と形

さて、それでは、膵臓はどこに位置しているのでしょうか?膵臓は、ほかの臓器のように、正面や背面からすぐに確認できる場所にはありません。

みぞおちと、おへその真ん中あたり、胃の後ろ側に、まるでほかの臓器に包まれるかのようにして存在しています。横からみると、お腹と背中の中心より、やや背中側、といったところです。

身体の中心部から、必要な栄養を吸収できるように分解する消化液や、血糖値を調節してくれるホルモンを分泌し、司令塔のような役割を果たしてくれているのです。

そして、形は、横幅約15cm、高さは約3~5cm、厚さは約2~3cmの横たわった洋梨、あるいはオタマジャクシのようだと言われています。十二指腸と繋がる側が、ちょうどオタマジャクシの頭の部分にくるような形状です。

また、膵臓の重さは約100gで、胃や大腸のように、中が空洞になっている中空器官とは異なり、細胞が詰まった臓器であるため、「実質臓器」と呼ばれています。

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膵臓が痛むときに考えられる病気とは?

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膵臓がある位置の関係で、腹痛や、背中の痛みと勘違いしやすいのが、膵臓の痛みです。身体の中心部にあるうえに、膵臓自体も柔軟で形を変えやすい臓器のため、病巣があっても発見しにくい臓器と言われています。

しかし、発見が遅れると、重篤な状態になるので、少しでも違和感を覚えたら、早めに病院で受診することが大切です。

それでは、早速、膵臓の痛みから考えられる病気について、見ていきましょう。

急性膵炎

アルコールや喫煙、胆石などが原因となって、膵臓が出す膵液が、自分(膵臓)を消化してしまう病気を「膵炎」と言います。膵炎には、急性と慢性の2種類がありますが、膵臓は消化液やホルモン分泌などの重要な機能を持つ臓器のため、どちらの場合においても、すぐに対応が必要になります。

膵炎を発症した場合、背中や、みぞおちに痛みを感じるという人が多く、食事をすると痛みが急激に強まるという特徴があります。しかし、ひどい場合には、肩や胸、腰にまで痛みが広がることもあるようです。

背中を丸め込むような姿勢だと痛みが和らぎ、背中を反ると痛みが増す場合には、膵炎の疑いがかなり高いと言えるでしょう。

急性膵炎の場合、背中、あるいはみぞおちあたりに、激しい痛みが走り、それに伴う吐き気や黄疸、発熱といった症状が見られます。急性膵炎の原因は、以下のように考えられています。

  • アルコールの大量摂取や、継続摂取によって、膵臓が刺激され、膵液が過剰に分泌されることで、膵管の圧力が高くなる
  • アルコールが分解される際に出る物質が、膵臓を損傷させる
  • 胆石が膵管を塞ぎ、胆汁と混ざる「消化機能」を持った膵液が、膵臓に逆流する

急性膵炎を患う人は年々増加傾向にあり、中高年の男性に多く見られます。軽症のものから、ほかの臓器が一度に障害を受けるような重症なケースもありますので、早めに治療を開始できるかどうかがカギとなります。

慢性膵炎

慢性の場合は、急性のように、突然激しい痛みに襲われることはなく、食欲不振や膨満感に始まり、吐き気や嘔吐などの症状が出てきます。

長期に渡って炎症を繰り返し起こすことで、少しずつ膵臓細胞が破壊し、破壊された細胞は硬い繊維状になり、膵臓そのものが萎縮してしまいます。すると、まず、従来の外分泌機能が作用しなくなり、症状が進むにつれて、内分泌機能も作用しなくなるため、糖尿病を併発することもあるのです。

そのほかにも、膵管が細くなったり、膵石ができるなどして、膵液の流れが滞るといった症状が起こるのも、慢性膵炎の特徴です。

また、急性膵炎から、慢性膵炎になるだけではなく、始めから慢性の症状を発症し、何らかのきっかけで突然急性の症状が出るというケースもあるようです。

詳しくは、膵炎の症状について!原因や種類、治療法について!を読んでおきましょう。

膵臓癌

膵臓癌は、早期発見が非常な困難なため、発見時には、すでに末期である場合も非常に多いようです。原因は膵炎と同様で、長期あるいは大量の飲酒や喫煙などがあげられ、慢性膵炎から膵臓癌を発症する人もいます。

ほかにも、糖尿病の人は、健康な人に比べて約8倍も膵臓癌になるリスクが高くなると言われています。

また、膵臓癌と言っても、いろいろな種類があり、浸潤性膵癌、膵神経分泌腫瘍、粘液嚢胞性腫瘍、膵管内乳頭粘液性腫瘍などがありますが、およそ90%が、上皮細胞の癌が消化液を分泌する細胞などの実質細胞へ拡大する、「浸潤性膵癌」です。

進行癌であるケースがほとんどなので、そのほかの臓器に比べ、切除できる確率が少なく、その分、生存率も低くなるという傾向があります。

症状としては膵炎とほぼ同様で、みぞおちや背中の痛み、黄疸、体重減少、糖尿病の悪化などがあげられます。

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膵臓をいたわる生活習慣

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胃に優しい食べ物、あるいは、目に良い運動、といったものはよく耳にしますが、膵臓のケアについては、あまり聞くことがありません。膵臓も、ほかの臓器と同じように、普段の生活からいたわり、病気を予防することが可能です。

膵臓のケアには、どのようなことに気を付ければ良いのか、見ていきましょう。

食事について

膵臓に負担をかけない食事のためには、まず、過食にはとくに気を付けましょう。消化液の分泌が過剰になり、膵臓に負担をかけてしまうので、食事は腹八分目に抑えておくのが基本です。

また、酸味や辛味、塩分の強いものも、摂り過ぎは良くありません。甘いものの過剰摂取や油っぽいものも避け、さっぱりとした、ヘルシーな食べ物がおすすめです。そして、よく噛んで食べることも大切です。

アルコールについて

すでに膵臓に何らかの異常がある人は、アルコールは厳禁です。ほんの少量のアルコール摂取が、膵臓疾患を急激に悪化させる可能性があるのです。どうしてもやめられない場合は、炭酸水などで気を紛らわせるなどの工夫が必要です。

現在健康な人の場合は、飲みすぎには十分注意し、休肝日を1週間のうちに最低2日はつくるように心がけると、膵臓だけでなく、肝臓への負担も軽減されるでしょう。

喫煙について

喫煙によって血管が収縮すると、栄養素やホルモンの循環が悪くなります。すると、膵臓で分泌するグルカゴンやインスリンの循環も悪くなったり、過剰分泌が起きるため、必要以上に膵臓を疲弊させてしまいます。

煙草は百害あって一利なしです。できるならば、今すぐにでも禁煙するのが一番ですが、それもなかなか難しいので、まずは、「禁煙しよう」という意思を持ち、禁煙についてのメリットなどを、自分で調べてみるところから初めてみるのも良いでしょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。あまり詳しく知られていない膵臓の働きや、位置、病気について、少しはご理解いただけたでしょうか。

私たちが美味しくいただく食事も、膵臓が機能しているからこそ、身体のためになる栄養素として吸収できます。たまには、膵臓に目を向けて、消化の良い食事を心がけるなどして、ケアしてあげましょう。

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