接触性湿疹とは?種類や治療方法を紹介!検査方法や診断方法は?

お気に入りのネックレスでかぶれてしまった・・・そんな経験を持っている人は少なくないのでは内でしょうか?

肌にできる湿疹は、とても不快ですよね。いわゆるかぶれと言われるこうした症状は、日常のあらゆる場面で起こります。

少しでも早く治したい!そんな人に、かぶれの原因と治療法、そして予防法についてご紹介します。

湿疹とは

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湿疹というのは、肌の表面にできる炎症のことで、皮膚炎とも言います。中でも、接触性湿疹は接触性皮膚炎とも呼ばれ、いわゆる「かぶれ」を指します。

植物や金属など、身の回りにあるあらゆるものが原因となって肌に炎症が起こってしまう状態ですが、ではなぜ、湿疹ができてしまうのでしょうか?そのメカニズムからお話しましょう。

湿疹ができるメカニズム

わたしたちの身体は、外から侵入してきた異物を排除する「免疫システム」というものがあります。異物を攻撃することで撃退使用という働きですね。

しかし、この免疫システムが過剰に反応してしまうことにより、時としてアレルギー反応を起こしてしまいます。かぶれも、このアレルギー反応の1つなのです。つまり、免疫システムが過剰に働くことによって肌に炎症が起きてしまう状態が、接触性湿疹というわけですね。

そして、皮膚炎を発症する原因物質は様々あり、ウルシや虫、金属などから受ける毒や刺激が原因となるものや、免疫システムの反応と関係なく症状が起きる、非アレルギー性のものもあります。そして症状は、原因物質に触れてすぐではなく、1日程度経ってから赤い発疹蛾出るものがほとんどです。

また、接触性湿疹には種類が多く、種類ごとに原因が違いますから、種類別の原因を見ていきましょう。

接触性皮膚炎の種類

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接触性湿疹には、主に7つの種類があります。

一次刺激性接触皮膚炎

一時刺激性皮膚炎は、肌が強い刺激を受けることによって発症するタイプです。

たとえば、毒草であるハズの油やからし、石鹸や洗剤、ガソリンやセメントなどがこれに当たります。発症する箇所も限られており、刺激物質が触れた場所と、その周辺に現れます。

アレルギー性接触皮膚炎

アレルギー性皮膚炎はその名の通り、原因物質によるアレルギー反応によって症状が引き起こされるタイプです。

原因物質は、例えばアクセサリーやゴム、化粧品など、身近にあるもので、日常的に使用するものが主となります。発症箇所は一時刺激性と同じで、接触した部位とその周りに現れます。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の特徴は、原因が体質によるものであることです。そのため、原因物質を1つに特定することはできません。発症するのは刺激物の接触箇所ではなく、身体全体になります。

また、現れ方も年齢によっても場所が異なり、幼児ならば頭や顔から始まり、全体に広がっていきますし、小学生くらいになると、肘や膝に症状が現れやすくなります。大人になると、今度は手足に症状が強く見られるようになります。

脂漏性(しろうせい)皮膚炎

こちらは、皮脂の分泌異常が原因で発症します。皮脂が異常に分泌されてしまう原因としては、性ホルモンのバランスが崩れることやビタミンB複合体の欠乏などが考えられています。

また、生後間もない赤ちゃんの頭皮や顔にも表れ、かさつきやフケのような症状を引き起こします。発症しやすい箇所は皮脂の分泌が多いところで、真菌の一種であるマラセチアが関係しているのではないかという説もありますが、はっきりとは分かっていません。

自家感作皮膚炎

こちらは、すでに発症している湿疹や皮膚炎が原因となって発症するものです。限局性に炎症を起こしている湿疹がすでにあり、そこを掻いたり、感染症が加わったりすることで悪化すると、もともとあった湿疹(原発巣)から離れた場所にも同じく湿疹ができてしまう、というわけですね。対称性に起こるのが特徴です。

これは、抗原という、原発巣の湿疹を引き起こしている原因となるものが、血液を通して身体全体へ広がることで起こります。厄介なのは、引っ掻くなどして直接触った記憶がなくても、同じような湿疹が広がってしまうことです。発症部位は限られず、全身へ広がってしまいます。

環境が原因となる疾患

これは物質というより、身を置いている環境が原因で引きおこされる湿疹です。環境が湿疹を引きおこすとはどういうことかと言うと、具体的には光や温度、湿気や風などが原因になるのです。

分かりやすい例で言うと、光線による皮膚炎や、冷たい風にさらされることでできるあかぎれやひび、高温多湿によって起こる汗疹(あせも)がこれに当たります。発症箇所としては、肌が露出している部分に多く見受けられます。

細菌感染症

こちらは、最近が繁殖してしまうことが原因で炎症が起こるタイプです。

例えば、皮膚を汚れた手で触るなどして最近が繁殖すると、そこに炎症が起こります。そして、炎症を起こしている箇所を掻くことで細菌の二次感染を引き起こすなどがこれに当たります。

発症部位は、細菌が付着した部分で、汚い手などで触った箇所が該当します。いわゆる化膿です。

接触性湿疹の診断方法と検査方法

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では、接触性湿疹かどうか判断するためには、どのような方法があるのでしょうか?まず大切なのは問診です。

問診で知るべきこと

問診で重要なことは、湿疹がいつどこで、どの部分に発生するかということです。繰り返し湿疹ができてしまう場合には、状況からしっかりと原因を突き止めることが大切です。

たとえば、首や腕周辺に湿疹が出る場合には、ネックレスや腕時計が原因の金属アレルギーが考えられます。また、子供の口周辺にできている場合には、よだれや調味料が原因となっている可能性が考えられます。

また、長年使っていた化粧品で湿疹ができたり、化粧品を変えた途端に湿疹ができた場合には化粧品が原因ですし、塗り薬で湿疹がよくなっていたのに、徐々に悪くなっていく場合には、塗り薬が原因と考えることができます。

他にも、自宅や職場など、場所によって湿疹が出たり、外出時に限って出るなど、湿疹がどのような状況で現れるのかを把握することが治療の第一歩となります。

検査方法

ただし、問診だけでは正確なことは分かりませんよね。そこで役に立つのが検査です。

接触性湿疹においては、皮膚試験が確定診断となりますので、まずは原因となる物質を皮膚表面に付けてみて、どのような反応が起こるか検査することが大切ですよ。

皮膚検査

皮膚検査は、皮膚にアレルギー物質を付けることで検査する方法です。かゆみが出ることもありますから、少し我慢が必要かも知れません。

スクラッチテストでは、原因と考えられるアレルギー物質を皮膚に垂らし、その部分を針で少し引っ掻きます。15分置き、蚊に刺されたような湿疹が出れば、それがアレルギーの原因物質だと分かります。

パッチテストの場合には、原因と考えられるアレルギー物質を皮膚に貼り、そのまま2日(48時間)、3日(72時間)置きます。そして、皮膚に紅斑や浮腫、丘疹や水疱ができるかどうかを診る検査方法です。

また、光接触性皮膚炎の場合には、光パッチテストと言い、紫外線を当てて結果を診る方法もあります。やり方は上記と同様です。接触性湿疹の検査においては、このパッチテストが最も重要だと言われていますよ。

血液検査

また、こちらは主にアトピー検査で用いられる方法ですが、参考までにこちらもご覧ください。血液検査では、まず採血をして原因を探ります。注目すべきは、

  • 好酸球の数
  • IgE値
  • IgE-RAST

の3つです。好酸球は、病気と闘う細胞である白血球の中の好酸球という細胞を調べると、アトピーの人はその数が多い傾向にあることが分かります。そしてIgE値は、免疫に関係するタンパク質で、アトピーの人ではこの数が多いのが特徴です。最後にIgE-RASTは、原因と考えられるアレルギー物質にたいし、陰性か陽性かを判断するための指数です。

数値が0.7以上の高いものを示すと陽性と診断されます。接触性湿疹に限った検査ではパッチテストが非常に重要ですが、アトピー性皮膚炎では、この血液検査が欠かせません。

負荷試験

こちらは入院が必要になる検査方法で、原因と考えられるアレルギー物質を摂取し、その後、湿疹が出るかどうかで判断します。症状が重く出る場合もあるため、入院が必要になることがあります。

このように、アレルギー検査にはいくつか方法がありますが、アレルギー検査の結果は年齢ごとに数値が上がったり下がったりするため、1度検査しただけで決めつけるのは危険です。仮に陽性だったからと悲観するのではなく、繰り返し検査を受けることで、適切な治療を受けることが大切ですよ。

接触性皮膚炎の治療法

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では、接触性皮膚炎になってしまったら、一体どのように対処すればよいのでしょうか?

原因物質を取り除く

接触性皮膚炎は皮膚疾患ですから、まずはアレルギー科や皮膚科などを受診しましょう。そこでます、何が原因で症状が引き起こされているのかを調べます。そして、原因物質が分かったら、まずはその原因物質を取り除きます。そののちにステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬、ステロイド剤の内服薬などによって治療をしていきます。

症状が軽い場合には弱めのステロイドを含んだキンダベート軟膏、やや症状が強くなると、リンデロンV軟膏やプロパデルム軟膏などが処方されることがあります。含まれるステロイドはやや強くなります。かゆみが強い場合には、レスタミンコーワクリームやオイラックスHクリームなどが出される場合もあります。

患部を掻かない

接触性皮膚炎はかゆみが生じるため、つい掻きむしってしまいがちですよね。

しかし、皮膚を引っ掻くことでさらにかゆみが増し、もっと引っ掻くことでさらにかゆくなるという悪循環が起こってしまいます。少しでも早く治すためには、この悪循環を断ち切ることが必要なのです。

また、ストレスや発汗、アルコールの摂取などにより、かゆみが強くなることがありますから、かゆみが出ている間は極力肌に負担をかけないよう心がけましょう。

再発予防

同じ症状を繰り返さないためには、分かる範囲で構わないので、原因物質を突き止めておくことがポイントです。

赤ちゃんなど小さな子供ならよだれや食べこぼし、おしゃぶりやおむつのテープなどが原因物質として考えられますし、大人なら汗やホコリ、衣類のタグや繊維はもちろんのこと、虫や植物、薬剤などの化学物質が原因となっていることもよくあります。

原因物質を突き止めたら、可能な限り原因物質には近づかないなど、予防策を取りましょう。

赤ちゃんの接触性皮膚炎について

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赤ちゃんの接触性皮膚炎には、虫や薬剤、植物などの他、食べこぼしや汗、よだれや汗など様々です。おもちゃやぬいぐるみなどが原因になる場合もありますよ。

中でもおむつによるかぶれをおむつ皮膚炎と言い、1歳以下の赤ちゃんの実に7割が発症します。

おむつ皮膚炎

おむつ皮膚炎は、おむつをしている部分に湿疹が起きるものを言います。肛門や外陰部の周りが赤くなり、悪化すると皮膚表面がめくれたようになります。

初期症状としては、おしりを拭く時に痛がったり、おむつを外す時にかゆがったり、と言ったことが見られます。

原因

赤ちゃんの尿や便が付いたり、最近が繁殖する他、汗やおつむによって蒸れることや、おむつ自体が皮膚に刺激を与えて引き起こされることがあります。

また、赤ちゃんは角質層が薄いため、大人に比べて肌が弱いのも原因の1つです。

治療法

治療には非ステロイド性抗炎症薬を使用します。ステロイドは副作用が強いイメージですから、肌の弱い赤ちゃんに使用するのは不安があるかも知れませんが、長期間使用したり、強めのステロイドを大量に内服したりした場合に出ることがほとんどで、短期間の使用ではリスクは低いと言われています。

ステロイド=副作用、というわけではありませんから、安心してくださいね。

予防法

予防策も大切ですよね。吸水性のよいおむつを使用し、こまめにおむつを交換しましょう。おしりに便や尿がついている場合には、拭くだけでなく、時々洗ってあげることも大切です。

特に下痢をしている時には頻繁におむつを替えたり、洗ってあげて、清潔に保つようにしましょう。ただし、皮膚炎が出ている箇所は強くこすらないようにします。

何もないのにかゆい皮膚掻痒症

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接触性湿疹とは異なりますが、同様にかゆみが出る疾患として、皮膚搔痒症があります。皮膚に目立った異常がないのにかゆみが出る疾患です。二次症状として、肌を引っ掻くことによる傷や発赤、赤褐色に色が変わるなどが見られます。

全身にかゆみが出る全身性皮膚搔痒症の他、加齢による乾燥肌が原因で起こる老人性皮膚搔痒症、頭皮や外陰部、肛門周辺などに症状が出る限局性皮膚搔痒症、妊婦さんに見られる妊娠搔痒症などがあります。

皮膚搔痒症の原因

基本的には環境の変化によって肌が乾燥したり、老化によって引きおこされたりすることが多いですが、全身性皮膚搔痒症の場合には、内臓疾患が原因となっている場合もあります。原因となり得る疾患としては、慢性腎不全や肝疾患、痛風や糖尿病の他、甲状腺疾患や血液疾患、悪性リンパ腫や鉄欠乏性貧血など様々あります。

また、外陰部や肛門周辺に限って症状が現れる場合には、前立腺肥大症や前立腺がん、尿道狭窄や便秘、膣カンジダ症、膣トリコモナス症などの疾患が挙げられます。

皮膚搔痒症の症状

かゆみの種類は持続性のあるものと、発作的なものの2種類があり、むずむずとしたかゆみから、チクチクしたかゆみまで様々です。症状が出やすいのは、入浴後などで身体が温まっている時や、入眠時が多く見られます。

かゆみのために眠れないこともありますが、かゆいからと言って掻いてしまうとさらにかゆみが増し、結果的に皮膚が傷ついてしまうまで掻き続けてしますこともよくあります。掻いても症状を悪化させるだけなので、極力我慢することが大切です。

皮膚搔痒症の治療法

治療方法としては、原因となる疾患がある場合には、そちらの治療を先行して行います。

皮膚に対する対処法としては、尿素軟膏やワセリンなどを使用し、肌を保湿する方法が取られます。引っ掻き傷によって皮膚炎を発症している場合には、ステロイド外用薬を用いる場合もあります。

また、血液透析によって皮膚搔痒症が引きおこされている場合には、ナルフラフィン塩酸塩を使った治療がなされます。

まとめ

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接触性湿疹という名前ではなじみが薄いかも知れませんが、かぶれというのは日常的に起こり得るものですよね。身近な洗剤や化粧品、ネックレスなどの金属類が引き金になってしまうこともあるので厄介です。

また、かゆみが強いとついつい掻いてしまい、さらに症状を悪化させてしまうのも辛いですよね。特に今の時期は汗を掻きやすいですから、症状が出やすい季節です。汗をかいたらこまめに拭き、身体を温めるなど、かゆみを増長させることはできる限り避けるようにしましょう。

赤ちゃんに至っては、皮膚が弱いためにちょっとしたことでも接触性湿疹を引きおこしてしまう危険があります。特におむつは常にしているものですし、こまめに替えていても、便や尿などでおしりが汚れてしまうのは避けられません。お母さんは大変ですが、こまめにおむつを取り替え、常に赤ちゃんの清潔を保ってあげることが1番の予防策です。

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