採血で貧血が起きることはある?原因や対策を紹介!

採血をすると、ふらつきを覚えたり、気分不良や頭痛や脱力感を感じるという方もいらっしゃいます。ひどい方は、採血で失神するという方もいらっしゃいますね。

採血に限らず、ケガや生理による出血などで、血液が身体の外に出ることで貧血が起こるのでしょうか?

ここでは、採血により気分が悪くなる原因と、貧血のメカニズム、どのような原因で貧血が起こるのかをご紹介します。

また、特に女性は貧血になりやすいと言われています。貧血になるとどのような症状が起こるのか、また貧血にならないためにはどのようにすればいいのか、生活習慣を元に考えてみみましょう。

採血で貧血が起きるの?

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結論から言うと、採血により貧血を起こすことはありません。しかし、採血をすることにより、気分が悪くなったり、実際に倒れたことがあるという方もいらっしゃいます。

採血では、身体から注射器で血液を採取するので、体内の血液が少なくなる=貧血というイメージを持たれている方も多くいらっしゃいます。

採血が原因で実際に気分が悪くなることはありますが、それは貧血とは違うものです。

採血で気分が悪くなる原因はなに?

採血 内出血

貧血で気分が悪くなる理由は「迷走反射神経」が大きく関係しています。迷走神経の反射がおこることにより、気分が悪くなったり、気を失って倒れたりすることがあるのです。

採血することで血が少なくなるからというわけではないのですね。迷走神経反射とはどのようなメカニズムなのかご紹介します。

迷走神経とは?

迷走神経とは、数ある脳神経のなかの一つです。

脳神経でありながら、身体の広範囲に細かく枝分かれ、分布しているのでこのような名前がつけられました。脳から、首、首から胸に達し、更に腹部にまで分布して、多くの内蔵にまで達しています。

迷走神経は、運動神経、感覚神経、交感神経、副交感神経を含み、知覚や運動や分泌の働きに大きく関与している神経です。

迷走神経反射とは?

採血により気分が悪くなったり、失神してしまうのは、上記の迷走神経が反射しているからなのです。

迷走神経反射とは、強い痛みやメンタル的なダメージにより起こる反射です。

日々の極度のストレスや過度の緊張状態の持続や、大きなショックを受けるような出来事による精神的なダメージなどで自律神経が乱れ、心拍や血圧の数値が下降し、脳への血流が低下するのです。その結果、酸素が十分に送られずに、めまいや息苦しさ、ふらつき、気分不良やひどい方は気を失ってしまうのです。

迷走神経反射による失神では、希に痙攣を伴うこともあります。しかし、その多くは一過性のものが多く、気を失っても数秒~数分程度で通常の状態に戻り、後遺症の心配もありません。しかし、突然、気を失って倒れたりするので、頭をぶつけたりしていないか、外傷はないかなどの確認は必要になります。

迷走神経反射は末梢に血液が滞り、身体の高い位置にある頭にまで血液が流れにくく、脳内の血流や酸素が不足し起こる反射です。そのため、頭が低い位置になる、寝ている体制では起こりません。

どのような原因で迷走神経反射が起こるのでしょう

上記でもご紹介したとおり、強い痛みやストレス、不安、恐怖などのメンタル的なダメージが原因となり自律神経が乱れ迷走神経が過剰に反応してしまうのです。

原因として考えられるものには以下のようなことがあります。

  • 注射や採血などの過度の恐怖や不安
  • 我慢できない激しい痛み(例:陣痛など)
  • 高い気温の中での激しい運動
  • 過剰な怒り、驚愕
  • 過労による過剰な疲労やストレス
  • 脱水
  • 空腹
  • 排泄
  • 大量な飲酒
  • 長時間の立位や長時間の同一体位
  • 日常的なストレス  など

迷走神経反射が起きた時の症状

我慢できないほどの痛みや、過度なストレス、恐怖、不安、ショックなどを感じると自律神経が乱れ、心拍や血圧が低下し脳に酸素が行き渡らずさまざま症状が起こります。

  • 徐脈になる(脈拍が普段より遅くなる)
  • 冷や汗が出る
  • 顔色が悪くなる
  • 吐き気や胃に不快感がでる
  • 寒気を感じる
  • 目の前が真っ暗になる
  • 血の気が引くのを感じる  など

上記のような症状が前兆として現れ、ひどい場合は気を失って倒れる方もいます。失神を起こす場合、このような前駆症状から30秒~数分後には起こるとみられるので、このような症状が見られた場合には、無理をせず、横になりましょう。

頭を低い位置に持ってくると、倒れることはないでしょう。

迷走神経反射への対策

神経の反射とは、私たちが意図的に起こせるものでも、起こしているものでもありません。

人ごみのなかや、仕事中、授業中などにこのような症状に悩まされるのは辛いですね。考えられる原因を排除できるのであれば、可能な限り排除したのですが、日常に関係したストレス等はなかなか、切り離せるものではなかったりします。

上手くストレスコントロールをしながら、時間的にも身体的にも無理のない生活を送ることが一番です。

しかし、それでもこのような症状が起きた場合は、速やかに横になりましょう。そうすることで失神は予防できます。場合によっては、横になれないこともあると思います。そのような場合は壁に持たれて座りましょう。

反射により、胃の不快感から吐き気をもよおし、嘔吐することもあるので、横になる場合は、自分の吐いた排泄物で気道を塞ぎ、窒息しないよう顔は横を向けましょう。このような心配が慢性的あるかたは、ポケットにビニール袋を持っておくことを習慣付ければ、万が一、吐き気をもよおしても、まわりを吐物でよごしてしまうことを気にかけなくていいですね。

下半身に血流が停滞してしまい、脳への酸素が行き渡らないことが原因であるので、手足に力を入れたり、緩めたりして血液を送り出すサポートをすることも有効であると考えられます。

詳しくは、血管迷走神経反射って?原因や症状、治療方法を紹介!を参考にして下さい!

貧血のメカニズム

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ここまで、採血により貧血のような症状を起こすことのメカニズムをご紹介しましたが、では貧血とはどのような症状であるのかをみてみましょう。

貧血とは?

貧血とは、血液中で酸素を運ぶ役割を担っている、赤血球やヘモグロビンが減少するため、血液中から身体に供給される酸素が、全体的に不足することです。

貧血もその原因により分類されています。

最もよく知られているのが、鉄分不足や出血で起こる鉄欠乏性貧血

その他に血液の病気が原因の再生不良性貧血・溶血性貧血

ビタミンB12の不足により起こる中高年に多い悪性貧血

疾患の二次症状として起こる二次性貧血

いずれも、病院での検査により原因を特定することで治療の仕方が異なってきます。

貧血の調べ方

貧血は血液検査により診断できます。

血液中のヘモグロビン数値の基準値が男性:13.0g/dl、女性:12.0g/dlで、この数値以下になると貧血と診断されます。

貧血の自覚症状

自覚症状としてはさまざまありますが、体中が酸素不足になるので、動悸、息切れ、めまい、ふらつき、だるさ、頭痛、爪がもろくなる などがあります。

女性の方がその割合は多く、月経のある女性の10人に1人は貧血であるとも言われています。

貧血を起こしやすい原因

最近では、ファーストフードや外食も多く、食事も手軽で便利なものが増えてきました。また、見た目を気にして食事制限によるダイエットに取り組む方も多く、栄養バランスのとれた規則正しい食生活を過ごしている方ばかりではないようです。

食生活が乱れると、身体に必要な栄養分が吸収できなくなります。そうなると、鉄分やビタミンC、良質性タンパク質などが不足し、貧血を起こします。

これらの栄養素が不足するとなぜ貧血を起こすかというと、身体に酸素を供給するヘモグロビンは鉄を含むタンパク質で生成されていて、ビタミンは鉄の吸収を促す役割があるため、良質性タンパク質、鉄、ビタミンCが不足すると貧血になるからです。

女性にとっては、月経による定期的な出血も貧血の原因になります。また、妊娠、出産、母乳による授乳のも、母体のたくさんの血液を要することから、貧血になるリスクが高くなります。

また、内蔵の疾患により、少しずつではあっても、継続的に出血がある場合は貧血を起こす原因になります。

貧血にならない生活習慣

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なんらかの疾患により、出血がある場合は、疾患の症状の一つである貧血の対症療法を行いながら、疾患そのものを治療していかなければなりません。

ダイエットや食生活・生活習慣の乱れにより起こっている貧血は、ひどい場合は病院で処方されたお薬を服用し治療を行いますが、普段から身体にいい生活習慣を送ることは貧血予防にもつながります。

バランスのよい食生活を送りましょう

貧血の予防に良いとされている栄養素は「鉄分・タンパク質・葉酸・ビタミンB12」です。

鉄分を多く含む食品は・・・レバー、ひじき、大豆、ほうれん草、プルーン など

タンパク質を多く含む食品・・・ささみ、かつお、まぐろ、たまご、鳥むね肉 など

ビタミンB12を多く含む食品・・・レバー、しじみ、あさり など

葉酸を多く含む食品・・・キャベツ、アスパラ、枝豆、グレープフルーツ など

食事中や食後の飲み物は、水やほうじ茶にしましょう。コーヒーやお茶にはタンニンが含まれていて、鉄分の吸収を妨げることになります。

食後のコーヒーやお茶も食後30分以上時間をおいてから飲むようにしましょう。

適度な運動をしましょう

運動をすると、代謝が良くなり血流がよくなることから貧血予防にも効果があります。

理想的なのは一日30分程度のウォーキングですが、なかなか時間がとれない方は、意識的に階段を使ったり、ひと駅歩いたりするのもいいですね。

良質の睡眠を取りましょう

睡眠中は、血液中の代謝バランスを整えるホルモンが分泌されています。

睡眠時間が短くなると、これらのホルモン分泌も十分にできず、鉄の吸収の妨げにもなります。

十分な睡眠時間の確保に加え、身体に合った寝具選び、ヒーリング音楽やアロマテラピーなど睡眠時にリラックスできる空間作りをしましょう。

サプリメントの有効活用

食事で十分な栄養を補うことが第一ですが、手軽に栄養分を摂取できるサプリメントもたくさんあります。

ドラッグストアなどで比較的安価で購入できるで、活用するのもいいですね。

しかし、食事での栄養摂取が一番です。バランスの良い食事をモットーに、サポート的にサプリメントの活用をしましょうね。

 まとめ

採血により、気分が悪くなったり、失神してしまうのは貧血ではなく、迷走神経反射であることが分かりましたね。

迷走神経反射と貧血は自覚症状が似ていることと、迷走神反射自体があまり知られていないことから、採血時の気分不良や失神が貧血と間違えられやすいのです。

採血で採取する血液はティースプーンで1~2杯程度の量で、ごくわずかな量で貧血を起こすような量を採取するわけではありません。

しかし、身体の不調を感じる自覚症状がある場合は、なにか疾患が隠れているサインであったりもします。

多くは、生活習慣を見直すことで改善したりするのですが、万が一に備えて一度、病院受診しておくと安心です。

  
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