神経芽腫って何?症状や特徴、治療法・後遺症について紹介!

神経芽腫(Neuroblastoma)と聞いても、多くの方はその名前すら耳にされたことはないかと思います。しかし、実は神経芽細胞腫(神経芽腫)というのは子どもが発症するがんの代表的なものの一つです。

まだまだ認知度の低いこの病気を多くの方に知っていただくためにこの記事を書きました。今回は神経芽腫という病気の紹介と、どのようにこの病気と向き合えばよいのかを考える記事です。

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神経芽腫ってどんな病気なの?

赤ちゃんの写真

神経芽腫の紹介

神経芽腫は世界的にみると、白血病と並んで小児患者の多い疾病です。血液のガンが白血病となり、それが神経のもととなる神経芽細胞で起こると神経芽腫となるのです。

分類としては、神経を作る細胞が悪性化してだまができてしまう悪性固形腫瘍と呼ばれるものの一つです。実は、悪性固形腫瘍の中では2番目に発症件数の多い病気が神経芽腫なのです。なぜ神経芽腫が発症するのか、そのメカニズムはまだ謎に包まれています。ですが、遺伝によるものではないと言われています。

そもそもガンってなんだ?

さらりと神経芽細胞がガンになると神経芽腫になんて説明しましたが、そもそもガンって何でしょう?私たちはガンについてどれだけ知っているでしょうか?まずはそこから進めていきましょう。

臨床の現場において見つかるガンの組織は、それが指先くらいの大きさになって初めて分かると言われます。だいたい重さ1グラム程度です。ガン細胞は細菌や胞子のような、外から入ってきた細胞が体の栄養を吸い取って成長したものではなく、自分自身の細胞の中から生まれてきます。病原菌に侵されていないという意味ではほとんどのガン細胞は健康ですが、健全な細胞とはまったく違います。ガン細胞は私たちの体の中にあるきまりや命令、警告にも全く聞く耳を持たないからです。そしてひたすら増殖を続けていきます。体の中にあるきまりというのは、「むやみに増殖をしない」ということです。

たとえば、私たちが道でこけて膝を擦りむいたときに、体の中で起きることを想像してみましょう。この場合、血が止まってから数日後にはかさぶたができて、最終的にはそれも剥がれて元通りの皮膚ができます。

もちろん、見た目は元通りでも、擦りむいたときに破壊された細胞が新しい細胞に入れ替わっているので完全に同じではありませんが、殆ど同じです。新しい細胞ができるときは、周りの細胞が増殖し、増殖した細胞が成長することで元通りの皮膚を形成します。この場合、傷口をふさぐのに十分な量だけ増殖したあと、細胞たちは増殖を完全にストップさせます。これをストップしないどころか、どんどんアクセルを踏んで進んでいくのがガン細胞です。

悪性腫瘍と良性腫瘍

悪性腫瘍と良性腫瘍という言葉があります。腫瘍というのは、体内で勝手に増殖を続ける細胞組織です。悪性腫瘍と良性腫瘍の違いは、転移するかしないかということです。転移するほうが悪性腫瘍、転移しない方が良性腫瘍です。

両方とも体の中のきまりを破って勝手に増殖しているのですが、良性腫瘍のほうはまだ定住して自分達のすみかから動かない、悪性腫瘍のほうはこまめに新しい支部を作っているという感じです。体全体から見たときには、悪性腫瘍のほうがタチが悪いので、悪性腫瘍とよばれています。

ガンの原因

ガンの原因は基本的に遺伝子の異常です。遺伝子に異常をきたす要因としては、強い紫外線や放射線、発ガン物質などが挙げられます。また、外から特別な作用が加わらなくても遺伝子が勝手に狂ってしまうこともあります。

実は細胞がガン化する現象は日々体の中で頻繁に起こっています。ただし、体の中に存在する防御機能のおかげで、ほとんどのガンは病気にまで発展することがないのです。

神経芽腫の特徴

神経芽腫は神経細胞の中でも交感神経という運動をしているときや緊張・興奮しているときに活発に働く神経のもとになる細胞から生じることが分かっています。

また、神経芽腫の約65%は両方の腎臓の上にある副腎で発生します。症状の重さについては個人差があり、腫瘍の悪性度の高さによってさまざまです。本来交感神経系の神経細胞に分化するはずだった神経芽細胞になんらかの遺伝子異常が生じることでコントロールを失って増殖と分裂を繰り返し、最終的にガン細胞が集まった腫瘍を形成します。

一般的に神経芽腫の場合もその他のがんと同様に、リンパ節や皮膚、肝臓、骨など体の別の個所に転移する能力を持っています。生まれたばかりの胎児の体内には、神経芽細胞という神経のものになる細胞がたくさん含まれています。

この神経芽細胞は生後3ヶ月ほどまで数を増やし続けると言われています。この増殖が止まらなくなる(ガン細胞化する)と、神経芽細胞の腫瘍、すなわち神経芽腫ができるのです。主に5歳以下の乳幼児期に発症し、その多くが1歳未満で診断によって病気が発見されています。

神経芽腫は神経芽細胞が神経細胞へと成長・分化するときに生じる悪性腫瘍です。研究者たちはこの病気が神経芽細胞に関する遺伝子の欠失に関係していると予想しています。神経芽腫による幼児への影響は腫瘍がどこで生じ、どのように増殖したかにより異なります。初期の症状は曖昧で、疲労感や食欲の減退、発熱などがそれに含まれます。

病気の初期兆候が通常の小児疾患に近いため、鑑別が難しい病気です。幼少期に神経芽腫が見つかるのは、両親や医師が幼児の体に瘤があるのを見つけたときです。多くの場合、その瘤は腹部や胸部の後ろで見つかりますが、首や胸など他の部位で発見されることもあります。

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どのように神経芽腫と向き合えばよいのか

勇気を

神経芽腫は遺伝するのか?

ときどき、生まれてくる前の胎児の状態で神経芽腫を発症する場合があります。その場合、私たちは胎児が成長し、ガン化した神経芽細胞が実際に胎児の身体に影響を与えるようになってから神経芽腫を確認することになってしまいます。もし神経芽腫を幼児期の間に発見することができたなら、治療と回復の可能性は十分にあります。

しかし、たとえ治療がうまくいったとしても私たちが両親の立場から見た場合、自分の遺伝子が原因で自分の子どもが神経芽腫を発症してしまったのではないかとつい考えてしまうことでしょう。成人に多いガンの場合であっても、私たちはガンになりやすい家系とそうでない家系があると考えてしまいがちです。

人間には細胞がガン化して増殖を始めるのを防止する安全装置としての機構が存在し、それに関する遺伝子はそれぞれ父親由来、母親由来と二つずつ存在しています。そのため、それらの遺伝子が両方とも欠損もしくは破損しない限り、きちんと安全装置を作動させることができます。

そのため、多少遺伝子の破損が起こったとしてもガンになるリスクはさして変わらないとも言えます。遺伝によってどれくらいガンの発症率に違いがあるのかという論争にはまだ決着がついていません。したがって、神経芽腫が遺伝によってどの程度影響を受けるのかはまだよく分かっていません。がんをスクリーニングする遺伝子には遺伝子の欠損・破損を防ぐ機構が存在しており、現状では神経芽腫が遺伝病であるとはいえないわけです。

最近の研究では、神経芽腫にはfamilial type と sporadic type が存在するとされ、familial type は親から子への遺伝が関係していると考えられています。ただし、familial type は神経芽腫患者全体のうち、2%の発症率にすぎません。また、神経芽腫の原因となる遺伝子異常は偶発的な突然変異や細胞分裂の際に特定の遺伝子が欠失したり置換したりなどすることによると考えられています。

神経芽腫の治療法

神経芽腫の治療は大抵、幼児の年齢や腫瘍の状態、治療に際するリスク等に基づいて行われる。リスクのタイプは3種類に分けられます。低リスク、中リスク、高リスクです。

低および中リスクの幼児はおおいに治療と回復の可能性があります。しかし、高リスクのグループに属する子供たちの半数は治療が難しいとされています。たとえば、神経芽腫が治療前の段階ですでに消失している場合、医師はときとしてさまざまな異なる治療法を吟味しなくてはならないことが挙げられます。神経芽腫の典型的な治療法は、手術による患部の切除です。もしも腫瘍が他の部位へと転移していなければ、大抵の場合それで事足ります。

残念なことに、多くのケースでは、神経芽腫は医師の診断による発見の前に転移してしまっています。研究者たちはレチノイドというビタミンAの一種が、神経芽腫が成熟した神経細胞に分化していくための補助ができるのではないかと期待しています。

神経芽腫の後遺症

病気の後遺症はどの家庭にとっても重要な要因です。手術を乗り越えたとしてもそれで終わりではありません。発症した幼児の臓器の成長過程において、発達の遅れや機能の欠損などが可能性としてあります。

これらの後遺症のリスクについては、術後の治療の経過や小児患者の手術年齢によって上下します。場合によっては免疫系の異常で、免疫システムが自分の体内にある通常の神経組織を攻撃してしまうことがあります。その結果として、筋肉の発達や運動能力、言語能力などに学習障害が残ることが考えられます。

また、神経芽腫を発症した子どもはそうでない子どもと比べて他のがんを発症するリスクが高いです。他の小児がんの場合も同様ですが、幼児の手術後の回復にはご家族のサポート体制が何よりも不可欠です。

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まとめ

家族

今回の記事のまとめは以下の通りです。

1.神経芽腫の紹介

  • 神経芽腫は神経の材料となる細胞が「がん化」して発生する
  • ガンは体への反乱分子
  • 神経芽細胞は神経のもとになる細胞

2.病気との向き合い方

  • 神経芽腫のうち遺伝によるものは全体の2%
  • レチノイドというビタミンが神経芽腫の治療に役に立つかもしれない
  • 手術をしても終わりではない。さまざまなリスクを乗り越えていかなくてはならない

世界を見渡すと多くの子供たちが神経芽腫の症状と日々向き合っています。お子さんをサポートするご家族のご苦労と愛情の深さは察するにあまりあります。治療の補助となるビタミンのことを記事に書きましたが、一日も早く効果が実証され、病気で苦しむ子供たちが減ることを祈りたいと思います。

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