昔は、母乳で育てると体型が崩れるからと一時期ミルクで育てるママが多かったですが、母乳がよいことが分かり、母乳が見直されてきています。
平成27年度は51.3%(1ヶ月)~54.7%(3ヶ月)の人が母乳で育て、昭和60年度の数字49.5%を大きく上回っています。一時期一番母乳が少なかった頃は平成17年度頃で42.4(1ヶ月)~38.0%(3ヶ月)です。
これは、育児休暇や働いていないママが増えたためでもあります。それに、近年は美容にとても気を使う方が増えているので、その関係もあるのかも知れません。
母乳でどうして痩せるのでしょうか?母乳について詳しく記事にしてみました。
母乳がでる仕組み
もう、皆さまは母乳の出る仕組みはご存知かも知れません。しかし、知らない方のためにおさらいの意味で見てみたいと思います。
母乳の出る仕組み
妊娠中になるとエストロゲンとプロゲステロンのホルモンが、胎盤から分泌されるようになります。出産すると同時に胎盤が体外に排出されるので、これらの、女性ホルモンが急激に減少します。
赤ちゃんを出産すると、脳下垂体からプロラクチンという母乳を精製するためのホルモンが分泌されます。母乳の素はママの血液からできています。
プロラクチンは乳腺に活発に働きかけて母乳が生産されるように促します。乳腺葉で作られた母乳は乳管を通り、乳管洞に蓄えられます。これが、母乳の仕組みです。
その、産後の身体の働きは巨大工場と等しく、24時間フル稼働している状態と変わりません。母乳が生産されるようになると、赤ちゃんが乳首を吸う刺激によりオキシトシンというホルモンが作用します。
この、ホルモンが乳腺の周囲の筋肉を収縮させて、母乳ポンプのように赤ちゃんの吸う刺激で口の中に押し出されます。
母乳で痩せる理由
なぜ、母乳だと痩せるのでしょうか?それは、授乳することで消費カロリーが増えるためです。痩せる理由について見てみました。
授乳期間は消費カロリーが多いため
母乳の育児を続けているだけで、1日500~700kcalを消費することになります。この数字は1日の食事の1回分に相当し、また、ジョギングで1時間消費するカロリーと同じになります。
1日赤ちゃんに母乳を飲ませると、運動をしなくてもこれだけのカロリー消費がされ、母乳育児を続けることでダイエット効果が期待できるのです。
厚生労働省の「日本人食事摂取基準」では、授乳婦の推定エネルギー必要量は、一般女性の消費カロリー+350kcal/日とされています。
一般女性の消費カロリーは、約1500kcalと言われているので1日に約1850kcalの食事を摂取することで健康な身体になれるということです。
この、カロリー消費よりカロリー摂取が少なければ必然的に痩せてきます。授乳期は、乳腺炎などのトラブルを避けるために甘いものや脂質を我慢する人が多く、それだけでも痩せることができます。
母乳育児と混合育児でのダイエットの差
母乳の出が悪かったり、また、ママの考えで完全母乳ができない場合があります。完全母乳だと消費量が大きいですが、混合育児だとその差は出てきます。
母乳とミルクを比べた場合、消費量が赤ちゃんがミルクを飲むだけ少なくなります。ダイエット効果だけ考えると、混合育児は完母より効果は低くなります。
母乳ダイエットがよい理由
母乳育児を始めると、必然的に食生活に気を配るようになります。赤ちゃんの成長に合わせて身体に良い食べ物を摂取するようになり、乳腺になりにくい痩せやすい食事を求めるようになります。
赤ちゃんが成長することと、自分達の健康が母乳育児をすることで得られることになります。
産後太りを解消するには
産後半年はママが痩せるのに一番良い時期とされています。この痩せやすい時期を利用して色々なダイエット方法を試みるのもよいでしょう。
しかし、赤ちゃんが生まれた産後は育児ストレスや、ホルモンバランスの乱れからストレスが溜まりやすく、そのやり方は工夫しなければなりません。
どのような工夫をすれば痩せられるのでしょうか?
母乳で痩せるのは産後半年間が勝負
出産直後の脂肪は落としやすいです。数か月たった脂肪の質と、出産直後の脂肪の質が違います。出産直後の時期はダイエットチャンスといっても良いでしょう。
妊娠中に付いた脂肪は水分を多く含んでいます。ダイエットすると落ちやすい流動性のある脂肪ですが、数か月経っていくと脂肪がだんだん硬くなって落ちにくくなっていきます。
授乳中はお腹が空きますが、3食分をきちんと普通の量食べることが必要です。お腹が空いたからと言っておなかいっぱい食べていたのでは、胃が膨らんで食べ物を要求する食欲が膨らみます。
食事を育児で十分摂れなくてお腹が空いた場合は、間食などに寒天ゼリーなどの繊維質のものを摂り入れると栄養的にも良いです。
基礎代謝を上げる
基礎代謝を上げるには筋トレが一番良いですが、産後にそのような時間はありません。基礎代謝を上げると消費カロリーが上がって痩せます。
しかし、育児中にジムなどに通う時間がない方はどうしたら良いのでしょうか?
- たんぱく質は脂肪分のすくないもの
- 食事は食物繊維などを取り入れて噛み応えをよくする
- 軽めのストレッチ体操を食事前にする
- 温かいまたは常温の飲み物を進んで摂るようにする、緑茶や水
- 睡眠の質を上げる
- お風呂にゆっくりとつかる
- ウォーキングなどして運動量を徐々に増やすして筋肉量を取り戻す
以上のようなことを取り入れると良いでしょう。また、家でできる運動を取り入れるやり方には次のようなものがあります。
骨盤矯正エクササイズ
骨盤矯正エクササイズのやり方は次の通りです
- 足を真直ぐに延ばして床に座る
- 手を前に習え、または真直ぐに伸ばした状態でキープし足は肩幅に開く
- そのまま、前後にお尻を動かしながらあるく
赤ちゃん抱っこスクワット
赤ちゃんを抱っこすると負荷がかかります。
- 赤ちゃんを抱っこ紐に入れ固定する
- 赤ちゃんを抱いたまま壁に背中を付ける
- その状態でスクワットをする
- 30回を1日3回行う
酵素ダイエットで痩せる
酵素ダイエットは、無理なくできて授乳中でも安心でき、母乳によい影響を与えることができるので、ダイエットしながら赤ちゃんの成長に役立てることができます。
授乳中に酵素ダイエットをすると母乳によい影響を与えます。酵素ダイエットは、食事の置換ダイエットが必要となりますが、産後ママに母乳の質を高めながら、ダイエットするにはとても良い方法です。
酵素ドリンクは「ベルタの酵素ドリンク」が妊婦・赤ちゃん向けの商品で一番おすすめ商品です。
母乳で痩せるための食事と食べ方
母乳で痩せるためには質と量がよく無ければなりません。
そのために食事内容は塩分や糖質の多い洋食にするのではなく、和食にすることが大切です。
母乳ダイエット法を成功させる食事
母乳ダイエットを成功させるには、母乳の分泌量を上手くすることが必要で、完全に母乳にしたい場合は食事からまず気を付けなければいけません。
食事と母乳の質と量は比例しており、とても深い関係があります。ですから、食事の質と量を高めることは良質な母乳の授乳量を増やすことにつながります。
母乳はママの血液からできていて栄養成分の分泌は食べ物から吸収されるのです。健康な赤ちゃんを育てるには、ママの食べ物の質と量が大切になります。
授乳中は、特にお腹が空きますが食欲に任せて食事や、間食を消費カロリー以上に摂っていたら痩せることはできません。食事量を食事制限する必要が出てきます。
無駄な糖質や脂質は、母乳として体内で作り変えることができないので、栄養バランスや食事の時間帯に注意して減らすことが必要です。
授乳期に必要な栄養素
ママが授乳期のときに必要とする栄養分は次のものが挙げられます。
- たんぱく質
- 炭水化物
- 必須アミノ酸
- ビタミンK
- 鉄分
米・野菜・豆類・海藻の食材に多く含まれます。母乳の量や質を保ってカロリーバランスを授乳中に上手く摂ることができる栄養成分のメニューは和食が一番です。
和食中心の食事
塩分や脂質の高い食事をしていると、乳腺炎にかかりやすくなるとWHOで喚起しております。洋食は塩分や脂肪の多い食事メニューです。
和食中心の食事には、豆腐などの大豆製品や、鶏肉などの低カロリー高蛋白質の食材が多く、栄養をしっかり摂りながら体重を無理なく落とすことができます。
ゆっくり食べて腹八分目
赤ちゃんとの生活はついつい早食いになりがちですが、ゆっくりよく噛んで最低でも20分かけて食べることが大切です。血糖値上昇が満腹中枢を刺激するのに20分かかります。
赤ちゃんが泣いて食べきれなかった時は数回に分け、腹八分目で食事を済ませることが必要で、お腹がパンパンになるまで食べないことです。
暖かい飲み物を飲む
授乳期の水分摂取は食事と同様とても大切です。水分補給は1日に2リットル以上を少しずつ分けて摂り入れることが必要です。
食事のたびに温かい汁物を用意したり、朝晩や授乳のたびに意識して何回かに分けて飲むことが大切です。
冷たい飲み物だと身体を冷やし血行が悪くなって母乳の出が悪くなります。温かい飲み物を飲むと血行が良くなり乳腺炎予防やリラックス効果があります。
温かい飲み物で血行促進し、母乳不足が気になる場合はミルクアップブレンド、母乳が詰まりやすい場合はミルクスルーブレンドなど、ママの母乳の出方で飲み物を変えてみるとよいですね。
ただし、乳腺炎ができた時は余り温かい飲み物を飲むと、症状を悪化させることがありますので、常温で飲む量に注意してください。
食物繊維を摂る
食物繊維はダイエット効果があり腹持ちがよく代謝をアップさせます。繊維質は脂肪を吸収して体内に脂肪を蓄積するのを抑える効果があり、乳腺予防にもなります。
食物繊維の多い寒天をデザートの代わりにするのも良いですね。
おやつは和菓子がよい
おやつは洋菓子より和菓子の方がカロリー的にも少ないです。母乳のときは糖質が低いものがよいと分かっていても、甘いものが食べたくなります。
そのような時は、和菓子を食べるとよいのですが、お餅はカロリーが高いので食べすぎないように注意が必要です。
母乳ダイエットしても痩せない理由
母乳には個人差があってママの体質や、赤ちゃんの吸う力などの条件も大きく関わります。
完全母乳育児をしているのに痩せないというママは、気楽な気持ちで母乳を与えることが必要です。
ホルモンの乱れから痩せない
ホルモンバランスの乱れからくるものがあります。妊娠中は女性ホルモンの分泌が多いですが、出産と同時に女性ホルモンが一気に減少します。
エストロゲンは食欲を抑え脂肪の代謝を促す働きがありますが、プロゲステロンは食欲が抑えられなく脂肪を溜めこめやすい働きがあります。
ですから、プロゲステロンが多いままだと、暴食しやすく太りやすい状態になったままのため一向に痩せないということがあります。プロゲステロンの分泌が多いままだと痩せにくい体質になっている可能性があります。
ホルモンバランスを整えるのによい栄養素は次のようなものがあります。
- 亜鉛・・・・・・・卵・うなぎ・牡蠣・チーズ
- ビタミンB6・・・魚(まぐろ・かつおなど)・にんにく・酒粕
- ビタミンE・・・・アーモンド・ゴマ・アボカド
- 不飽和脂肪酸・・・魚の脂・えごま油・オリーブオイル
食べすぎ・カロリーオーバーのため痩せない
痩せないと嘆くママはカロリーオーバーしてませんか?
1850Kcalだからと安心し母乳を上げるからといって沢山食べて食欲のおもむくまま食事や間食をしてカロリーオーバーしていると痩せません。
早食いで痩せない
赤ちゃんが寝たと思ったらすぐ起きて、ママの姿が見えないと泣く、また、静かに遊んでいると思ったら抱っこをせがむと、育児をしていたらママの時間はほとんどありません。
そのため、食事をキッチンで立ったまま済ませたり、猛スピードでご飯をかけ込んで食べることも多いのではないでしょうか?そのような早食いは肥満の要因となります。
インスタント・レトルト食品は痩せない
赤ちゃんの育児であっという間に過ぎていく一日は、ゆっくりと料理などやっている余裕がありません。
そんなときに、簡単に出せるインスタントやレトルト食品などはカロリーが高く、塩分や脂肪がとても多く含まれています。
このような食品を頼っていると太ってくるのは当然です。
母乳不足で痩せない
バランスにこだわって食事して完母で安定しているのに痩せない人は、母乳不足の可能性が指摘されます。
思ったほど母乳が出ていないので、消費カロリーより摂取カロリーが多くなっている場合があります。
赤ちゃんの体重を定期的に測って、成長の様子をチェックすることが大切です。母乳だけで痩せないなら体操や、骨盤矯正ケアグッズなどを使ってカロリー消費させましょう。
また、そのような時間が取れない方は、赤ちゃんと一緒になって家の中で運動するのも良いですね。おんぶして雑巾がけ、赤ちゃんをあやしながらストレッチ、抱っこしてスクワットなど家の中で消費カロリーを減らすことは沢山あります。
身体を動かすことで健康的な身体作りができます。
母乳を与えなくなると太る
断乳や卒乳によって母乳やミルクを赤ちゃんが飲まなくなると太る方がおられます。なぜ、太ってくるのでしょうか?その理由を見てみました。
カロリー摂取量が多いため
母乳を与えるようになってカロリーを350kcalを増やしました。しかし、離乳してから太る人はそれまで母乳を与えていた時のカロリーと同じ量の食事を摂っている人が多いのです。
母乳を与えていた時に350kcal増やしたのだから、当然離乳になった時には350kカロリー減らさなければなりません。
授乳中は赤ちゃんの健康に関わりますので、無理なダイエットはしないようにすることがお母さんとして与えられた責任でもあります。
例えば、授乳中に断食ダイエットなどを行うと、もろに赤ちゃんの健康にかかってきます。それだけではありません。次のようなデメリットが考えられます。
- 母乳の出が悪くなる
- ストレスが溜まる
- 脱水症のリスクが高まる
- 育児をする上でのエネルギー不足になります
- 精神的不安定
- 産後の回復が遅れる
- 筋肉が落ちる
母乳育児中のダイエットの注意点は基礎代謝を上げることが必要です。同じものを食べてもエネルギーを消費しやすい体にすることで、母乳の質と量を落とさなくてできます。
断乳とは
母乳や哺乳瓶のミルクをやめさせるのを、ママ側で決めて辞めること
卒乳
母乳や哺乳瓶のミルクを子供の方から自然と飲まなくなることです。
時期は栄養が食事でとれることがポイントで、離乳食が安定してきた1歳~1歳半を目安にされる方が多くいます。
大切なスキンシップを考えると2~3歳でも別に良いのです。その家庭の環境によってこの離乳は違ってきます。
まとめ
母乳で痩せる方法について見てきましたがいかがでしたでしょうか?母乳で子供を育てるのが一番健康状態も、精神的な面においてもよいといわれています。
出産した時期は、特に初めての場合分からないことばかりで育児ノイローゼになられる方もおられます。自分が生んだただ一人の肉親です。
赤ちゃんの将来がかかっていますので大事に育てて下さいね。お母さんの考え方で子供の将来が決まってしまいます。
余り気張らずゆったりとした気持ちで、赤ちゃんと一緒に成長する気持ちで育児を考えられたらいかがでしょう。
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