座っている状態から突然立ち上がると、くらくらっと立ちくらみを起こすことはありませんか?あるいは、全身がしびれたり、気が遠くなることもありませんか?
これらの症状は、脳貧血を起こしている可能性があります。脳貧血は、脳への血流が極端に減った時に起こるもので、貧血とは違います。そして、それほどの重傷になることはありませんが、気になる症状ではあります。
今回はその脳貧血について、お伝えします。
脳貧血とは
脳への血流が極端に減り、頭がボーっとしたり、何も考えられなかったり、めまいを起こしたりすることで、かなりの人が何度かは経験したことがあるかと思います。
起立性低血圧
脳貧血のことを正式には「起立性低血圧」と呼びます。症状は、先にも述べたように、急に立ち上がったりするとくらっとすることです。つまり、突発的に低血圧になり、脳への血液が不足することです。
貧血とどう違う?
貧血と脳貧血は全く違います。貧血は血液の中の赤血球が少ない状態です。一方の脳貧血は、脳へ流れていく血液が一時的に減少してしまうことです。
この貧血も脳貧血も両方とも女性には多いのが特徴です。それは、女性には特に生理ということがあることで、余計に血液の絶対量が減る傾向にあるということが、要因として上げられます。
また、貧血の場合は赤血球が少ないことから、顔色がよくないケースがほとんどです。健康的な赤い色よりもむしろ、白っぽいといいますか、青白い色になることが多いようです。おそらく普段から顔を突き合わせている人とでしたら、「顔色悪いよ」と言われると思います。
その脳貧血の症状
立ちくらみ
寝ている状態から、もしくは座った状態から立ち上がると、急激な血圧の低下が起きます。するとくらくらっとしたり、目の前が暗くなること、逆に目の前が白っぽくなることがあります。
これらが主な症状でもあり、特に重大な病気でもないと思われます。普通の健康的な人にもよくありがちなことです。ある意味、現象といってもいいかもしれません。
寝起き
これも同様に寝ているところから急に立ちあがるようにしてしまうと、やはり急激に血圧が下がります。寝ている状態の時は、血液が身体の中に、ほぼ均等な状態にあります。
それが身体の半分でも頭の部分が高くなると、当然血液は脳へ流れている分が減ってしまいます。よく寝起きが悪い人とかいますが、これは低血圧だからではなく、血液の絶対量が少ない上に、起き方に問題があるからだと思われます。
めまい
厳密に言うと、めまいは脳の異常などが原因のことが多いようです。ですから、立ちくらみとは違います。脳梗塞や脳血栓など重病の可能性もありますので、先の起立性低血圧のように、急に立ち上がったりした時以外は、このような病気であるかを検査して確認したほうがいいと思います。このめまいの場合は、普段の状態の時、つまり特に立ちあがった時などとは、別に起こることが多いようです。
また、目の前がぐるぐる回るようなめまいは、耳の奥にある三半規管の異常があるかもしれません。三半規管は身体を水平に維持する機能であり、ここに異常がありますと、身体の水平状態を保てないことがあります。
失神
血圧の低下がひどいものになると、失神を起こします。よく小学校の朝礼で、校庭に立って先生の話を聞いているときに気分が悪くなり、倒れこむ子がいたと思いますが、それがこの失神かと思われます。
この場合は、倒れてもすぐに意識を回復することがほとんどで、体調がいつもより良くないとか、睡眠時間がいつもより少なかったなどが原因であることもあり、それほど重要ではないかと思います。
耳鳴り
脳貧血の際によく出る症状として、耳鳴りがあります。これは、立ち上がる時などにキーンと耳鳴りがするようですで、脳貧血の特徴でもあります。
頻度はそれほど多くないと思われますので、それほど心配することはないかと思いますが、立ちくらみの症状を起こす人に多いとのことです。
頭痛
脳貧血の際に頭痛が起こるのも、特徴的です。この場合の頭痛は、それほど長い時間ではありません。割とすぐに改善するケースがほとんどです。むしろ、長時間の間、頭痛が続くようでしたら、何か別の原因があると考えていいかもしれません。
甲状腺機能低下症
主に40代以降の女性に多く、不定愁訴という更年期障害と似た症状が起きます。それ以外に疲れが取れない、むくみがひどい、寒がりになったというような時は、この不定愁訴を疑った方がいいかもしれません。
ただその判断は非常に難しく、不定愁訴で片づけられるケースが多く、詳しい検査をしないと、甲状腺機能の低下とは見られないことがあります。
脳貧血の原因
脳貧血の原因について紹介します。
ストレス
ストレスで、自律神経に影響が出る場合、血圧の調整がうまくいかないことが起きることもあります。そのような場合に脳貧血となりやすいことがわかっています。実際には様々な要因が重なるので一概にストレスと言い切れない部分もあります。
日本人は特にこのストレスを感じやすい人種との報告もあります。実際、このストレスを緩和するのにセロトニンが必要なのですが、日本人は欧米人に比べ2~3割ほど少ないようです。ですから、うつやストレスに感じる率が高い人種ともいえます。
逆に欧米人はなぜあんなに明るいのかというと、このセロトニンが多いからです。これはある意味体質なのですから、あまり気にしないことが肝心かもしれません。
ただ、ダイエットを無理にしてうつになる人も多いことから、必要な栄養素が不足することがなんらかの影響を受けていることは間違いありません。
この場合は特に若い年代の人に多い症状なので、極端に標準を超える体重の方を除いては、あまり無理なダイエットをしない方が無難かと思います。
食事
脳貧血を引き起こす原因の一つでもある食事のバランスは、健康状態を維持する上でも基本中の基本です。普段からバランスのよい食事をとることが重要です。
これは本当に昔からよく言われていることですが、朝ごはんをきちんととることや、水分を取ることも大事なことです。現在でも学校や会社に出勤する際にも朝食と取る取らないで、学習効果や仕事の効率でもパフォーマンスが違ってきます。
また、先にも述べましたように、極端なダイエットは身体への負担が大きくなりますので、注意してください。
バランスがいい食事と書きましたが、それとは別にあまりお腹がすいていない時に食べることは止めるべきかと思います。むしろそのような時は、炭水化物を取らず、タンパク質などをメインに取ることが望ましいかと思います。これも無理に内臓を働かせることにより、負担がかかり過ぎることがあるからです。
アルコールを控える
アルコールは利尿作用がありますので、体内の水分が減ります。必然、脳貧血の原因となります。またアルコールは血管を広げて血流を良くなる反面、脳への血流が減る可能性が高まることも原因の一つです。これはカフェインも同様であり、双方とも取りすぎには注意を要します。
脳貧血の対処法
適度の塩分と高タンパク質の食事
食事に関しては、高血圧の人が行う食事法の逆をすればよいということが言われています。高血圧の人の食事は、塩分を抑えるということです。ですから、脳貧血の起こす人は、塩分を多少多めに取るということは重要です。これは意外に今の流れに反していることかもしれません。
ある意味、高血圧の人が増えて塩分を控えましょうと、もうかなり前から言われていることなのに、そのような患者が減るどころかむしろ増えているということは、何か間違っていると思われます。
ある学者に言わせれば、塩分は必要以上に取っても、余分な塩分は自然に身体から出ていくということを述べています。また、塩分が不足すると、身体の力が出ないということや病気になる報告もあります。
剥きになって、塩分を排除する必要性は全くないと言える可能性は極めて高いと思います。唯一塩分に関して強調したいのは、この塩分は必ず自然塩ということです。決して精製塩を使用してはいけません。
アルコール
アルコールはむしろ、百薬の長ともいわれるくらいで、毎日嗜むことに問題はないといいます。ただ、量については考慮し方がいいかとおもいます。いくら酒がいいとなっても、毎日大量に飲んでしまうと、それこそ別の病気になってしまう可能性も高いかと思います
脳貧血の予防法
生活習慣の改善
一概に生活習慣を改善するといっても何をしたらいいか、わからないとは思います。これは、立ち上がる時や寝起きの時に、急激な動きをすることを止めることでいいかと思います。
立ったままで長時間すごさない
長い間立ったままですと、脳貧血を引き起こしやすくなります。こまめに休憩を入れることが望ましいかと思います。
運動
普段より適度の運動をすることをお勧めします。これは、足のふくらはぎにはミルキングという仕組みがあって、血液をポンプのように送り続けます。普段から運動をしないと、この機能も劣えるため、血液の循環が悪くなるのです。
また、朝夕にジョギングをしなければいけないとか、毎日ウォーキングしなくてはいけないということではなくて、普段の移動のウォーキングで十分ですので、軽い運動を心がけることは必要です。
今はかなり便利な世の中になっていますので、歩こうと思わないと歩かなくても済む状況がいっぱいあります。2階なのにエレベーターなどで移動せず、意識的に階段を使えば相当歩く量も違ってきます。そのようなことでこの運動に関しては、解決します。
まとめ
いかがでしたか。意外に聞きなれない脳貧血でしたが、実は多くの人が実際に経験していることかと思います。
普段もおそらく、立ちくらみやめまいなど、経験されていると思います。単に脳への血流が不足したということであれば、特に問題はないかと思います。
一番恐いのは、何か別のことが起こっている時ですが、実際には他の予兆があるので、その際に検査をすることが望ましいと思います。
普段からの生活習慣と食生活を大事にしてください。それこそが健康を維持する最大の秘訣です。
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