食道に痛みや違和感がある原因は?病気の可能性と症状を紹介!

喉がつかえる、胸がつかえる、食べものが飲み込みにくい、胸やけがする、喉がいたむ、飲み込んだときに違和感がある…。

食べ物を食べたときや飲み物を飲んだときに、こういった症状を感じたことはありませんか?それらは食道に潜む病気のサインかもしれません。食道というのは、食べ物を胃まで運ぶ重要な役割があります。

さまざまな原因から、食道でいくつかの病気が現れることがあります。今回はそんな食道の病気などを紹介したいと思います。

食道ってなに?

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まずは食道がどういったものなのか説明します。

食道とは、喉から胃にかけて伸びている管を言います。この管を通して、食べものが胃へと運ばれていくのです。長さは約25センチあります。

食道の上下には括約筋が存在し、これらは飲み込んだものが別の臓器へ入ってしまったり、逆流してしまうのを防ぐ役割を持っています。

喉に近い上部括約筋は、食道からの食べものの逆流を防いだり、食べものが気管支へ入ってしまう状態を防いでくれます。また胃に近い下部括約筋は、飲み込んだ食べ物を胃に送りこんだり、胃液の逆流を防ぐという役割を持っています。

食道に関わる病気

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さて、そんな食べ物を正常に運んでくれる役割を持つ食道ですが、どのような病気などが発症するのでしょうか?ここでは食道に関わる病気をご紹介します。

食道ポリープ

食道に発症する良性のポリープの一種です。食べものを飲み込みにくい、胸がつかえる感覚がある場合は、食道ポリープの可能性が高いです。

食道の内側には四つの粘膜があります。内側から粘膜、粘膜下層、固有筋層、外膜といった順に並んでいます。この一番内側の粘膜には、さらに内側から粘膜上皮、粘膜固有層、粘膜筋板といった順番に粘膜があります。

この粘膜上皮の隆起が食道ポリープの正体です。ポリープの大きさは数ミリから数センチとさまざまで、形に関しても球状であったりキノコ状の形をしていたり、平たい形をしていたりするようです。

このポリープは粘膜上皮の炎症により引き起こるものだとされています。通常、体の中で炎症が起きると、この炎症を治すために細胞が急激に増加します。そして炎症が治ると、細胞の分裂は正常化します。食道ポリープは炎症時に増えすぎた粘膜が原因とされています。

食道ポリープは基本的に発見されてもすぐに切除するということはなく、ほとんどは経過観察で終了します。しかしポリープがだんだんと大きくなる可能性が出た場合や出血の危険性が出た場合は摘出することもあるようです。

偏った食生活やアルコールの摂取、煙草などを続けていると、食道が炎症を起こしてポリープになるとされています。ですので、規則正しい食生活と、節度を守った飲酒・喫煙を心がけましょう。

食道がん

食道がんは胸あたりの食道で発生するのがほとんどといわれています。初期の段階では症状が出にくく、気づかないことが多いです。また人間ドックや検査など詳しく調べない限り、初期段階のがんは見つけることが困難です。

食道がんの主な症状としては、

  • 食べものを食べる時に違和感がある。
  • 喉や胸のあたりがつかえる感覚がする。
  • 胸が痛む。
  • 飲み物を飲むとき、喉や胸がしみたり痛んだりする。
  • 胸やけがする。
  • 食欲がなくなる。
  • 体がだるい。

などが挙げられています。中でも喉・胸のしみる感覚は、がんが食道の壁に浸み込んで炎症を起こしているために、多く見られる症状とされています。さらに食べ物を飲み込むときに痛みを感じたり、喉になにか詰まっている感じがしたり、飲み込んだものが逆流してむせる・吐き出すなどの症状が出た場合は、食道がんが進行していると疑ってください。

また食道がんは、がんの中でもとりわけ進行速度が速いのが特徴です。さらに食道には外膜がないため別の臓器へ転移する可能性もあります。上記の症状に覚えがある場合は、早めに病院で検査を受けましょう。がんは早期発見が重要です。定期的に検診を受けて、初期段階で食道がんを見つけることができれば治癒することも可能です。

辛い物や熱い物を頻繁に食べたり、長期間飲酒や喫煙を続けている人が食道がんになりやすいといわれています。がんの予防として、規則正しい食事を心がけたり、飲酒と喫煙をなるべく控えるよう、日ごろの生活を改めて見てください。

ヒステリー球

喉の詰まった感覚、違和感があるけど内視鏡検査しても何もみつからないというような疾患をヒステリー球(咽喉頭異常感症)といいます。

これは食道の交感神経のバランスが崩れ、食道が締めつけられるために現れるとされています。主な症状としては次の症状が挙げられます。

  • 喉に異物が詰まった感覚がある。
  • 喉に違和感がある。
  • 喉に何かがひっかかっている感覚がある。
  • 飲み込みにくい。
  • 息苦しい。
  • げっぷが出そうで出ない。
  • 吐き気があるけど実際に吐き出すまでに至らない。
  • 渇いた咳が出る。

この中でも特に、喉に何かが詰まっている感覚はヒステリー球の症状です。

そしてヒステリー球は自律神経の乱れにより交感神経のバランスが崩れているため、内視鏡検査や咽喉科で診ても原因が発見されないという特徴があります。ヒステリー球の起こる原因は、ストレスによるものといわれています。

仕事や忙しい日、もしくは緊張を催す行事が控えている、睡眠不足気味である、過労気味である、といったストレスを感じる状態で、これらヒステリー球の症状が現れます。ストレスが原因とわかっているので、症状を改善するにはストレスを解消すれば良いわけです。

ですので、適度な睡眠と休息をしっかりとる、適度に運動するなどを心がけると良いでしょう。また生活環境の改善も重要です。忙しさや過労がストレスになりますので、仕事量の調整を職場で相談したり、無理せず抱えている仕事を他の人に少し代わってもらったりすることもストレス軽減に繋がります。

逆流性食道炎

胸やけがする、何かが喉に込み上げてくるといった症状は、逆流性食道炎の可能性が高いです。

逆流性食道炎は、胃液と混ざった食べものと胃液が逆流する病気です。逆流した胃液や食べものが食道にとどまるために食道で炎症が起こります。

逆流性食道炎の主な症状としては、次のものが挙げられます。

  • 胸やけがする。
  • 何かが喉に込み上げてくる。
  • げっぷが出る。
  • 酸っぱいものが喉に込み上げる。
  • 吐き気がする。
  • 胸が締めつけられるような感覚がする。

胃液が逆流してくるので、酸っぱいものが込み上げてくる感覚や吐き気などの症状が現れるというわけです。また胃酸が食道で炎症を起こすことで、胸やけの症状につながるのです。

食道には二つの括約筋があります。一つは喉の近くにある上部食道括約筋、もう一つは胃の入口付近にある下部食道括約筋です。下部食道括約筋は、胃液の逆流を防ぐ役割を持っています。逆流性食道炎は、この下部食道括約筋が正常に働かない・力の低下が原因で起こるのです。加齢による筋力の低下から、高齢者に多いとされていた病気ですが、近年では若い人でも逆流性食道炎を起こすこともあるそうです。

原因としては、下部食道括約筋の筋力が低下するほかには、脂肪の多い食生活や便秘なども挙げられています。お腹が張っている状態ですと、胃が腸から圧迫を受けて逆流を起こしやすくする状態になります。

また脂肪分の多い食事は、十二指腸から分泌されるホルモンにより、下部食道括約筋が緩んで逆流を起こすことになります。さらに脂肪分の多い食べ物は、胃酸を増やすことにつながりますし、消化に時間がかかるのです。タンパク質の多い食事も消化に時間がかかります。

そのほか、ストレスなどで下部食道括約筋の力が低下してしまい、逆流を引き起こしてしまうということもあるようです。

逆流性食道炎を予防するには、やはりバランスの取れた食生活が欠かせません。タンパク質や脂肪の多い食事を控え、食生活を見直してみることが重要です。またアルコールは胃酸を増やすだけでなく、下部食道括約筋をゆるめる力があります。カフェインも胃酸を増やすので、お酒やカフェインの含まれる飲み物は控えるか、量を減らしてみましょう。

また腹部の圧迫でも逆流を促す原因になりますので、お腹を圧迫するベルトやコルセットを緩めて見てください。

食道神経症

食道にものが詰まったような感覚、胸のつかえや喉のつかえなどは、食道神経症の症状の一つです。食道神経症(咽喉頭違和感症)は神経症状の一つといわれており、食道そのものに異常はありません。異常がないのに、食道の違和感を覚えて、症状が出るというわけです。

その他症状としては、

  • 食欲がない。
  • げっぷが出る。
  • 胸が痛む。
  • 吐き気がする。
  • 下痢をする。

などが挙げられます。

これらの原因はストレスを主とした精神的要因によるものとされています。ストレスを感じて食道が痙攣し、症状を引き起こすといわれています。ストレスという心的原因のために、耳鼻咽喉科で診察を受けても原因が見つからないというのが特徴です。

治療法として主に薬やカウンセリングが主流です。食道神経症は不安から生じる神経症状なので、その不安やストレスを取り除くためのカウンセリングで改善していきます。

まとめ

食道とは?

喉から胃にかけて体の中心に通っている管。食べものを喉から胃にかけて運ぶ役割を持つほか、食べものが気管支へ入ってしまわないよう防いだり、食べものが逆流してくるのを防ぐこともしている。

食道の違和感の正体は?

  • 食道ポリープ
  • 食道がん
  • ヒステリー球
  • 逆流性食道炎
  • 食道神経症

などが挙げられる。

  
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