心内膜炎とは?症状・原因・治療法・検査方法を紹介!

心内膜炎という言葉をお聞きになられたことありますか?心内膜炎は傷をつけた時に、細菌が血管に侵入し、血流にのって心臓の弁にとりついて、そこで増殖し色々な病状をもたらすものです。

その中の感染性心膜炎は高齢者に多く、女性より男性に多い病気です。少しの油断から生死にかかる重病となることがあります。

100万人に10~50人/年間で決して多くはないですが、診断の難しさがあり重篤な病状に発展する可能性があります。

心内膜炎について見てみました。

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心内膜炎について

感染性心内膜炎

心内膜炎には感染性心膜炎と、非細菌性心膜炎の2種類があります。心膜炎は炎症をおこす疾患の総称で、心弁膜に炎症がおこり破壊されることが多い病気です。

感染性心内膜炎は細菌が損傷した、心臓弁に血流にのって到達することで、発症する病気です。非細菌性心膜炎はリウマチ性心内膜炎が有名です。

感染性心内膜炎

感染性心内膜炎とは敗血症の一種で、心臓内側の膜の心内膜や、弁膜に贅腫(ぜいしゅ)という感染腫を持つ循環器の感染症のことをいいます。

さまざまな病気の状態の症状を示す全身性の感染症で、炎症による心臓構造の破壊や、血液循環の状態の変化など、感染症の重症度だけではありません。

塞栓症のような贅腫が血流によって引き起こす脳梗塞など、また血管自体が細くなる動脈瘤が発生したりして、特に感染性脳動脈瘤との合併症が多くなっています。

感染性心内膜炎は全患者の4分の1以上が、60歳以上の高齢者が発症し、男性が女性の全ての年齢層において2倍で、しかも高齢者においては8倍も男性が多くなっています。

急性細菌性内膜炎

急性細菌性内膜炎は細菌が侵入すると、急速に広範囲に心臓弁の損傷や、突然の高熱や心拍数の上昇、疲労などの症状が見られるようになります。

非細菌性血栓性心内膜炎

非細菌性血栓性心内膜炎は、消耗性疾患や血液疾患などにおいて、無菌性の血栓性疣贅(ゆうぜい)が心臓弁上に生じる末期疾患です。

心内膜炎の感染症

感染性心内膜炎は多くの場合、心臓弁や心筋、心房、心室や血管の異常な連結部、先天的な異常部位などにも感染し、特徴のある心内膜炎の感染症を指します。

感染性心内膜炎の心内膜は本来はなめらかでつるつるしています。しかし心内膜に心臓病や心臓の手術をした人などは、心臓の異常な血流にのり細かい傷をつけることがあります。

細かい傷に血小板などが付着することで増殖すると、疣腫(ゆうしゅ)という疣状(いぼじょう)の感染巣をつくります。

感染性の心内膜炎には、2種類の疾病があります。

  • 急性感染性心内膜炎・・・突然発症して数日のうちに危機的状態になります。
  • 亜急性細菌性内膜炎・・・亜急性感染性心内膜炎ともいって、数週間から数か月かけ病状がゆっくり進行します。
感染源となる要因

心内膜に細菌やまれに真菌などが、血液の中に侵入して心臓弁にとどまり感染します。正常な心臓弁より異常のある弁や損傷のある弁、または人工弁などにとどまりやすくなります。

亜急性細菌性心内膜を発症する細菌は、正常な弁以外に感染することが多いですが、病原性の強い細菌や特に多数の細菌が存在していると、正常な弁でも感染症を生じる可能性は否定できません。

小児や若い成人

先天性の異常の特に血液の漏出や、逆流が心臓の一部から他の部位に生じる欠損、また小児期にかかったリウマチ熱による、心臓障害などに細菌が感染する危険因子となります。

高齢者

左心室から大動脈へ開く大動脈弁や、左心房から左心室へ開く僧帽弁に生じる変性や、カルシウム沈着が細菌感染の危険因子となります。

発症リスクの高い人たち

1.不潔な針や注射器、違法薬物静注射、薬液などを介入し細菌が直接血液に注入され、血流にのって心臓弁にとどまります。

2.人工心臓弁を移植した人の場合は、人工弁置換術後の最初の一年間が最も危険が高くなり、その後は危険性も低下してきます。

しかし正常な健康な人の弁よりは、危険度はわずかに高くなり、理由は分かりませんが、人工僧帽弁より人工大動脈弁、動物からの移植弁より機械弁の移植の方が、危険度が高くなることが分かっています。

3.心臓弁膜症、先天性疾患、心筋症などの人は、一時的な菌血症からの病原体が、付着・増殖するため、心臓内の血流が逆流、乱流、ジェット流を起こし、心臓の心内膜に傷がつけられます。

非感染性心内膜炎

非感染性心内膜炎はそれまで健全であった心臓弁に、増殖のかたまりの規模は小さいが、成長が遅く弁の端や突端に発生します。

一般的に非感染性心内膜炎自体問題を起こすことがないのですが、増殖している最中に増殖組織が他に飛び散って閉塞症を起こしたり、バクテリアが住みついて感染性心内膜炎を引き起こすことがあります。

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心内膜炎の原因

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正常な血液中には細菌はみられませんが、少量の細菌が皮膚、口の中、日常的な歯磨きの傷などの歯ぐきなどに傷ができると、そこから細菌は血管に侵入できるようになります。

原因が考えられるもの

軽度の皮膚感染症、感染症を伴う歯肉炎、体の他の部位における感染症も、血流に細菌が侵入する原因となり、また特定の外科的、内科的、歯科的、処置などにおいても、血流に細菌が侵入する原因となってしまうのです。

抜歯などの歯科処置、婦人科処置、内視鏡による細胞診など出血にともなう処置などで、血液中に細菌が侵入するため、その細菌が心臓内部に付着し増殖し、感染組織を増大し感染性心内膜炎を発症します。

まれに人工弁置換術や開心術の際に、心臓に細菌が侵入することがあります。普通の人の正常な弁の場合は体内の白血球や、免疫反応によって細菌はすぐに破壊されます。

しかし心臓弁に障害を持っていると、そこに細菌が捕捉されて増殖を心内膜に始めます。重症の血液感染症である敗血症では、多数の細菌が血流に侵入します。

心臓弁が正常な人でも、細菌の数が非常に多くなると、心内膜炎を発症するのです。

また患者の状態が血液の流れに乱れがある弁膜症や、先天性疾患やまた心内膜に荒れた部分がある場合や、人工透析や肝臓疾患やステロイド治療を行っている場合のように、免疫力が低下している場合に起こりやすいです。

原因となるもの

原因となる菌(起因菌)

起因菌が分かるのは60~70%です。

  • 溶連菌(ようれんきん)
  • 緑色レンサ球菌
  • ブドウ球菌・・・・・・黄色ブドウ球菌は組織破壊が非常に激しいです。
  • 真菌・腸球菌・・・・・大きな贅腫をつくりやすく塞栓症を発症しやすいです。
具体的な基礎疾患
  • 僧帽弁閉鎖不全症
  • 僧帽弁逸脱症候群
  • リウマチ性弁膜症
  • 心室中隔欠損症
  • 大動脈弁閉鎖不全症
  • 動脈間開存症
  • 閉塞性肥大型心筋症
  • ファロー四微症
一過性の菌血症をおこす検査や処置
  • 抜歯などの歯科的処置
  • 婦人科処置
  • 内視鏡による細胞診など出血を伴う処置
  • 扁桃腺摘出
  • 消化管・気管粘膜を含む手術
  • 食道静脈瘤の硬化療法
  • 前立腺手術
  • 感染巣切開排膿
  • 経腟的子宮摘出
  • 感染時の経腟分娩

その他に免疫を抑える薬を使用している方、また悪性新生物、低栄養の方、消耗の病気にかかられている方など居られます。

全身的な影響としては、肺血症性塞栓や免疫系の現象の免疫複合体の多量の発生、例えば糸球体腎炎などがあり、特に肺(右心系心内膜炎の場合)、中枢神経系、腎臓、脾臓、皮膚、網膜(左心系心内膜炎の場合)などが影響されやすく、あらゆる臓器に及ぼされる可能性が大きいです。

急性あるいは亜急性の感染症は、人工心臓弁に生じる心内膜炎です。人工心臓弁の感染症は、通常の心臓弁の感染症に比べると、弁が付着している部分の心筋に広がりやすいです。

心臓弁が心臓の電気刺激伝導系が、阻害されて心拍数が遅くなったり、心臓弁が伸長して緩くなったりして、その結果意識を失うこともあり、また死亡したりすることがあります。

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心内膜炎の症状

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急性または亜急性感染性心内膜炎の症状

  • 悪寒、顔が青白くなる蒼白、関節痛、錯乱、痛みを伴う皮下結節などです。
  • 点状出血のそばかすのような小さな赤い斑点が皮膚と白目に出現します。
  • 細く赤い線の線状出血が爪の下に出現します。
  • 心臓発作・脳卒中などです。
  • 胃痛・血尿・腕や脚の痛みやしびれなどです。
  • 脾臓が腫大します。

などの症状が見られることがあります。点状出血は心臓弁からちぎれてできた小さな塞栓によって生じ、心臓発作や脳卒中は大きな塞栓によって生じます。また心雑音が変化します。

心内膜炎の症状

最初は風邪と間違えられることが多く、感染性心内膜炎の9割が発熱が起こります。近くの病院で受診して抗生剤の投与をうけ、投与をやめると再び発熱が繰り返します。

そうするうちに息切れ、むくみ、呼吸困難などの心臓構造の破壊による心不全症状や、一過性の手指などの血流障害、ろれつが回らなくなる、手足の麻痺、視力障害、背部痛、意識障害などの塞栓症が起こります。

発熱の他に易疲労感(いひろうかん)全身倦怠感、体重減少の非特異的症状がみられ、不明熱(コラム)の原因と間違った診断がされる場合がしばしばあります。

関節痛や筋肉痛も見られ、血流に疣贅(ゆうぜい)が剥がれて乗ると、脳塞栓症などの動脈塞栓症を起こしたり、掌の発疹、四肢末梢の結節(オスラー痛斑)、爪の下の線状出血、などが認められます。

急性感染性心内膜炎の症状

急性感染性心内膜炎の症状は最初に39℃~40℃の高熱がでて、急速で広範囲にわたる心臓弁の損傷などや、心拍数の上昇や疲労などの症状が見受けられます。

亜急性細菌性心内膜炎の症状

亜急性細菌性心内膜炎の症状としては、体重減少、発汗、疲労、軽い発熱(37.2~38.3)、赤血球の減少、中程度の心拍数上昇などが見られ、心内膜炎が明らかになるまで、動脈の閉塞や心臓弁の障害が何か月も続くことがあるのです。

合併症

合併症には心不全、感染性動脈瘤が破裂して出血をおこしたりして、聴診では心雑音の逆流性が聴こえます。

閉塞を起こすには心臓弁上に形成された細菌や、いぼ状の塊が崩れて閉栓となって、他の部位に血流にのって移動して動脈内に定着します。

また付着している部位に、感染症を起こして塞栓し、感染性の塞栓が付着している部位や感染した心臓部の底部には、膿が溜まって膿瘍(のうよう)になることもあります。

そうすると数日うちに大きな逆流が生じる、心臓弁に穴が開く場合があります。腎臓やその他の臓器の機能不全が起こったり、ショック状態になったりします。

動脈壁が脆くなる隆起や破裂が生じる動脈感染症が起こり、特に動脈の破裂が脳内や心臓の近くで起こった場合は致命的になります。

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心内膜炎の検査・診断

血液検査

診断はデューク大学から診断基準が提唱されていて、それを基準に診断します。

心臓超音波検査のエコーで心臓弁の損傷の検出を行います。

感染性心内膜炎の診断は

  • 血液培養陽性の検査
  • 超音波のエコー検査
  • 弁逆流の存在の検査

心エコーの検査

経胸壁(けいきょうへき)心エコーでは、60%と贅腫の検出度は低いです。感染性心膜炎が疑われている場合は、次の検査をすることがあります。

この検査は間に介入する組織がないため、90%と検出感度は高いです。そのやり方は食道から胃カメラのような管を挿入する超音波検査法で、食道側から心臓を観察します。

これらの検査が陰性であっても、疑いが症状にある場合、1週間後時間をおいて再検査をする必要があり、心エコーにより循環状態の態度や、感染巣や心臓の組織の破壊程度を検査します。

弁周囲膿瘍は心内膜の重要な合併症ですが、その診断において自己弁でも、人工弁でも経胸壁エコー図より、経食道心エコー図の方が優れています。

その他の検査

  • 血液検査で血液中の菌の特定や、炎症状態の評価のために行われます。
  • 胸のX線検査は心不全の有無の評価として行われます。
  • CT検査は頭や腹部などの塞栓症の有無について行われます。
  • 眼底検査
  • 尿検査
  • 全身の検査

ここで区別しなければいけない疾患としては、発熱、血液疾患、感染状態が長引く他の炎症性疾患、悪性腫瘍などを区別しなければなりません。

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心内膜炎の治療法

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心内膜炎の治療は長期による、正しい抗生剤の投与の長期の抗菌薬療法です。抗生剤も菌の塊内は血流に乏しいため効き目が悪く、通常より投与量が大量で、投与期間を長くしなければいけません。

抗菌薬は2~8週間の一般的には静注で投与され、在宅静注療法が行われることが多いです。

菌の塊の可動性が強く閉塞の危険性が高い疣贅(ゆうぜい)弁破壊による心不全の出現、抗生剤の効果が見られなく、感染徴候が改善しないなどの場合においては、弁を人工弁に取り替える外科手術を行わなければならなくなります。

感染性心内膜炎の治療

緑色連鎖球菌にはペニシリンを使用します。アミノグリコシル系抗生物質を併用することもあります。

バンコマイシンはペニシリンアレルギーに既往性のある人、人工弁の症例の人に使います。

外科的治療の対象として

  • 心不全の悪化
  • 膿瘍を形成した場合
  • 原因菌が真菌である場合
  • 塞栓症が反復する場合

治療の方法

  • 治療の原則は感染状態の鎮静化です。
  • 原因となる細菌の特定をします。
  • 特定された細菌に合う抗生剤を十分量使います。
  • 早急に菌菌を撲滅します。

感染による心臓破壊の循環状態の悪化は、緊急手術をしなければ生命に関わります。しかし炎症の活動期における手術は成績が悪く、難しい選択をしなければなりません。

症例によっては活動期の感染であっても、外科治療へ合併症の併発を未然に防ぐために、移行する場合もあり、基本的に人工弁置換術(じんこうべんちかんじゅつ)の機械弁を用いた手術が行われます。

非活動期の感染が落ち着いた感染性心内膜炎弁膜症として、手術の重症度が決定されます。感染巣が完全に除去可能な症例に対して、できるだけ自分の弁を使ってリフォームされる、弁形成が選択されることが多いです。

人工弁置換術後や弁輪部に炎症が及んだ膿瘍症例では、感染巣の十分な除去ができない可能性があり、大動脈基部置換やヒトの組織でできた、ホモグラフトの使用などの術式工夫が、心見られますが予後は余り良くありません。

予後は一般の弁置換手術の死亡率約1%以下に対し、

  • 感染性内膜炎では10~20%の死亡率です。
  • 人工弁置換術後や周囲に炎症が大きく、波及した場合は50~80%の死亡率です。

感染性内膜炎に気が付いたら

内科に受診します。病気の重症度にもよりますが入院します。起因菌に対して十分な抗生剤を投与して治療を行います。

アレルギーなど抗生剤が使えない場合や、抗生剤による治療の効果がない場合は、手術可能な病院への転送となります。

脳出血など合併症がある場合は手術は困難です。

この病気は予防が大切で、例えば心臓疾患のある人が歯科的処置などを受ける場合に、処置する前にペニシリンなどの、予防投与をすることで避けられます。心臓疾患など持った人は病院の処置をする前に、医者に報告する事で予防できます。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

心内膜炎について見てきましたが、感染性心内膜炎は特に高齢の男性に多く、また心臓に人工弁を付けている人などは、注意しなければなりません。

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