だるいし眠い原因!これらの症状が考えられる病気は?

睡眠時間はしっかり確保しているつもりなのに「体がだるい」「日中に眠い」といった症状はありませんか。いずれも「気のせい」で済ましてしまいがちな症状なのですが、実はこの2つの症状の組み合わせは、体の中に良くないことが起きているサインです。

「だるい」「眠い」を引き起こす「深刻な病気」を紹介します。

だるいねむい

自律神経失調症の症状

「だるい」「眠い」を引き起こす病気として考えられるのは、自律神経失調症です。社会問題になっている「うつ病」の陰に隠れて目立たない病気ですが、とてもつらい症状を引き起こします。

倦怠感と疲労感

自律神経失調症の患者が感じる「だるい」という症状は、「倦怠感」と「疲労感」に分かれます。倦怠感とは「やる気」が出ない症状です。一方の疲労感は「やる気」はあるのですが、行動に移せない状態をいいます。

めまいと立ちくらみ

めまい

倦怠感や疲労感が強くなると、明白に「私、調子悪いかも」と感じられる症状が出てきます。そのひとつが、めまいや立ちくらみです。

微熱とほてり、冷え

明白な調子の悪さは、まだ続きます。微熱やほてりが出てくる人もいます。逆に、冷えを感じる人もいます。これはいずれも、自律神経が壊されたために、体温調整がうまくいっていないと考えられます。

食欲がない

自律神経が障害されると、食欲がわかなくなることがあります。「だるい」「眠い」と並んで「食欲がない」という症状は、周囲の人に理解してもらえない症状の代表です。

周囲の人の理解が得られないということは、患者に「頑張らなきゃ」「我慢しなきゃ」「人に言えない」という自制の気持ちを植え付けます。自制は、自律神経失調症という病気をどんどん見えにくくしていきます。

感情

自律神経失調症が悪化すると、感情のコントロールがきかなくなります。

不安感や憂うつな気持ちになります。意欲感が落ちたり、無気力になることもあります。急にイライラしたり、急に悲しくなることも。

集中力や記憶力が低下する症状もみられます。

自律神経失調症の原因

「自律神経」ってなんでしょうか。そもそも「神経」ってなんでしょうか。こうした基礎知識を交え、自律神経失調症の原因を解説していきます。

神経とは①

神経

神経は、感覚や感情、呼吸、運動などを活発化させたり制御したりする機能を持っています。指示は「脳」が出します。脳が必要とする情報を収集したり、脳の指示を実行するのは「各器官」が担います。では「神経」は何をするかというと、「脳」と「各器官」を結んでいるのです。

ちなみに「各器官」とは、人間のあらゆる臓器や器官のことを指しています。目、胃、筋肉、骨、血管などなどです。人間は「各器官」が結合して生きています。

神経とは②

神経は、司令塔としての「中枢神経」と、各器官につながる「末梢神経」があります。「自律神経」は末梢神経の仲間です。つまり自律神経は、各器官に直接つながっているのです。

野球チームで例えると、脳は「監督」です。中枢神経は「コーチ」です。各器官は「各選手」です。そして「自律神経」は「キャプテン」です。

いくら「監督」や「コーチ」が正しい指示を出しても、試合が始まれば、「各選手」がそれぞれに判断をしなければなりません。しかし「キャプテン」だけが、プレー中のフィールド上で「各選手」をコントロールできるのです。

交感神経と副交感神経

自律神経はさらに2つに分かれます。「交感神経」と「副交感神経」です。

交感神経は、日中に活躍する神経です。血圧を上げたり、心臓を速く動かしたりと、人が活発に動けるように準備してくれます。

副交感神経は睡眠時や休憩しているときなど、リラックスしているときに働きます。血圧を下げて、心拍数を少なくしたりします。

交感神経が活躍しているときは副交感神経が休み、副交感神経が活躍しているときは交感神経が休むという「スイッチ」のような関係にあります。

自律神経が障害される

自律神経失調症は、自律神経が障害されて起きます。脳や中枢神経が正常に動いていても、各器官に異常がなくても、各器官に直接働きかける自律神経が正常に動かないので、各器官も正常に動かなくなるのです。

ストレス

自律神経を障害するのはストレスです。

しかしこの「ストレス」という言葉は、実にやっかいです。というのも「ストレス」を「日常生活で生じる困難」と理解してしまうと、「そんな困難は誰もが抱えている」となってしまうのです。しかしこれは「ストレスの一面」しかとらえていません。

「ストレス」という言葉には「病気を引き起こす深刻な攻撃」も含まれているのです。自律神経失調症の原因となるストレスも、深刻な攻撃といえるでしょう。

身体的なストレスとしては、熱い寒い、騒音や悪臭、病気や手術、過労や深酒があります。精神的なストレスでは、家庭内、職場、学校などで発生します。

「そんなこと?」と思わないでください。ある人にとっては「そんなこと?」でしかないストレスでも、ある人にとっては「深刻な攻撃」になりうるのです。

それがストレスの怖いところなのです。

自律神経失調症の治療

「だるい」「眠い」が続き、さらに微熱や意欲低下などの「その他症状」が現れたら、医者にかかりましょう。受診する科は、精神科や心療内科となります。

ストレスを取り除く

ストレス

自律神経失調症の治療で最も重要なのは、自律神経をいたわることです。つまり休息です。仕事を減らしたり、人間関係の軋轢を取り除いたりする必要があります。

睡眠時間帯がまちまちな人は規則正しい生活を送ることも必要です。

また、運動も効果的です。運動というと、ウォーキングや水泳などを思い浮かべると思いますが、普段家事をやってこなかった人にとっては、家事はいい運動になります。庭いじりも足腰を鍛えるには良いでしょう。自律神経失調症は「心」に大きくかかわる病気ですから「良いこと」をすることも、予防になりうるのです。

食事

自律神経失調症の患者は、食生活が乱れている人が多いです。それは「生活の乱れ」が最も顕著に現れるのが「食生活」だからです。

ビタミンA、B、C、E、カルシウムが多く含まれている食材を選びましょう。

ストレスを減らしたり、生活を見直しても改善しない場合は、薬が処方されます。ビタミン剤、漢方薬、自律神経調整薬、抗不安薬、睡眠薬などが使われます。

睡眠障害について

「だるい」「眠い」の症状が出る病気には「睡眠障害」があります。ここでは不眠症と過眠症についてみてみます。

不眠症の症状

不眠症の症状でまず現れるのが「寝つけない」です。さらに、やっと眠れたにもかかわらず、夜中に目覚めてしまうこともあります。そして、早く目覚めてしまいます。

不眠症とは、まったく眠れない状態のことだけを指すのではなく、「質の悪い睡眠」も含まれます。質の悪い睡眠の方が発見されにくいので、深刻化する可能性があります。

不眠症の原因

不眠症は現代病といえるでしょう。パソコンの業務が長時間に及ぶ、寝る間際に食事をしてしまう、寝る間際にシャワーを浴びてしまう、運動をしない、こうした生活を完全に避けることができる現代人は少ないでしょう。しかしこれらはすべて不眠症の原因となります。

不眠症の改善策

ですので、不眠症を改善するには生活をあらためることが先決です。

パソコンやスマホを見る時間を意識的に減らしたり、夕食と入浴は寝る2時間以上前に済ませておく、そして適度な運動を心掛けてください。

過眠症の症状と原因

引き起こす「ナルコレプシー」という病気は、突然の猛烈な眠気が特徴です。日中の仕事中に、1対1の打ち合わせをしているときに眠りに落ちてしまうこともあります。

また「睡眠時無呼吸症候群」も過眠症状を引き起こします。この病気は自覚症状がないことが特徴です。睡眠時無呼吸症候群の患者に「夜はぐっすり眠れていますか?」と尋ねると、多くが「大変ぐっすり眠っています」と回答するのです。

しかし実際は夜中に何度も目覚めているのです。それで日中眠くなります。

うつ病

晴れ

最後に「だるい」「眠い」の症状を引き起こす病気の中でも、最も怖い病気を紹介します。それはうつ病です。うつ病が疑われたら、なるべく早い時期に医者にかかってください。

うつ病は、症状が多岐にわたることが特徴です。だるい、眠いに加えて、意欲がない、目覚めての起き上がれない、「死にたい」と思う、このような症状があったら、うつ病が疑われます。

まとめ

病気の最大の敵は、病気自体より「気のせいと思う気持ち」の場合があります。「だるい」と「眠い」には、以上でみてきたように、さまざまな病気が隠れている可能性があります。「気のせい」と思ってやりすごしてしまうのか、「病院に行ってみよう」と決断するかは、その後の生活に大きな影響を与えます。

「変かも?」と思ったら、誰かに相談したり、医者にかかったりしましょう。

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