何も食べていないのに、口の中が甘いと感じたことはありませんか?体が示すサインを見逃すと、実は病気だった!ということになりかねません。
今日は、別に甘いものを食べていないのに、口の中が甘くなる原因と、それの対処法についてお伝えしようと思います。
最近口の中が甘いと感じられている方、今は感じないけど、健康に関心のある方、ぜひとも一読していただけると、明日からの健康的な生活に大きなプラスになることと思います。
口の中が甘いと感じるのは味覚障害かも?
まず、人間の口の中には、味覚を感じる味蕾(ミライ)という機関が存在します。
味覚障害が、この味蕾という機関が誤作動を起こし、味の感度が低下してしまったり、全く味を感じ取ることができなくなってしまいます。
味覚障害の症状
主な症状としては、
- 食べ物を口に含んでもどのような味であるかを感じ取ることができない。
- 苦い食べ物(ピーマンやゴーヤ)を食べても、甘く感じてしまう。
- 口の中に何も含んでいないのに、甘い味や苦い味がする。
- どのような料理を食べても、同じような味に感じてしまう。
といった症状が挙げられます。
味覚障害の原因
原因として代表的に挙げられるのが、偏った食生活により、体内に必要な分の亜鉛を摂取することができないことが挙げられます。
亜鉛は、人間に必要とされる16種類のミネラルのうちのひとつで、細胞分裂を助け、タンパク質の合成を促し、抗酸化作用、アルコール分解作用、免疫を活性化させる作用、更には健康的な髪を育てる作用があります。
亜鉛が不足してしまうと、細胞分裂が正常に行われなくなってしまいます。すると、口の中で味を感じ取る機関である味蕾に影響を及ぼします。味蕾の細胞分裂は活発で、1ヵ月ほどで細胞が新しいものとなります。
そのため、亜鉛が不足して味蕾の細胞分裂が遅れてしまうと、味覚を正常に感じ取れなくなってしまい、口の中が甘いといった味覚障害が発生してしまうのです。
詳しくは、味覚障害になる原因とは?ストレスや亜鉛不足に注意!を参考にしてください。
味覚障害の対策
亜鉛が不足して生じてしまう味覚障害ですが、逆に、亜鉛を摂取すれば味覚障害を防ぐことが可能となります。豊富に含まれる食べ物は以下の通りです。
亜鉛を含む食品を摂取する
牡蠣
みなさんも聞いたことがあるかもしれませんが、亜鉛が豊富に含まれる代表格といえば牡蠣です。牡蠣には亜鉛だけでなく、鉄、銅、マンガンのようなミネラル、カルシウムが豊富に含まれています。また、悪玉コレステロールを減少させるアミノ酸であるタウリンも含まれているので、味覚障害の恐れのある方はもちろん、そうでない方にも食べていただきたい食材です。
カニ
カニといえば、毛ガニやタラバガニ、はたまたズワイガニといった種類がありますが、カニにも亜鉛が豊富に含まれています。また、筋肉の働きを良くしてくれるカリウムや骨を丈夫にするカルシウム、体を元気にするビタミンB群等も豊富に含まれています。
牛肉
牛肉には、体内で合成することが不可能な必須アミノ酸を豊富に含みます。そして、味覚障害の改善に役立つ亜鉛も豊富に含まれています。しかし、牛肉は脂肪分が多く、高カロリーな食材なので、食べ過ぎると肥満や動脈硬化といった弊害を生む恐れがあるので注意してください。
豚レバー
豚レバーにも、亜鉛が豊富に含まれており、牛肉と違って脂肪分が少ないので、気軽に食べることができます。
チーズ
乳製品の中では、チーズが亜鉛を豊富に含む食材として挙げられます。ただ、チーズは円分を多く含む食材ですので、塩分過多による高血圧等を招く恐れがあるので、食べすぎには注意してください。
ナッツ類
意外かもしれませんが、ナッツ類にも亜鉛が含まれています。しかし、ナッツ類は脂肪分が多い食べ物ですから、やはり食べすぎには注意が必要です。
サプリメントで亜鉛を摂取
上に挙げた食べ物を毎日食べようと思ったら大変ですよね。その場合は、サプリメントを使って、亜鉛不足を補いましょう。サプリメントであれば、水で飲むだけですから気軽に続けられるでしょう。
しかし、簡単に摂取することができる分、味覚障害の恐れがあるからといって、亜鉛をサプリメントで過剰摂取してしまうと体に支障をきたしてしまうので注意が必要です。
1日100mg以上、亜鉛を長期間継続して摂取すると、吐き気や嘔吐、脱水症状や発熱、倦怠感といった副作用が生じる恐れがあります。どのような栄養素もそうですが、何事も適度な量を摂取することが健康増進に繋がりますので、くれぐれも注意してください。
アルコール摂取を控える
亜鉛には、アルコールを分解する作用があるのですが、アルコール飲料を多量摂取してしまうと、体内の亜鉛を消費してしまいます。
そのため、体内の亜鉛量が不足してしまうので、味覚障害のおそれがある方は、アルコールの摂取を控えることも、有効な対策として挙げられます。
口の中が甘いと感じるには糖尿病かも?
実は、口の中が甘いとの症状が、味覚障害ではなく、糖尿病であるとのサインであることがあります。
糖尿病の原因
まず、糖尿病には1型糖尿病と、2型糖尿病というものがあります。
1型糖尿病
1型糖尿病とは、膵臓が機能障害を起こし、糖を分解するインスリンを作ることができなくなるため、体内に分解できない糖が蓄積することで生じる病気です。
1型糖尿病の原因は、遺伝的なものであるといわれており、インスリンを作ることができなくなる具体的な理由がはっきりとわかっていません。そのため、ご家族に糖尿病にかかった経験のある方がいる場合は注意してください。自分はやせているから大丈夫とは言いきれないのが、1型糖尿病の怖さでもあります。
2型糖尿病
2型糖尿病とは、更に2種類に分類され、インスリンの量が不十分で起こる糖尿病、そして肝臓や筋肉等の細胞が、インスリンの作用を感じ取れなくなってしまい、ブドウ糖の吸収ができなくなってしまい生じてしまう糖尿病があります。
2型糖尿病の主な原因は、内臓脂肪の増加、つまり肥満が原因とされており、日本で問題となっている糖尿病の大半は2型糖尿病とされています。
そのため、偏った食事や運動をしないといった生活習慣の悪化が、糖尿病の原因とされています。
糖尿病の症状
代表的な自覚症状としては、以下の者が挙げられます。
異常な喉の渇き
糖尿病は血糖値が下がらなくなる病気であり、体内にブドウ糖が吸収されない状態になります。
糖尿病患者は、ブドウ糖が体内に吸収されない結果、血液中にブドウ糖が蓄積してしまいます。そして、血液中のブドウ糖を排出するため、尿が出るのですが、糖尿病の患者の場合、血液中のブドウ糖量が多いので、排出される尿の量も多くなってしまいます。
そのため、体から水分が失われ、喉が異常に渇く状態が継続して発生するのです。
運動をしたり、大量に水を飲んだわけでもないのに、トイレに行く回数が増えている場合は、糖尿病のおそれがあるので注意してください。
急激な体重の減少
インスリンは、体の中の血糖値を下げる作用を及ぼす物質であり、血糖値の上昇を抑えてくれます。しかし、糖尿病になると、インスリンが分泌されなくなってしまい、血糖値がなかなか下がってくれません。
また、インスリンは、体内の糖をエネルギーとして変換し、これを細胞に与える作用を及ぼします。そのため、体内のインスリンが不足すると、体内の糖を上手く細胞に与えることができなくなり、細胞のエネルギーが不足する状態になってしまいます。
そのため、たくさんの食事をとっても、食事から得られるはずのエネルギーが吸収されなくなる結果、食べる量に関係なく、体のエネルギーが不足し、その不足を脂肪で補うので、体がどんどんやせてしまうのです。
ですから、ダイエット等を特にしていないのに、体重が減ってきた方は、糖尿病の可能性があるので、楽にダイエットできたと楽観的にならないことをお勧めします。
口の中が甘く感じる
体内の糖がインスリンによってエネルギーとして吸収されなくなると、人間は、自ら蓄えた脂肪をエネルギーとして利用するようになります。
そして、脂肪をエネルギーとして変換した際に、残りかすとしてケトン体という物質が発生します。
ケトン体は、甘い香りのする物質で、尿が甘いにおいがするのはケトン体が原因とされています。そして、ケトン体は、血液中に入り込み、人間の肺に到達します。そして、肺は酸素を吸収し、二酸化炭素を排出する機関ですが、二酸化炭素が排出される際、ケトン体も共に排出されます。
そのため、糖の分解ができない糖尿病患者は、口臭がケトン体のせいで甘い匂いになります。これが、糖尿病患者の口の中が甘くなる理由となります。
糖尿病の対策
糖尿病にならないためには、食生活を気を付けることが必要です。
例えば、白米が大好きでよく食べてしまうような方には、白米を減らす努力をしていただくことが必要になります。また、糖は様々な食材に含まれているので、糖の量をチェックする習慣をつけることが大切です。
また、生活習慣の改善にも心がけましょう。2型糖尿病の場合、肥満であることが原因の一つですから、適度な運動をして、肥満にならないよう心がけることが重要です。
更に、ストレスが原因で食事の量が多くなってしまう方もいますので、ストレス発散を心がけ、快適な生活を心がけることが重要です。
詳しくは、糖尿病は完治する?症状や治療方法について!を参考にしてください。
まとめ
口の中が甘くなる原因は、亜鉛不足による味覚障害、又は糖尿病であることが挙げられます。
亜鉛不足の対策としては、亜鉛が豊富に含まれる牡蠣等の食材を積極的に取り入れるか、サプリメントでの補給をお勧めします。
糖尿病対策としては、バランスのとれた食事を心がけて糖質を減らすこと、そして生活習慣の改善が必要になります。これらの症状に少しでも心当たりのある方は、気を付けてみてください。