ただでさえ憂鬱な生理ですが、生理前におならが増えて悩みが倍増することはありませんか?しかもそのおならはとっても臭い…?
そのメカニズムや原因は一体何なのでしょうか?また、生理前や生理中に増加するおならはどうやって抑えればいいのでしょうか。
今回は生理に伴うおならの増加の原因をご説明するとともに、役立つ対策や予防方法についてもまとめました!
生理になるとおならが増える!その原因は?
生理前のおならの量が気になる…生理が始まってもおさまらない!そんな現象の原因とは?生理前・生理中のおならが臭くなるメカニズムについてもあわせてご紹介します。
主な原因はホルモンバランス
おならが生理前・生理中に増えるのはプロゲステロンと呼ばれる女性ホルモンが原因です。黄体ホルモンとも呼ばれているもので、排卵後~生理の始まりまでに分泌量が増えます。
生理前には妊娠に備えた体作りのために、このプロゲステロンが急増します。栄養と水分を体中に蓄えようとするのですが、それらを消費させないように代謝機能が低下してしまいます。
また腸の働きも抑制してしまい、通常なら吸収できるはずのガスが長時間腸の中に溜まりやすくなります。その結果おならの発生も増加するのです。
生理中は反対にプロゲステロンが急減します。これは身体が妊娠に備える必要がなくなったために起こります。そうして代謝機能が高くなり、腸の働きも良好になるため今まで腸に溜まっていたおならが一気に排出されます。
便秘も関係している
プロゲステロンが腸の働きを抑えてしまうと便秘になりやすくなります。便秘中は便から腐敗ガスが発生し、おならになって体の外へ排出されます。
腸には「善玉菌」「悪玉菌」そしてそのどちらでもない「日和菌」の3種類が存在しています。しかし便秘になって腸に汚いものが溜まると、日和菌が悪玉菌に変わってしまいます。
腸内細菌の約7割は日和菌とされているため、それらが一気に悪玉菌に変わることで臭いも強くなってしまうのです。便秘が続けば続くほど腸内に便が増え、その分発生するガスも多くなります。
生理前や生理中にはおならが臭くなる!?
上の項でご紹介したように、腸内の日和菌が悪玉菌に変化することで臭いおならが出やすくなります。
また、生理前はイライラしやすく、食欲も増加して甘いものや脂肪を摂ってしまいがちです。胃腸に負担がかかると消化がうまく行えず、腸内で発酵してしまうことがあります。甘いものや脂肪は悪玉菌の大好物です。こうして悪玉菌が繁殖し、おならの臭いは強くなってしまうのです。
腸の中で溜まりに溜まったおならは臭いも強烈…ですがこれらは便秘の改善や食事内容に気を付けることで抑えることができます。
妊娠の初期症状の場合も
おならが出やすい…という場合、妊娠初期症状の可能性もあります。これは妊娠を継続しようとしてプロゲステロンの分泌が増えることで起こります。そして生理前・生理中の症状ととても似ているので判断が難しいとされています。
基礎体温が上昇し続ける・生理予定日を過ぎたのに生理が来ない…という場合は妊娠初期症状の可能性も考えてみて下さい。
気になる生理前のおならの対処法は?
では、生理前・生理中に増加するおならにはどんな対策が有効なのでしょうか?
おならは我慢しない!
外出先などでおならが出そう!と思ったらつい我慢してしまいますよね。ですがそうして我慢をしていると腸内にはどんどんガスが溜まっていきます。結果、お腹が張ったり痛みが出たりすることにもつながるのです。
また、腸の中に収まりきらなかったおならは小腸へと戻っていき、血液に吸収されます。そして肺を経由して口臭としても排出されてしまいます。
さらに我慢したおならは皮膚を通して体臭となって出てくることもあります。こうなってしまわないよう、我慢せずにおならを出して溜まったガスを消化させましょう。
食事を改善しよう
腸の働きが低下している生理前は、腸に負担をかけない消化のいいものを摂るようにしましょう。また便秘の原因となる食品の摂取も控え、反対に便秘解消に役立つ食事を摂るといいですね。
おならや臭いが気になるという方は、以下の食品を参考にしながら食生活を見直してみて下さい。
【推奨されるもの】
- 温野菜
消化が良い野菜は冷えを予防するためにも温めて摂取しましょう。 - 大豆製品
女性ホルモンと似た働きをしてくれます。 - 小魚、青魚
DHAなど良質の脂が含まれています。 - ビタミンE、ビタミンB、カリウム
バナナやナッツに豊富に含まれています。 - 乳酸飲料
臭いの元となる悪玉菌を減らしてくれます。飲み続けることで腸内環境が整います。 - 食物繊維が豊富なもの
サツマイモ、海藻類、根菜類に多く含まれています。 - お茶・きのこ類
カテキン・トレハロースが含まれており、消臭効果が期待できます。 - こまめな水分補給
便秘解消に役立ちます。便を柔らかくし排便しやすくなります。
【避けた方がいいもの】
- アルコール
女性ホルモンのバランスを崩す恐れがあります。 - 過度な塩分の摂取
過剰に塩分を摂取すると、体に水分を溜め込むことになりむくみやすくなります。お腹が張ると腸のむくみにもつながるため、できるだけ控えるようにしましょう。 - 炭酸飲料
ガスの発生源となってしまいます。 - にんにく・動物系タンパク質・脂肪
おならの臭いを強める作用があります。
ゆっくりと時間をかけて食べ、体内で消化しやすいようにすることも大事です。野菜は温野菜に調理するなど、体を冷やさないように工夫してみて下さいね。
PMS(生理前症候群)を悪化させない
プロゲステロンと関係を持つエストロゲンという女性ホルモンがあります。この2つのバランスはとても重要とされています。
エストロゲンだけが過剰に引き起こされてしまうと、PMS(生理前症候群)が悪化します。主な症状として、気分が落ち込む・強いストレスを感じる・異常な食欲増加・頭痛・腹痛・便秘というものが挙げられます。
便秘になりやすくおならが増えるというだけでなく、ストレスの増加などによって食欲も増し胃腸に負担がかかります。そして消化しきれないものが体内で発酵し、臭いおならになってしまうという悪循環が生まれます。
PMSを悪化させないためには女性ホルモンのバランスを整えることがまず求められます。以下の項を参考にしてしっかりと対策していきましょう!
女性ホルモンのバランスを整えよう
女性ホルモンのバランスを整えることも生理前のおならの抑制につながります。このためには、食事・睡眠・ストレスの管理をすることが何よりも大事です。以下を参考にしながら生活習慣を見直してみて下さい。
・規則正しい食事
一日三食、規則正しい時間に食事をとりましょう。食事内容は上にご紹介したものを参考にしてみて下さいね。
・質の良い睡眠
決まった時間に十分な睡眠をとることが大切です。就寝時に電気をつけっぱなしにしていたり、寝直前にPCやスマートフォンなどの画面を見たりするのは避けましょう。脳の動きが活発になって深い眠りにつけなくなってしまいます。部屋を暗くし、質の良い睡眠をとるよう心がけましょう。
・ストレスの緩和
ストレスが溜まっていると女性ホルモンが乱れてしまうため、生活の中でストレスを解消できる時間を持つようにしましょう。好きな音楽を聞いたり映画を見たり、リラックスできる時間を作るのことが必要です。
ストレス解消には適度な運動も効果的です。軽く体を動かしたり、好きなスポーツを楽しみながらリフレッシュしましょう。
マッサージが効果的
お腹がパンパンに張ってつらい!という方は以下のマッサージを試してみて下さい。
まず仰向けになり、両手でお腹の上に「の」の字を書きます。それをゆっくりと何回も繰り返します。「の」という形は腸の配置とほぼ同じになっています。このため、その上を手でなぞることで腸の蠕動運動と同じ効果が期待できるのです。
血行促進も大切
お腹を温めたり運動によって血流を促進させたりするのも効果があります!
・適度な運動
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動を行いましょう。血液の流れが良くなります。特に腹筋を鍛えられるものを選ぶと気になるお腹のハリを改善できます。
ストレッチでは、開脚や腰を回す種類のものが効果的です。
・冷え予防をし、お腹を温める
下半身が冷えることで腸の働きは弱くなり、消化不良によるガスの発生も増えてしまいます。お腹や下半身を温めることで腸の働きを助けましょう。
・湯船につかって体を温める
シャワーのみでなく、お風呂につかってゆっくりと体を温めましょう。半身浴や足湯も血行を促進するのに効果を発揮します。
・体を締め付けるような服は着ない
生理前におならが増えるといった症状がある場合は、体を締め付ける服装は避けましょう。体に比べてサイズの小さい下着などを着用するのも避けた方が良いでしょう。
血行を促進する方法については、血行を促進するための7つの方法!今日から健康な生活を!を参考にしてください。
便秘薬を活用しよう
便秘薬で便秘を改善するのも一つの手です。便秘が解消されれば、ガスが溜まっておならが出やすいといったこともなくなります。ただ妊娠初期症状の可能性がある方は、服用の際に飲んでもいいものかどうか確認するようにしましょう。
また、簡単に便秘を解消できるからと言って毎回使用し、過度に依存してしまわないように気を付けて下さい。まずは生活習慣の改善から始めましょう。
生理前のおならの予防方法はある?
生理前・生理中に気になるおならを未然に防ぐ方法とは?日常で気を付けたいポイントをまとめました。
便秘になりにくい体を作ろう
生理前でも便秘にならないように体調を管理すれば、おならが出やすくなるといった症状はほとんど起こりません。
日頃の排便リズムを確認・管理し、問題がある場合は対処していきましょう。
生活習慣を見直そう
食事の内容に気を付け、脂っこいものやインスタント食品はできる限り避けるようにしましょう。その代わりに、食物繊維が豊富な野菜類を積極的に摂取するようにして下さい。
水分補給をこまめに行い、朝起きた時に一杯の水を飲むといった習慣をつけるのも良いですね。一緒に朝日を浴びると自律神経が整い、腸の働きも活発になります。
有酸素運動などの適度な運動を心がけ、睡眠は決まった時間にたっぷりととりましょう。
また、冷えは万病のもと。温かい飲み物を飲むよう心がけたり、ゆっくり入浴するのも便秘解消に役立ちます。日頃からこうした習慣をつけるようにしましょう。生活習慣を整えることで便秘になりにくい体を作り、腸の働きもよくなります。
まとめ
いかがでしたか?生理に伴うおならと臭いの原因、対策、予防についてご紹介しました。
生理前・生理中のおならが増加するのは女性ホルモンであるプロゲステロンの分泌に加え、便秘も関係しています。ホルモンバランスを整え、日頃から便秘になりにくい生活を心がけることが一番の対策方法です。いきなりは難しくても、少しずつ改善を心がけ、健康的な生活を送れるようにして下さいね。
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