ミュンヒハウゼン症候群の症状とは?症例や似ている病気を紹介!

ミュンヒハウゼン症候群という病気を知らない方も多いと思います。この病気は別名ほら吹き病とも呼ばれている精神疾患の1つです。ただのほら吹きだけなら、重症な病気には思えませんが、エスカレートすることで、命に関わる危険性もあります。

この病気の、症状や症例、似ている病気について、詳しくご紹介します。

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ミュンヒハウゼン症候群について

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ここでは、ミュンヒハウゼン症候群の概要や症状についてご紹介します。

ミュンヒハウゼン症候群とは?

ミュンヒハウゼン症候群とは、精神疾患の1つで、虚偽性障害の分類に属する病気です。主な症状としては、人の注意や同情を引く為に、病気でもないのに病気だと主張したり、実際の病気を誇張したり、病気のふりをしたり、自傷行為をします。

この病気は1951年にイギリスの医師によって発見され、18世紀に実在した「ほら吹き男爵」や「嘘つき男爵」と呼ばれていたドイツ人貴族ミュンヒハウゼン男爵の名前を参考に付けられました。その為、別名「ほら吹き病」とも呼ばれています。

ミュンヒハウゼン症候群は、虚偽性障害の分類の中で約10%を占め、比較的多くはないと言われています。このような虚偽性障害の場合、動機や深層心理が複雑な状況にある為、症状が慢性的になりやすくエスカレートしやすいと言われています。

病気を作り出すことは、患者さんが持つ「大事にされたい」や「注目されたい」という欲求感情を満たす1つの手段だと考えられています。その他にも、病気を作り上げることで、医療関係者と関係構築できるという動機もあると言われています。

ミュンヒハウゼン症候群の患者さんに多く見られる共通点は、子供のころに虐待、育児放棄などをされ、母親からの愛情をうけてこなかった人や、重い病気を患ったことのある方、家族の中で重篤患者さんがいたなどが見られる傾向にあります。

この病気の治療方法は、カウンセリングが主と言われていますが、患者さん自体が病気と認識していないことや、治療を拒否する傾向にある為、治療は上手く進まないと言われています。

症状とは?

患者さんは、周りの注意を引いたり、同情をかいたいという気持ちから、下記のような行動に及びます。ここでは、具体的な症状をご紹介します。

具体的な症状は、

■リストカットや病気を捏造した時の傷口がある

ミュンヒハウゼン症候群では、病気や怪我を作るときに、自分を傷つけること躊躇しません。その為、刃物でお腹を刺したり、指や手足を自分で切り落とす人もいます。リストカットなどの傷口も見られます。

■仮病

胸が痛い、胃が痛い、熱があるといった仮病をよく訴える傾向にあります。

■検査結果を捏造する

尿検査の時にわざと細菌や血液を入れたり、液自体を摩り替えて提出することもあります。またインスリンを入れて、低血糖症状を作り出すなど検査結果を捏造します。

■医療機関を転々とする

自分で病気を作る、もしくは既に持っている病気を重症であるように誇張して、通院や入院を繰り返します。しかし、実際検査をしても何でもないと偽装が見破られると、新しく病気を作り出します。このように常に新しい病気を作り出して、医療関係とかかわりを持ち、通院を繰り返し続けます。

■病歴を偽る

病気にかかっていないのにも関わらず、偽りの話を話すことが多く、患者さんの病歴の話は多種多様です。話の具体性に欠け、曖昧なことも多かったり、話し相手によって内容が食い違いを見せたりもします。患者さんは、嘘がバレるのを避ける為に、医師が過去の病歴を病院側に確認したり、その他の医療機関や家族にコンタクトを取ることを嫌がる傾向にあります。

■医学的知識が豊富にある

患者さんは、医学的知識が豊富にあり、頭の回転が速いといわれています。知識があるからこそ、その病気のふりを上手く演じることが出来たり、作り出すことができます。

たとえば、出血やけいれん症状を起こしやすいように薬の副作用を利用して症状を起こしたり、尿検査の時に検査にひっかかるように動物や生理のときの血をまぜて血尿を作ったり、皮膚をひっかいて発赤をつくったりします。

このように、薬の副作用や検査のチェック項目などを知った上で、どのように捏造するか考えている為、医学知識が豊富にあります。

■話の内容が自分の怪我や病気のことが多い

周囲の人間が患者さんと話すと、話の内容が自分の怪我や病気のことを多く話します。このような事を話すことにより、周囲から同情をかうのを快感に感じる傾向にあります。

■精神疾患を装う

身体的な病気だけでなく、精神疾患を装う傾向にもあると言われてます。うつ病や幻覚や妄想などを真似た発言や行動を取ります。

患者さんには病気であるという認識が全くない為、これらの行動がエスカレートしやすかったり、周りが発見しにくいことも、この病気の特徴であると言えます。

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ミュンヒハウゼン症候群の症例

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人の注意や同情を引く為に、病気でもないのに病気だと誇張したり、病気のふりをしたり、自傷行為をします。その為、病気の症状の訴え方は人によって異なります。ここではどのような症例が報告されているか、いくつかの事例ご紹介します。

日本人の男性患者さんの場合

こ の患者さんは、腰椎の手術後に歩くことが難しいと訴えて病院に検査をしに訪れました。検査を行ってみたところ、全く異常が見つかりませんでしたが、その他にも腹部やあごの痛み、 発熱、咽頭痛などの症状を次々と訴え続けます。

症状を訴え始めてから約1年経過した頃に、患者さんが腹部の違和感を訴えた際に、レントゲンでクリップやナットが腸の中から発見され、ミュンヒハウゼン症候群ではないかと医師たちの中で疑惑を持ち始めました。それから約3年後には、右腕の腫れを訴えた為、検査したところ自分で無理やりバンドを付けて強く締め付けているのを確認し、ミュンヒハウゼン症候群と診断されました。

イギリス人の男性患者さんの場合

腹部に複数の手術痕がある男性が、お腹の病気を訴えて入院しました。そこで、彼は自分の病歴をいくつも語り始めます。日本軍から魚雷攻撃でお腹に傷を受けたこと、その時に受けた傷から膿が出ること、11回も手術を受けた経験があるなど多種多様な病歴を話し出しました。

これらの話を受けて、実際の病歴を他の病院に確認してみたところ、病歴に嘘があることが見破られ、ミュンヒハウゼン症候群と診断されました。

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似ている病気、代理ミュンヒハウゼン症候群について

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ミュンヒハウゼン症候群には、「代理ミュンヒハウゼン症候群」という似た症状の現れる病気があります。ここでは、代理ミュンヒハウゼン症候群の症状や症例についてご紹介します。

代理ミュンヒハウゼン症候群とは?

この代理ミュンヒハウゼン症候群は、 ミュンヒハウゼン症候群に似た動機や症状を見せますが、大きな違いは対象者が違うことです。ミュンヒハウゼン症候群の対象は自分自身なのに対して、代理ミュンヒハウゼン症候群の対象は、他の人を対象とします。

たとえば、自分の子供や自分よりも弱者のものを対象に選んで、行動に及びます。この病気が発症するのは、圧倒的に女性が多 く、幼少時代に十分に母親から愛情を注がれていないことが原因で発症するのではと考えられています。

自分の子供を怪我や病気から守ったように見せて、実際は裏で自分で子供に怪我をさせたり、病気にしたりと工作しています。日本では、代理ミュンヒハウゼン症候群による死亡例も多いと報告されており、事前に防止しずらく、見つかりにくい陰湿的な幼児虐待の1つです。

アメリカで起きた症例

2014年ニューヨークでは、代理ミュンヒハウゼン症候群の病気により、ガーネット君(5歳) が、この世を去る悲しい事件が起こりました。ガーネット君は、幼い頃から体が弱く、様々な病気を患い23回も入退院を繰り返していました。

母親レイシーは ガーネット君に付きっ切りで看病を始め、ブログやFacebookでそのガーネット君の病気の奮闘日記を投稿し始めました。母親のレイ シーはこれらSNSを通して同情をかい、悲劇の母親として注目を浴びるのが快感となり、どんどんと子供の健康を故意に害していきます。

ある日、ガーネット 君が激しい腹痛に襲われ、病院に搬送されましたが、残念ながらそのまま息を引き取ります。その後、ガーネット君の体の中からは、大量のナトリウムが発見さ れ、致死量の塩を故意に子供に食べさせたとして、母親は逮捕されました。

ブログ上では、仲のいい親子の写真もUPされていて、これらを見ただけでは誰もこのような事件が背景にあるとは想像出来ません。

日本で起きた症例

2008年に京都の病院で、1歳10ヶ月の子供の点滴に細菌が混入されたとして、母親が逮捕されました。通常では考えられないような細菌が点滴の中に混ざっていた為、医師たちが不審に思いビデオカメラを設置したところ、異物を混入する場面をとらえ母親が犯人だと分かりました。この事件発覚後、過去に次女、三女、四女と3人もの子供を同じ手口で殺害していたことが分かりました。

まだ言葉も上手く発することができない小さい子供を対象にした場合、周囲も気づきにくく、予防することが難しく、子供が命を落としてしまう危険性がとても高いです。病院に運ばれてからでは、遅いこともあり、多くの命がこの病気によって落とされていると言われています。

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まとめ

今回ご紹介した、ミュンヒハウゼン症候群は、精神疾患の1つで周囲の気を引く為に、病気を捏造するという病気です。本人が病気だという自覚症状がない為、治療をすることは難しいです。その為、周りがこのような病気があることを認識し、振り回されないようにする必要があります。

また、似ている病気としてご紹介した、代理ミュンヒハウゼン症候群は、対象者が幼い子供になり、エスカレートした際には死亡してしまうケースが多いです。両方の病気とも周囲が気づくのが難しい病気ですが、周囲の人間がこの病気を理解し広めることで、防げるきっかけになるのではないかと思います。

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