多くの人が、頭では自分に厳しくしなければと思っていても、ついつい安易で楽なほうへと流されてしまい後悔をした、という経験をお持ちではないでしょうか?例えば、ダイエットに挑戦しても、ついつい美味しそうな食べ物の誘惑に駆られてしまい三日坊主で終わってしまった、というような話は枚挙にいとまがないでしょう。
何か物事に挑戦し目標を成し遂げるためには、時として「自分を律する」ことが必要になります。しかしながら、人の心は弱くて、自分の欲望や欲求を抑制することが難しいのです。自分を律するためのことわざ集や成功者の名言集なども市販されていますが、なかなか凡人にとっては参考にしづらいところもあるでしょう。
そこで今回は、様々な誘惑や自分の欲望・欲求に打ち克ち自分自身を律する方法について、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。
この記事の目次
「自分を律する」とは?
そもそも「自分を律する」とは、どういうことなのでしょうか?自分を律する方法を知るためには、そもそも「自分を律する」とはどういうことなのかを理解する必要があるでしょう。
そこで、「自分を律する」という言葉の意味について、ご紹介したいと思います。
「律する」の意味
「律する」という言葉の意味について、いくつかの国語辞書を調べてみると、概ね次のような二つの意味を有することが分かります。
- 一定の規範や決まりを設けて統制や管理をすること。
- ある基準によって物事を判断して処理すること。
「自分を律する」の意味
このような「律する」の意味を踏まえると、「自分を律する」という言葉は次のような意味を有することになります。
・自分を一定の規範や決まりを設けて統制や管理をすること。
そして、自分の「何」を統制・管理するのかと言うと、自分自身の欲望・欲求・誘惑に駆られる衝動を統制・管理することを意味します。
ですから、「自分を律する」とは、自分の欲望・欲求や誘惑に駆られる自分の衝動を一定の決まりを作って抑制すること、を意味すると言えるでしょう。
「自分を律する」の類語
「自分を律する」の意味をより理解するために、「自分を律する」という言葉の類語を挙げてみたいと思います。
- 自らに打ち克つ
- 自制する
- 我慢する
- 自己抑制する
- 自らを戒める
- 自分に厳しくする
- 自分自身をコントロールする
自分を律することは難しい
自分の欲望・欲求や誘惑に駆られる自分の衝動を一定の決まりを作って抑制し自分を律することは、多くの人が実感しているように意外と難しいのです。
その理由は、人間の基本的な性質として、「水は低きに流れ、人は易きに流れる」という故事成語にあるように、人間は安易で楽なほうを選択しがちな性質があるからです。
具体例として、食事とダイエットの例で考えてみます。ダイエットをするには運動をすることが基本ですが、人によっては食事において糖質(炭水化物)や脂質などを少し制限する必要があります。とはいえ、それまで勝手気ままな食生活をしていた人にとっては、自らの本能的な食欲に打ち克って食事制限をすることは非常に厳しく辛いものです。そのため、自分にとって厳しく辛い食事制限は長く続かず、自分にとって快適で楽な欲求のままの食生活へと戻ってしまうのです。
自分を律する方法
このように自分の欲望・欲求や誘惑に駆られる自分の衝動を一定の決まりを作って抑制し自分を律することは、人間に安易で楽な選択をしがちな基本的性質がある以上、なかなか難しいと言えます。
それでは、そんな人間の基本的性質に反して、自分を律するにはどうすれば良いのでしょうか?そこで、自分を律する方法や自分を律するコツについて、ご紹介したいと思います。
自分を律しないことによるデメリットを考える
自分を律する方法や自分を律するコツの一つとして、自分を律せず怠惰な状態でいることによる悪影響やデメリットを考えてみると良いでしょう。
多くの人は自分自身が納得できないことを行動に移すことが難しいと思いますが、逆に言えば自分自身が納得できれば積極的に行動に移すことができる人が多いのです。そのため、自制心を欠いて自分を律することができない状況が続いた場合の悪影響やデメリットを冷静に考えてみると良いかもしれません。
例えば、勝手気ままな食生活をして肥満やメタボ傾向のある人は、その状況を続けることで生活習慣病になりやすく健康を損なうことが容易に考えられます。また同様に、お酒が好きで暴飲暴食しがちな人は、肥満やメタボからの生活習慣病に加えて肝臓機能の悪化も考えられます。そして、このように欲求のままに生活をして健康面を損なうことにより、体力が落ちて十分に仕事ができなくなり、生活のためのお金を得ることすら難しくなる可能性もあります。
このような自分を律しないことによる悪影響やデメリットを考えれば、自ら生活習慣を見直して自分を律することに前向きとなれるかもしれません。
自分を律する意識を持ち悪習慣を断つ訓練をする
自分を律する方法や自分を律するコツの一つとして最も基本的な方法が、自分を律する意識を持って悪習慣を断ち切る訓練をすることでしょう。
当たり前のことですが、自分を律する意識を少しでも持たなければ、自分を律する具体的な行動を起こすことはできません。そのため、まずは短期間でも良いので自分を律する意識を持つように心掛け、具体的に行動を起こして悪習慣を断つ成功体験を積むのです。
例えば、三日坊主となっても構わないので、まずは三日間だけ間食で甘い物を食べることを控えようと目標設定します。その意識を保つために、自分の目につくところに目標や課題を紙に書いて貼り出します。そして、間食を控えるという具体的な行動を起こすのです。その目標や課題を達成できたら、改めて自分を律する意識を確認して、悪習慣を断つ期間を少し長く設定して繰り返します。
また、自分を律する意識を持って悪習慣を断ち切る訓練の一環として、悪習慣に戻りにくいような環境を整える工夫も重要です。例えば、間食で甘い物を食べることを控えるのであれば、甘い物を目に見える範囲に置かないようにするのです。
このような訓練や工夫を繰り返すことによって成功体験や効果が実感できれば、考え方や思考が変化するだけでなく自分の能力にも自信が持てるようになります。そして、セルフイメージが高くなることで、自分を律する良い行動を習慣化できるようになります。
時には自分にご褒美を
自分を律するコツの一つとして、前述のような自分を律する意識を持って悪習慣を断ち切る訓練において、時には頑張って努力をした自分に対してご褒美をあげることも重要なポイントと言えるかもしれません。
というのも、自分の欲望や欲求に反して自分を律することは、それまでの安易で楽な選択肢とは異なり、自らに厳しい選択をするために精神的なストレスを伴うからです。例えば、それまで勝手気ままな食生活をしていた人が、ダイエットを思い立って自分を律する生活を始めると、イライラ感が生じて周囲の人たちにあたってしまうこともあります。
ですから、前述のような訓練を繰り返すことによって成功体験を積んで、考え方や思考が変化し自分を律する良い行動を習慣化できるようになるまでは、過度な完璧主義になることなく目標達成などの節目で自分にご褒美をあげることで精神的ストレスを緩和すると良いでしょう。
ただし、人間は安易で楽なほうを選択しがちな性質がありますから、悪習慣に戻ってしまわないようなセルフマネジメントが求められます。
他人の目を利用する
自分を律する方法や自分を律するコツの一つとして、自分を律することを周囲の人に宣言することによって、他人の目を利用して自制心を保つことも考えられます。
何度も言いますが、人間は基本的に安易で楽な選択をしがちな性質がありますから、なかなか自分で自分に厳しい態度でいることを維持するのが難しいのです。そこで、自分を律することを周囲の人に宣言することによって、周囲の人の目を意識せざるを得ない状況に自分を追い込むわけです。
例えば、勝手気ままな食生活をしていた人がダイエットを決意して、これから間食を止めることを周りの人に宣言するのです。すると、自分を律する意識に加えて周囲の人に見られているという意識も働きますから、より強く自分を律することにつながります。また、無意識に甘い物に手が伸びることがあれば、その状況を周りの人が目にして注意してくれるかもしれません。
このような他人の目を意識して自分を客観的に把握する能力のことを、心理学ではメタ認知能力と言います。他人の目を意識することにより、このメタ認知能力が鍛えられることも、自分を律するために非常に有効だと言えます。独り暮らしをしている人など他人の目を意識しにくい人は、試してみる価値があるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?様々な誘惑や自分の欲望・欲求に打ち克ち自分自身を律する方法について説明してみましたが、ご理解いただけたでしょうか?
何か物事に挑戦し目標を成し遂げるためには、時として「自分を律する」ことが必要になりますが、「水は低きに流れ、人は易きに流れる」という故事成語のように、人間の基本的な性質として安易で楽なほうを選択しがちです。そのため、頭では自分に厳しくしなければと思っていても、ついつい安易で楽なほうへと流されてしまい後悔をした、という経験を多くの人がしているのです。
そんな人間の基本的性質に反して、自分を律するには本記事で紹介したような方法やコツを実践するより他はありません。自分を律するための特別な方法は存在せず、各自が地道に自分の心と戦わなくてはならないのです。是非、本記事を参考にしていただき、より良い人生を手に入れて下さいね。
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