「熱が37度ある」と聞いたら、微熱もしくは発熱だと思っていませんか?実は、日本人の平均体温は36.6℃から37.2℃が通常と言われ、37度も平熱のうちに入る人がほとんどです。自分は、この平均値よりも低いと思った人は、計測方法に問題があるかもしれません。
37度は熱があると勘違いされやすく、デメリットが多いように思われます。しかし、37度という高い平熱を保つことは、体を活発に動かし、色んなメリットを生み出してくれます。ここでは、人の平均体温や平熱を上げる方法について詳しく記事にします。
日本人の平均体温について
日本人の平熱は私達が思っているよりも高いです。それが生じている理由として、正しく平熱を測れていないことや、平熱について誤った認識をしている人が多いことが考えられます。
正しい知識をつける為に、まずは日本人の平均体温と平熱と基礎体温の違いについてご紹介します。
日本人の平熱はどのくらい?
皆さん、自分の平熱が何度だか知っていますか?最近は、低体温の人も増えてきているので、35度前後や36前後という風に回答される方も多いと思います。しかし、実際日本人の平均体温を見てみると、36.6℃から37.2℃の間であると言われています。このデータを見ると、意外と高いですよね。
平均を基にすると、37度が平熱の人も多くいるんです。平熱は人によっても異なりますが、年齢によっても平均が異なります。子供は熱産量が活発な為、平熱が高く、年齢を重ねるにつれて衰えていきます。
赤ちゃんの場合は、1歳くらいまでは、36.5~37.5度が平熱です。しかし、体温調整をすることが難しいので、気を配る必要があります。高齢者は熱産量が低いので、体温が低い傾向にあります。また、平均値と比べて、自分の体温が低いと感じた方は、実はきちんと体温を計れていない可能性もあります。
平熱と基礎体温の違いは?
平熱とは1日の平均体温のことを言います。実は、体温には体温リズムがあり朝が一番低く、昼間や夜にかけて上がっていく傾向にあります。この平均をとった体温のことを平熱と呼びます。その為、いつも朝のみ体温計を計っている人は、平熱は低くなってしまいます。
一方で、基礎体温は1日のうちで一番低い温度のことを指します。その為、朝ベッドの上で測定するのが基本です。基礎体温が上がったり、下がったりするのには、女性ホルモンの卵胞ホルモンと黄体ホルモンといったホルモンバランスの影響によるものです。
その為、この体温の増減を知ることで排卵日や妊娠、生理の日、月経前症候群など様々なことを知ることが出来ます。平熱と基礎体温の測り方を見ていきましょう。
平熱の計り方
平熱の正しい計り方は、起きた時、午前、午後、夜の4回に分けて体温を計り、時間帯別の体温を平熱として覚える方法が良いと言われています。体温はホルモンの分泌状況でも変化するので、日をあけながら合計で4日分程測ってみましょう。
基礎体温の測り方
基礎体温は、起床してすぐにベットから起き上がらないまま、測定を行います。毎日同じ条件で測る事が重要です。ホルモンの働きによる体温の変化は、0.3~0.5℃です。
その為、目盛りを細かく見ることができる「婦人用体温計」を口に入れて測るのが一般的です。毎日基礎体温をつけることで、ホルモンのサイクルを知ることが出来ます。
体温計について
体温計とは、人の体内の温度を簡単に測定する機械です。
体温計を使えば、発熱による体調の異変をすぐに確認することが出来ます。ここでは、体温計の種類や正しい測り方、また発熱の判断についてご紹介します。
体温計の種類について
人の体温は場所によって温度が違います。手足や顔の表面は末端で冷えやすく、体温の温度は不安定です。しかし、体の重要な臓器がある中心部は、優先的に温める必要があるので、安定した温度を保っています。その為、この体の内部の温度(平衡温)を測るのが、私たちの体温と考えられています。
体の内部を測ることは難しく、手軽に体温を確認できる方法として作られたのが体温計です。体内の温度が反映され、尚且つ体に負担をかけずに簡単に測れる場所として、ワキ、口、耳、直腸が適していると言われています。
平衡温を測定する場所によって、検温に必要な時間や計り方、表示される温度も異なります。その為、一言で平熱といっても、ワキの平熱、口などそれぞれの部位によって差が生じます。体温計の種類によっても測り方が異なります。
まずは、自分が使っている体温計の種類を見ていきましょう。ワキや口用の体温計には「実測式体温計」と「予測式体温計」があり、他にも耳で測る「耳式体温計」が一般的に用いられています。
実測式体温計
実測式体温計とは、測定している部位の温度を測定して数値を表示する方法です。水銀体温計や電子体温計の一部のものが実測式体温計の方法を取り入れています。
この方式は、温度が上がらなくなるまで、計測する必要があるものです。計測時間は、ワキで10分以上、口の中の場合は5分以上要します。
予測式体温計
予測式体温計は、一番高い温度を短時間で分析して、計算処理をして数値を表示する方法です。
実測式では測定時間が必要なのに対して、予測体温計では短時間で表示することができます。
耳式体温計
耳式体温計は耳の中の鼓膜の温度を測定する体温計です。耳の中からは体温に相当する赤外線が発せられています。その赤外線量を検出することで体温を測る方法です。
赤外線センサーが鼓膜から出ている赤外線を捉えて温度を瞬時に表示することが出来ます。
部位別の正しい検温の仕方
まずは、平熱を測る前に覚えて起きたい注意点は下記の4つです。
食後や運動後は体温が上がるので、食前や食間で30分程度体を休めた状態の時に、計測しましょう。
検温時の注意点
- 食後、入浴、運動、外出後は体温が上がるので30分以上時間をあける
- ワキで測る時はしっかりと汗を拭く
- 体調のいい日に測る
- 検温中は静かに計測する
- 寒い部屋で検温しない
ワキでの正しい検温の仕方
ワキの測定はワキの温度を測ります。ポイントはワキをしっかりと閉めないと、温度が温まりずらく、しっかりと計測することが出来ません。
測定方法
- ワキのくぼみの中央に体温計を入れて、体温計は斜め下の状態を保ちます。
- 体温計が体の軸に対して30度くらいになるように角度を保ったまま、ワキをしっかりとしめます。ヒジをワキ腹に密着させ、手の平を上向きにすると、ワキをしっかりと閉めることができます。また、反対の手でヒジを軽く押さえましょう。
- 実測式体温計の場合は10分以上、予測式の場合は、電子音がなるまで待ちます。
途中で体温計を取り出した場合は、続けずに初めからやり直してください。予測式を使用されている場合は、2度目の検温は少し時間を置いてから実施してください。
耳での正しい検温の仕方
耳での測定方法は、耳から発している赤外線を捉え、耳内温を測ります。その為、鼓膜の方向に向けて、出来るだけ耳の奥に入れて検温することがポイントです。
測定方法
- 専用のプローブカバーをつけてスイッチをいれます。
- 鼓膜の方向にしっかり向けて、出来るだけ深く耳の奥までいれます。いつも一定の角度や深さで測れるようにしましょう。
- 体温計が動かないように固定し、スタートボタンを押します。
- ブザーが鳴ったら測定完了です。
口での正しい検温方法
口の中の温度を測る為、しっかりと口を閉じることがポイントです。息をする時も鼻呼吸にし、会話をするのも避けることが重要です。
測定方法
- 舌の裏側にある中央のスジの横に体温計の先端を入れます。
- 口をしっかりと閉じます。検温中は鼻呼吸にして、会話もしないでください。
- 実測式の体温計の場合は5分以上、予測式での検温の場合は電子音がなるまで待ちます。
発熱の判断
発熱と聞くと37度以上と思っている人がいますが、人の平熱によって判断が異なります。感染症法では、37.5度以上を発熱、38.0度以上が高熱と分類されています。しかし、平熱が35度近くの人が37度になった場合は、平熱が36度の人が37度になるのとは異なり、非常に辛い思いをします。
発熱の判断は、普段の平熱から考えて、体温の上がり方を見るのが適正です。一般的には、平熱を基準として0.5~0.7度温度が上がると熱があると判断します。その為、37度が平熱の人は、37.5で微熱、38度で高熱になります。
また、体温にあわせて他の症状が出ているか確認しましょう。平熱が高くても体調不良でなければ問題ありません。一般的に発熱がある場合は、体がだるいなどの体調不良もあわせておこります。この症状の現れも、判断材料の1つでもあります。
体温マメ知識:海外の病院の対応
体温マメ知識として覚えておきたいのは、平熱は人種によっても異なることです。欧米人の平熱は37度~38度と言われているので、日本人よりはるかに高いです。
その為、例えば平熱が35度の人が、体温計が37度を示したとしても、海外の病院では平熱と捉えられてしまうことも少なくありません。このような時に遭遇した場合、いつもの平熱の状況と、体調が悪い旨を医師にしっかりと伝えないといけません。
平熱が高いことでのメリットとデメリット
平熱が高いことは、デメリットよりもメリットの方が多くあります。大人になるとメリットしかありませんが、子供の場合は「プールに入れない」や「予防接種が受けられない」などが発生します。
そのような場面にも対応できるように、きちんと平熱を記録しておきましょう。
メリット
平熱が高いことで得られるメリットはたくさんあります。体温が高いことで、免疫力がUPし、代謝がUPします。その為、痩せやすく病気にかかりにくい体つくりをすることが出来ます。
免疫力UP
平熱が高いほど、免疫力が高まり、病気にかかりにくい体になります。平熱が1度あがるだけで、免疫は5倍~6倍の違いがでると言われています。発熱時を思い出して見てください。体調が悪くなった時に、熱がでるのは体に入ってきたウイルスや細菌を熱で殺す為です。
その為、普段から平熱が高い人は、ウイルスや細菌を殺す力が高く、風邪や感染症、ガン、花粉症など、あらゆる病気にかかりにくくなります。また、ストレスにも強くなるため、自律神経失調症などの病気にかかるリスクも減らします。他にも女性がなりやすい冷え性や低体温症もかかりにくいです。
ほとんどの病気の原因は、ストレスや体の冷えによるものです。これら2つの要因に強くなることで、どんな病気にもかかりにくくなります。
新陳代謝がUP
体温が上がるということは、体の臓器が活発に動ける状態のため、新陳代謝がアップします。その為、脂肪を燃焼させやすく、基礎代謝量がアップし、痩せやすい体つくりをすることが出来ます。
また、老廃物を外に出す動きも活発になるので、便秘も解消されます。他にも代謝力が上がることで、肌のカバー力や再生力が高まり、アンチエイジングの効果がある事や、記憶力の低下や認知症を予防することも出来ます。
詳しくは、体温が高いことのメリットは?上げる方法も紹介!を読んでおきましょう。
デメリット
子供の場合、平熱が高いと予防接種が受けられないことや、プールに入らせてもらえない、保育園で預かってもらえないということが発生します。昔の水銀体温計は37度が赤く塗られていたので、熱があると誤った認識を持っている人が多くいます。
37度は発熱になる人もいますが、日本人の平均内である為、発熱でない場合の方が多いです。しかし、そうは言っても子供の管理人としては、体調に問題ないことを証明する必要があります。
このような場合に備えて、子供の平熱を記録して、健康管理をするようにしましょう。それを基に医師や専門家、学校の先生に質問や相談して、判断してもらうことをオススメします。大人になってからは、平熱が高いことで起こるデメリットはありません。
体温を上げる方法
低体温の原因の9割は筋肉量の減少だと言われています。熱を作るのには筋肉が必要です。私達のライフスタイルは便利になってきている反面、運動不足を起こしやすい生活になっています。
運動量の低下に伴い、筋肉量が低下します。その為、筋肉量をつけるよう、生活習慣を改善することが体温を上げる方法です。平熱をあげて痩せやすく、病気になりにくい体つくりをしましょう。
運動量を増やす
運動量を増やす方法として、有酸素運動があります。有酸素運動とは、酸素を取り入れる運動方法で、代表的なものはウォーキング、ジョギング、水泳などです。中でもウォーキングが手軽でオススメです。
人間の7割の筋肉は下半身にあると言われています。下半身の筋肉量があれば、血流がよくなります。その為、歩くことが効率よく筋肉量を増やしてくれます。有酸素運動は20分以上続けることで効果が現れる為、1日30分は歩き続けましょう。
通勤時に1駅前で降りて長めに歩くなどして、毎日の生活の中に上手に取り入れましょう。時間帯は朝がオススメです。一番体温が低い朝に行うことで、0.7~1度体温があがります。
1日の始めに体温があがることで、体調がよくなり活発に動くこと出来ます。もちろん、スクワットなどの筋トレをして筋肉をつける方法もオススメです。
体温をあげるものを取り入れる
平熱を上げる為には、体を冷やさずに体温を高い状態で保つことが重要です。体を温める食べ物を食べたり、グッズやお風呂などを利用して、体を冷やさないようにしましょう。ここでは、体温上昇に役立つ内容を紹介します。
入浴
入浴は体を温めてくれます。熱いお湯につかるのではなく、38度~40度のお湯に半身浴でつかりましょう。半身浴の時間は20分前後。汗が出てきたら、体が温まってきた証拠です。汗が出て気持ちいと思える程度までつかりましょう。
白湯
飲みものを飲む時は、白湯がオススメです。多くのモデルさんが、夏でも白湯を飲んで、体を冷やさない努力をしています。緑茶やコーヒーは温めて飲んでも、体を冷やす性質のある飲み物と言われています。これらは多く摂取せずに、白湯を飲むようにしましょう。
グッズを利用
湯たんぽ、ホッカイロ、ブランケットなど、冬場でも手軽に体を温めてくれるグッズがあります。冬場はこれらを利用して、体を冷やさないように心がけましょう。
体を温める食べ物を食べる
薬膳や漢方から見ると、食べ物や飲み物には体を冷やす性質のものと、温める性質のものがあります。温かい食べ物を食べたからといって、体が温まるわけではありません。体を温める性質のあるものを食べると体を温めてくれるといわれています。
体を温めるといわれている食べ物の代表は、生姜、ニンジン、ねぎ、ごぼう、れんこん、赤唐辛子、にら、にんにくなどです。これらを普段の食事に上手に取り入れて体の温度を上げましょう。
おわりに
37度は微熱や発熱と誤った認識を持っている人がいます。しかし、日本人の平均体温は私たちが思っている以上に高く、37度が平熱の人も多くいます。特に欧米諸国では37度は平熱として当たり前の数値です。
いつもの平熱を正しく把握して、そこから1度あがった状態を発熱と判断しましょう。また、平熱を高く保つことは、健康面でメリットが多くあります。今回紹介した内容を取り入れて、平均体温をアップさせましょう。
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