朝起きた時やうたた寝からハッと目が覚め時、心臓がバクバクすることはありませんか。あまりに激しく心臓が動くので、病気ではないかと不安になる方も多いと思います。
今回はそんな寝起きの動悸の原因と対策を紹介します。
寝起きの動悸は危険?
寝起きの動悸は病気ではなく、自律神経の乱れから起こるものかもしれません。
寝起きの動悸はなぜ起こるのか
例えば緊張している時や興奮している時、よく心臓がドキドキしますよね。これは自律神経の働きで起こる生理的なものであり、いたって自然なことなのです。寝起きの動悸についてもほぼ同じようなことが言えて、目覚める前やうたた寝中の眠りが浅い時は自律神経が乱れやすく、脈拍や心拍数にも大きな影響を及ぼすために、起床時に心臓がバクバクするということが起こりうるのです。
ただし、寝起きの動悸によって病気になる可能性も
また、起床時は体を休めるための副交感神経から活動させるための交感神経に切り替わるので、心拍数や血圧が上がるという事実もあります。
しかしストレスにより自律神経が乱れていると、ストレスに対抗すべく交感神経が働きすぎて、就寝時に副交感神経への切り替わりがうまくいかず、その結果不眠症を起こす可能性があります。
また、寝起きの動悸自体は心配する必要が無くても、動悸が心臓疾患を引き起こしたり悪化させたりすることもあります。
自律神経の乱れを放っておくと起こる病気
上述の交感神経と副交感神経には精神や体温、ホルモン分泌や免疫の調整を担っています。
自律神経の乱れにより交感神経ばかりが働くようになると、今度は副交感神経が働かなくなることにより、自律神経失調症に発展してしまい、暑くないのに顔がほてったりと不安定な状態が続くようになります。
自律神経失調症の症状は体の一部だけ体温が上がり汗をかく、イライラする、目眩や頭痛、寝ても寝足りなくなる、起きにくくなるなど多岐にわたり、生活に支障を来すようなものばかりなのです。
健康のために自律神経を整える
病気に発展するとなればしっかりと対策していきたいですよね。
自律神経の乱れはストレスから
自律神経が乱れやすい人の例として、ノーとは言えないタイプの人や、人の評価を気にしすぎる人などの、ストレスを感じやすいタイプがよく上がります。例えばこう言ったまとめを読んで不安になってしまうタイプの人は要注意です。
寝起きの動悸が引き起こす心臓の病気や自律神経失調症を心配しながら眠りにつけば、また寝起きに心臓がバクバクするという負のスパイラルに陥るだけなのです。ただのストレスだと思って安心して就寝するようにしましょう。
生活習慣を見直すことも重要
寝不足、偏食、運動不足などが自律神経の乱れに繋がることもあります。
生活習慣の乱れは自覚が無くとも体に負担をかけ、結果としてストレスになってしまっているためです。もし寝起きの動悸が気になるようであれば、ストレスを解消するように心がけるだけでなく、十分な睡眠、バランスのいい食事と適度な運動を習慣化させてみましょう。
また、カフェインやお酒、タバコなどの嗜好品は自律神経を刺激し、血圧や脈拍を高めるので控えるようにしましょう。
自律神経を整えるのにいいものは
・食事
ビタミンBは神経の働きによく効き、ストレスによって大量消費されてしまいます。そのため、体内でビタミンBを保ち続けることが食事によるストレス対策の要となります。
レバー、豚肉、大豆(納豆や味噌)、サバなどを食事に取り入れてみましょう。また、イライラや不眠対策にはカルシウムを多く含む海藻、チーズ、小魚などもお勧めです。
副交感神経を優位にするには腸の働きを優位にすることも重要なので、キャベツやゴボウなどの食物繊維が多い食べ物も忘れずに摂るようにしてください。
・入浴
入浴時にきちんと湯船に浸かることによって、交感神経から副交感神経の切り替えがスムーズになります。
忙しい現代人はシャワーだけで済ましがちですが、シャワーはむしろ交感神経を刺激してしまうので夜に浴びると不眠に繋がります。時間が惜しくても出来る限り湯船に浸かるようにしましょう。
お風呂の温度は38~40程度に設定し、夕食後1時間以上後、就寝1時間前に入ると効果的です。熱い湯船は交感神経を刺激し逆効果なので気を付けてください。
・運動
激しい運動は交感神経を刺激してしまいますが、有酸素運動のような軽い運動はむしろ副交感神経を優位にします。
ジョギングとウォーキングならばより深く、ゆっくりと呼吸のできるウォーキングの方がお勧めです。ウォーキングの他には乾布摩擦も有効ですし、ヨガは背筋を伸ばすことが自律神経に良いため、心療内科でも取り入れられているそうです。
毎日無理の無い程度に続けるのが理想的ですが、時間があまり無い時は背筋を伸ばして腹式呼吸を心がけるだけでも違いそうですね。
自律神経の乱れ以外の原因が知りたい
多くは自律神経の乱れが原因とはいえ、動悸を伴う病気や副作用もあるので念のため紹介します。
薬の副作用
低血圧や狭心症のために血管を広げる薬や、腸の働きを整えるために交感神経を刺激する薬、また原因はわかっていませんが抗がん剤にも動悸の副作用が見られるものがあります。
こう言った薬を服用している場合は必ず医師に相談し、指示を仰ぐようにしましょう。また商品によりますが、育毛剤にも血管を広げる成分が含まれていることがあります。
病気の可能性
動悸を伴う病気はこちらです。
・バセドウ病
体が自身の甲状腺に対する抗体作ってしまうため、甲状腺ホルモンを過剰に分泌してしまう病気です。動悸の他に目付きが変わったり甲状腺が腫れて首が太くなったりするという特徴的な症状があります。特に、女性や喫煙者がかかりやすい病気です。
・低血糖症
血糖値が低くなる病気ではなく、体内の血糖値調整がうまくいかなくなる病気です。インスリン分泌量が原因のひとつとなっているため、インスリン製剤を服用する糖尿病の患者さんにとってはうまく付き合っていかなければならない存在です。
動悸の他に手足の震えなどの症状があり、甘いものを食べることで症状が治まります。甘いもので症状が軽くなっても、まずは医師に相談しましょう。
・狭心症
動脈硬化より冠動脈の内部が狭くなる病気が狭心症です。狭心症の場合は動悸の他に胸の痛みなども伴います。
狭くなった冠動脈に血栓が詰まると、心筋梗塞を引き起こし死に至ることもありますので、狭心症になってから注意するだけでなく、普段からたばこは吸わない、塩分は控えめにする、適度に運動するなどして予防していきたいものですね。
まとめ
ストレス尽くしの現代社会なので、寝起きの動悸に悩まされる人も少なくないのではないでしょうか。仕事や学校でストレスを抱えて、更に寝起きの動悸をストレスに変えてしまっては状況が悪化するばかりです。まずは落ち着いて深呼吸し、疲れた体を休ませてみてはいかがでしょうか。
関連記事として、
・寝起きにめまいが起きる原因とは?血圧や病気との関係について
これらの記事も合わせてお読みください!