妊娠すると、寒気を感じることがよくあります。風邪かな?と思うような寒気もありますし、体の芯から冷えてしまうこともあります。また妊娠初期の寒気はさまざまな原因があり、中には危険な寒気が隠れていることも…
そんな妊娠初期の寒気の原因と症状、対策について書いていきます。
妊娠初期に起きる寒気の原因
妊娠初期の妊婦さんはつわりもあるので体調が安定しない時期です。この時期に起きる寒気には、さまざまな原因があります。
高温期の影響
妊娠初期には「高温期」と呼ばれる体温の高い時期が続きます。高温期には37.0度~37.5度の微熱が出ます。この時期は普段より自分の体温が高いので、外気温との差が大きくなることや、温度の感じ方がいつもと違うので寒いと感じるようになります。
貧血
貧血は、妊娠中よくある症状として耳にすることもあります。妊娠初期には赤ちゃんが胎盤ではなくお母さんから直接栄養や血液をもらっているため、貧血になりやすいです。赤ちゃんとお母さん、2人分の血液が必要になるため、体内の血液不足から寒気を感じます。
冷え
妊娠初期はホルモンバランスの変化が大きく、自律神経が乱れます。そのため不快な症状が出やすく、その一つとして寒気を感じる人もいます。
つわり
妊娠初期の早い段階でつわりの症状が出る人も少なくありません。つわりによって食べられない・食べても戻してしまうという症状が続くと食事による十分な熱量(エネルギー)が摂取できず、寒気を感じるようになります。
寒気の症状
妊娠初期にの寒気は原因によって症状・感じ方が異なります。原因別の症状を知って自分の感じている寒気を見極めましょう。
高温期・つわりが原因で起こる寒気
外気温の感じ方の変化・つわりによる体内の熱量の不足から、風邪をひいたときのような背中がゾクゾクする寒気を感じます。それとともにみられる症状として疲れているようなだるさ・倦怠感、常に眠いといった症状があります。
しかし、これらの症状がみられる場合には本当に風邪を発症している場合も考えられるため、注意が必要です。寒気以外に咳が出たりのどの痛みが感じられたりする場合は病院を受診しましょう。妊娠初期のつわりについては、妊娠初期のつわりの対処方法とは?症状に合わせて対策を!の記事を読んでおきましょう。
冷えによって起こる寒気
冷え性と似たような症状が起こります。体が芯から冷えるような寒さがみられ、手足が冷たくなります。妊娠前から冷え性だった方はなりやすいので、特に注意が必要です。また寒さとともに下半身が冷え、下痢を起こすこともあるので、冷やさないことが大切になってきます。
貧血から起こる寒気
妊娠初期には体調がすぐれないことが多く、横になっている時間が長いので貧血を起こしやすいです。トイレに行こうとして突然立ち上がったり、家事などで長時間立っていたりすると血の気が引いてめまいを起こします。それと同時に吐き気・寒気を感じる場合があります。
低体温症
寒気を感じたまま放置してしまうと、どんどん体温が下がっていきます。低体温の状態では血液の循環が悪くなり、お母さんだけでなく赤ちゃんにも影響を与えてしまいます。
妊娠初期の赤ちゃんは胎盤ではなくお母さんから直接栄養をもらっていますので、血液循環が悪くなると酸素や栄養が運ばれにくくなってしまいます。
寒気を感じたときには放っておかず、必ず対処しましょう。
寒気を感じたときの対処
まずは何よりも、身体を温めることを心がけましょう。お母さんが感じる寒気によって直接赤ちゃんに影響することはありません。
しかし気を付けなければいけないのは、寒気を感じることでお母さんの体そのものが冷えてしまっているときです。お母さんの体が冷えているということは、赤ちゃんのいる子宮や赤ちゃん自身も冷えてしまっているということになるので必ず暖かくするということを意識しましょう。
また、お母さんが寒気を感じていたり冷え性だったりする場合、逆子になることがあるようです。逆子の原因はさまざまですべてが冷えや寒気のせいとは断言できませんが、赤ちゃんが順調に大きくなれるように寒さ対策をしておきたいですね。
食事で身体を温める
身体を温めるといっても方法はさまざまです。しかし大切なのは「体の芯から温める」ということです。そのため、まずは食生活から気を付けることが重要となります。
身体を温める食べものとして有効なのが
・しょうが
・根菜類
・スープ
があげられます。
妊娠初期にはつわりで食べられないことが多いので、しょうがや根菜類を使ったスープがお勧めです。また、ポタージュや片栗粉を使ったとろみのあるスープだと冷めにくく身体もより温まりやすくなるのでお勧めです。
つわりがある場合には冷たいジュースが飲みやすいですが、寒気のある時にはできるだけ温かいものを飲んで体温を下げないように意識しましょう。しょうが・レモン・砂糖を溶かしたものには体を温める効果があります。
お風呂で体を温める
冷えは大敵ですのでシャワーは控え、なるべく湯船につかるようにしましょう。しかし、のぼせ・長風呂・脱水症状・湯冷めには十分な注意が必要です。
お風呂に入るポイントとして
・お湯の温度は39度~41度のぬるめにつかる
・身体の芯から温まることを意識する
・足湯もお勧め
・湯船につかりながらマッサージすることで、血液循環がよくなる
・湯冷めするようなことはしない
・水分補給も忘れずに
お湯は42度だと体が温まる前にのぼせてしまうので、ぬるめのお湯にゆっくりつかることを心がけましょう。また、マッサージすることによって冷え性の改善につながったり、むくみの解消にもつながったり妊娠線ができるのを回避できたりしますので、こまめに続けるといいでしょう。
お風呂に入ると汗をかいて体内の水分が出ていくので、お風呂上がりにはしっかり水分補給をすることも大切ですね。
暖かい服装をする
せっかく暖かいものを食べたりお風呂に入ったりしても、薄着をしていては意味がありません。体の熱を逃がさないように、暖かい服装をすることが大切です。
気を付けるポイントは
- 寝るときも靴下をはく
- 湯たんぽや電気毛布を活用する
- 保温効果のある衣服を着る
- 出かけるときは羽織るものを持ち歩く
- 足元は重ね履きをする
- 身体を覆えるサイズの毛布を持っておく
- 携帯カイロを活用
- 腕まくりはしない
などです。
足元が冷えると体の温度がどんどん逃げてしまうので、まずは足元を温めることを意識しましょう。ほかにも部屋の湿度・温度を一定に保つことで体温の変化を起こさないので体を冷やさないようにできます。
お風呂や食事で体を温めることも大切ですが、まずは体の熱を逃がさないような工夫が大切です。
まとめ
ここまでいろいろな寒さ対策を見てきましたが、1番大切なのは何よりも「体の芯から暖かくしてあげること」です。表面的に暖めただけだと熱はすぐ逃げてしまいますし、何よりも内臓から冷えてしまうことが妊婦さんにとっては大敵です。内臓が冷えれば赤ちゃんも冷えることになるので、それだけは避けなくてはなりません。妊娠初期の妊婦さんは冷えやすく、寒さを感じやすいです。そのため、夫や周囲の人にも気にかけてもらうようにすることも忘れないでください。
最近ではフローリングの家が増えているため、体温が吸収されやすく温まりにくいです。床暖房がある場合には活用しましょう。また、フローリングの床に直接座ることは絶対にしてはいけません。体が冷える1番の原因になりますので、クッションやマットを敷いて直接座ることのないようにしましょう。
お母さん自身が多少寒くても大丈夫、と思っていてもおなかの赤ちゃんは意思を伝える方法がないのでどう思っているか分かりません。実は赤ちゃんはとっても寒がっている、ということもあるかもしれませんよ。
寒い場所に長時間いることも避けて、体が冷えることのないように心がけていきましょう。
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