皆さんの周りに虚栄心が強い人はいますか?誰もが自分を大きく見せたいという心をもってはいますが、それが強すぎると人から嫌われてしまいます。虚栄心が強くなってしまうのは幼少期の頃が原因となっていると言われています。
幼少期の事から自信がなかったり、親から厳しくされていると虚栄心が強くなる傾向があります。ここでは、虚栄心が強い人の特徴や、虚栄心が強い人との付き合い方、幼少期の頃にどのような対応をするべきかなど虚栄心について詳しくご紹介します。
虚栄心について
虚栄心という言葉は本や記事、国語辞典の中では見かけることはありますが、口語では聞きなれていない人も多いと思います。
ここでは、虚栄心とは何か、またどのように使うのか、類義語についてご紹介します。
虚栄心とは?
「虚栄」は見栄という意味で、虚栄心とは自分の実績以上に見せたいと見栄を張る心のことです。この感情が強い人のことを「虚栄心が強い」などと表現します。このような人は平気で嘘をついたり、自分を大きく見せるので虚言癖や自信家とも言われています。
人は誰でも自分の実績以上に見せたいという欲求を少なからず持っています。特に女性よりも男性にその傾向にあります。しかし、ここで問題となるのが虚栄心が強すぎる場合です。一般的に人は真実を知っているので、実績と大きく異なるような虚像を作ることはしません。しかし、虚栄心が強い人はこれを平気で行い、大きく異なるような像を人に見せ始めます。
そして、虚栄心が強い人は自分本位な考えをする性格なので、周囲から付き合うのがめんどくさいと思われてしまいます。プライドが高すぎることで、人生を台無しにしてしまうこともあります。また、虚栄心が強い人は自分が虚栄心が強いということは気付いているにも関わらず止められない傾向にあります。しかし、うまく人間関係を築く為には、止めるように努力することが重要です。
どのように使うか?
虚栄心という言葉は日常会話の中ではあまり使うことがなく、本や辞書などの読み物の中で、使われることが多いです。虚栄心という言葉はどのように使われているのか、実際に使われている例文を見ることで、何となく感覚をつかめる事もあります。ここでは使用方法をご紹介します。
使い方
- 虚栄心を満足させる
- 虚栄心の固まりだ
- 虚栄心が強い
例文
- この女性は虚栄心を満足させる為に、高学歴の人としか付き合わない。
- 私にはつまらない虚栄心があり、息子を高い学費のかかる学校に入学させてしまった。
- あなたほど虚栄心の少ない男性は珍しいわね
- 日本の消費者にとってブランド品は虚栄心を満たす道具だった
虚栄心の類義語とは?
虚栄心という言葉は本の中で見かけることは多いですが、日常会話では使うことは少ないです。日常会話の中では虚栄心と似た言葉、「自尊心」や「見栄」という言葉が使われています。
自尊心とは
自尊心は、自分の存在を認識して肯定することです。自尊心が低いと自分を否定的に捉える傾向にあり、常にネガティブ思考です。
一方で自尊心が強いと自分の欠点を認めずに、プライドが高く自分を肯定的に捉えるため、自分の思考や行動に自信を持ちます。虚栄心と異なる部分は、虚像を誰かに見せることはありませんが、自分に対して肯定的な態度を見せます。
見栄とは
見栄を張るというように使われ、意味は自分をよく見せようとする言動のことです。心を持つだけでなく、うわべを飾ろうとする態度にも使われ、「つまらない見栄で高級車を買ってしまった」などのように使いします。
幼少期の頃に見栄を張ってしまう人も多いです。周りにも伝わるようなバレバレの嘘をついてしまい、なんであの時あんな事を言ってしまったのかと反省することもあります。
虚栄心が強い人の特徴について
虚栄心が強い人の特徴は、自分の能力を実際よりも大きく見せているだけでなく、それに対して反省するという自己否定の部分を持ち合わせています。
人よりも劣っていたくないという気持ちと実際の自分の出来の悪さに自信がなく苦しみ、時には怒鳴り散らしてヒステリーを起す場合があります。このような複雑な精神状態を持っているのが虚栄心が強い人の特徴です。ここでは虚栄心が強い人の特徴を紹介します。
自分の存在が大きい
虚栄心が強い人の特徴は、彼らの中で自分の存在が大きいことです。一般の人の場合は、自分の存在を周りの人と比べて自分が出来る事を見極めたり、自分の立ち位置を把握して自己評価をしています。
実際と大きく異なる虚像の作り上げると、後々面倒なことにもなりかねないので、ほとんどの方は自己評価をきちんとします。嘘をついたり見栄をはると、後に罪悪感を感じたり、人に本来の自分を打ち明けることができずに、自己嫌悪に陥るのが一般的な人の心理です。
しかし、虚栄心が強い人は自分の存在が既に大きく出来上がっているので、他人に虚像を見せても罪悪感を覚えることはありません。大きくした自分の虚像に見合うために、精神的にも金銭的にも無理をして自分を飾り始めます。これは、ゆがんだ自己愛の1つだと言われています。
他人よりも優れたい願望が強い
他人よりも優れていたいという願望が強いので、「自分は自分」「他人は他人」という考え方をすることができません。他の人と比べて優れていると思うことで、安心感を得られます。
その為、プライドが高くよく人を見下している傾向にあります。精神的に独り立ちすることができないため、他者を見下すことで自信を持つことができます。
常に劣等感を感じている
自分の存在を大きく見せることで自信があるように見せている一方で、劣等感を感じている部分もあります。自分で作り上げた像と実際の差は、自分がよく知っています。その為、その差がなかなか埋まらないことに焦りを感じています。
自信があるように見せていても、本当に自信があるわけではなく、普通の人よりも本当は自信がない傾向にあります。また、見栄をはることに後ろめたさを感じている為、後で「どうして、自分は見栄をはって大きくみせてしまったのだろう」と反省をする場合もあります。しかし、このような精神的に弱い部分を持つ自分が愛おしいという自己愛も持っているのも特徴的です。
危機意識が低い
虚栄心が強い人は 危機感が低いのも特徴です。例えば、人は通常リスクを考えながら行動をしますが、虚栄心が強い人はいざ問題が起きたとしても、ごまかせば良い、相手を言いくるめられればいいという考え持っています。
自分自身に問題はないと思っている為、平気で人に責任を擦り付けたり、自分の都合のいいように記憶を摩り替えたりすることもあります。
誰かが助けてくれると思っている
見栄を張ることにより、人に好かれる存在になると信じています。その為、何かあっても周りの人たちが助けてくれると本気で思っています。責任感が薄く、自分がミスをしたということも認めずに責任をとるということはしません。
これにより、実際に人が離れたりお金を失ったりすることで、失敗に気付く場合もあります。
周りも嘘をついていると思っている
虚栄心が強い人の中には、周りも同様の事をしていると勘違いをしている人もいます。周りの人は彼らと同じように表と裏の面をもちあわせ、自信過剰に振る舞い、嘘をついていると思っているのです。
このようなタイプの人は罪悪感もなく反省もすることもありません。また、このような人は詐欺に加担する場合もあるので注意が必要です。
快感を得られる
虚栄心が強い人の中には、虚栄心が強いと自分で自覚していながらも止められない人がいます。それは人に自慢話をして周りが凄いと思ってくれることで快感を覚るからです。この感覚に浸りたい思いが強くなり、やめることができなくなります。
自慢話の内容は家族や親戚などの周囲の功績の話が多いです。自分に自信がなかったり、自分の功績の中で自慢できるものが少ないと、身近な周りの自慢話をする傾向にあります。まさに、虎の威をかる狐状態です。
妻に対しても虚栄を張る
虚栄を張る人は家族愛が強い傾向にあり、大人になっても母親に依存しています。 一方妻に対しては、虚栄を張ります。長く暮らす妻に対しても虚栄を張って、本当の自分がバレてしまわないかといつも神経を張り詰めています。その為、何か見破られそうなことがあると怒鳴ったり、脅したり暴力を振る行動にでる人もいます。
社会性を気にする部分もあるので、妻と離婚することはありません。妻と離婚するということに対しても、虚栄心を脅す行為になるので、彼らにとっては嫌いな行為です。
自分の欠点を認めない
自分の欠点を認めることが難しいため、謝るという行為はしません。謝ることが苦手なので、言い訳をしたり、何か失敗した際には人に押し付けます。
そればかりか自分の欠点を指摘されたり、意見を否定されると逆ギレしたり、怒鳴り散らしたります。また、自分よりも優れた人がいる場合は、その人に対して嫌がらせをしようとします。
虚栄心が強い人への対処法
虚栄心が強い人が周りにいた場合、下手に対応すると怒鳴り散らされたり、暴力を振るわれるなど、ヒステリーを起す場合があります。
ここでは、虚栄心が強い人をどのように対処するべきかについてご紹介します。
劣等感を刺激しないようにする
虚栄心が強い人と付き合う時は、彼らがどの部分に価値をおき自慢しているのか話をよくきいてみましょう。例えば、経済的な自慢が多い場合は、自分の功績や経済状況に関して自信がない証拠です。彼らが劣等感を抱いていることに関しては刺激しないようにするのが重要です。
例えば、話を聞き流すだけでもいいですし、「すごいね」と同感するのもいいです。彼らとは別の意見をもっていたとしても、下手に反対の意見を言うと劣等感を刺激してしまい、ヒステリーを起す傾向にあるので、注意しましょう。また、何か問題が発生した場合に、解決したい場合も上手な言い訳をつけて劣等感を刺激しないのがオススメです。
例えば、生活が苦しいという理由で共働きをしなければいけない場合、「生活が苦しいから私が働こうと思うけど、どう思う?」などの質問を妻に言われることも虚栄心を壊すことになるので、嫌がります。このような場合は「私の趣味で仕事を始めたい」などの理由をつける事で受け入れてもらえます。
相手の承認欲求を満足させる
彼らは誰かに「認められたい」や「甘えたい」という承認欲求が強いです。例えば、彼らが自慢話を始めた時や、何かを成功させた時に「○○さんはいつも凄いね」や「さすがだね」などの言葉をかけることで、相手の承認欲求が満足されます。
認められたいという欲求が満足すると、少しずつ自信がついていったり、あなたを味方だと認識して上手に人間関係をつくることができます。
優れた人でも欠点がある事を知る
いくら優れた人でも欠点があります。自分が尊敬する人や自分が認めた人にでもコンプレックスがあるという事を知ることで、自分の欠点も受け入れられるようになる場合があります。自分の欠点を受け入れた上で、それを伸ばすのか、得意な部分を伸ばすかを選ぶのは人それぞれです。
しかし、得意な部分に目を向けて、それを磨くことで苦手な分野がどうでもよくなることもあります。
カウンセリング
虚栄心の強い人が身内にいる場合、対処法としては本人をカウンセリングにつれていくのが有効と言われています。カウンセリングを受ける事で今の自分を反省したり、自覚したり、自信が少しずつ付けられるようにもなります。
しかし、このタイプの人は精神科や心療内科に行くことに抵抗があるので、治療を受けない人が多いのが現状です。
虚栄心が強い子供について
虚栄心が強くなるのは子供の頃の環境が影響していると言われています。
このような場合は、親が早めに気付いてあげて劣等感を取り除いたり、本当の自信をつけさせる必要があります。ここでは、虚栄心の強い子供の言動や原因、対処法についてご紹介します。
虚栄心の強い子供の特徴
虚栄心が強い子供は、聞いてもいないのにも自分の事や家族の自慢を始めます。虚栄心が強い子供はどのような発言をするのか、例文を見てみましょう。
例えば、「僕の親は社長をやっているんだ」と誰かに言われたときに「僕の親だって社長をやっていて、全世界にも支店があるんだよ」などと、人の発言に対して張り合ったり、それ以上の功績を言う傾向にあります。
また、実際は数日友達の別荘を借りただけなのにも関わらず「私の親が海外に別荘を買って、夏休みの間はずっとそこで過ごしていたの」というように自分が大きく見えるような話し方をします。他にも、周りから知的だと思われたいがために、読むこともできない難しい本を公共の場で広げるなどの行為をします。
子供の自慢話はどちらの家が大きい、どちらが多くのものを持っているなどの表面的なことの自慢が多いです。自慢話が多く、内容のない話をしているの事がほとんどです。
原因
子供が虚栄心を持ち始めるのには原因があります。まずは、幼少期に辛い経験をした子供です。例えば、経済的に豊かでない家で生まれ貧しい生活をしていた場合、その生活とは反対のお金持ちや安定した生活を想像して話だす傾向にあります。
また、青年期以降に虚栄心がでてきた場合は、青年期の頃に自分と他人の差を意識し始め理想よりも自分が劣っているということが強く意識されるようになると、それを埋めようと努力するのではなく、言動が大きくなる可能性があります。その場をしのぐためにでまかせを言っていることが多いので、話が矛盾することも多いです。
対策方法
子供が虚栄を張るのは、劣等感を覚えることが原因です。自分の子供が自分を大きく見せるような言動が続いた場合は、それに気付いて対策することが重要です。対策方法としては、子供に自信をつけさせたり、劣等感を取り除いてあげる必要があります。
まずは、自慢している内容をよく聞いて見ましょう。例えば、子供が「自分の家族は車を3台も持っている」「自分の家にはプールがある」など嘘の話をしている場合は、家庭の経済的なことを劣等感を持っている可能性が高いです。
このように、自慢している内容から、子供がどんな事に価値を置き、劣等感を抱いているのか把握することができます。家庭の経済的なことに対して、すぐに自信をつけさせるのは難しい問題であります。
例えば、「人は人」「自分は自分」という考え方を教えたり、お金の稼ぎ方を教える事、お金だけが全てではない事など、様々な価値観や情報を吸収できるように、色んな人の考えを聞かせるのも1つの方法です。このように積極的に問題について向き合うことが重要です。
他にも、子供の得意な部分を見つけてその部分を大きく伸ばしてあげることで、劣等感を持っていた部分が気にならなくなるようになる場合もあります。
おわりに
自分を大きく見せたいという虚栄心は少なからず誰にでもあるものです。しかし、虚栄心が強すぎると社会にでて人間関係を上手く気付けなかったり、会社で上手く立ち回ることが出来なくなります。
虚栄心が強い人は子供の頃から自信がなかった人が持ちやすい感情です。小さい頃から見栄を張るような行動が見られた場合は、きちんと自信をつけさせるようにサポートすることが重要です。
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