愛着障害について!症状や原因、克服する方法を知ろう!大人に症状が現れるとどうなる?

「愛着障害」とは、乳幼児期・幼少期に保護者からネグレクト(無視・放置)や虐待を受けたり、十分な愛情を受けなかったりして、保護者との安定した愛着を深める行動が絶たれ、いろいろな問題が引き起こされることです。心の病気の1つです。

愛着障害は、発達障害と間違われることがあります。愛着障害は、幼児期・小児期の精神の発達や人格形成に大きく関わっています。愛着障害を抱えたまま大人になると、恋愛や結婚がうまくいかなくなることがあります。

愛着障害の原因と症状、そして大人になっても愛着障害に悩む人々の対策や治療法についてお伝えしますね。

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愛着障害とは?

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「愛着障害」は、心の病気の1つを表す心理学用語です。生まれてから2~3年目までに保護者・養育者との間に安定した愛着形成ができないと、いろいろな障害が引き起こされます。

保護者・養育者は、通常、母親です。しかし、父親、祖母、養母、乳母など、乳幼児を世話し、保護する人たちのこともあります。

[愛着理論]

子供が精神的・社会的発達を正常に遂げるためには、少なくとも1人の養育者・保護者との間に親密な関係を築き、維持する必要があります。子供と特定の養育者(通常は母)との結びつきを「愛着」「アタッチメント」と言います。特定の養育者と親密な関係を築き、維持することを「愛着形成」といいます。

生後2年までに愛着形成が十分に行われないと、子供は社会的・心理学的問題を抱えるようになります。これを「愛着理論」といいます。

愛着行動・愛着感情は、幼少期のヒトが環境に適応するための機能です。ヒトの社会的行動は、個体が環境に適応して生存するように機能しています。愛着行動は、独りにされること・見知らぬこと・急に近づかれることなど、危険を察知する能力を高めます。愛着障害が起きると、環境適応が難しくなるのです。

愛着形成

乳児は生後6ヶ月までに、特定の養育者(通常は母親)を見分けるようになります。特定の養育者に対し、笑いかけたり、声を出したり、泣いたりして、注意をひき、親密さを表します。

生後6ヶ月から2歳児までに、特定の養育者(通常は母親)に親密さを維持する愛着行動をはっきりと示すようになります。養育者といっしょにいることで安心を感じるようになります。養育者が見えなくなることに抗議し、後追いします。養育者が戻ってくれば、喜んで挨拶したり笑いかけたりします。驚いたり、不安になったりすると、養育者にまとわりつきます。

安全基地

愛着が安定している乳幼児は、自分の置かれている環境に注意集中できます。動く能力が発達してくると、幼児は特定の養育者を「安全基地」として、探索を始めます。親密な養育者がいれば、幼児は自由に熱心に探索することができます。養育者が見えなくなると、愛着が探索行動を制止します。

恐怖・不安・疲労・病気になると、愛着行動が増強します。養育者にまとわりつきます。

愛着行動が、幼児の危険に対する回避性を発達させながら、外の世界との関わりを広げていくのです。愛着形成が子どもの社会的発達を促します。

「人間が最も安心感を得られるのは、お母さんの膝の上である」と、手塚治虫が「鉄腕アトム」の中で書いていました。「お母さん」という親密な養育者の膝は、乳幼児にとって最高の安全基地です。

「抱っこ」が十分だと、自立が早い

「抱っこ」は、乳幼児と養育者のスキンシップです。乳幼児を抱くことで、子どもにも養育者にも、オキシトシンというホルモンが分泌され、二人の間に愛情や信頼が生まれ育ちます。「抱っこ」は愛着形成に必須不可欠です。

オキシトシンは、親と子の間だけでなく、他人への愛情や信頼感、安心感を形成するために大きな役割を果たしています。「抱っこ」というスキンシップが不十分だと、オキシトシンの分泌量が低く、大人になってからも、恋人・配偶者・家族との間に愛情や信頼を築くことが難しくなります。

乳幼児は1日中でも抱っこしていたいのです。養育者は、時間の許す限り抱いてあげます。そのうち、幼児は外の世界に興味を持ち、養育者という安全基地から出て行きたがります。

「抱き癖がつく」心配など無用です。「抱っこ」に満足したら、子どもの方から離れて、独立行動を取りたがるようになります。「抱っこ」を十分にされた子どもは自立が早いのです。

逆に、十分に「抱っこ」されない乳幼児は安心感・信頼感が得られず、いつまでも母親・養育者にまとわりつき、なかなか自立できません。

3~5歳児になっても、「抱っこ」を求めたら、抱きしめます。「抱っこ」されることで、子どもは「安全基地」に戻ったこと実感できます。

学童期になっても、「抱っこ」「抱きしめること」が必要になる時があります。スキンシップによりオキシトシンが分泌され、子どもは安心感・信頼感を得られます。

養育者は母親とは限らない

乳幼児と愛着形成をするのは、通常、母親です。母親が最も望ましいことは確かです。

しかし、出産時や事故などで、乳児期に母親が死亡したり、入院したり、また、離婚などで離れたりする場合は、祖母でも養母でも、父親でも、子どもと親密な関係を築ける養育者との間に愛着形成が行われます。

特定の養育者と乳幼児が愛着形成することが重要なのです。特定の養育者を母親と限定する必要はありません。

[愛着障害の原因]

愛着障害の原因は、乳幼児期に得られなければならない愛情を、十分得られなかったことです。「子供が甘えたい時に甘えられない、頼りたい時に頼れない」状態にあると、愛着障害が起こりやすくなります。

①親と離れる

現在では少なくなりましたが、出産時に母親が亡くなると、新生児の時から母親の愛情を全く受けられなくなります。

乳幼児期に母親が事故や病気で亡くなると、母親と愛着形成ができません。

母親の入院・離婚など、また子供自身の病気による長期入院で、乳幼児期に母親と離れて生活すると、愛着形成ができないことがあります。

②親に捨てられる

親の事情で、施設に預けられたり、里子に出されたりすると、愛着形成ができず、「捨てられた」というトラウマが生じることがあります。

③虐待・ネグレクト

乳幼児・子供に対する虐待は、暴力を振るうだけではありません。子供を無視するネグレクトも虐待行為の1種です。

乳幼児が養育者を求めて泣いていても放っておくのは、ネグレクトです。幼児期・学童期に入ってからも、子供に関心が薄いと、子供は傷つきます。

④親の問題行動

親自身が愛着障害を抱えていると、子供との愛着形成ができないことがあります。

親が気まぐれで、猫可愛がりするかと思えば、育児放棄したりすると、子供は情緒不安定になります。

親がアルコール依存症・薬物依存症・うつ病など精神疾患であったり、自暴自棄になっていたりすると、子供と愛着形成ができません。

⑤厳しすぎる親

子供に対して早期の自立を求めたり、親の要求水準に達しない行動を叱ったりして、厳しい育児方法を良しとする親がいます。「抱っこ」や「話しかけ」を「甘やかし」と見做して、しない親です。

子供は甘えることも頼ることもできず、安定した愛着形成ができません。

⑥忙しい親

現代は、仕事を持っている母親が多く、0歳児保育が当たり前になっています。仕事と家事、育児に追われる母親は、子供とスキンシップをとる時間が十分にとれません。

多忙なため、子供の甘えに応えたり、子供が救助を求める泣き声に気づかなかったりします。子供は見捨てられたような気持ちになり、安定した愛着形成ができません。

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愛着障害の症状

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愛着障害は発達障害と間違えられることが少なくありません。愛着障害は、親(養育者)の愛情不足によって生じる、後天性の心の病気です。

愛着障害・不安定な愛着スタイルは「その人の行動パターンや対人関係に生涯続く影響を及ぼす」のです。

[愛着障害とまぎらわしい発達障害]

愛着障害と紛らわしい発達障害には、①アスペルガー症候群 ②注意欠陥多動性障害(ADHD)③自閉症 ④学習障害 があります。いずれも先天性の要因により、乳児期から幼児期にかけて特徴が発現する「発達遅延」です。

症状が愛着障害と似ていますが、対応方法・対処方法・治療方法が、全く異なります。小児科医とよく相談し、確かな診断を得る必要があります。

①アスペルガー症候群

知的障害を伴わない広汎性発達障害の1つです。

学習面・運動面では特に問題ありません。計算もできますし、言葉も流暢に話します。しかし、他人と適切なコミュニケーションを取るのが難しいため、対人関係に支障が生じます。

相手の気持ちを理解したり、自分が何を求められていのか察知したりできず、流れに沿って会話することが困難です。

②注意欠陥多動性障害(ADHD)

不注意・多動性・衝動性の3つを特徴とする神経発達症です。

集中力がなく、気が散りやすいので、授業に集中できません(不注意)。じっとしていられず、授業中でもフラフラ動き廻ります(多動性)。順番を待ったり、考えてから行動したりできません(衝動性)。

知的障害はありません。幼稚園年長組から就学期にかけて、気づくことが多いようです。

③自閉症

先天性の脳機能障害です。知的障害を伴わない広汎性発達障害の1つです。

コミュニケーション能力に障害や困難が生じたり、「こだわり」が強くなったりします。

周囲に関心がなく、言葉の発達が遅くなります。オウム返しをしたり、呼んでも無視したりします。自分の言いたいことだけ言って、会話になりません。決まった行動を取り、予定外の行動を拒否します。自分の興味のあることに執着します。

④学習障害(LD)

知的発達に大きな遅れはありませんが、聞く・話す・読む・書く・計算するという5つの能力の部分に困難があります。文を読むことはできるけれど、書くことが苦手だったり、他の教科は問題ないのに、算数・数学だけができなかったりします。

[愛着障害の子供の症状]

愛着障害の子供は、他者との距離感が適切に保つことができず、コミュニケーションに支障が生じます。対人関係に様々な問題が生じます。

愛着障害の子供は衝動性があり、過敏な行動をしたり、破壊的・反抗的態度をとったりすることが多くなります。愛着障害の子供は愛情に飢えていて、自分に注意を引こうとするのです。

進行するにつれて、症状は、「抑制型」と「脱抑制型」の2つのパターンに分かれます。この2つは真逆のパターンに見えますが、根本は、適切な人間関係が築けないことです。

愛着障害の初期症状

愛着障害の初期には、スキンシップを嫌がるようになります。スキンシップを嫌がるので、オキシトシンが分泌されず、ますます愛情・安心感・信頼感が育たなくなります。

親と目を合わさなくなります。親を目で追うこともしません。無表情になります。

親に対する怒りが噴出して抑えきれず、癇癪(かんしゃく)を起こしたり、親に暴力を振るったりします。

感情をコントロールできません。欲求不満を爆発させたり、攻撃的な態度や行動をとったりします。

悪いことをしても反省しません。挑戦的で反抗的になります。

親にはそっけない態度をとりますが、他人に対しては、やたらに愛情を示します。

注意力・集中力に欠け、気が散りやすくなります。

抑制型

自分に自信が持てず、自分を抑え込みます。周囲と親しくしたい気持ち、愛情を求める気持ちは強いのですが、他人を信頼することができません。

抑制性が強く、周囲の大人を過度に警戒し、心を閉じてしまいます。警戒心が強いあまり、他者に強い態度に出て、威張り散らしたり、人を操ろうとしたりします。

自分に自信がないため、自傷行為をする危険性があります。

脱抑制型

親よりも無関係の他人に対して親し気に振る舞い、「好きだ」という態度を示します。見ず知らずの初対面の人にもなれなれしく、警戒心を全く持ちません。だれにでも、ついて行きます。

他人に過度に依存するようになります。しかし、相手が期待した通りの愛情反応を示さないと、怒りを爆発させたり、愛情を強要したりします。

夜驚症

夜驚症は幼児や子供に起きる睡眠障害で、愛着障害と直接関係性はありません。しかし、原因が恐怖体験のストレスによることが多いようです。

何らかの理由で安定感を奪われたり、恐怖を感じたりすると、脳が未発達な幼児は、夜中に突然泣き叫ぶことがあります。夢遊病と併発する可能性もあります。

夜驚症は、母親(養育者)が子供の恐怖を取り除いてやれば、改善します。愛着形成がしっかりしていれば、子供は安心感を回復し、落ち着きます。

子供の愛着障害の診断

子供の愛着障害は、前述の4つの発達障害とよく似ています。素人が症状だけで診断することは危険です。専門家による診断テストが必要です。

[大人の愛着障害の症状]

愛着障害の子供は、大人になっても人間関係や人とのコミュニケーションに支障を生じます。恋人や配偶者に愛情や信頼感が十分に持てず、恋愛や結婚がうまくいきません。

母親(養育者)と安定した愛着関係が形成されないと、大人になってからの対人関係に大きな悪影響を及ぼすのです。

アダルトチルドレン

機能不全家族の中で育つ子供は、大人になってもトラウマに苦しみ、生きることに辛さや困難を抱えるようになります。このように幼少期の問題を抱え、子供時代のトラウマを引きずり、成人してからも生き辛さに苦しむ人たちを「アダルトチルドレン」といいます。

「機能不全家族」とは、「機能不全家庭」ともいいます。恒常的に、身体的・性的・心理的虐待やネグレクトが行われたり、何らかの理由で家族間に対立や不和・喧嘩が絶えなかったりする家庭です。家庭崩壊や一家離散が起こる可能性もあります。

このような機能不全家庭で育てば、当然、母子の間に十分な安定した愛着形成ができません。アダルトチルドレンの悩みの根本には、愛着障害があります。

詳しくは、アダルトチルドレンとは?その定義や概念、原因を知ろう!治療するにはどうすればいい?を読んでおきましょう。

大人の愛着障害による悩み

心理系サイトに寄せられる投稿や記事には、アダルトチルドレンの悲鳴が満載です。ブログで苦悩を吐露する人々もいます。

愛着障害は決して特殊な状態ではありません。ちょっとした養育の方法の違いにより、だれにでも生じるものです。不安定な愛着スタイルのために苦悩する人たちが沢山います。

アダルトチルドレンの苦しみは次のようなことが多いようです。

  • 自分はだれにも護ってもらえない。人に助けてもらうことはできない。
  • 自分は関心の薄い存在で、何の価値もない。生きている意味がない。
  • 自分は他人を不快にさせたり、怒らせたりする。だから、余計なことは言わない。
  • 自分の欲求や希望がわからず、自己主張ができない。
  • 人と親しくしたいけれど、嫌われるのが怖くて近づくことができない。

大人の愛着障害の症状

①愛着障害があると、「相手に拒否されるのが怖い」「相手に否定されるのが怖い」のです。評価や人との関わりが怖くてたまりません。そのため、常に相手の顔色をうかがい、相手に合わせるように努めます。それで、心身共にヘタヘタに疲れてしまいます。

②「相手に本当の自分の姿がわかったら、嫌われる」という恐怖が先に立ち、心を閉ざしてしまいます。常に自分自身を偽って生きているような気がします。

③あるいは、他人に対して依存性が強くなります。相手を無警戒・無条件に好きになり、親しくします。しかし、相手が期待通りに反応したり、愛情を示してくれなかったりすると、裏切られた気持ちが大きくなります。怒りを爆発させたり、悪口を言いまくるなど攻撃的な行動を取ったりします。

④虚無感・空虚感・無力感・孤独感が強くなります。

⑤恋人や夫あるいは妻、子供にも心を開くことができません。愛情表現が素直にできなかったり、反対に依存して甘えすぎ、相手の重荷になったりして、恋愛が破綻しやすくなります。家族との関係もうまくいかず、家庭崩壊する可能性もあります。

⑥スキンシップが苦手です。恋人・配偶者・子供と触れ合うことが困難です。

(回避性愛着障害)

現代では、子供が家族と過ごす時間が少なく、メディアに依存する傾向が強くなります。人との絆が薄くなる愛着スタイルを、岡田尊司氏は「回避性愛着障害」と呼びます。

回避性愛着障害の人は、「社交や責任を負うことを嫌うため、モラトリアムの青年期を送り、ひきこもりになりやすい」といいます。しかし、どこかで社会に飛び込んでいく覚悟を決めなければなりませんから、苦悩するのです。

(社会的相互関係)

人は一人で生きていくことはできません。常に、何らかの形で人と関わり、相互に影響し合っています。親子・兄弟姉妹のような家族、学校仲間、職場の同僚・上司、近所の人々や商店の店員など、いろいろな人と相互に影響し合う関係を「社会的相互関係」「社会的相互作用」といいます。

いろいろな人との相互依存関係や社会的行動で「社会的相互関係」が構成され、その上に「社会的関係」「社会全体」が築かれています。

愛着障害の人は、人間関係・対人関係に恐怖感があります。社会的相互関係にも支障が出ますから、その苦しみは想像できないほど大きくなります。

愛着障害の診断基準

上記の「悩み」や「症状」は自己診断の診断基準となります。いくつか当てはまることがあれば、心理カウンセラーなどに相談することをオススメします。

境界性パーソナリティー障害

愛着障害に先天性要素(遺伝等)が加わると、「境界性パーソナリティー障害」という精神疾患を発症することがあります。

心因性のショック・ストレスによる反応性精神疾患は短期的で一過性ですが、境界性パーソナリティー障害は、長期に渡り、容易には回復しません。

精神科で診断を受け、治療を受ける必要があります。

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愛着障害の対応と克服

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子供の愛着障害は、養育する人々の対応を改善することで対応、克服することができます。難しいのは、大人の愛着障害です。

子供時代のトラウマに、成長過程の環境や体験、成人してからの社会環境・人間関係、その人自身の性格などが複雑にからみ合い、症状も十人十色です。治療法もなかなか確立できません。

[子供の愛着障害の対応]

子供が抱っこを嫌がったり、母親・養育者と目を合わせなくなったり、声を出さなくなったりしたら、愛着障害の可能性があります。1人にされても気にしなかったり、1人で身体をゆすり続けたりする状態も、要注意です。

子供に関心と愛情を示す

少しずつスキンシップを増やすようにして、抱っこする時間を長くします。子供に話しかけ、泣いたら放っておかないようにします。話す内容は何でもよく、愛情を示せば良いのです。

「〇〇ちゃんが大好きよ」と繰り返して言います。子供が「お母さん、だーい好き」と言うようになったら、もう一息です。「お母さんも〇〇ちゃんがだーい好き」と返します。

学童期になっていたら、子供の話を喜んで聞き、子供に関心を示します。子供の失敗を責めたり叱ったりしないで、励ますようにします。ちょっとしたことでも、褒めるようにします。

子供を愛着障害にしない

何よりも大事なことは、子供を愛着障害にしないことです。母親・養育者は、3歳になるまでの3年間、できるだけ子供と一緒にいるようにします。抱っこやおんぶで、十分すぎるほどスキンシップをします。

特に子供が何かに恐怖を感じたり、病気で不安になったりしている時は、子供と一緒にいて、安心感を回復させます。抱くことができなければ、手を握ったり、手をつないだりするだけで大丈夫です。

養育する人は、新生児の時から話しかけ、愛情を表現します。

[愛着障害の克服]

愛着障害の治療方法には、カウンセリングや認知行動療法があります。しかし、これらの治療法は効果が出ないことが多く、時には症状を悪化させたりします。心理学者や精神医学者が研究を続けていますが、なかなか効果的な治療を確立することができません。

それは、大人の場合は、幼少期の愛着形成が不健全だった上に、いろいろな要素が複雑に影響し合うからです。症状も人によって大きく異なります。このことは、岡田尊司氏が、著書「愛着障害 子供時代を引きずる人々」光文社新書 に書いています。

しかし、同じ著書の中で、岡田尊司氏は、「近代文学者の多くが愛着障害を持っていた」と言い、「愛着障害を克服した人は、人を癒し助ける力を持つことができる」とも書いています。

愛着障害を克服することは容易ではありませんが、克服すれば、人間として大きく成長を遂げることができます。

愛着スタイルは第二の遺伝子

その人の愛着障害・愛着スタイルは「第二の遺伝子」と呼ばれるほど、人間形成の土台となる重要な部分です。精神の深い部分に大きく関わっているのです。

ですから、愛着障害を克服することは、自分自身の人間形成を土台から築き直すことになります。簡単にできることではないと、理解することが、克服の第一歩です。

愛着障害の原因をしっかりと見つめる

「愛着障害の対処法まとめ」などを簡単に書くことはできません。しかし、いろいろな心理的障害・精神の障害に共通の対処法があります。「原因と向き合う」ことです。

「大人の愛着障害の症状」や「悩み」があり、生きている意味がないように思うならば、自分の愛着障害・愛着スタイルを認識します。そして、「どうして、このような苦悩を抱えるようになったのか?」「なぜ人間関係がうまくいかないのか?」原因をしっかり見つめ直します。

「母親・養育者の育児方法に問題があった」とか「うちは機能不全家族だった」とか、わかっても、母親・養育者や家族を責めているばかりでは、解決できません。

原因がわかったら、それを「どうしたら、解決できるか?」を考えます。

岡田尊司氏や心理学者、精神科医の著作や、サイトの体験記事を読んだりするのも、解決法を見つける手助けになります。Kindle電子書籍リーダーを利用することもできます。

理解者がいると、克服しやすい

恋人でも配偶者でも、親友でも、愛着障害に苦しんでいることを理解してくれる人がいると、克服しやすくなります。相手に依存するのではなく、理解を求めます。

愛着障害の人は他人を信用しませんから、なかなか自分の愛着障害・愛着スタイルを打ち明けることができません。しかし、相手に愛情があると、少しは打ち明けやすくなります。

理解者を得られない場合は、ペットを飼うことをオススメします。犬でも猫でも手乗りインコでも、スキンシップできるペットなら、OKです。ペットとスキンシップすることで、オキシトシンの分泌を促し、信頼感が生じてきます。ペットは、良き理解者になりますよ。

ペットとのスキンシップでオキシトシンが分泌されると、人を信頼しやすくなります。

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まとめ 人間形成には3歳までの愛着形成が重要

「愛着障害」とは、0歳から2歳までに母親または特定の養育者から十分に安定した愛情を受けられず、健全で安定した愛着形成ができなかったために、社会的・心理的な問題行動をとる後天性の心の病気です。

人は0歳児から2歳児までに特定の養育者と親密な関係を結び、愛着形成をします。健全で安定した愛着形成が、その子の人格形成や精神の発達に深く大きく関わります。特定の養育者は、通常、母親ですが、愛情を十分に注いで養育する大人ならかまいません。

幼児が甘えたい時に甘えられなかったり、頼りたい時に頼れなかったりすると、安定した愛着形成ができず、愛着障害になることが多いようです。人間関係に恐怖心や不安感を抱き、人を信頼できず、警戒心が強くなります。愛情表現が苦手です。反対に、相手に依存性が強くなることがあります。でも、相手が期待通りの反応をしないと、怒りを爆発させます。どちらにしても、愛着障害は、対人関係がうまくいきません。

乳幼児期に虐待やネグレクトを受けたり、機能不全家庭で育ったりして、子供時代のトラウマを引きずったまま成人し、愛着障害に苦しむ大人を「アダルトチルドレン」といいます。

愛着障害に苦しむ大人は少なくありませんが、克服することは困難です。しかし、愛着障害を克服することで、心から人を思いやり、人を癒し助ける力を得ることができます。

子供を愛着障害にしないためには、0歳から3歳までは十分にスキンシップを行い、子供との間に信頼感と愛情を通わせることです。健全で安定した愛着形成が、情緒豊かで愛情深い人間を造ります。

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