シーンと静まり返ったところで、突然、お腹がグルグル、キュウ~、ポコポコと鳴ったら慌てますよね。それがオナラに似たような音だったら・・・恥ずかしくてたまりません。妊婦さんの場合は、恥ずかしさより心配が先に立ちますね。
でも、お腹(胃腸)が鳴るのは、決して悪いことではありません。胃や腸が動くから音が出るので、普通にだれでも起こることです。
ただ、腹痛や下痢、便秘をともなって、お腹が鳴るのなら、呑気症(どんきしょう)とか過敏性腸症候群など自律神経系の病気かもしれません。腸は「第二の脳」と言われるほど、ストレスの影響を受けやすいのです。
お腹が鳴る原因と対処法、妊娠中の腹鳴(腸鳴り)について、お伝えしますね。
お腹が鳴る5つの原因
お腹が鳴るのは、胃や腸のぜん動運動のためです。空腹になると、グゥ~ッとかキュルキュルとか鳴るのは、胃腸が動く音です。でも、満腹の時もお腹が鳴りますよね。それは、胃腸の機能が低下しているためか、「呑気症(どんきしょう)」「過敏性腸症候群」という病気のせいかもしれません。
1, なぜ空腹になると、お腹が鳴るの?
空腹になると、お腹がグゥ~ッ・キュルキュルと鳴るのは、胃腸の蠕動(ぜんどう)運動のためです。
胃の周期的な収縮運動
胃は筋肉でできた袋です。胃の筋肉が伸縮して食べ物を胃酸など消化液と混ぜ、ドロドロに溶かして十二指腸から小腸へ送り込みます。小腸で栄養分が吸収され、血液によって全身に運ばれます。
胃は周期的に収縮運動を毎分3回ほど繰り返していますが、食後と空腹時には収縮が強くなります。
空腹期収縮
空腹になると、血糖値が下がり、脳は消化器官に次の食物を受け入れる準備をするように指令を出します。脳からの情報により、胃は胃袋を空にして、新たな食物を受け入れるようにします。胃袋の筋肉が強く収縮して、胃に残っている内容物を十二指腸に送り出します。この蠕動収縮運動を「空腹期収縮」といいます。
空腹期収縮により、唾液や食物と一緒に入ってきた胃の中の空気が圧縮され、狭い胃の出口から十二指腸に押し出されるので、グウグウ、グルグル、キュルキュルと音を立てます。
2, 腸にガスが溜まる
女性に多いことですが、腸にガスが溜まって張ったような感じ(膨満感)があり、オナラをガマンしていると、ポコポコ、パンパンとお腹が鳴ります。これは、大腸の運動する音です。
オナラをガマンしていると、ガスが逆流して、余計腸が鳴るようになります。無意識のうちにオナラが出てしまうこともあります。オナラや腸の鳴るのを気にしてストレスが溜まると、自律神経の働きが乱れて、腸にガスが溜まりやすくなります。悪循環になってしまいます。
食べ物が消化される時にガスを発生する
食べ物が腸内で消化される時に、ガスを発生します。
肉類を多く食べると、腸内細菌の悪玉菌(腸の消化活動に悪影響を与える)が増えます。悪玉菌は腐敗ガス(有毒ガス)を発生させるので、便やオナラが臭くなります。
食物繊維の多い野菜類を多く食べると、腸内の善玉菌が増えます。でも、繊維質の多い野菜は胃で消化しきれず、腸で消化されますから、発生するガスも増えます。ただし、悪玉菌の多い時のような悪臭のある便ではなく、オナラもあまり臭いません。
腸の運動とともにガスが動いて、音が出るのです。
3, 呑気症
必要以上に多量の空気を吞み込んでしまい、胃に入る空気の量が多くなり、お腹が張ったり(腹部膨満=ふくぶぼうまん)、お腹が鳴ったり、ゲップやオナラが頻繁に出たりすることを、「呑気症(どんきしょう)」「空気嚥下症」といいます。
空気を多量に呑み込むので、胃の収縮蠕動運動により空気が移動する時に、音が出やすくなります。
呑気症は、不安やストレスによって発症します。また、お腹が鳴ること・オナラやゲップが出ることを恐れるためにストレスが増して、悪循環に陥ります。
4, 胃腸の機能低下
お腹がグルグル鳴るだけでなく、下痢や嘔吐をともなう場合は、胃腸障害の可能性があります。胃腸は脳と強い関係があり、「腸は第二の脳」というほど、ストレスの影響を受けます。
不安や緊張により強いストレスを受けると、自律神経の働きが乱れて胃酸が過剰に分泌されることがあります。胃酸が多量に分泌されるときに、グルグルと音を立てます。空腹時だと、空腹期収縮により空気が押し出される音と重なるので、大きく聞こえます。
5, 過敏性腸症候群
「過敏性腸症候群=IBS」とは、腸の検査や血液検査で何の異常も認められないのに、腹痛・腹部不快感・腹部膨満感・下痢や便秘が長く続く病気です。大腸と小腸の腸全体に機能の異常が生じます。
日本を含む先進国に多い腸疾患で、日本では、消化器内科を訪れる患者の1/3を占めます。
20代~40代に発症することが多く、やや女性が多いようです。
便通の状態により、①下痢型 ②便秘型 ③交代型 に分けられます。ガス型を加えて、4型に分ける説もあります。下痢型は男性に多く、便秘型は女性に多く見られます。
詳しくは、過敏性腸症候群の症状をチェック!治療方法は?を読んでおきましょう。
過敏性腸症候群の原因
過敏性腸症候群は、日常的な不安や緊張などによる強いストレスと深い関係があるようです。心と腸が結びついている、心因性の腸疾患です。
(自律神経失調)
自律神経失調症など、自律神経のバランスが崩れたり、働きが乱れたりすると、大腸を中心に消化器官運動の異常が生じ、消化器官の知覚機能が低下します。自律神経は、精神的不安や過度の緊張などによる強いストレスや、過労などライフスタイルの歪みから、バランスを崩し、機能が乱れることが多いのです。
また、生来、自律神経の働きが弱い人が、暴飲暴食や不規則不摂生な生活を続けたり、身体が冷えたりすると、過敏性腸症候群を発症しやすくなります。
(セロトニンの過剰分泌)
不安やストレスという脳からの信号に胃腸が過敏に反応して、セロトニンという神経伝達物質を分泌すると、腸のぜん動運動に異常をきたすことがあります。蠕動運動の異常により、下痢や便秘、腹痛などが起こります。
過敏性腸症候群の症状
大事な会議の直前に腹痛が起きたり、下痢をしたりする男性は少なくありません。苦手な人に会うとか、旅行に出かけるとかすると、便秘してしまう女性は珍しくありません。これは、便秘と下痢の違いがあっても、どちらも痙攣性(けいれんせい)の症状です。
何らかの心理的な刺激により腸に異常な緊張が起こると、痙攣性の下痢や便秘が生じます。
(腹痛と便通異常)
主な症状は、腹痛や腹部不快感と便通異常(下痢または便秘)です。腹痛は、発作的な刺し込むような痛み(疝痛)、あるいは慢性的な持続性鈍痛です。どちらも便意をともない、便通があると、一時的に腹痛が軽快します。食後に腹痛や腹部不快感が生じやすく、睡眠中は症状が出ません。
(腹部膨満・腹鳴・ガス症状)
お腹が張っているように感じる腹部膨満、お腹がゴロゴロなる腹鳴(腸鳴り)、オナラが多く出るガス症状などがあります。
腸の異常な緊張で内容物が動くと、腸が鳴ります。腸内で発生するガスが増え、圧縮されるために腸が鳴ったり、お腹が張ったり、オナラが多くなったりします。
(心理的症状)
頭痛・抑うつ感・疲労感・不安感・集中力の欠如など、消化器系ではない症状が起きます。
お腹が鳴ったり、オナラが出たり、下痢や便秘したりすることを気にしすぎて、対人恐怖症のようになることもあります。下痢の恐怖症で外出できなくなる人もいます。
過敏性腸症候群の型
便通の状態で分けます。どれも腸の異常な緊張による痙攣性の症状です。
①下痢型
不安や緊張により腸が拡大すると、突然便意に襲われます。水分の多い便や水下痢が出ます。
②便秘型
不安や緊張により腸が締め付けられます。消化物が長く腸内に停滞するので、水分が吸収され、ウサギの糞のようなコロコロした硬い便が出ます。便秘すると、ガスが多量に発生するので、お腹が張ります。ガスが圧縮されると、グルグル・キュルキュルと腸が鳴ります。
③交代型
便秘と下痢が交代で生じる痙攣性の症状です。
腹鳴(腸鳴り)に対処する3つの方法
お腹(胃腸)が鳴るのは、胃腸が活動している証拠ですが、やはり気になります。できれば対処したいですよね。また、ストレスによる病気でお腹が鳴る場合は、治療する必要があります。
1, 空腹時にお腹が鳴る対処法
空腹時にお腹がなるのは、胃の蠕動収縮運動が強くなって、空気が胃から押し出されるためです。対処方法は、胃の中の空気を少なくすることと、胃を空っぽにしないことです。
①朝食はパンよりもご飯にして、よく噛んで食べる
パンは消化が速いので、空腹になるのも早いのです。朝食をご飯にすると、昼食までもちます。昼食も、麺類やパンより、少量でもご飯がオススメです。
米飯の方がパンよりも胃に負担がかからないので、ストレスで胃腸が弱っている人にも効果があります。
ご飯はゆっくり、よく噛んで食べます。早食いすると、呑み込む空気の量が多くなります。
②背筋を伸ばして、腹式呼吸をする
お腹に力を入れて腹式呼吸をすると、お腹がふくらんで、一時的に腸鳴りを抑えられます。吸い込んだ空気は、しっかり吐き出すことが大事です。
背中が曲がっていると、胃が圧迫されて空気を押し出しやすくなります。背筋を伸ばすと、お腹に力が入るので、腹鳴を一時的に抑えられます。
2, 食習慣を改善する
腸鳴りは、胃腸など消化管が活動するために生じますが、いろいろな理由で消化器官の機能が低下していても、起きます。
そこで、できるだけ胃腸に負担をかけないように、食習慣を改善するのが、腸鳴りの対策になります。食事の内容だけでなく、食べ方にも注意します。
①無理してヨーグルトを食べることはない
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内の善玉菌を増やして、腸内環境を整える整腸作用があります。乳酸菌は腸の蠕動運動を刺激して、排便を促しますから、便秘解消に効果があります。
つまり、ヨーグルトは刺激性の食品なのです。腸が過敏になっている(過敏性腸症候群)人に、ヨーグルトは負担になることがあります。
腸が過敏になっていたり、胃腸が弱っていたりする場合に、ヨーグルトを無理して食べても、腸鳴りは改善されません。むしろ食べない方が良いかもしれません。
「ヨーグルトを毎朝頑張って食べているのに、腸鳴りが少しも改善しない」という相談者が多いようです。回答は「ヨーグルトは刺激性食品だから、無理して食べることはない」です。
②不溶性食物繊維を摂りすぎない
食物繊維の多い野菜は、腸内の細菌の中の善玉菌(腸内環境を整える働きをする)の餌となって、善玉菌を増やします。
ゴボウやシイタケ、ブロッコリー、サツマイモには、不溶性食物繊維が豊富に含まれています。水に溶けず、水を吸収してふくれ、腸壁を刺激して排便を促します。
不溶性食物繊維は腸壁を刺激するので、過敏になっていたり、弱っていたりする腸には負担になります。痙攣性の便秘の場合は、締まった腸を余計詰まらせることもあります。
私の父は、大腸癌手術の後、不溶性食物繊維を摂りすぎないように注意されました。
③こまめに水分補給をして、水代謝を良くする
水分の摂りすぎは身体の負担となりますが、1日2リットル程度の水をこまめに補給すると、水代謝(血流を良くして、余計な水を排出する働き)を良くすることができます。
(水か湯を少しずつ飲む)
摂取するのは、水か白湯です。冷水や氷水は胃腸を刺激し、身体を冷やすのでNGです。
胃腸の消化機能が低下していると、水分をなかなか吸収できません。1度にガブガブ大量に飲むと、気分が悪くなることがあります。少しずつ、ゆっくりと飲むようにします。何回にも分けて少量ずつ飲むと、吸収されやすくなります。
(カフェインの摂りすぎは要注意)
紅茶・緑茶・コーヒーなどカフェインを多く含む飲み物は、要注意です。カフェインには、覚醒作用や利尿作用があり、神経を興奮させます。自律神経のバランスが崩れている時は、さらに乱れることがあります。
(炭酸飲料の摂り過ぎはNG)
炭酸飲料は、胃を刺激して食物の消化を促進しますが、摂取しすぎると、刺激が強すぎて、胃痛や下痢を引き起こします。しかも、溶けている二酸化炭素のおかげで、ゲップが出たり、胃から十二指腸に押し出される時に音を立てたりします。含まれている糖分や人工甘味料の摂りすぎも、身体に悪い影響を与えます。
④食事は規則正しく、よく噛んで食べる
食事は規則正しく、腹八分目に摂るようにします。時間をかけて、ゆっくりとよく噛んで食べるようにします。よく噛むことは、消化の第一歩です。
3, 呑気症・過敏性腸症候群の治療
呑気症も過敏性腸症候群も、強い不安感や過度の緊張による過剰なストレスがもたらす心因性の病気と考えられます。ストレスを解消することで、腸鳴りを改善します。
過敏性腸症候群の場合は、他の重篤な腸疾患(大腸癌・潰瘍性大腸炎など)と紛らわしいこともあるので、医療機関で消化器の専門家の診察を受けることをオススメします。素人判断で、過敏性の症状と決めつけると、危険性が高くなります。
①生活の習慣を改善する
食習慣の改善については前述の通りです。過労・睡眠不足・不規則な生活をもたらす日常の習慣を改めるようにします。
②心理的社会ストレスを解消する
職場や家庭などの対人関係がもたらすストレスを、できるだけ解消するようにします。軽い運動をしたり、大声を出したり(カラオケなど)、おいしい物を食べたり、時には旅行に出かけたりすると、ストレスが軽減されます。
腸鳴りやオナラを気にしすぎると、ストレスが増強されて、さらに腸鳴りやオナラがひどくなる悪循環に陥ります。「出もの腫れもの、ところ嫌わず」「生理現象だから、しかたがない」と、開き直ると、少しはストレスが減ります。気にしないことが一番いいのです。
③薬物療法
心療内科や消化器内科では、過敏性腸症候群に対して、薬物を投与することがあります。
消化管運動調整薬をまず投与します。下痢には整腸剤や痢止薬、便秘には緩下剤や漢方薬、腹痛には鎮痙薬を投与することがあります。
セロトニン受容体拮抗薬を投与して、腸の蠕動運動を正常に戻すようにします。
上記の薬で症状の改善が見られない時は、抗不安薬や抗うつ薬が投与されることがあります。
④心理療法
不安や緊張を解消するには、自律訓練法や認知行動療法、精神療法などの心理療法が効くようです。中でも、自律訓練法は自分でできる心理療法です。
自律訓練法は、リラックス状態を得る方法です。一度体得すれば、いつでも自分の身体に意識を向けて、心身ともにリラックスできるようになります。もちろん、専門家による適正な指導が必要です。
ストレスには外因性と内因性があります。自律訓練法は、外因性ストレスがもたらす緊張を解いてリラックスすることができますが、内因性の腸からくる緊張を解いてリラックスするのは難しいようです。他のストレス解消法と一緒に行うと、効果が出るようです。
妊娠中にお腹が鳴るのは、悪いことなの?
妊娠している時に、お腹がグルグル・キュルキュル鳴ると、「下痢をするのではないか?」と心配になりますよね。妊娠中の下痢は、早産の危険性もあるので、気になります。
妊婦さんのお腹が鳴る理由は、妊娠初期と妊娠後期では異なります。でも、お腹が鳴るのは、病気ではないので、心配することはありません。
[妊娠初期に、お腹が鳴るのは?]
妊娠初期にお腹がグルグル・キュルキュル鳴るのは、胃腸のぜん動運動や腸内のガスの動く音ですから、病気ではありません。
ホルモンバランスの乱れ・自律神経の不調
妊娠すると、黄体ホルモンプロゲステロンの分泌が増えます。プロゲステロンは腸の運動を抑える作用があるので、腸内環境が不安定になります。また、女性ホルモンバランスが崩れるために、自律神経の働きが乱れ、排泄機能のコントロールがうまくいかなくなります。
そのため、妊娠初期には、お腹の不調を訴えることが多くなります。
妊娠初期には、腸の蠕動運動が弱くなり、便秘することが多くなります。ガスが溜まりやすく、お腹がゴロゴロ・グルグル鳴ります。また、子宮が充血して腸を刺激し、お腹が鳴ることがあります。
腹痛や下痢が起きやすくなります。食中毒のような激しい下痢でなければ、下痢をしても、流産することはめったにないそうです。
妊娠初期の腸鳴りの対処法
食事はゆっくり、よく噛んで食べるようにします。こまめに水分を摂るようにしますが、冷たい飲み物は体を冷やすので、要注意です。
産婦人科のお医者さんに相談して、整腸剤などを処方してもらいます。
[妊娠中期の腹鳴]
妊娠5~6ヶ月になると、下腹の辺りがグルグル・キュルキュル鳴るように感じます。これは胎児の胎動です。腸の蠕動やガスの動きと区別がつきにくいのですが、日が経つにつれて、胎動がはっきり感じられるようになります。
お腹が鳴るのは、赤ちゃんが元気に育っている証拠です。
ただ、赤ちゃんが大きくなるにつれて腸を圧迫するようになりますから、お腹の不調は続きます。激しい下痢が起きると、子宮口が開いて早産する危険性があります。
[妊娠後期のお腹の音]
妊娠後期になると、「お腹の中でパチンという音がする」という相談者が多くなります。キュルキュル・グルグル・グウ~ッでなく、パチン・バチン・ポンという弾けるような音、ポキポキ・パキッという乾いた音です。
この音は、破水や陣痛とは関係ないようです。産科医に相談すると、「胎動か羊水の気泡が弾ける音」という回答で、はっきりしませんが、心配はないようです。
「胎児が指しゃぶりをしている音」か「胎児の関節音」、「羊水の気泡が弾ける音」という回答が多いようです。何の音か不明ですが、問題はないそうです。
「赤ちゃんが元気な証拠」と、喜んでいて大丈夫ですよ。
まとめ お腹が鳴ることなど、気にしない!
胃腸など消化管は、食べ物を消化したり、次の器官に消化物を送り込んだりするために、伸縮してぜん動運動を行います。
胃は常に周期的な収縮蠕動運動を行っていますが、食後に消化する時と空腹期に、強く収縮します。空腹になると、胃を空っぽにして次の食べ物を受け入れる準備をします。胃が強く収縮して内容物を腸の方へ送り出す時、一緒に空気も出て行きます。空気が動く時に、キュルキュル・グウ~ッという音が出ます。
食べ物が消化される時に、腸内でガスが発生します。腸の運動とともにガスが動き、腸が鳴ります。便秘してガスが溜まると、ポコポコ・パンパンという音が出ます。
腸鳴りは生理現象の1つなのです。
「腸は第二の脳」というほど、胃腸はストレスの影響を受けます。ストレス過多になると、胃腸の機能が低下したり、呑気症や過敏性腸症候群という心因性の病気が起きることがあります。胃酸の分泌が増えたり、胃に入る空気の量が増えたりすると、腸が鳴ります。自律神経の働きが乱れると、胃腸の運動に異常が起きて、お腹が鳴りやすくなります。
腸が鳴るのを気にすると、ストレスが増え、さらに胃腸の働きが悪くなるという悪循環に陥ります。対人恐怖症になったり、外出できなくなったりすることもあります。
腸鳴りもオナラも、私達が生きている証拠です。妊娠中にお腹が鳴るのは、赤ちゃんが元気に育っている証拠です。気にすることはありません。
ただ、腸内環境を整えるために、食習慣や生活習慣を改善することは大事です。
関連記事として、
これらの記事も読んでおきましょう。