筋トレを始める人は、筋肥大を目的としている場合が多いです。筋肉を鍛えることは、代謝力をUPして痩せやすい体つくりにする効果もあるので、近年では女性でも筋トレを始める方が増えてきました。
しかし、筋トレの方法を誤ってしまうと、なかなか効果が現れにくいです。ここでは、筋肥大とは何か、また効率的に行うポイントやトレーニング方法について記事にしていきます。
筋肥大について
筋トレは筋肥大を目的としている人が多いですが、別の目的で始める場合もあります。その為、目的に合わせたトレーニングメニューを行わないと、自分の思っていた結果にならない可能性が出てきます。
ここでは、筋肥大とは一体何か?また、筋肉を鍛えることで得られる効果について、ご紹介します。
筋肥大とは?
筋肉トレーニングには、「筋肥大」「持久力向上」「筋肉向上」などを目的別とするトレーニング方法があります。その為、本当は「筋肥大」を目的としたいのに、トレーニング方法を誤ってしまい、なかなか筋肉がつかないと悩んでいる人も中にはいます。
このように目的に応じたトレーニング方法やポイントがあり、それとは別のメニューを行うと自分の思い通りの結果になりません。筋肥大とは筋肉を大きく、太くすることで、男性の場合は体を大きくすることができ、女性の場合は引き締まった身体を手に入れることができます。
女性の場合、ゴツゴツした筋肉がついてしまうのではないかと筋トレを嫌がる傾向にありますが、男性と女性には筋肉のつき方に差があるので安心してください。男性と同じようなトレーニングをしても、女性の場合はかなりの時間を要すので、始めてすぐに男性のように体が大きくムキムキになるようなことはありません。
ボディビルダーのように、高い負荷で筋トレを週に何度も行い筋肉増強剤のサプリメントを使用しない限り、女性は男性のような筋肉を持つことは難しいです。
筋肉を鍛えるメリットについて
筋肉をつけるメリットは、ダイエットの為だけではありません。筋肉を付けることは多くの効果をもたらし、健康的な身体を作り上げます。筋トレというとジムにいってトレーニングするイメージがありますが、自分の体重を使った自重トレーニングや家の中の重りを使えばどこでも手軽にできます。
また、有酸素運動のように、30分以上長時間やらないといけないわけではありません。筋トレは5分でも10分でも、ポイントを抑えて密度濃いトレーニングを行えたかが重要なので、時間短縮できることもメリットとして挙げられます。筋肉トレーニングを行うことで感じられるメリットは下記のようなが挙げられます。
筋肉を鍛えることでのメリット
- 限界に挑戦することで、精神的に強くなる
- スポーツパフォーマンス向上
- 代謝力を向上させ、食事を楽しめる
- 気持ちを切り替え前向きでいられるようになり、うつ病を改善する
- 筋肉の動きを理解し、使い方を知ることで、日常動作が滑らかに
- 睡眠の質が向上
- 肥満のリスク低下
- バランス感覚の向上
- 骨粗しょう症予防
- 高血圧予防、心臓を健康的な状態に保つ
- 血糖値をコントロール
- 腰痛の予防
- ボディラインの改善
- 便秘解消
- ダイエット、脂肪燃焼
- 死亡リスクを下げ、長生きできる
筋肥大トレーニングのポイント
効率的に筋肥大をさせる方法は日々研究されています。
様々な研究グループの結果に基づいたポイントを知り、それをトレーニングメニューに取り入れることで、筋肥大を効率的に行うことができます。ここでは、筋肥大トレーニングのポイントについてご紹介します。
高負荷で少ない回数
筋トレのトレーニング効果を出すには、高負荷を筋肉にかけることが大切です。これを行うことで、出来るだけ多くの筋繊維を動かして、回数を重ねることで筋肉内のエネルギーを消費させます。
この負荷設定はとても重要です。初心者の場合、どのくらい負荷をかければいいのか、迷う方もいます。この負荷のかけかたは目的によって異なりますが、筋力向上の場合は1回~6回、筋肥大の場合は7回~12回、筋持久力の向上には12回以上が目安と言われています。その為、今回の筋肥大の場合は、7回~12回行うのが限界なくらいの重量を参考に設定するのがいいです。
20回も30回できてしまう重量は、軽すぎてしまい負荷が掛かっていないので、持久性を鍛えるのには適していますが、筋肥大を目的としたトレーニングとしてはふさわしくありません。重いと感じて10回程度しかあげられない方が効率的に筋肥大を行うことができます。筋肉は限界まで追い込むことで様々な効果を得ることができるのです。
自分に適した重量を選んだら、次は行う回数とセットを設定しましょう。6回~10回を1セットとして、3セットほど行います。しかし、大胸筋などの大きな筋肉を鍛える場合には、5セット~6セットほどに増やして行うのがオススメです。高負荷で少ない回数を何セットか繰り返すことで、筋肉を効率よく鍛えることができます。
インターバルを短く取る
トレーニングをしている時のセットとセットの間には休憩があります。この休憩をインターバルと呼び、取る時間でも効果が異なります。ダラダラと休んでいたら効果がなく、筋肥大を目的とした場合のインターバルの取り方は、30秒~1分です。
筋肉の疲労が完全に回復する前に、次のセットに移ります。筋肉が疲労すると成長ホルモンの分泌を促す乳酸が現れます。これが現れることで、更に筋肉を発達させる効果がある為、インターバルの期間を短くして、乳酸がでている状態に保つのが効果的です。
また、筋肉を酷使すると、パンプアップと呼ばれる筋肉がパンパンに腫れた状態が一時的に起こる可能性があります。これは疲労が溜まっている状態なので、続けると筋肉パフォーマンスが落ちてしまいます。パンプアップした部分は少し休ませてから筋トレを続けた方が効果があります。
選択と集中を行う
1回のトレーニングで全ての筋肉を鍛えるのではなく、「今日は上半身のみ」「次のトレーニングは下半身」などと部分的に選んで集中して筋肉トレーニングを行うのが効果的です。 多関節運動よりも単関節運動を取り入れた方が、筋肉を鍛えるのに最適だと言われています。
また、筋肉を鍛える時は小さい筋肉よりも大きな筋肉を鍛える方が効果的です。「二の腕を細くしたいから上腕二頭筋を鍛えよう」と上腕二頭筋ばかり鍛えても効果が感じにくいです。それにプラスして、胸付近に位置する大胸筋や背中にある広背筋、下半身の大腿筋を鍛えることで全体的な代謝性も改善することができ、ダイエットに効果的です。
部分的に引き締めたいと思っているものにプラスして、大きな筋肉を鍛えることを心がけましょう。
休息をとる
トレーニングを始めると筋肉痛が現れます。この筋肉痛は高い負荷が筋肉にかかった場合や運動慣れしていない人が急に運動を始めると翌日、もしくは2日後に現れます。筋肉痛は筋肉をしっかりと使ったという証拠でもあり、筋繊維が損傷して生じた炎症のことで、筋肉が回復することで改善されます。
トレーニングをすると、筋肉が疲労を感じた状態になります。この状態のままトレーニングをすると、筋肉が回復せずに筋肉の発達を遅らせてしまいます。中にはオーバートレーニング症候群と言われる慢性疲労状態を引き起こしかねないので、休息は重要です。
一般的には48時間~72時間は回復に時間を要すといわれているので、トレーニングの後は2日~3日ほど休息をしっかりと取ることが重要です。筋肉が回復すると元の状態に戻り、更に元の状態をこえて強い筋肉へと変化していきます。
筋肉の可動領域を最大限に使う
筋肉を作るのに大事なことは、可動領域いっぱいに使うことです。例えば、腹筋を鍛えたいと考えた時に、腹筋のメニューを取り入れる人が多いと思いますが、これらのメニューのほとんどは筋肉を収縮させたものが多いです。筋肉を鍛えるのには、収縮させるだけでなく伸ばす動作も重要になります。
収縮した動作に伸ばす動作を付け加えたメニューを取り入れることで、筋肉を最大限に使うことが出来、筋肥大することが出来ます。腹筋の場合は、背伸びをしてみたり、背筋などのメニューを取り入れると、腹筋が伸びているのを感じられると思います。このように伸ばす動作をメニューに取り入れましょう。
マンネリしないように注意
人は同じ方法や同じことを行っていると、順応してきて筋肉が成長しなくなります。その為、常にマンネリしないように「種目」「重量」「レップ数」「セット数」などの 仕事量、トレーニング量が適正か考える必要があります。
以前は4キロのダンベルの重りを使って、最大でも6回ほどしかできなかった種目が、2週間後には結構楽にできて20回~30回ほど続けてできるように感じるのであれば、重量を変更したりやり方を変更する必要があります。このようにして、体が順応してきたと思ったら刺激や変化をつけることが重要です。
良質なタンパク質を取る
食事内容は、筋肉を作るのに大切なポイントの1つです。筋肉に必要な食事はタンパク質、ビタミンB1、クエン酸です。中でも「筋肉を作るのに良質なタンパク質を取ろう」という話は誰もが聞いたことあるのではないでしょうか。
しかし、良質なタンパク質の定義を正しく説明している人は少ないです。一説によるとプロテインスコアが高い食材が良質なタンパク質だと考えられています。私たちの体には、20種類ものアミノ酸が必要と言われ、そのうち9種類は自分たちで作り出すことが出来ない為、食事から取り入れる必要があります。
この必要不可欠なアミノ酸の量によって良質かどうかを判断していると言われ、良質なタンパク質の代表的なものとして、卵、秋刀魚、イワシ、マトン、豚肉、カジキ、アジ、鶏肉、イカ、そばなどが挙げられています。
中でも卵は100点満点と言われるほどの良質なたんぱく質である為、日々の食生活に積極的に取り入れることが重要です。
プロテインの摂取タイミング
筋肥大を行う場合、たんぱく質が手軽に取れるものとしてプロテインがあります。プロテインを取る必要がある人は、運動直後45分以内に摂取するのが効果的です。運動した後は、筋肉は栄養補給と回復をし始めます。
特に、運動した後は筋肉に送られるアミノ酸が3倍までアップするので、筋肉に栄養をしっかり届けるチャンスの時間でもあります。筋肉を酷使したトレーニングをした場合、筋肉が収縮することで分解が進みますが、この時に栄養素が足りていないと逆に筋肉が痩せて細くなってしまいます。その為、運動直後にプロテインを取るのが効果的だと言われています。
プロテインは、種類が豊富にあり迷う方もいますが、吸収スピードが早い「ホエイプロテイン」と一緒に「糖質」を取るのがオススメです。また、寝ている時には成長ホルモンが分泌されます。
この成長ホルモンは、筋肉の成長を助けるものです。その為、就寝前に30分~1時間前にプロテインを取るのも効果的です。寝る前に摂取する場合のプロテインは、ゆっくりと補給できる「カゼイン」や「大豆プロテイン」がオススメです。
カロリー摂取量の見直し
筋肥大を起すのには、日々のカロリー消費量よりもカロリー摂取量を多くする必要があります。もともとダイエットを目的としている方の場合は、既に摂取カロリーがオーバーしているからダイエットを決意されたと思うので、食事内容を増やしたり、極端に減らす必要もありません。
筋トレをしているからといって、食べ過ぎると余計な脂肪がつくので、食事内容の見直しは重要な要素です。体のサイズや体質によっても目安が異なりますが、ポイントは1回の食事にたんぱく質や炭水化物を多めに取ることです。
自分の消費カロリーを把握し、摂取カロリーを下記の割り合いで摂取することで目標とする体型に近づけることが出来ます。
- 筋肥大が目的:炭水化物40%、たんぱく質40%、脂肪20%
- 現状維持をが目的:炭水化物35%、たんぱく質35%、脂肪30%
- 絞り込むのが目的:炭水化物30%、たんぱく質40%、脂肪25%
筋肥大のトレーニング方法
筋肉を鍛える方法として、ダンベルトレーニングなどを思い浮かべる人もいますが、筋肉の負荷のかけかたは単なるウエイトトレーニングでなく、様々あります。
ここでは、筋肥大のトレーニング方法についてご紹介します。
自重トレーニング
自重トレーニングは、字からも想像ができるように自分の体重を使ったトレーニングのことです。このトレーニング方法は、道具を使わずにトレーニングする方法で、腹筋やスクワットなどの方法が当てはまります。
自重トレーニングメニュー は自宅でもどこでも場所を問わずに出来る方法なので、始めて筋トレを行う方に特にオススメです。
スロートレーニング
スロートレーニングとは、ゆっくりと動かす動作を取り入れる運動方法の1つです。軽めの負荷であっても、ゆっくりと動かすことで大きな負荷へと変えることができ、筋肥大効果を得られます。
例えば、プッシュアップと呼ばれる一般的な腕立て伏せメニューを行う場合に、ゆっくりと7秒~10秒ほどかけて1回こなすのと、秒数をかけずに行う方法では負荷のかかり方が違うと感じるはずです。
この方法で行う場合は、普段よりも軽いウェイトを使ってできるので、普段使っているウェイトに慣れてきたら、このように動作をスローにすることで負荷をかける方法もあります。どんな動作でも最低でも5秒かける必要があります。
チューブトレーニング
チューブトレーニングは、ゴム状のチューブを使ったトレーニングのことで、チューブを引っ張ったり、押したりして負荷をかけることができます。チューブの抵抗力を利用して高負荷をかけることができます。
ダンベルなどのウェイトなどと比べて場所をとることもなく、軽量なのでカバンに入れて持ち運びも楽で、出張先や家、宿泊先など場所を選ばずに楽しむことができます。
トレーニングツールも豊富で、チューブの強度を調整することができるので、自分に合った強度の選択がしやすいのもメリットの1つです。
加圧トレーニング
加圧トレーニングとは、腕や脚の付け根に専用ベルトで圧力をかけて行うトレーニング方法です。血流を制限して筋肉を低酸素状態にすることで、普段使われない筋繊維を刺激することができ、少ない負荷で短時間で効果が現れます。体力がない人や血流を改善したい人にもオススメです。
血流制限には注意が必要で、負荷の選択も素人では難しいので、加圧トレーニングを専門とするトレーナーがいるとこで指導を受けることをおすすめします。
重量トレーニング(ウエイトトレーニング)
ウエイトトレーニングを知っている人も多いと思いますが、ジムにあるようなバーベル、ダンベル、ベンチプレス、マシンなどのウエイトを負荷としてかけて行うトレーニング方法です。
家に置いておけるような、5キロ程度のダンベルであれば家でも出来ますが、それ以上の負荷が必要な場合は、ジムに通うことを選択されることをオススメします。
おわりに
筋肥大を目的として筋トレを始める人は多いですが、何となくで始めてしまって効果がなかなか出ずに諦めてしまう方も多いです。
せっかく、筋トレを始めるのであれば、筋肥大を効果的に発生させるポイントや負荷のかけ方を正しく知ってトレーニングを行うことが重要です。
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