心不全の原因って?引き金となる病気を知っておこう!

心不全という病気を聞いたことのある人は多くいると思います。

しかし、詳しい原因や症状などを把握していないという方も多くいるのではないでしょうか?ここでは、心不全が発生する原因について詳しく触れております。

どういった症状があって、心不全を引き起こすのかを知っておくことで、とっさの場合に対処できるようにしておきましょう!

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心不全とは?

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「心不全」とは、心臓の働きが低下することによって起きこる様々な症状の事を指します。(具体的な症状は後述します)つまり、「心不全」とは状態の事であって本来は病名ではありません。

ではなぜ、死亡診断書には心不全と記載可能なのでしょう?実は、日本において「死」の定義は心臓死を指すからです。最近になってやっと脳死も人の死として認められるようになり、移植医療も少しは行われるようになってきましたが、まだまだ認知度も臓器提供数も低いままです。

心臓死においては、下記の三兆候全てを確認して「死」と認定します。

  1. 心停止(循環機能停止)
  2. 呼吸停止(呼吸機能停止)
  3. 瞳孔散大固定(脳幹機能停止)

しかし、心臓死においては最終的に心臓が停止して死に至るため、全ての死因が心不全になってしまいます。これでは統計上困ってしまうので、(心血管系に持病がある場合を除いて)直接の死因を死亡診断書に書くことになります。

例を挙げると、拳銃で撃たれても肺機能停止で死亡すれば直接死因は呼吸不全となります。一方で、末期の肺がんであっても心臓の循環停止で死亡すれば死因は心不全となります。これでは正確な死因がわからないため、「日本の死因統計には意味がない」と言っている医学者も多くいます。

詳しくは、心不全とは?症状や治療方法、予防方法を知っておこう!を参考にして下さい!

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心不全の原因となる疾患

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心臓機能に由来して心不全が起こる場合の多くは、慢性化した症状が生命を維持できる限界を超えてしまうことが原因です。

唯一、心筋炎の場合のみ急性の経過を辿りますが、これは感染症なので当然の症状と言えます。心不全を引き起こす代表的な疾患は以下の通りです。

先天性心疾患

日本では、生まれつき心臓に異常がある子どもは100人に1人誕生していると言われています。この数字は、先天性の異常としては多い部類に入ります。

心室中隔欠損症

右心室と左心室を隔てている中隔に穴が開いていて、血液が(正しく循環せず)空回りすることによって心臓に負担がかかり心不全になります。先天性心臓異常の約60%がこの病気です。

小さい穴だと5人に1人くらいは自然に治りますが、多くは1歳くらいまでに外科手術によって治療することが必要です。

肺動脈弁狭窄症

肺動脈弁は、右心室から肺に送られる血液が逆流するのを防ぐための弁です。この弁が狭窄(開閉が上手くできない状態)しているため、右心室が強い圧力をかけないと血液を送れないため心不全になります。軽症の場合には心雑音があるくらいですが、中等度以上の狭窄の場合には手術が必要になります。先天性心臓異常の約10%がこの病気です。

上記以外にも、心房中隔欠損症やファロー四徴症など多くの先天性の異常症があります。ただ先天性新生児心臓奇形の約70%はこの2つです。

不整脈

心臓は筋肉で出来ている臓器です。その筋肉に微弱な電流が流れることで動きをコントロールしています。不整脈は、この微弱電流の異常や電流の伝達経路が上手く機能していないことによって発生します。

脈が異常に早くなる「頻脈」、脈が異常に遅くなる「徐脈」、脈が飛んだり抜けたりする「期外収縮」の3種類があり、このうち期外収縮は治療の必要ないケースがほとんどです。

頻脈は、脈拍が1分間に120以上となり、突然始まり突然治まる、もしくはまったく不規則に早く打つ状態です。中でも生命に関わる「心房細動」は心房を原因とした不規則に早く打つ状態で、長く続くと心房の中に血栓(血の塊)ができ、その血栓が血流に乗って脳へ到達して脳梗塞を引き起こすことがあります。頻脈だけで心不全にまで至るケースは少ないとされていますが、連続する場合や長く続く場合には、カテーテル・アブレーション(カテーテルを患部まで通して患部を直接焼き切る)などの治療が行われます。

一方、徐脈は脈拍が1分間に40以下で身体を動かすと激しい息切れを起こします。この症状があるケースは既に心不全になっていると考えられます。ペースメーカーを埋め込む治療などが必要です。

詳しくは、不整脈の原因とは?症状や治療方法も合わせて紹介!を参考にして下さい!

虚血性心疾患

狭心症と心筋梗塞を併せて、虚血性心疾患と呼びます。心臓の筋肉に酸素や栄養を送っている冠動脈が狭くなったり(狭心症)・詰まったり(心筋梗塞)することで、心筋に血液が行きわたらなくなった状態(虚血状態)です。この状態が長く続くと、心筋の働きが低下して心不全となります。狭心症が進行して冠動脈が完全に詰まると心筋梗塞へと至ります。

狭心症は、薬物療法(コレステロールを下げる薬・血栓を溶解させる薬など)や狭くなった冠動脈をバイパスする外科手術(狭くなった部分はそのままにして、別のルートで心筋に血液を送るルートを作成する手術)、カテーテル治療(ステントという円筒型の網状の金属を狭窄部に留置することで再び狭窄することを防ぐ)などで治療することができます。

一方心筋梗塞になってしまうと、既に心筋が損傷しているため心機能の回復は見込めません。心筋梗塞状態になってから90分以内に再灌流(いったん途絶えてしまった心筋への血流の再開)を行わないと、死に直結します。

また、一命をとりとめたとしても、損傷した心筋は回復が見込めないため、心不全が改善されることはありません。現在、心筋シート等による再生医療も実施されていますが、実用化まではもう少し時間が必要です。

心筋症

心筋の伸び縮みが上手くできなってしまった状態のことです。その半数以上は原因不明で、心機能を完全に正常に戻すのは困難とされています。ただ、心筋症だからといって全ての方に症状が出る訳ではなく、この病気のまま天寿を全うされる方も多くいらっしゃいます。

心筋症は大きく分類すると3つに分けられます。この3つに分類されないものを「分類不能型心筋症」と呼びますが、かなり稀な症例です。

拡張型心筋症

心筋の収縮力が低下することによって、心臓のポンプ機能が低下します。そうすると、心臓は容積を大きくすることにより1回の収縮で送り出す血液量を増やそうとします。しかし、この状態が長く続くと、心臓が大きくなる→心筋が薄く引き延ばされ収縮機能が低下する→さらに心臓が大きくなる、という負のサイクルに入ってしまいます。

心臓機能が低下して、全身に十分な量の血液が循環されなくなると、脳から心臓に働きを強めるよう指令がでます。同時に、血液量を増やすため腎臓では尿量を減らします。そうすると、体液が増加して心臓の負担は更に増えます。この負のサイクルが本来「心不全」と呼ばれる状態です。

根本治療は心臓移植のみで、日本における心臓移植の80%以上がこの拡張型心筋症が対象です。ドラマなどで有名になった「バチスタ手術」も選択肢としてありますが、予後も治療成績も悪いことから、現在では主流の治療法ではありません。

肥大型心筋症

心筋が変性することにより、左室が肥大(肥厚)します。中でも、左室・右室の間にある心室中隔が肥大するのが特徴です。左室から血液が流れる経路が狭くなる場合を「閉塞性肥大型心筋症」、狭くならない場合を「非閉塞性」として区別します。非閉塞性の中でも、心臓の先端部分(心突部)にだけ肥大を認める「心突部肥大型心筋症」の場合は、生涯に渡っても問題なく過ごせるケースが多いようです。

日常生活では問題がなくても、中年期以降や運動時に心不全を起こし突然死するケースが多いのがこの病気の特徴です。

拘束型心筋症

心筋が変性することは肥大型と同じですが、心拡大、心肥大を伴わない非常に稀な心筋症です。アフリカ、インド、中南米などで多く見られますが日本では稀です。治療法はなく予後も不良です。

心筋炎

心筋が何らかの原因(ウイルス性が多いとされています)で炎症を起こして心不全となります。喉の痛みや発熱など、風邪と似た症状のため受診が遅れて手遅れになるケースがあります。風邪の症状でも、不整脈や胸の痛みを感じた場合には、専門病院での受診をお勧めします。

心臓弁膜症

心臓には、右心室・右心房・左心室・左心房と4つの部屋があり、それぞれに逆流防止の弁があります。その弁が上手く動かなくなることによって、弁がかたく開きにくくなる「狭窄症」と弁がかたく閉じられなくなり血液が逆流する「閉鎖不全症」があります。高齢化に伴って、動脈硬化から心臓弁膜症へと移行するケースが増えています。

軽症であれば自覚症状はありませんが、症状が進行してくると動悸・息切れ・むくみなどの心不全の症状がでてきます。

早期に手術が必要になるのは、大動脈弁(左心室と大動脈の間)と僧房弁(左心房と左心室の間)です。治療には弁形成・弁置換がありますが、詳細は別の機会にします。

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心臓機能以外が原因の心不全

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心臓機能以外が原因の場合には、心不全特有の症状がないために不審死とされるケースもあります。ここに示したのは心不全を引き起こす可能性のある疾患のうち、比較的頻度の高い一部です。

生活習慣病

偏食、過食、運動不足、喫煙、ストレス、飲酒などによって、高血圧、脂質代謝異常、糖尿病、肥満の1つもしくは4つ全てが発症する病気です。脳梗塞、心筋梗塞、心不全による突然死になりやすくなります。

腎臓病(腎性貧血)

腎臓の働きが低下すること(腎臓病)によって、造血ホルモンであるエリスロポエチンの分泌が減り貧血となります。鉄欠乏性貧血と異なり、鉄分を補給しても改善しません。貧血状態が続くことによって酸素が供給不足となり、心臓に多大な負担がかかり心不全になりやすくなります。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることによって交感神経優位となり代謝が異常に上がります。これが原因で心臓に負担がかかり、不整脈が出やすくなります。

バセドウ病の治療に伴って症状は改善していきますが、(原疾患である)バセドウ病を放置しておくと、虚血性心疾患や心臓弁膜症などに移行していき、最終的には心不全となります。

詳しくは、バセドウ病の初期症状とは?チェックする方法を紹介!を読んでおきましょう。

違法薬物

違法薬物の中には、まだ作用機序が完全に解明されていないものも多くあります。また、中枢神経に作用するものが多く、神経が過剰に興奮(抑制)されることによって、心不全を起こします。

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まとめ

心不全に特有の症状、体液の増加(体重増加、ひどいむくみ、尿量の減少)、胸の痛み、動悸・息切れを感じたら、循環器内科での受診をお勧めします。心臓に異常がある場合には、画像診断や心電図などによって症状や程度がわかります。

高齢化・肥満の増加によって、心不全に至るケースが急増しています。常日頃から体調管理を行い、異常があれば直ぐに受診することで心不全は防ぐことが可能です。

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