水虫の治し方を紹介!症状や感染しやすい環境とは?

ひとたびかかると治りにくく、強いかゆみにさいなまれる水虫。水虫はカビ(真菌)の一種である白癬菌に感染した際に起こります。白癬菌は自宅内や公共施設などあらゆる場所に潜んでいるため、性差や年齢を問わず誰でも水虫にかかる可能性があるといえます。

良くなっては繰り返すイメージがありますが根気良く治療を続けることで、今日では完治もみこめるようになりました。ここでは水虫の原因や症状・対処法を確認していきます。

水虫とは

赤い靴下

白癬菌の好む感染部位

水虫は白癬菌(皮膚糸状菌)の感染によって生じる皮膚感染症のひとつで、正式には足白癬と呼ばれます。白癬菌はケラチンというたんぱく質を栄養源にするため、人や動物の体でこのたんぱく質が豊富な部位であれば、そこに感染を起こします。

例えば、新陳代謝されてはがれ落ちる皮膚表面を覆う角質層の主成分はケラチンであるため、角質層には好んで寄生し、繁殖に適した高温多湿の環境がそろえば、水虫として進行します。同様に毛髪もケラチンで構成されることから、感染すればそれぞれ爪白癬、頭部白癬(シラクモ)を起こします。

また条件が整えば、顔・体幹(体部白癬)・股間(股部白癬)などにも激しいかゆみを伴う感染を起こすといわれています。

菌が繁殖する環境

水虫感染者の患部から剥がれ落ちた皮膚には無数の白癬菌がいるため、それを踏みつけた人の皮膚には菌が付着します。この状態で白癬菌の繁殖に適した環境が整っていると、水虫がうつってしまいます。これが最も一般的な感染ルートです。

白癬菌は、踏みつけた直後にすぐさま角質層にもぐりこみ症状を起こすわけではないので、24時間以内に入浴するなどして石鹸できれいに洗い流してしまえば、菌は死滅するといわれています。

しかし、白癬菌が足裏などに付着したまま、高温多湿(温度 26度前後、湿度70%以上)の環境が維持されると、糸状菌である白癬菌はその名の通り菌糸を伸ばし根を張るようにして角質層に入り込んでしまいます。

一方で空気にさらされているうえ、日常、流水で洗い流す場面も多い手は、靴下やブーツなどで覆われる足周辺部位よりは、感染が少なめな傾向にあります。しかし、水虫にかかった足を掻いた後で身体の他の部位を掻きむしったり、傷口に触ったりすると広範囲に感染が広がる場合があるため注意が必要です。

また爪白癬にかかると塗り薬やスプレー剤が浸透しづらく薬剤の効果を得にくいため、皮膚科や病院を受診しそちらで内服薬の処方を受けることになります。

水虫感染をまねく状況

水色ボアブーツ

どういった環境が水虫に感染しやすくなるかを紹介します。

高温多湿な環境

オフィスで終日パンプスを履いている、同じ革靴を履く日が続いている、素足でホットヨガに参加しているなど、日常生活の中で足を高温で湿った環境にさらしていることは意外に多いものです。

靴下を毎日とりかえない、ブーツなど通気性の良くないタイプの靴を履くことが多いという方も白癬菌の繁殖をまねくおそれがあるので注意が必要です。

白癬菌との接触

家族内に感染者がいる場合は、自宅の床やじゅうたん、バスマットやスリッパに剥がれ落ちた皮膚とともに菌が存在する可能性が高いといえます。

また家の外でも、スポーツクラブや銭湯のロッカールーム、病院のスリッパや体重計、居酒屋の畳・サンダルなど、不特定多数の人が利用する施設や店舗では、ほぼ間違いなく菌にさらされていると考えてよいでしょう。

白癬菌の中には犬や猫の毛に寄生するタイプがあるため、ペットを飼っている人はスキンシップの際、顔、両腕、首筋などに菌が付着しそこから感染が生じることが あります。

スリッパチワワ

水虫の症状

赤緑カプセル

水虫は感染部位によって症状が異なります。患部の状態から以下のように大別されます。

趾間型

趾間(しかん)とは足指の間を指します。

このタイプは、趾間あるいは足指の付け根の皮膚に赤いじゅくじゅくとした変化が生じ、やがてそれが白くふやけた状態になります。薬指と小指の間に好発し水虫の中で最も多いタイプです。

小水疱型

足裏の土ふまずや側面、足指のつけね近くに水疱ができます。

この水疱は赤みを帯び、その後皮膚がむけてきます。夏場にかゆみが強く冬になると収まるケースが多いようです。水疱をつぶすと患部に他の細菌による二次感染が生じる場合があります。

角質増殖型

足裏やかかとが乾燥しガサガサになり、角質が厚く肥厚します。やがて皮膚がむけひび割れてくるのが特徴です。白癬菌が足裏全体の角質層深くまで入り込んでいる状態ですが、かゆみや皮膚のジュクジュクとした変化はほとんど見られません。

他のタイプと異なり、かゆみは汗の出にくい冬にむしろ強くなります。単なる乾燥と捉えられがちですが放置しておくと周囲にうつしてしまいます。

爪白癬

痛みやかゆみがほとんどないことから、未治療のまま経過してしまう場合がある治りにくいタイプの水虫です。

足白癬が爪へ広がったケースが多く、感染した爪はつやを失い白濁し、厚くもろくなります。早期の皮膚科受診と内服薬の使用も含めた根気強い治療が必要です。

体部白癬

足白癬を触った手で他の部位を掻いたり、ペットと触れ合ったりしたことから顔面・首・両腕などの全身に広がるタイプの感染で、一般にたむしと呼ばれます。

かゆみを伴う赤く盛り上った米粒大の丘疹が複数生じ、それが次第に円形状に広がっていきます。進行とともに中心部は通常の皮膚色に近くなり、赤みを帯びた病変が周囲をとり囲むようになります。

股部白癬

比較的男性に多く見られ、一般にはいんきんたむしと呼ばれています。激しいかゆみに加え、時に痛みを伴う事もあります。

他の水虫と同様、足白癬などの感染部位を触った手で陰部に触れ広がったケースが多いようです。性器周辺から発症し、次第に赤味が周囲に広がり太もも上部の内側にまで至ります。

皮膚はうろこ状を呈し厚くなり、進行すると下腹部や臀部(おしり)にまで及ぶうつりやすいタイプの水虫です。

頭部白癬

一般にシラクモと呼ばれ、小児や高齢者に多いとされる感染です。バスタオルや帽子の共用、あるいはペットを介して、白癬菌が毛髪や頭皮に付着しフケやかゆみ・脱毛などの症状を起こします。

円形脱毛症と異なり、頭部白癬は患部の頭皮がはがれ落ちブラッシングするだけで、たやすく毛が抜け落ちてしまうのが特徴です。放置していると頭部全体の脱毛だけでなく、体内も含めた全身に感染がおよびます。発熱・リンパ節腫脹などを起こし重症化する恐れもあるため早めの皮膚科受診が必要です。

対処法

石鹸とブラシ

では、水虫になった際の対処方法を紹介します。

身体を清潔に保つ

外出後のせっけんによる十分な手洗い・毎日の入浴・洗髪はシンプルなことですが、多くの感染症の予防に役立っています。

白癬菌が付着すると健康な皮膚なら24時間後、また傷口であれば12時間後程度で感染を起こすため、その前にきれいに洗い流してしまうことが大切です。

身に着けるものに注意する

仕事がら、終日通気性の良くない靴やヘルメットを着用しなければならない方もいらっしゃることでしょう。オフィス用のサンダルや五本指靴下を、既に取り入れている方も多いようです。

可能であれば休憩時間は帽子や頭部を風にあてる、普段からなるべく通気性の良い靴を選ぶなどの工夫をされるのも一つです。靴下をこまめに取り換え、同じ靴を履き続けない事も予防につながります。

自宅内を清潔に保つ

水虫感染者やペットの存在に関わらず、換気を行い床やじゅうたんはこまめに掃除機をかけ室内を清潔にたもちましょう。

インフルエンザやノロウイルスなど他の感染症が流行した際にわれるように、感染の広がりを予防するため、普段からバスマット、バスタオル、フェースタオルの共用は避けておいた方がよいでしょう。

早めに受診する

皮膚疾患の症状は鑑別が難しく、顕微鏡を用いた専門医の診断が必要な場合があります。水虫はタイプによって症状や薬の効き方が異なるため、状態に応じた処方を受け医師の指示のもと根気よく治療を続けることが大変重要です。

見かけ上の症状が消失したことを理由に治療を自己中断してしまうと、後に症状が再燃し一層治りにくいものになるといわれています。

免疫力維持に努める

感染症はいずれも、ストレスや疲れなどで体の免疫機能が低下している時に起こりやすいことがわかっています。

夜間の十分な睡眠と日中の活動、栄養バランスの良い食事の摂取を意識し、生活リズムを整える事が感染症を寄せつけにくい体を作ります。

まとめ

まとめデイジー

・水虫は高温多湿な環境で繁殖する白癬菌の感染によって起こります。

・床やマットに落ちた感染者の皮膚片やペットの毛を介してうつることがあります。

・皮膚や頭髪をよく洗い清潔にし、乾いた状態を保つことが予防に効果的です。

・床の掃除は入念に行い、靴や靴下はこまめに清潔なものととりかえましょう。

・水虫にかかった場合は感染部位や状態に応じ適切な処方を受け

症状が消失しても自己中断せず医師の指示に従い治療薬の使用を続けましょう。

  
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