大事な場面でお腹が痛くなって困った経験をされた方はいらっしゃいませんか?一言に「お腹の調子が悪い」と言っても原因はさまざまですので、解決策も個々人によって異なってきます。
まずは、主な原因因子をいくつか御紹介いたしますので、身に覚えがないかを確認してみてください。
お腹の調子が悪い原因は?
お腹の調子が悪くなる原因としては、食品によるもの、ストレスによるもの、風邪によるもの、冷えによるもの、食中毒によるもの…など代表的な症状だけでこれだけ挙げることが出来ます。その代表症状について今から分かりやすく解説いたします。
腸に刺激を与える食品
人によって体質はさまざまですが、腸に刺激を与えるものを摂取するとお腹の調子が悪くなることがあります。また、腸内運動を活性化する食べ物の食べ過ぎで逆にお腹がゆるくなることもありますので、程度を考えた食物摂取が必要です。以下、お腹がゆるくなる可能性のある食べ物を御紹介いたしますので、日常良く摂っていないか確認してみてください。
・カフェインを多く含む食品
コーヒーや紅茶などのカフェインの多い食品は、排便しようとする働きのあるぜん動運動を活発にします。カフェインを摂ることで、胃酸の分泌を促進し、胃や腸の粘膜を荒らしてしまうことにもなりかねないのです。
ぜん動運動を活発にするため逆にお通じが良くなったと評価する方もいますが、刺激を与えていることには変わりないので、食生活の改善など体に負担の少ない方法を試した方が良さそうです。
・牛乳
牛乳に含まれる乳糖は、ラクターゼという消化酵素によって分解されますが、この消化酵素が少ない場合、消化されないがゆえにお腹が緩くなってしまうことがあります。赤ちゃんの頃は母乳を摂取し、ラクターゼが活発に活動しています。その後大人になることによりこの機能が弱くなる方が多く見られるそうです。
しかし、温めて飲んだり、食べ物と一緒に摂取するなど工夫して牛乳を摂取すれば飲めるようになる可能性もあります。お腹を壊さない程度に飲むようにしていきましょう。
・キシリトール配合製品
キシリトール製品や人工甘味料を含む製品は、小腸で吸収・吸収されにくい成分のため、腸管内に水分が引き込まれやすくなり、便にも水分が多くなることでお腹が緩くなる仕組みになっています。
健康な人でも、食べ過ぎるとお腹がゆるくなる傾向にありますので、程度に注意して摂取することが大切です。
・食物繊維
腸内運動活性化となる代表として、度々紹介されていますが、こちらも食べ過ぎるとお腹がゆるくなることがあります。通常は野菜などに整腸作用もあり、よく噛んで食べることでむしろお腹にプラスに働くことが多いです。ただ、食物繊維は消化されない成分で腸を少なからず刺激しますので、体が弱っている時には注意が必要です。
他にも、アルコール、背脂系ラーメン、辛い食べ物…などいずれも食べ過ぎるとお腹がゆるくなる食品はいくつかあります。人によって体質はさまざまですので、個人の体の変化に合わせて摂取することが大切になってきます。
現代人に多いストレス
「過敏性腸症候群」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?この病気の一つの原因としてストレスによるものが挙げられます。
他にも生活習慣の乱れなどが原因となり、下痢や便通異常を伴う腹痛が慢性的に繰り返される疾患のことを言い、日本などの先進国に多い病気だと言われています。脳が不安やストレスを感じると、その信号が腸に伝わって影響を与える結果となります。過敏性腸症候群については、過敏性腸症候群の症状をチェック!治療方法は?の記事を参考にしてください。
炎症や潰瘍などといった器質的疾患からくる腹痛の可能性もありますので、まずは病院を受診して検査を行うのが先決になってきます。
風邪の全身症状以外に、胃腸の不調
腸感冒のような胃腸風邪は冬場に大流行することが多く、風邪の全身症状を伴う場合も多いため、甘くみないで受診されることをおすすめします。
症状が出てから2日から3日で治癒することが多いですが、突発的な腹痛が多いため、トイレから離れられないことも度々あります。下痢が酷い場合は脱水症状に陥ることもあるため、ただの水ではなく、スポーツドリンクなど吸収が良いものを摂取し対策することが大切です。
乳幼児に流行するロタウイルス、年長から成人に流行するノロウイルスは感染力が強いため、特に注意が必要です。胃腸風邪については、胃腸風邪の症状とは?人にうつる可能性や潜伏期間について!を読んでおきましょう。
体の冷え
冷えて下痢になるのは、体に有害なものを対外に排出するのと同様な仕組みから来ています。お腹が冷えると自律神経が乱れ、腸が異常収縮を起こします。熱を逃がしてしまう手や足への血の巡りを敢えてストップし、体幹部に集中して温めているのです。
冷えるとトイレに行きたくなるのも同じことで、体幹部である膀胱が盛んに活動し、水分を体外に排出していると言えます。急な温度変化には気を付ける必要があり、暑い夏でも冷房などで室温を冷やし過ぎないようにすることが大切です。
食中毒は特に脱水に注意!
食中毒による症状としては、下痢、嘔吐、腹痛、発熱などがあります。それぞれの細菌によって潜伏期間や発症期間が異なりますが、平均すると数日から2週間程度、症状が続きます。食中毒による下痢や嘔吐は、腸内に増殖した細菌やウイルスを体外に排出するために起こる症状であるため、下痢止めや吐き気止めを飲んではいけません。
また、下痢や嘔吐をすることで体内の水分や電解質が減少するため、吸収の良いスポーツドリンクで脱水症状を防ぐことも大切です。めまい、意識障害、呼吸障害、血便など症状が酷い場合には、躊躇せずに病院へ行き、医師の診察を受けましょう。
食中毒については、食中毒の潜伏期間を紹介!菌やウイルスによって変わる?を参考にしてください。
お腹の調子を良くするには?
ではお腹の調子を良くするにはどうしたら良いでしょうか?重篤な食中毒などは医師の診断に従う必要がありますが、その他の腹痛についても、薬を飲んだり、トイレで排泄したりすれば完治する訳でもありません。具体的な解決策について、ここではみていきましょう。
食生活を見直そう!
暴飲暴食は控えましょう。とは言っても食べたい時もあるかと思います。これは意思が弱いから…ではなく、体のメカニズムがそうさせているのです。
たくさん食べ物を食べたり、砂糖を多く含む食品を摂取すると、血糖値が一気に上がります。上がったままでは困るので、血糖値を下げようとインシュリンの働きで、血液中の糖を一部の細胞に吸収させようとします。すると糖を吸収してしまったため、今度は血糖値が下がり、体が栄養を摂ろうと食欲が出てきてしまうのです。
それを防止するために大切なのは、食物繊維をしっかり摂る事です。食物繊維は糖の吸収を緩やかにするため、血糖値の上がり方も緩やかになるのです。ただ食物繊維だけ食べていれば良いわけでもなく、人によってはお腹がゆるくなる方もいますので、さまざまな栄養素をバランスよく摂ることが一番です。
バランス良く摂るためにはジャンクフードや外食を控え、自炊中心の食生活にすることが大切です。自炊でも摂りきれない栄養はサプリメントなどで補うと更に効果は大きいです。
規則正しい生活リズム
幸せホルモンと呼ばれるセロトニンは、心のバランスを整える作用のある伝達物質で、全体の約90%は腸に分布していると言われています。すなわち、腸が活動しているとセロトニンが分泌しますし、腸の動きが悪いとセロトニンが不足してしまいます。セロトニンが不足すると、うつ病、不眠症などの精神疾患にかかりやすくなり、身体・精神の両面でさまざまな影響を及ぼしてしまいます。
セロトニンの分泌には日光が大きく関係し、規則正しい生活リズムで、軽い運動や日光浴をすることによって分泌が活性化します。軽い運動をすることで、副交感神経が高まって腸の働きも良くするのです。一時だけの生活リズムではなく、そのリズムを継続させることが最も大切だと言われています。
また、夜は暗くしてよく寝る事も大切です。暗闇でないと睡眠ホルモンであるメラトニンは分泌されないため、必ず電気を消すようにしましょう。メラトニンは脳から分泌されると、血圧、体温、脈拍などが下がり、睡眠の準備を整え、自然と眠りに入っていくのです。体内時計と連動しており、昼間はほとんど分泌されず、夕方から夜にかけて多く分泌されます。これからも生活リズムを整えることがいかに大事かが、理解できるかと思います。
セロトニンを増やす方法については、セロトニンを増やす方法を紹介!ガムを噛むのが有効?を読んでおきましょう。
リラックスできる環境
精神的ストレスによる腹痛は、20代から30代に多く、日本人の10%から20%が抱えていると言われています。
一番はストレスとなる原因を取り除くことが大切ですが、少なからずストレスは抱えてしまうため、上手く解消していくことが大切になってきます。運動したり、趣味に没頭したり、音楽を聴いたり…人によりリラックス出来る状況は違うと思います。香りにも癒し効果がある場合も多く、部屋でアロマを使用するのも効果的だと言われています。
生活環境の対策でも御紹介したように、ストレスと腸内環境は密接な関係があります。脳が不安やストレスを感じると、その信号が腸に伝わり、人によってはセロトニンが過剰分泌してしまいます。治療としては、セロトニンの分泌をコントロールする事にあり、腸内環境を整える食物を摂ったり、場合によっては医師が処方する薬を使用するのが効果的となります。
まとめ
お腹の調子が悪い…と言っても人によって原因はさまざまであること、解決策も症状によって異なってくることが分かっていただけましたでしょうか?
一つの部分だけ改善しても、安定した腸内環境は長続きしません。多方面からアプローチし、継続することが大切なのです。御自身の健康のためにも、まずは腸内環境改善に努めてみませんか?
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