地図状舌とは?症状や原因、治療法を知ろう!病院に行くのはどんな場合?

地図状舌をご存知でしょうか?若い妊婦を中心に、幼児が多く発症している地図状舌です。余り自覚症状はないので、自分で気が付きにくく、他人から指摘され始めて気が付く人も中にはおられます。

痛みも自覚症状もない事から気が付きにくいのですが、しかし舌が地図のような模様になっていて、それが人に見られることでストレスを生んで、ストレスが原因で悪化する人もいます。

地図状舌を詳しく見てみたいと思います。

地図状舌の原因

舌 トラブル

地図状舌の原因はハッキリとは、解っていないようですが、ストレスやビタミンB群の不足、微生物の刺激、気管支炎、鼻炎、金属アレルギー、粘膜疾患、顎の病巣、神経性障害、自律神経失調症などが、指摘されています。ビタミン不足は地図状舌ばかりでなく、口内炎の原因にもなっています。

ハッキリとした原因はまだ分かっていませんが、下記のような事柄が推測されるのでは、ないかといわれています。

免疫力の低下による原因

地図状舌は白血球などの異変や、風邪などの体調不良に伴う、発熱、慢性疲労、胃腸などの消化器系の不調など、身体が免疫力を低下させた時に起こりやすく、免疫力の低下が原因として考えられております。

栄養素の欠乏による原因

地図状舌はビタミンBやミネラルなどの、栄養不足の時に発症しやすく、不規則な食事時間や簡単な食事などを続けている時、食欲不振で栄養補給できない時、外食などの栄養の偏りが続いている時などに、発症しやすいのではないかといわれています。

生活習慣の乱れによる原因

人によって異なりますが、睡眠時間が7~9時間ほど、熟睡することで免疫力が回復しますので、生活習慣の乱れは、免疫力を低下させます。

不規則な生活の睡眠不足やストレス、慢性疲労による免疫力の低下の時に発症しやすく、生活習慣を正すことによって、免疫力をアップさせ改善することが多いです。

ドライマウスによる原因

ドライマウスが原因の事もあり、規則正しい生活をすることで、改善することもあります。

またお口の中を清潔にすることが大切です。

妊娠や出産後による原因

地図状舌の特徴として、出産後の女性や出産中の女性に良く見られ、ホルモンのバランスの崩れや、食習慣の変化や生活のリズムが、影響しているのではないかといわれています。

溝状舌における原因

溝状舌は地図状舌と表裏一体で、どちらが先にできるのか分かりませんが、溝状舌ができた時に地図状舌を発症させる方が多いです。

溝状舌とはお口の中を、不潔にしていると起こりやすく、舌の表面に溝やシワができる病気で、溝に食べ物のカスが溜まりやすく、不潔にしていると起こり易いです。

先天性の溝状舌の人は、何時もお口の中を清潔にしてセルフケアすることが大切です。

地図状舌の症状

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地図状舌とは、舌の表面に地図のような模様ができるために、このような名前が付いたと言われています。

地図状舌に一度かかると、何度でもかかるのが特徴で、妊婦や幼児がかかり易く、舌の表面に地図のような赤班や白班のまだらな模様が出て、半円形のまだら模様の斑紋ができる病気です。

成人の1~5%に見られますが、幼児は15%ぐらいの割合でかかり、妊婦や幼児がかかり易く地図状舌は、別名剥離性局限性舌炎ともいわれます。

地図状舌の上皮角化層のケラチノサイトには、好中球やリンパ球の浸潤が見られます。上皮層には好中球浸潤巣と微小膿瘍が見られ、外傷性の炎症性疾患群に分類されます。

上皮化結合組織の真皮には、好中球、リンパ球、形質細胞などの炎症性細胞浸潤が認められ、多くは破壊され消滅します。

症状

初期症状の地図状舌の症状は、舌に周辺が白色の班で、中央部がうすい赤い色で、舌の一部に円形や楕円形の形で出てきます。

症状が進んでくると、それらの隣り合った班が融合し、次第に大きくなって、あたかも地図のような模様に全体がなってきます。

この地図上の模様が日により変化するのが特徴で、稀に数週間で消えるものもあります。しかし数ヶ月数年に渡って症状が消えないのが基本的です。

日により模様が変わる事から、別名遊走輪や遊走疹と呼ばれることもあります。溝状舌を合併していることもありますが、殆ど自覚症状はなく、あっても少ししみる程度の自覚症状です。

自覚症状は殆どなく、あっても舌が少しヒリヒリするとか、しみる程度で重症な自覚症状はありません。

この地図状舌は人の目から見ても良く見えるため、これがコンプレックスになって、ストレスが悪化して治りにくくなり、一度発症した人が再び発症すると治りにくく、何度も発症する人が多いです。

症状の特徴

この地図状舌の症状の特徴として、地図状の形が日により変化するのが特徴で、何度も再発するのもこの地図状舌の特徴です。

この地図状舌は自然に治る事は余りなく、長期間様子を見るという事しかできません。形態の淡紅色班の爪甲状の大きさのものが散在して、班の周囲は1mm~3mmぐらいの帯状の白~黄白色の縁取りが伴っています。

舌縁などには班の小さいものが見られることがありますが、殆ど地図状に広範囲に散在しています。普通舌のみにこのような症状が見られます。稀に頬粘膜や、口唇粘膜にも見られることがあります。

地図状舌の治療と対応

のど検査

自覚症状がない場合は、何もしなくても良いのですが、一度歯科医の診察を受けておく方が、安心できるかも知れません。

食べ物が染みる場合などの治療には、口腔用のステロイド軟膏、アフタゾロン口腔用軟膏などを用いて治療しますが、刺激物のある食べ物は避ける方が良いでしょう。

うがい薬でよくうがいをしたり、ビタミンB群の内服など使用して、口腔内を清潔に保っていると、症状の改善がみられる場合もあります。

原因がはっきりとわからないので、治療もはっきりと確立された治療方法はなく、通常症状が軽い場合は数日で治る事が多いので、経過観察をしています。

この地図状舌は発症しても、体に重症な害をもたらすことはありませんので、自然に舌の模様が消えるのを待つだけの治療法しかありません。

但し金属アレルギーの事や他の病気も考えられますので、数日で治らない時は、病院で診察を受けた方が良いです。地図状舌の対応について見てみます。

症状に違和感を覚える時の対応

症状が酷い場合は、医療機関の歯科やあるいは口腔外科を受診して下さい。根本的な改善ができないかもしれませんが、口腔軟膏やうがい薬で、症状を緩和してくれます。

痛みが強いときは、キシロカインビスカスの塗布や、炎症所見の強いときは、塩化リゾチーム剤などの炎症剤を投与する時もあります。

ピリピリしたり、しみる時の対応

舌で歯を触ったり、刺激の多い食べ物や、飲み物、味の濃い食べ物を避ける事が必要です。

予防として生活習慣を整える

ストレス解消したり、バランスの良い食事をしたり、十分な睡眠をとる事で、症状が改善することがありますので、睡眠不足やストレス、栄養の偏りを抱えている場合、その生活習慣を整える事が大切です。

幼児の場合の対処

幼児の場合一度かかると症状が出たり消えたり、出たり消えたりを繰り返すことがあります。免疫力のまだ未熟な幼児は体力がありません。何度も繰り返す場合医療機関を受診しましょう。小児歯科治療を専門に行うところもあります。

小児科歯科治療では、歯科矯正なども専門に行っているところなどで、口内炎の幼児の治療を行っています。

幼児の場合全身疾患を、口の中の粘膜で見つけられる事もあります。色々なウイルス感染によるもので、粘膜が腫れて口内炎として小さな潰瘍が沢山出来る事があります。

粘膜面に班点や水癌を作り出す、ウイルス感染があります。幼児の場合原因が不明ですが、内分泌障害や、体質異常、遺伝なども言われ、気管支炎、鼻炎、喘息などの関連性も疑われています。

審美歯科とは口元の美しさを追求する、歯を白くする見た目の美しさとか、歯の矯正などを行っていて、歯の機能や見た目の美しさを治療している歯科です。

ネット上には歯科の情報ネットなども沢山出ていて、歯科に関する情報の中には、現在は美を追求する情報が多く、この地図状舌も美から悩む人が多いです。

その他の口腔内の病気

歯

口腔内の病気として、地図状舌が挙げられますが、その他に以下の病気があります。口腔内の病気には口腔内の細菌が多いため、不潔にすることで、色々な病気が出てきます。

口内炎

口内炎は口腔内の代表的な病気で、アフタと呼ばれる口内炎は直径2~10mmの、丸く白っぽい潰瘍が浅くくぼんでできる症状です。

これ以上の大きさのものは、潰瘍といわれます。口内炎は内臓疾患のシグナルとも、いわれることがありますので、1週間以上続く口内炎に関しては、歯科の受診をされることをおすすめします。

治療法として口内炎の治療に、アフタゾロン口腔用軟膏を、用いる場合もあります。びらんや潰瘍をともなう、難治性口内炎や舌炎などに使われます。

アフタ性口内炎

アフタ性口内炎は口内炎の中でも定番のもので、一番良くできる口内炎です。アフタという皮膚粘膜表面の5mm~6mm以下の、灰色から黄色に変色した、膜に覆われた潰瘍です。

潰瘍というのはこれよりも大きいものを言い、アフタは完治すると後が残りません。潰瘍は完治しても跡が残ります。アフタ性口内炎が発症する場所は、口内のあらゆるところに発症します。

アフタ性口内炎の原因は、細菌による炎症が原因で、口腔内を噛んだりすると、その場所に細菌が炎症を起こすことがあります。これによってアフタ性口内炎ができることがあります。

また口内炎の粘膜が弱っていたり、免疫力の低下、栄養不足やストレスなどが原因となり起こる事があります。

口内炎が一度なると完治するまでは痛みが続きます。予防法を知って口内炎の発症リスクを抑える事が必要です。

アフタができている部分はとても痛く、幼児ならよだれをたらすようになったり、口の臭いもとても臭くなります。

口内炎の予防

1.口腔内を清潔に保ちます。

口腔内には沢山の細菌が生息しています。歯磨きやうがいを怠らないで、口腔内を何時も清潔にすることが大切です。細菌の繁殖を抑える事が重要です。

2.口腔内を傷をつけない事です。

口腔内を傷をつける事で、口内炎の発症リスクは高まりますので、口腔内を傷をつけない様にすることが大切です。

3.粘膜を弱らせないようにします。

口の粘膜を弱らせないために、ストレスや食事の刺激などに、注意をして免疫力を付けて口の粘膜を、弱らせないようにすることが大切です。

また生活習慣を見直して、ストレスを溜めないよう、適度な運動や、食生活の見直しが必要となります。

4.定期的に殺菌します。

歯磨きやうがいだけでは、口腔内を清潔に保つことができません。洗口液のマウスウォッシュなどを利用して、時々口腔内を殺菌することが必要です。

但し洗口液には、プロピレングリコールやラウリン硫酸ナトリウムなどの毒性が含まれているものもあるので、逆に粘膜を傷つけてしまう場合もあります。

舌カンジダ症

カンジダというカビで、特に舌に良く起こる口腔粘膜の感染症です。舌の表面に白いぶつぶつができて、痛みは殆どありませんが、お口に棲んでいる常在菌のカンジダが、異常を起こし起こります。

健康な人には起こりませんが、幼児や高齢者のような免疫力の弱い人に起こります。また抗生剤や、ステロイドホルモン、抗がん剤などの薬物の影響で起こる事もあります。

舌苔(ぜったい)

舌苔というのは舌の表面に見える、白、黄色、黒っぽく見える、苔状のもので、唾液の分泌量が減ったり、身体の免疫力抵抗力が落ちている時に発症します。

口の中の衛生状態や、薬剤などの影響の変化、胃の障害や、風邪、疲労の蓄積などのような、免疫力低下時におこります。

歯磨きをしないで口の中が不潔になっていると、舌苔は増え口臭の原因になりますが、舌苔の治療はお口の中を清潔にして、歯磨きをきちんとすることです。

舌苔を取る方法は、舌を上顎にこすりつけて取る方法や、舌に蜂蜜を小さじ1杯分ぐらいを転がしてみたり、唾液の分泌量を増やすことで、舌苔を取る事ができます。また食後にガムをかむと良いでしょう。蜂蜜はタンパク質を溶かす働きがあるので、舌苔を溶かす可能性があります。

詳しくは、舌苔とは?原因や症状、対処法を知ろう!歯ブラシで舌を擦るのはダメなの?を読んでおきましょう。

歯周病

歯周病とは歯周病菌が歯と歯茎の隙間に入り込み、歯周骨にやがて到達して、骨を溶かしてしまう病気ですが、現在は成人の8割が歯周病といわれています。

歯に食べかすが付くと、ぬるぬるとした、プラークがついて、このプラークがやがて唾液中のカルシウムやリン酸を取り込んで、歯石を作ります。プラークは歯科用語です。

歯周病菌は空気に触れると、死んでしまいます。ですから歯周病菌は細菌のプラーグという集団と歯石を作りながら歯茎の奥へ進んでいきます。

そして自覚症状がなく、自覚症状が現われた時は可なり重症で、炎症を起こして腫れてしまいます。

プラーグはきちんと歯磨きをしても残りますので、定期的に歯科院に行って、歯科衛生士のプロの専門の器械を使って、定期的に除去が必要となります。

現在は歯周病専門歯科も存在し、歯周病に対して、歯周病治療を専門的に行っている、歯科医や歯科医師も存在しています。

歯周病を治すことは、患者さんとの連携プレーが必要で、歯周病の予後は以下の3つに分けられます。

  1. 歯周病の進みぐわいが初診時にどのくらいだったか進行具合をみます。
  2. 危険因子の把握が正しく理解でき、対処はできましたか?
  3. 患者さんにとって歯周病の改善の意識は高いですか?(歯科医師の指示や注意を良く守り実行しているかの有無)

歯周病は感染症で細菌が原因なのですが、歯石やプラーグを歯周ポケットから、完全に除去することは、組織学や細菌学的にみて不可能です。

歯周病は慢性疾患であって、完治は難しいですが、コントロールできるため、治療後メンテナンスをしないと、感染力が抵抗力を上回ってそしてまた歯周病に発展します。

口腔粘膜疾患

口腔粘膜疾患には次のような病気があります。

  • 白板症
  • 紅板症
  • 口腔ガンジタ症
  • 再発性アフタ
  • 扁平苔癬
  • 口腔感染症
  • ウイルス性疾患
  • 帯状疱疹
  • 手足口病
  • ヘルパンギナ

などの病気があります。手足口病などはインフルエンザ形、コクサッキーウイルスA16や、エンテロウイルス71などの感染によるものです。

紅板症は50歳以上の高齢者に多く発症し、舌、歯肉、口腔粘膜に発症し、表面は平滑で、鮮紅色でビロード状になっていて、刺激痛があります。紅板症の50%前後が悪化します。

紅斑薬疹は毛細血管の拡張が原因で、皮膚が赤くなり原因については、30%~50%が不明なものがあります。

まとめ

如何でしたでしょうか?地図状舌を詳しく見てきましたが、地図状舌はただ見た目が悪いというだけで、自覚症状が出ているわけではありません。

地図状舌は口腔内の病気で、お口の中を清潔にして、規則正しい生活や適度な運動、また食生活の改善などが行われれば、自然に消える事はありますが、しかしまた不潔にするとまた症状は繰り返して起こってきます。

この地図状舌は自然治癒しません。消えたと思っていても、また免疫力が低下した時などに発症することもあります。

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