乳癌検診の費用や方法を紹介!受診できる場所はどこ?

かつては欧米人に多いと言われていた乳癌ですが、日本の生活スタイルも、昔とは異なり、欧米文化をはじめ、いろいろな国の文化に影響されています。それに伴う「生活習慣」「食生活」などの変化も一因となり、今となっては、日本人女性にとっても、珍しくない病気になりました。現在の発症率は、なんと20人に1人という、高い確率になっています。

早い人で20代から発症する人もおり、年齢別の発症数のピークは、40代~50代と言われていますが、女性なら、これらの例に関係なく、誰でもかかる可能性のある病気です。早期発見のためにも、定期的に乳癌検診を受けることをおすすめします。

そこで、ここでは、乳癌検診には、どのような検診があるのか、また、気になる検診費用について、ご紹介いたします。

乳癌検診の方法について

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乳癌検診と聞くと、どうしても、「痛そう」というイメージが先行してしまいますが、検診方法によっては痛くないものもあります。早期発見に越したことはないので、どうしても不安な場合は、検診機関または医師に、事前に相談してみるのも良いかもしれません。

また、検診を受ける前には、【年齢】【月経周期や状況】【妊娠、出産、授乳の経験の有無、または経歴】【家族や親戚で癌になった人の有無】【過去の乳癌検診の有無、およびその検診方法と結果】などについて、病院側から確認されますので、正確に答えられるよう、これらについて、改めて見直しておきましょう。

乳癌については、乳癌のしこりの特徴は?原因や症状、治療方法を紹介!を読んでおきましょう。

乳癌検診の具体的な流れについて

検診方法の種類について見ていく前に、乳癌検診はどのような流れで受けるのか、確認しておきましょう。

国の指針では、乳癌検診の対象者は、40歳以上の女性となっており、受診間隔は2年に1度とされています。検診を受けるには、まず、自分が住んでいる市町村の自治体や、加入している健康保険組合、癌協会支部などに問い合わせて申込みます。

検診終了後、10日~1ヶ月ほどで検診結果が届き、何か異常が発見された場合には、二次検診が必要になります。二次検診で、乳癌が発見された場合、医療機関での治療を開始する、という流れになっています。

触診・視診

さて、ここからは具体的な検診方法についてご紹介します。乳癌検診というと、マンモグラフィー検診をイメージする人が多いかもしれませんが、触診や視診も、とても重要な検診の一つです。

触診では、実際に乳房に触れることで、しこりの有無や形状、大きさなどがわかります。腕を上げて、乳房全体・鎖骨まわり・リンパ節などを調べ、そこで何らかの異常がある場合は、詳しい画像検診を行います。

視診では、乳房の皮膚の異常や、「えくぼ」と呼ばれる凹みがないかを調べます。乳頭周辺などに湿疹やただれ、赤みや腫れがある場合には、乳癌の疑いがあるため、そこから更に詳しい検診に移ります。

このように、触診・視診は、乳癌検診のファーストステップとも呼べる検診方法です。

マンモグラフィー検診

痛みを伴う検診として、多くの人に知られているのが、このマンモグラフィー検診です。マンモグラフィー検査では、圧迫板で乳房を挟み、乳房を薄く伸ばした状態で、微量の放射線をあてて内部の状況を写します。

石灰化した部分を画像化する機能に優れているため、触診では判断できなかったしこりや、しこりをつくらない癌も発見できるので、触診・視診と合わせて行うことで、発見率を2~3倍上げることができます。

しかし、マンモグラフィー検診が全ての女性に対して適しているかというと、そうではありません。実は、マンモグラフィー検診の対象は40代からと言われています。これは、若い女性だと乳腺が発達しているため、乳腺としこりの区別がつきにくいといった理由からです。

検診時、痛みに我慢できない場合は、撮影技師に伝えると、他の検診方法に変更することもできます。また、男性技師による検診に抵抗がある人は、あらかじめ、女性技師の有無について、医療機関に問い合わせてみると良いでしょう。

超音波検診

マンモグラフィー検診は40代以上の女性を対象としていますが、超音波検診は若い女性に向いている検診方法だと言われています。2~20MHzの、人には聞こえない超音波を体内に送り、臓器や組織からの跳ね返り(エコー)を映し出し、検診します。

マンモグラフィーで、若い人の、高濃度の乳房内で癌を発見するのは困難ですが、超音波検診では、「乳腺は白」「癌は黒」に映し出されるため、明確に乳癌を発見することができます。

CT・MRI検診

CT検診は、マンモグラフィーと同じX線を使っての検診ですが、CTの場合、断面図で確認することができるので、乳癌がある場合、より正確な位置を調べることができます。

一方、MRI検診は、CTとよく似た形をした医療機器を使いますが、X線ではなく、強い磁場共鳴装置を使って行います。装置の中で電波をあて、そのとき人体が発するNMR信号と呼ばれる磁気共鳴現象をもとに、画像化します。これによって、良性・悪性の判断や、癌細胞の広がりも確認することができます。

しかし、過去に受けた手術などで、体内に金属がある場合(ペースメーカー含む)や、タトゥーが入っている人は、受けることができませんので、気をつけましょう。

乳癌検診の費用について

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検診を受けようという気持ちはあっても、第一歩が踏み出しにくいのは、実際に検診にかかる費用について不明確だという点も、原因の一つになっているかもしれません。

また、20代、30代といった、乳癌検診対象外となる人は、どこで検診を受け、その際の費用はどの程度なのかも、気になる点ではないでしょうか?

さて、それでは早速、乳癌の検診を受けられる場所や、費用について、見ていきましょう。

乳癌検診を受けられる場所

【市町村の自治体】

  • 勤務先の健康保険に加入せず、国民健康保険に加入している人
  • 既婚者で、夫が勤務先の健康保険に加入しているが、そこの健康保険組合が「主婦を対象とした検診」を行っていない場合

以上の条件に当てはまる40代以上の女性は、市町村の自治体で受診できます。住民票を置いている市町村の役所へ問い合わせてみましょう。

【健康保険組合】

  • 勤務先の健康保険に加入している人
  • 既婚者で、夫が勤務先の健康保険に加入しており、そこの健康保険組合が「主婦を対象とした検診」を行っている場合

以上の条件に当てはまる40代以上の女性は、健康保険組合に問い合わせてみましょう。

【検診機関】

基本的に、全ての女性が乳癌検診を受けられます。検診を希望する場合は、大学病院などの大きな病院や、癌協会支部、癌センターなどの乳腺専門医がいる検診機関に問い合わせ、申し込みましょう。しかし、受診することはできますが、保険適用外となるため、全額自己負担になる場合がほとんどです。

自己負担額について

検診を受ける場所によって、自己負担額も異なります。詳細は以下の通りです。

【市町村の自治体の場合】

それぞれの自治体によって、差はありますが、大体0円~3000円前後と比較的安価のところが多いようです。また、40代で、最初の検診の場合には、無料で受診できる自治体や、2回目以降の検診で、定額のチケットを利用して受診するといった方法で、検診を行っている自治体もあるようです。

これらはいずれも、40代以上の女性を対象としていますが、最近では35歳から乳癌検診を受けられる自治体もあるようですので、住民票を置いている自治体に確認してみるのも良いでしょう。

【健康保険組合の場合】

加入している健康保険組合によっても、自己負担額は異なりますが、大体、1000円~3000円前後で行っている組合が多いようです。これらもまた、40代以上の女性を対象としています。

【検診機関の場合】

それぞれ検診機関によって費用は異なりますが、全額自己負担で検診を受ける場合、

  • マンモグラフィー検診 5000円前後
  • 超音波検診 3500円前後

が大体の相場となっています。これに、さらに診察料金も加わるので、検診の種類にもよりますが、総額10000円~20000円前後と認識しておくと良いでしょう。

また、若い人の場合、先にも述べたように、マンモグラフィー検診では、判断しづらい場合が多いので、超音波検診を選択すると、比較的安価に受診することができます。

20代、30代女性の乳癌検診の必要性

若い女性が、乳癌に対する予防意識が高まるのは良いことですが、専門家によっては、若い人の乳癌検診は、不利益になる場合もあるといった意見が出ているのも事実です。

20代や30代女性の乳癌検診について、有効性が証明されていないことや、過剰診断による不利益、不安などのストレスが、そういった意見の根底にあるようです。ですので、自身でこまめに触診するなどの方法でも十分、という声もあります。

しかし、以下の条件に当てはまる人は、40代未満でも乳癌になるリスクが高いと言われていますので、受診することをおすすめします。

  • 血縁者で、若くして乳癌になった人がいる
  • 卵巣癌になった血縁者がいる(年齢不問)
  • 抗癌剤、ホルモン療法、分子標的薬、これら全ての治療が困難だと宣告された乳癌の血縁者がいる
  • 血縁者に遺伝性乳癌の遺伝子変異(BRCA)があった場合

自己負担額は、決して安いとは言えませんが、自身の健康には代えられません。以上の条件に当てはまる項目がある、20代から30代の女性は、乳癌検診を受けてみましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。「ピンクリボン」という言葉を最近よく聞くようになりました。このように、乳癌予防についての意識は徐々に高まっているものの、不明な点が多いのも事実でしたが、ここで記した概要で、乳癌検診のおおよそをご理解いただけたのではないでしょうか?

乳癌の場合に限らず、定期的な検診は、健康維持にも役立ちます。年齢を問わず、これらの情報を参考に、ぜひ一度、乳癌検診を検討してみてください。

  
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