カロリーメイトという商品を、ご存知の人は多いのではないでしょうか?カロリーメイトは、1983年に大塚製薬から発売されて以来、今やほとんどの日本人が知っている国民的な栄養調整食品となっています。
カロリーメイトは、その携帯性の良さ・栄養バランスの良さ・カロリー計算の簡単さなどが評価されて、ダイエットのサポート食品として根強い人気を誇っています。しかしながら、カロリーメイトを利用してダイエットを実践した人の中には、期待したようなダイエット効果が得られずに、むしろ太ったと主張する人やネット上の口コミも散見されます。
そこで今回は、カロリーメイトを利用したダイエット方法の真実について、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。
この記事の目次
カロリーメイトという商品について
まずは、カロリーメイトを利用したダイエット方法の真実について迫る前に、カロリーメイトという商品について、簡単におさらいをしておきたいと思います。
というのも、ほとんどの日本人が知っている国民的な栄養調整食品と言っても、実は含有されている栄養素・栄養価などについては知らない人が多いからです。
カロリーメイトとは?
カロリーメイトは、1983年に大塚製薬から発売された栄養調整食品です。現在は、ブロックタイプ(固形タイプ)、ゼリータイプ、ドリンクタイプが市販されていて、その他に災害時用の備蓄食・非常食として企業や自治体向けにカロリーメイトロングライフという商品が生産されています。
また、市販されているブロックタイプ・ゼリータイプ・ドリンクタイプには、それぞれ様々な味の種類が用意されています。例えば、ブロックタイプではプレーンの他に、チーズ味・フルーツ味・チョコレート味・メープル味の5種類が展開され、ドリンクタイプではコーヒー味・カフェオレ味・ココア味・コーンスープ味の4種類が展開されています。
栄養調整食品とは?
栄養調整食品とは、摂取することで保健効果・健康効果を期待させる食品・製品のことで、いわゆる健康食品・栄養食品の範疇に属します。
そもそも健康食品についての明確な分類や定義づけはされていません。健康食品を大まかに分類すると、国が制度を設けて国の許認可や国への届出を義務付けられたものと、それ以外のものに分けられます。
国の制度に基づく健康食品
国が制度を設けて、国の許認可や国への届出を義務付けられた健康食品としては、主に次のようなものが存在します。
- 特別用途食品:特定保健用食品(トクホ)も含まれ、国の許可・認可を経ることが必要。
- 栄養機能食品:特定の栄養素の含有量が国の基準を満たしていれば名乗ることができる。
それ以外の健康食品
国の制度外の健康食品としては、主に機能性食品・栄養補助食品・健康補助食品・栄養調整食品・サプリメントなどが該当します。
- 機能性食品:機能性をうたう食品全般が該当し、その中で国の許可を受けたのがトクホ。
- 栄養補助食品:特定の栄養成分の補給が目的で、通常の食品の形態でないもの。
- 健康補助食品:財団法人日本健康・栄養食品協会が提唱する規格。
- 栄養調整食品:国の制度ではないが、薬事法や景品表示法など法規に縛られる食品群。
- サプリメント:一般的に、特定の栄養成分が凝縮された錠剤やカプセルの形態のもの。
カロリーメイトの栄養成分
カロリーメイトの栄養成分は、大塚製薬のHPで商品毎に詳しく情報が公開されていますので、そちらをご覧いただきたいと思いますが、ブロックタイプのプレーン味の栄養成分(4本入りで1箱80gあたり)について引用させていただくと次のようになっています。
- エネルギー :400kcal(1本あたり100kcal)
- タンパク質 :8g
- 脂質 :21.9g
- 糖質 :41.7g
- 食物繊維 :2g
- ナトリウム :280mg
- カリウム :110mg
- カルシウム :200mg
- 鉄 :2.5mg
- マグネシウム:50mg
- リン :80mg
- ビタミンA :225μg
- ビタミンB1 :0.5mg
- ビタミンB2 :0.6mg
- ビタミンB6 :0.5mg
- ビタミンB12:1μg
- ナイアシン :5.5mg
- パントテン酸:2.8mg
- 葉酸 :100μg
- ビタミンC :40mg
- ビタミンD :2.5μg
- ビタミンE :4mg
ダイエットの基本とカロリーメイトの利用
このようにカロリーメイトは、栄養素や栄養価に富んだバランス栄養食と言えます。しかしながら、カロリーメイトを利用してダイエットを実践した人の中には、期待したようなダイエット効果が得られずに、むしろ太ったと主張する人やネット上の口コミも散見されます。
そこで、改めて基本的なダイエットの仕組みを確認するとともに、ダイエットにカロリーメイトを利用するにあたってのメリットについて、ご紹介したいと思います。
基本的なダイエットの仕組み
基本的なダイエットの仕組みは、食事から摂取するエネルギーよりも多くのエネルギーを消費することに尽きます。つまり、摂取エネルギーよりも消費エネルギーが多ければ、不足するエネルギー源として身体に蓄えられた体脂肪が使われて、結果として体重が減少するのです。
そして、消費エネルギーを増やすために、筋トレをして筋肉量を増やすことで基礎代謝量を増加させたり、日常生活の中で有酸素運動などを実施することで活動代謝量を増加させるわけです。
加えて、ダイエット期間中だけに限りませんが、特にダイエットを実施する期間には、多くの栄養素をバランス良く栄養補給することに気を配らなくてはなりません。というのも、運動後の疲労回復や筋肉形成には多くの栄養素が必要になりますし、食事を制限する場合は食物繊維不足やミネラル不足といった栄養不足に陥りがちになるからです。
様々なダイエット方法の問題点
世の中には、数えきれないくらいのダイエットのやり方が存在します。インターネットで少し検索するだけでも、レコーディングダイエット・禁酒ダイエット・枝豆ダイエット・豚肉ダイエットなどといった様々なダイエット方法がヒットします。
これらのダイエット方法は、確かに効果が現れる人もいますが、全く効果が現れない場合もあります。例えば、レコーディングダイエットは食事内容と摂取エネルギー量を記録することで、食べ過ぎを防ぐ点に主眼がありますから、かなりの肥満である人達には有効でも、普通体型に近い人には効果的ではありません。
同様に、禁酒ダイエットはお酒というよりも、おつまみの食べ過ぎを防ぐ点に主眼がありますから、おつまみを食べずにお酒だけを飲む人には、あまり効果がないでしょう。枝豆ダイエットや豚肉ダイエットは、食事の一部を枝豆や豚肉に置き換えるのですが、一部とはいえ毎日食べると栄養の偏りが懸念されます。
また、極端な食事制限や断食といった短期間ダイエットは一時的に効果があっても、栄養不足による筋力低下などでリバウンドしやすくなります。断食と酵素ドリンクを組み合わせた酵素ダイエットなども、体質改善には有効性があっても、筋力低下などを防ぐことはできないでしょう。
ですから、ダイエットの王道は、やはり筋トレや運動とバランスの良い食事を、日々地道に積み重ねることだと言えるでしょう。
カロリーメイトを利用したダイエット方法
カロリーメイトを利用したダイエット方法は、朝食・昼食・夕食の三食のうちの一食をカロリーメイトに置き換えるというものです。つまり、朝昼晩の三食のうちの一食をダイエットドリンクに置き換えるダイエット方法と同じ考え方です。
1日に必要なエネルギーは、体格などで個人によって微調整が必要ですが、男性2650kcalと女性2000kcalが目安とされています。これに対して、カロリーメイトはブロックタイプ4本入りの1箱で400kcalです。
ですから、三食のうちの一食の代わりにカロリーメイトを摂取することで、栄養バランスを犠牲にすることなく、摂取エネルギーを抑制することができるのです。ただし、運動などをせずに、一食をカロリーメイトに置き換えるだけでは、ダイエットの効果に限界があることは留意すべきでしょう。
カロリーメイトを利用するメリット
このようにダイエットにカロリーメイトを利用するメリットは、いくつか考えられます。まずは、ブロックタイプならば1本100kcalなので、面倒なカロリー計算が簡単であることが挙げられます。ご飯100gが168kcalとされていますが、茶碗の大きさで白米の入る量も異なりますから、ご飯のカロリー計算ひとつをとってみても面倒ですよね。
また、カロリーメイトの商品群は、軽くてかさばらないことから非常に携帯性に優れています。そのため、外出先の会社や学校でも無理なく継続できることも、メリットと言えるでしょう。
さらに、食事制限や他の置き換えダイエットに比べて、カロリーメイトは栄養バランスに非常に優れていますから、健康的であることもメリットと言えます。
ですから、これらのメリットを考慮すると、カロリーメイトを利用するダイエットは他のダイエット方法に比べても、かなり優位性があると言えるでしょう。
カロリーメイトを利用したダイエット方法の注意点
このように、筋トレや有酸素運動なしでは限界があるものの、三食のうちの一食をカロリーメイトに置き換えることで、栄養バランスを犠牲にすることなく、摂取エネルギーを抑制することできます。カロリーメイトを利用したダイエット方法には、それなりに優位性があるのです。
しかしながら、カロリーメイトを利用してダイエットを実践して太ったと主張する人がいるように、実践するにあたっては注意すべき点が存在します。そこで、カロリーメイトを利用したダイエット方法の注意点について、ご紹介したいと思います。
満腹感・満足度が得られにくい
カロリーメイトは、少量の中に非常に多くの栄養素とエネルギー源が詰め込まれた食品です。例えば、カロリーメイトのブロックタイプ4本入り1箱で80gしかありませんが、この一見するとお菓子のようなブロックタイプ4本80gを食べるだけで、400kcalものエネルギー量を得られるのです。
しかしながら、エネルギー量と食後の満腹感や満足度は比例関係にはありません。食後の満腹感や満足度が得られないと、ついつい間食をしてしまったり、次の食事で暴食を招くことになります。
皮肉なものですが、ダイエット目的でカロリーメイトを利用しているのに、逆に間食や暴食で摂取エネルギーを増やしてしまうのですね。摂取エネルギーが増えれば、当然それが理由となって太ってしまいますよね。
糖質・脂質が多い
前述のように、カロリーメイトはお菓子のような見た目とサイズ感にもかかわらず、その量やグラム数からするとハイカロリーです。というのも、例えばブロックタイプの栄養成分を見てみると、80gのうち60g以上が糖質と脂質で構成され、エネルギー源が凝縮されているからです。カロリーメイトをダイエットのサポート食として利用する人がいても、実はカロリーメイトはダイエット食品ではないのですね。
そして、頭では量やグラム数に比してハイカロリーだと理解していても、このお菓子のような見た目とサイズ感ゆえに、カロリーメイトはおやつ・間食として手を伸ばしやすく、しかも食べても罪悪感を感じにくいのです。その結果として、太ってしまう可能性や危険性が生じるわけです。
あくまでも栄養調整食品にすぎない
カロリーメイトは、前述のように栄養調整食品であって、あくまでも通常の食事による栄養補給を補完するものにすぎません。そのため、いかにカロリーメイトが多くの栄養素をバランス良く含んでいるとしても、それぞれの栄養素における1日の必要量を全て賄えるわけではないのです。特に食物繊維やタンパク質は、カロリーメイトもそれなりの量を含んでいますが、それだけでは1日の必要量に全く足りません。
食物繊維が不足すれば、便の材料となる食物残渣(しょくもつざんさ)が不足して便秘になる可能性があります。また、タンパク質が不足すれば、筋肉量が維持できず太りやすく痩せにくい身体になる他、肌や髪の毛などにも異常が現われやすくなります。
ですから、ダイエットをする場合でも、カロリーメイトと置き換える食事以外の食事は、可能な限り肉類・豆類・野菜類・海藻類・根菜類などバランス良く摂取する必要があるでしょう。
カロリーメイトを利用したダイエット方法で押さえること
ここまで説明してきたことを踏まえて、カロリーメイトを利用してダイエットを成功させるには、どうすれば良いのでしょうか?
そこで、カロリーメイトを利用したダイエット方法で押さえておくべき事柄を、ご紹介したいと思います。
満腹感・満足度を得るには?
カロリーメイトで食事を一食分置き換えても、食後の満腹感や満足度が得られないと、ついつい間食をしたり、次の食事で食べ過ぎてしまいます。
そこで、満腹感や満足度を得る工夫として、カロリーメイトと一緒に炭酸水を飲むと、満腹中枢が刺激されやすく、過食を防ぐことができるようになります。炭酸水は、当然ですが無糖の甘くないものを選びましょう。
また、炭酸水が苦手の人は、やや乳脂肪分を余計に摂取することになりますが、炭酸水を牛乳に変えても、同じような効果が得られます。
是非、炭酸水や牛乳を上手く活用してみてくださいね。
朝食をカロリーメイトで置き換える
カロリーメイトの特徴を活かしつつ、しかもダイエットとして継続しやすいのは、昼食や夕食よりも朝食をカロリーメイトで置き換えることです。
近年は、朝食を食べない人も増えていますが、会社や学校で最も脳が効率良く働くのは起床後の午前中と言われていて、その脳の力を発揮させるには朝食を食べることが必須です。とはいえ、朝は忙しいですから、カロリーメイトで朝の手間を省きつつ、脳に必要最低限のエネルギーを供給し、カロリー計算をして摂取エネルギーを抑えることも可能です。
また、いつもの朝食よりも満足感がないかもしれませんが、案外昼食までは勉強や仕事に集中すると我慢できるものです。これが昼食から夕食だと、なかなか空腹を我慢することは難しいのですね。
ですから、カロリーメイトを利用するダイエットを検討している女性の方は、朝食を置き換えてみてはいかがでしょうか。
不足栄養素を補う
カロリーメイトは、あくまでも通常の食事による栄養補給を補完するものにすぎませんから、カロリーメイトと置き換える食事以外の食事は、可能な限り肉類・豆類・野菜類・海藻類・根菜類などバランス良く摂取する必要があります。
特に豆類は、食物繊維と良質な植物性タンパク質の両方を摂取することができるので、納豆や豆腐などを摂取すると良いでしょう。
また、ヨーグルトなどの発酵食品をカロリーメイトと一緒に食べると、便秘を招く腸内環境の悪化を予防することができますので、試してみてください。
まとめ
いかがでしたか?カロリーメイトを利用したダイエット方法の真実について、ご理解いただけたでしょうか?
たしかに、カロリーメイトを食事に置き換えてダイエットを実践した人の中には、カロリーメイトの量の少なさに満足感を得られずに、間食や次の食事で食べ過ぎてしまい、逆に太ってしまう人もいるようです。
しかしながら、満腹感や満足度を得る工夫として、カロリーメイトと一緒に炭酸水や牛乳を飲むと、満腹中枢が刺激されやすく、過食を防ぐことができるようになります。
ですから、カロリーメイトを利用したダイエット方法の真実は、痩せる結果を手にする人もいれば、太ってしまう人もいるということです。つまり、カロリーメイトは非常に優れた商品ですが、結局は利用する人の心掛け次第で生かされもすれば、殺されもするということなのです。
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