ふとした瞬間に、胸が「バクバク」してしまったら、不安になりますね。健康には自信があったはずなのに「もしかして心臓が悪いの?」と考えてしまったら、夜も眠れなくなってしまいます。
胸の「バクバク」というのは、実は、「心臓が原因でバクバクする場合」と、「心臓が原因ではない場合」があります。心臓病が原因ではと疑わしい時には、症状によって早急に治療が必要になります。いろいろな症状を見ていき、バクバクするのは何が原因なのかを突き止めることが大事になりますね。
今日は、そんな心臓のあたりがバクバクするときに、「心配な場合」と「心配でない場合」での対処法をお伝えします。それぞれの対処法で心臓のバクバクな不安を一日も早く解消していきましょう。
心臓のあたりがバクバクしたら
まずは、同じ心臓のあたりのバクバクでも、別の病気と間違えやすい症状を見分けていきます。
その時に大切なのは、心臓がバクバクしてしまう時には何をしていたか、どんな状況だったのかを記録しておくことです。それによって、病院での診断もスムーズになることが多いからです。
では、いったいどんな症状があるのでしょうか?一つずつ見ていきましょう。
精神的なことが原因の場合
生活のリズムが乱れて疲れている時や、睡眠不足、緊張しているなどの精神的なものが原因の場合には、心臓のあたりがバクバクしてしまいます。
これらは一般的に「動悸」と呼ばれているものです。精神的なものが原因の場合には、心身共にリラックスできるようにして静かに休みましょう。落ち着くと、次第に改善することが多いので心配のないものですが本人にとっては不安だと思いますので、信頼できる人にそばにいてもらうことも一つの方法ですね。
では、よくあると思われる原因と対処法について紹介します。
生活のリズムが乱れている
生活のリズムが乱れている時にも心臓がバクバクすることがあります。そのような動悸があったときは疲れもたまっていることが多いので、出来るだけ早めに就寝するようにしましょう。また、体内リズムを整える方法としては朝の起きる時間を同じにすることが良いとされています。
気持ちを落ち着かせて心臓のバクバクを防ぐためには、深呼吸をしたり、食事を出来るだけ同じ時間に取ることも大事ですね。同じ時間にきちんと食事をとると気持ちにも余裕が生まれてきます。お通じもスムーズになりますので便秘がちな人には肌の調子も良くなるというメリットもあります。
睡眠不足のとき
毎日が忙しいと睡眠が足りない時もあると思いますが、睡眠は脳を休ませる意味でも大切です。脳が疲れていると精神的に不安定になり、それが心臓のバクバクという動悸につながっていくからです。
どうしても睡眠時間をたくさんとるのが難しいなら、休憩時間に少しだけ(理想は10分程度)目をつむってみましょう。そうすることで、目から入ってくる情報を遮断できるので、脳が眠った時に近い休憩をとることが出来るのです。
ちなみに万が一、外出中に心臓がバクバクしても慌てずに、まずは軽く目を閉じて深呼吸をしてみましょう。
緊張している
仕事で初めて会う人がいる場合や会社でのプレゼンなど、緊張する場合が多いと思いますが、そのような緊張も心臓のバクバクにつながることがあります。
そんな時にも、深呼吸が役立ちます。心臓がバクバクする心拍の乱れは深呼吸によって少しづつ落ちついてきます。心拍を安定させるのには、他にもあたたかい飲み物を少しづつ飲むなど、神経がリラックス出来る状態に近付けてあげることがいちばんです。
緊張することは血管の収縮により、血圧があがったりします。心臓がバクバクするような緊張が続いてしまうと脳や心臓の病気につながってしまう可能性も出てきます。上手に気分転換をしましょうね。
その他にも、緊張状態を起す原因としては「恐怖映画を見た」とか、「大事な試験だった」とかいろんな事が考えられます。深呼吸をしたりして自分に合うコントロールができる方法を見つけると良いですね。
カフェインの取りすぎ
カフェインの多いものを口にしているときや、刺激の強いものを多く摂っているときにも心臓がバクバクしてしまうことがあります。
カフェインの取りすぎは、消化器にも良くないことをご存知の人が多いと思いますが実は、こうして血液を通しての病気にも影響するんですね。
質の良い睡眠をとるためにも、カフェインの取りすぎにならないようにコーヒーなども1日に1~2杯程度にしたいものです。
お茶に含まれるカフェインにも気を付けて、上手に水分補給を心がけていきましょう。
身体的なことが原因の場合
すぐに治ると思っても、心臓のバクバクの中には本当に心臓に原因がある場合もあります。そんな時には命に関わるため一刻を争いますので、早く病院に急ぎましょう。
心臓の病気
心臓のバクバクに加えて、「しんどい」「動けない」「心臓が(胸が)痛い」「呼吸が苦しい」などの症状がある場合には、さらに危険な状態なので、救急車を呼んだ方が良いかもしれません。
心臓のバクバクが異変を知らせる危険信号である場合には、早急にカテーテルの挿入など治療が必要な時があります。心臓のバクバクが激しい時や、続く時などは、大事に至らないうちに病院で検査を受けることをお勧めいたします。
心臓のバクバクの危険信号を出さずに済むように、血管を強くする食事や、血液をきれいにするために水を1.5リットル摂取できるようにしていきましょう。ジュース類は、水分量には含まれないので、水分摂取は水やイオン飲料などで適切に行う方が望ましいです。
しかし、心臓に問題がなかったとしても他の病気が原因で心臓のバクバクが起こってしまう時があります。次には、心臓のバクバクを起こす引き金となる病気についても見ていきますね。
高血圧
心臓のバクバクは、心拍の乱れ・・・つまり不整脈だったりします。その不整脈の原因となる高血圧が引き金となったりするのです。したがって高血圧の予防、改善が心臓の負担を和らげることになってきます。
高血圧の原因を見ていくと、ストレスや運動不足、睡眠不足、塩分の取りすぎ、お酒の飲みすぎなどです。
ストレス
ストレス社会でストレスを0にするのは難しいですが上手な気分転換が必要になりますね。誰かと話すだけでも気分が楽になる場合もありますから、たまにはおしゃべりも良いですね。カラオケも実は大事なストレス発散なのです。
大きな声を楽しく思い切り出すことによって、ストレスからくる喉の不調にも効果があることが耳鼻科や、言語聴覚の指導の先生の方でも知られています。
鉄分欠乏性貧血
女性によく見られるのが、この鉄分欠乏性貧血です。貧血の中でも9割程度がこの鉄分欠乏性貧血ではないかと言われています。
貧血というのは、血液の主成分である赤血球中のヘモグロビンの値が減少することによって起こる貧血です。しっかりと、レバーや牛乳、貝類など食事を摂ることで改善される場合が多いのですが、治りにくい場合には薬物療法が必要になったりします。
その時は、病院での治療が有効です。中には、骨髄性の白血病などが隠れている場合もありますので、貧血の原因を調べておくということは心臓のバクバクだけでなく、命そのものを救うことになる重要なことなのです。
では、病院に行くほどではないけれど調子が悪いという人の原因も探っていきますね。
その他の原因で起こる心臓のバクバク
気持ちも大丈夫、心臓も大丈夫・・・でも心臓がバクバクするのには必ず理由があるはずです。実は、知らないうちに起してしまっている隠れた理由が原因で心臓をバクバクさせていることもあるのです。
もしかしたら、気付かぬうちに原因を作ってしまっているかもしれません。いつもの生活や食事の摂り方を見直してみましょう。
薬の副作用
何かの治療中で薬を服用している人もいると思いますが、その薬の副作用によって心臓のバクバクが起こることがあるのです。そのような時には、薬剤師さんかお医者さまに伝えて、お薬を調整して頂きましょう。
例えば、喘息の薬には心臓の動きを早くする働きが含まれています。消化器や解熱鎮痛剤にも似たような形で、心臓をバクバクさせてしまう時があります。
心臓のバクバクが起こった時に、何を飲んだか確認をすることも大事ですね。
自律神経
先ほどの精神的な疲れにも通じる事ですが、環境の変化や、季節の変わり目など、いつもと違ったことなどがきっかけとなり自律神経に影響を与えることがあります。
自律神経とは、意識しなくても働いてくれる身体の機能です。呼吸や心臓、血流などは、私たちが「動かそう!」と頑張らなくても働いてくれていますよね。その大切な機能が自律神経なのです。
この自律神経が乱れると、心臓を早く動かしてしまったりして、心臓をバクバクさせてしまうのです。それが結果的に心不全(心臓の働きが止まってしまう)や脳梗塞(脳内の血管が詰まってしまう)などの引き金となってしまうので、生活習慣の改善が必要になってきます。ストレス解消の方法を見つけておきましょう。
ちなみに自律神経を鍛える訓練もあるのですよ。詳しくはお伝えすることができませんが、簡単に言うとイメージトレーニングといった感じです。熱い、冷たいなどの感覚を身体の一部分ずつイメージしていくのです。
イメージトレーニングは、集中力をあげるとか、精神を統一させるなどのいろんな分野で使える訓練なのですね。それから、まだ知られていないことが多い男性の更年期にも少し触れておきます。
男性更年期障害
女性の更年期は、テレビのコマーシャルや番組などで取り上げられるので、知っている人は多いかと思います。しかし、実は男性にも更年期はあるのです。
男性も40歳前後から更年期障害の症状を発症する人がいます。心臓のバクバク(動悸)が起きる原因としては、男性ホルモン(テストステロン)の減少が考えられます。
男性ホルモンの分泌量は、20代~30代をピークにして、40代後半あたりから減少を始めます。男性ホルモンの分泌が減少することで、ホルモンバランスが崩れると心拍を調整する自律神経が乱れてしまい、心臓のバクバクが起こるのです。
なかなか理解されずに、辛い思いをしている男性もいますので、 自分のパートナーの不調には気付いてあげたいものですね。
まとめ
まとめです。
- 心臓がバクバクするのは、「心臓病の場合」と「心臓病ではない場合」がある
- 心配のない動悸があり、生活改善で良くなることがある
- 心臓のバクバクに加えて「心臓が(胸が)痛い」「呼吸が苦しい」などの症状がある時には命の危険があるので早急に病院に行く
- 貧血を防ぐためにも食生活を見直すことが大切
- 男性にも更年期障害がある
ひとくちに「心臓がバクバクする」と言っても、たくさんの原因があるのが分かりましたね。正しい判断が出来るようにするためにも自分の身体に異変があった時には記録を取るなど、普段からの工夫を考えてみましょう。