四六時中、性的な行為の事で頭がいっぱいだとか、好きでもない不特定多数の異性との不倫がやめられない、仕事や家庭も近頃どうでもよくなってきたなどと考え始めたら、要注意です!それはもしかしたら、性依存症によるものかもしれません。
私達は普段、自分の性に関する深刻な悩みを人に打ち明けたり、相談することはあまりありませんよね。相手が自分の悩みを聞いた上で、どのようなリアクションを取るのか、とっても不安で怖いからです。
しかしながら、時には孤独にならずに、あなたの大切な人達のためにも、手遅れにならない前にあなたの悩みを相談し、理解してもらい、治療をしてもらうことが、必要なこともあるのです。今日は、まだ一般的には本当の実態をよく知られていない性依存症について紹介していきます。
性依存とは?
一般的に呼ばれている性依存症とは、正式には性嗜好障害という病気を意味します。性的行為に対する嗜癖であり、精神疾患の依存症の1つです。よくセックス依存・性欲異常・セックス中毒など、興味本位な呼び方をされ、メディアに取り上げられますが、性依存症の実際の認知度はまだまだ低く、自分が性依存症だと気付かずに悩んでいる人達が大勢いるのが現状です。
性依存症の認知度が高まったのは、クリントン大統領の不倫がこの性依存症に起因するという説がメディアによって取り上げられてからです。その他、タイガーウッズ、チャーリーシーンなどのセレブも性依存症として話題になりました。近年では、アルコール依存、薬物依存、ギャンブル依存にならぶ代表的な依存症の1つとして知られています。
依存症とは?
では、性依存症を説明する前に依存症という言葉について考えてみたいと思います。皆さんは、依存症と聞けばアルコール依存症、ギャンブル依存症などを思い浮かべられるのではないでしょうか?
よく様々な依存症患者の家族や周りの人達が、あの人は「意志が弱いから」とか「自分に甘いから」という言葉を口にすることがあると思います。しかしこの依存症という病気は、意志が強い、弱いの問題ではないのです。
自分が抱える問題に気付かなかったり、またそれらの問題に蓋をして見ないふりをし、根本の問題を解決しないでいる時に、何らかの行為から、ある種の快感や高揚感を覚え、その刺激を追い求める欲求を自分がコントロール出来なくなってしまうことなのです。
そのままにしておくと、問題はもっと膨らみ、自分の欲求を満たす方法が過激化し、大変なことになります。アルコール依存症を例にあげると、時間が経つにつれて飲酒の摂取量がどんどんと増えて身体にも悪影響を及ぼす状態に落ち入ります。
依存には、ニコチンやアルコール、食べ物、薬物など物質への依存、ギャンブルやインターネットなど過程への依存、人間関係、恋愛依存など関係への依存などがあげられます。
性依存症の症状
それでは、性依存症とは具体的にどのような症状を言うのでしょうか?
- 社会的なリスクを冒してまで性的問題行動をよくする(痴漢行為、盗撮など)
- 性的行動がやめなれない(自慰行為、不倫、のぞきなど)
- 不特定多数の人間との頻繁な性交渉
- 風俗通い
- インターネットで性的なサイトを頻繁に利用する
- 性的なビデオ、映像、写真、画像の収集をしている
- 幼児に性的欲求を強く感じる
- 仕事中も性行為に関することを考えていまう
- 異性から性行為を誘われるとこばめない
- うつ病のような状態 など
性依存症は、そのままにしておくと法に触れるような行為などに発展する恐れもあります。性的行動のコントロールが取れなくなってしまい、もっと強い刺激、興奮を長時間にわたって求めるようになっていくのです。
犯罪化と社会生活の破綻
性的行為への異常な執着により、時には「性犯罪」と呼ばれる反社会的行動にまで発展しかねない性依存症。痴漢・盗撮・覗き・下着泥棒・露出・幼児誘拐など、被害者を出し、犯罪化するものと、風俗店通いやインターネットなどによる性的サイトの利用などから、被害者は作らないものの、社会生活が破綻してしまうケースもあります。
性依存症による影響
性依存症の患者は、性的な快楽が一時的な不安や恐怖からの避難場所となっているため、あまり安全を考えずに行動をとる傾向にあります。
故に、事故や犯罪に巻き込まれ怪我を負ったり、過度な性交渉による体への負担、性病感染、望まない妊娠の問題を抱えることもあります。
又、不倫や性犯罪が原因となり、仕事や家庭に多大な悪影響を及ぼし、家族や友人までも失ってしまう時もあるのです。
性依存症の原因
性依存症の原因としてあげられるのは様々あります。
- 幼少期の親子関係(愛情不足・虐待・母親の過干渉・両親の不仲)
- 性的虐待
- 健康的な人間関係を作ることができない
- リアルな性的関係を築くことができない
- 過去の恋愛のトラウマ
- 主婦の孤独感・孤立感
- 自己評価の低さ
- 仕事の忙しさによる家族の絆の薄れ
- いじめ
- その他のストレス など
性欲が強いのと性依存症の違い
ここまで性依存症ついて説明してきましたが、皆さんの中には、じゃあ性欲が強い人と性依存症の人の違いってなんなの?と思われるかたもいらっしゃるのではないでしょうか?
性的な行為は、本来なんら問題になることではありません。自然に性欲が強く、性交渉が好き、また一人のパートナーとの性交渉の回数が多いというのは、性依存症ではないのです。何らかの解決を性交渉や自慰行為に依存していると性依存症になるのです。そしてそこから離れられなくなってしまうのです。
例えば、不安な時、自慰行為がしたくてしょうがなくなる、反対に自慰行為をしないと不安になる。又、落ち込むと性交渉がしたくなる。反対に性交渉しないと落ち着かない。過去にレイプなどされ、それを思い出す度に自慰行為をしてしまうなどの状態です。
これらは、自慰行為や性交渉をストレスを忘れるために行い、又嫌な体験を思い出さないように、問題のすり替え行動を行っているのです。しかしながら、自分では気付かないうちにそのような行動をとっていることも考えられるので、症状が過激化するまでなかなか性依存症だとわからない時があります。
性依存症の克服方法
- 依存症治療の専門病院での診察をお勧めします。心理カウンセリングを通して、あなたの心の奥に隠れている欲求を明らかにし、あたなの体をこのような状態にコントーロールしている心と対話することで、その複雑な心の状態を解きほぐし、問題から解放させてあげるのです。
- 性依存症にも自助グループが存在します。自助グループとは、何らかの問題や悩み、障害などを抱えた人達が同様の問題を抱えた個人、又は家族とお互いに支え合い励まし合って、その問題などを乗り越えようとする集団を言います。
まとめ
近年、性依存症と思われるケースが大変増加しています。複数の男性との性交渉においては、30~40代の女性が多く、性犯罪行為は、男性に顕著です。性依存症は、治療が必要な心の病気です。
性依存症とは大変プライベードな悩みでご家族や友人にもなかなか相談できないこともあるでしょう。特に女性は、性依存症と口にだせないまま、症状が無視できなくなるまで悪化してしまう傾向があります。
最初は、性依存症だと気付く事さえないかもしれませんが、症状が自分にあてはまると感じたのなら、一人で考え込まず、まず病院で診察を受け、相談してみて下さい。
自分が抱える問題に気付くこと、そして正面から向き合い、自分を攻めるのではなく、自分の心をいたわってあげることにより、また健全で豊かな人生を自分の力で創っていきましょう。
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