巨大児というのは、日本では4,000g以上で、重たい以外は、見た目に異常のない赤ちゃんのことです。見た目に異常がないのに、巨大児だと何か困るのでしょうか? 予防法はあるのでしょうか?
今回は、巨大児について、詳しい資料を集めましたので、ご紹介します。
この記事の目次
巨大児とは?
冒頭でも触れたように、巨大児とは、見た目に異常のない体重が4,000以上の赤ちゃんのことです。
せっかくですので、もう少し詳しく定義などを見ていきましょう。
巨大児の定義
日本は4,000g以上
日本産科婦人科学会の産科婦人科用語集・用語解説集によれば、
「奇形などの肉眼的異常がなく,出生体重が4,000g 以上の児を巨大児と呼び,在胎週数は問わない」
です。
つまり、日本では、4,000g以上で、奇形など見た目でわかる異常がない赤ちゃんなら、何週目で生まれても巨大児ということになりますね。
世界では4,000g以上、または4,500g以上
諸外国では、4,500g以上を”巨大児:fetal macrosomia”と称する場合もあるようです。
カナダ・アメリカ合衆国など、移民の多い国の産科学の教科書では、巨大児の定義は4,000g以上になっています。これらの国の教科書でも「4,000g以上を巨大児と呼ぶが、4,500gを超えると高リスクになる」との但し書きがあります。
2015年にWHOでは、「低〜中所得国での実際の出産を基にした巨大児の定義の模索:Searching for the definition of macrosomia through an outcome-based approach in low- and middle-income countries」という調査をしており、アジア・アフリカ・ラテンアメリカの実際の分娩と新生児の様子などから、巨大児の定義の線引きをしようと試みています。
これによると、アジアでは4,000g、アフリカとラテンアメリカでは4,500gを基準にするのが現実的なようです。
巨大児の頻度は?
日本では0.9%
日本産婦人科学会周産期登録データベースによれば、通常の分娩で巨大児が生まれる頻度は、0.9%です。
世界では0.6%〜15%
先にご紹介した、2015年のWHO調査によると、4,000g以上を巨大児とした場合、巨大児の頻度は、日本を除くアジア全体では2.5%(中国では7.2%、インドでは0.6%、タイでは2.5%など)、ラテンアメリカ全体では5.5%、アフリカ全体では7.3%になっています。
4,500g以上を巨大児とした場合は、アジア全体では0.3%(中国では0.7%、インドでは0.0%、タイでは0.3%など)、ラテンアメリカ全体では0.7%、アフリカ全体では1.2%でした。
ちなみに、カナダならびにアメリカ合衆国では9〜10%です(4,000gと定義した場合)。
巨大児のリスクファクターは?
糖代謝異常合併妊娠(妊娠糖尿病+糖尿病合併症)で約8倍
以前から妊娠糖尿病(妊娠性糖尿病)や糖尿病合併症などの糖代謝異常合併妊娠は、巨大児のリスクファクターになることが知られており、日本で耐糖能異常合併妊婦が巨大児を出産する頻度は約7.1%。
これは、通常の分娩での巨大児の頻度の約8倍になります。
高齢出産は低体重児の心配も
高齢出産では、妊娠糖尿病を合併しやすくなり、妊娠糖尿病では巨大児になりやすくなりますので、そういう意味では高齢出産は巨大児のリスクファクターです。
ところが、高齢出産ならではの問題ですが、妊娠高血圧症候群も合併しやすく、妊娠糖尿病と妊娠高血圧症候群の両方を合併することもあります。妊娠高血圧症候群では胎盤機能をはじめとする子宮内環境の低下による低体重児のリスクがあります。
妊娠糖尿病に関しては対応方法が確立しており、食事療法や運動療法など、生活習慣を含めた通常の糖尿病治療に加えて、妊娠初期から血糖値が正常になるよう血糖管理を行えば、一般の妊娠と同じように自然分娩が可能です。また、妊娠糖尿病は、正しく治療を行えば、母体の命を脅かすことは稀です。
ところが、妊娠高血圧症候群は、妊娠の終了(中絶か出産)以外に治療方法がありません。母体の命にも危険が及びます。
高齢ママが両方の合併症を持ってしまった場合、巨大児になることもありますが、妊娠高血圧症候群による母体自体の命の危険があるということと、低体重児の危険の方が多いということ、母体と胎児の安全のために誘発分娩になったり帝王切開になったりすることが多いということは、理解しておきましょう。
在胎週数41週以上でオッズ比4.28倍
その他の巨大児のリスクファクターについては、北海道大学周産期センターのグループが詳しく研究しています。
同グループの2013年の研究によると、それぞれのリスク群と対照群での、巨大児分娩のリスク比(正確にはオッズ比)は、以下のとおりです。
- 男の子だと1.99倍
- 経産婦では1.75倍
- 在胎週数が41週以上だと4.28倍
- 母親の身長が1.65m以上では1.70倍
- 母親の体重が65kg以上なら1.47倍
- 母親のBMIが25kg/m²以上なら1.49倍
- 母親の妊娠中の体重増加が15kg以上なら2.32倍
- 母親の妊娠中のBMI増加が6.0 kg/m²なら1.52倍
- 母親出産時の体重が75kg以上なら2.57倍
つまり、男児の分娩や経産婦、母親の体型や体重増加、在胎週数が長いことなどは、どれも巨大児が生まれる可能性を高めます。
お母さんの身長や体重などは、子供にも引き継がれますから、大きいお母さんの子供も大きめ。遺伝的な要素も大きいということになりますね。
また、在胎週数が41週以上(出産予定日を過ぎている)だと巨大児の可能性が4倍以上になるということになります。
以前に巨大児を産んでいれば、オッズ比15倍
これが最大のリスクファクターです。
以前に巨大児を産んでいる場合、次の赤ちゃんも巨大児である可能性はオッズ比はなんと15倍です。
巨大児では、異常分娩や赤ちゃんの合併症が増える
異常分娩には色々なものがあり、その中でも巨大児分娩で起こりやすいのは、以下のものです。
何度も書きますが、これらは、巨大児でなくても、低体重児でも、普通サイズの赤ちゃんでも起こります。
肩甲難産
肩甲難産とは
巨大児では難産になりやすいのですが、その中で、医師側からみて難易度が高く、母子にとっても危険なため、重要視されるのは肩甲難産です。難しくて危険なのに頻度が低いため、熟練するほど遭遇できないのも肩甲難産をやっかいなものにしています。
肩甲難産は児頭娩出後(赤ちゃんの頭が出た後)に、前在肩甲が恥骨結合につかえ、肩が娩出できなくなることです。つまり、頭は出てきたのに、肩がつっかえて出てこれない状態です。
肩甲難産の合併症
肩甲難産の合併症で多いのは、お母さんの産道裂傷や会陰裂傷、弛緩出血です。また、赤ちゃんでは分娩が遅延するために、新生児仮死の状態になることがあります。生まれてくる途中で神経が傷ついて腕に麻痺が生じたり(腕神経叢損傷)、骨折などの危険性もあります。
肩甲難産と帝王切開
肩甲難産よりは帝王切開の方が安全度が高いため、巨大児と胎児診断された場合には初めから帝王切開するという考えもありますが、そもそも肩甲難産の頻度は低く(全分娩の0.6%に発生)、巨大児であってもその頻度は1.6%です。しかも、低体重児であっても肩甲難産は起こります。
このため、巨大児だからという理由で帝王切開するのは現実的でないと考える医師が多いようです。
肩甲難産と糖代謝異常合併妊娠
糖代謝異常合併妊娠(妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠)では、胎児の肩に筋肉や脂肪が蓄積されるために、巨大児ではなくても、肩甲難産になりやすいことが知られています。
続発性微弱陣痛
最初は普通に陣痛が始まったのに、途中から陣痛が微弱になるものを続発性微弱陣痛といいます。
即発性微弱陣痛の原因の多くは、全身または子宮筋の疲労ですが、巨大児も原因になります。
過強陣痛
過度に子宮収縮が起こるものを過強陣痛といいます。過強陣痛では、子宮胎盤循環障害や臍帯圧迫により、胎児が低酸素状態(新生児仮死)に陥りやすくなるため、帝王切開になることも多いです。
過強陣痛は、子宮収縮剤の過剰投与(投与のしすぎ)、または軟産道強靭などの産道の抵抗によるものが多いのですが、巨大児も原因になります。
回旋異常
お腹の赤ちゃんは、一番産道を通りやすい形(最小周囲径)になるように回旋しながら、産道を通って生まれます。この回旋が正常でない場合を回旋異常と呼び、回旋異常があると分娩の遷延や停止がおこります。分娩の遷延や停止が起こった場合には、鉗子/吸引分娩や帝王切開などの急速遂娩術を行います。
回旋異常の原因として多いのは、骨盤位(逆子)や斜位、王異などの胎位異常、辺縁前置胎盤、低置胎盤などですが、巨大児も原因になります。
骨産道損傷
恥骨結合、仙骨関節、尾骨など、産道を形作っている骨と関節が損傷をうけることを、骨産道損傷といいます。
分娩時、赤ちゃんが産道を通りやすいように、胎盤はレラキシン(relaxin)というホルモンをつくり、恥骨結合軟骨や仙腸関節を緩ませて骨産道が開くように働きますが、緩みの程度を超えた大きな赤ちゃんが産道を通ると、恥骨結合軟骨や仙腸関節が損傷し、恥骨結合離開や仙腸関節部痛などが起こります。
骨産道損傷は、巨大児で起こりやすいですが、狭骨盤(骨盤が狭い)も原因になります。
子宮破裂
分娩時に起こる子宮体部または子宮下部の裂傷を子宮破裂とよびます。子宮破裂では、赤ちゃんの死亡率は非常に高く、約80%にものぼります。
子宮破裂の原因には、陣痛誘発剤の乱用、過強陣痛、回旋異常などの他に、巨大児もあります。
頚管裂傷
子宮頚部の部分が切れて断裂することを子宮頚管裂傷とよびます。
子宮頚部は子宮体部と直接繋がっているので(子宮頚部も子宮の一部なので)、頚管裂傷が大きい場合は、頚管裂傷ではなくて、子宮裂傷と呼びます。子宮裂傷の場合は、子宮破裂に準じた緊急手術が必要になります。
頚管裂傷は、急速に分娩が進行したり、子宮頚管が全開大になる前に鉗子/吸引分娩を行ったり、巨大児でかつ頭も大きい場合などに起こります。
会陰裂傷
膣と肛門の間のことを会陰と呼びますが、この部分が裂けるのが会陰裂傷です。程度の差こそあれ、お産ではこの部分が無傷ということはあまりありません(逆にいうと多かれ少なかれ裂傷は起こります)。
重症の会陰裂傷の原因としては急速な分娩の進行、回旋異常、胎位異常、高齢初産婦、軟産道強靭などがありますが、巨大児も原因になります。
子宮内反症
子宮内膜がひっくり返って反転したものを、子宮内反症といいます。非常に稀な合併症ですが、起こった場合の母体の死亡率が高く、15%にもなります。
原因には胎盤剥離前の臍帯牽引や、癒着胎盤、強引な胎盤の子宮底圧出法などが多いですが、巨大児による子宮筋の弛緩が原因になることもあります。
弛緩出血
出産後、子宮筋が正常に収縮できないもの(後陣痛が正常に行われないもの)を子宮弛緩症と呼び、子宮弛緩症によって大出血をが起こるものを弛緩出血といいます。
弛緩出血の原因としては、遺伝、遷延分娩による疲労、子宮腔内の遺残(癒着胎盤や胎盤片)、多胎妊娠・羊水過多・巨大児などによる子宮の過度伸展、急速遂娩などがあり、巨大児は子宮の疲労や過度進展の原因になることがあるため、間接的に原因になります。
糖代謝異常合併妊娠での巨大児について
巨大児だからといってハイリスクというわけではありませんが、糖代謝異常合併妊娠のお母さんから生まれた巨大児は、ハイリスクです。
巨大児から内容が離れる箇所も一部ありますが、ここでは、糖代謝異常合併妊娠について解説します。
糖代謝異常合併妊娠での巨大児、どこが違うの?
妊娠糖尿病(妊娠性糖尿病)や糖尿病合併妊娠などをまとめて、糖代謝異常合併妊娠と呼びます。糖代謝異常合併妊娠では、お母さんの糖代謝異常をきちんと管理しないで妊娠生活を続けた場合、巨大児のリスクがあるだけではなく、低体重児のリスクもあります。糖代謝異常合併妊娠での赤ちゃんは、巨大児でも低体重児でも、血清生化学的な異常や奇形などをもつ可能性が高くなります。
そのため、糖代謝異常合併妊娠のお母さんから生まれた赤ちゃんのことを、糖尿病母体児と呼び、特別に注意を払います。お母さんがきちんと糖尿病などの治療を受け、血糖値の管理がうまくいっている場合、自然のお産と同じですが、糖尿病は症状がないことも多く、自己判断などによって治療を中止すると、母体と胎児の両方に大きな影響があります。
糖は胎盤を通過しますが、インスリンは胎盤を通過しません。したがって、糖代謝異常合併妊娠では、
- 母体高血糖
- 胎児高血糖
- 胎児インスリン分泌過剰
が起こります。
1. 母体高血糖
母体高血糖は母体に様々な悪影響を及ぼし、流産・早産・妊娠高血圧症候群などの原因になります。
また、母体高血糖で胎児・胎盤循環の血行障害や母体アシドーシスが生じると、子宮内胎児発育遅延・胎児機能不全・子宮内胎児死亡が起こります。
2. 胎児高血糖
母体が高血糖だと、胎児も高血糖になります。しかも、お母さんが作ったインスリンは胎盤を通過しません。
妊娠5~8週に胎児が高血糖にさらされると、心臓血管系や中枢神経系などでの先天奇形が増加します。また、胎児高血糖があると、胎児は多尿となり、羊水過多になります。
出産終了してお母さんが落ち着いた後でも、胎児高血糖のあった赤ちゃんでは、新生児期に呼吸窮迫症候群(呼吸不全や呼吸障害が起こります)・高ビリルビン血症・低カルシウム血症・多血症などが見られることがあります。
3. 胎児インスリン分泌過剰
胎児高血糖により、胎児の膵臓はインスリンを過剰に分泌し、インスリンを作る胎児膵臓のランゲルハンス細胞は過形成になります。
インスリンは、タンパク質・グリコーゲン・脂質の合成を促進し、これらは胎児の筋肉や脂肪の形で蓄積します。このことを称して、インスリンは胎児では、まるで成長ホルモンのように働くと表現することもあります(モノの例えであって、成長ホルモンとインスリンは全く別のものです)。そのため、胎児インスリン分泌過剰があると、胎児は巨大児になります。
また、過形成となっていたランゲルハンス細胞は、出産終了して母体からの糖がこなくなってからも、当面の間インスリンが過剰作るため、出生後は、新生児低血糖が起こります。
糖代謝異常合併妊娠での出産方法
妊娠糖尿病や糖尿病があっても、きちんと管理治療され、血糖値も問題がなければ、出産方法は普通の妊娠と同じで、通常は、自然分娩になります。
しかし、糖尿病の中には、I型糖尿病など、適切に治療していても、とても管理が難しいものがあります。また、比較的管理しやすい糖尿病タイプでも、お母さんが自己判断で血糖値のことを無視してしまうこともあります。
このような場合は、母体・胎児共に、分娩の負担に耐えられるだけの体づくりができていないことが多く、母子共に死亡リスクもあるため、巨大児でなくても誘発分娩や帝王切開などの出産方法になることも多いです。
なお、糖尿病母体児は、子供時代からの肥満・糖尿病・高血圧・高脂血症をきたすリスクが通常よりも高く、大人になってからもこれらの疾病に苦しむこともあります。これらの疾病には遺伝要因も関係しますが、母体の糖尿病管理によってリスク軽減できますので、ご自身のためにもお子さんのためにも、糖尿病管理は是非行ってください。
巨大児って予測できるの?
残念ですが、結論は、「巨大児の正確な診断は困難」「肩甲難産などの異常分娩を予測するのはもっと困難」です。
巨大児の予測は当たりにくい
巨大児になりやすいリスクファクターを挙げることはできるのですが、生まれてくる赤ちゃんが本当に巨大児か否かの診断はとても難しいです。
胎児体重の推定には、超音波検査が一般的です。しかし、胎児超音波検査で巨大児と診断されたうちの2〜8割は生まれてみると巨大児ではなく(偽陰性:false negative)、巨大児ではないと診断されたうちの2〜9割は生まれてみると巨大児です(偽陽性:false positive)。
例外的に、「以前巨大児を産んだことがある場合は次も巨大児だろう」という予想は、それなりに当たります。
肩甲難産の予測もほとんど不可能
巨大児は全体の0.9%しかいないのに、肩甲難産の約40%は巨大児が占めていますから、やはり巨大児が肩甲難産のリスクファクターであるのに間違いはないのです。
しかし、肩甲難産を予測するために、色々なリスクファクターを組み合わせても、予想的中率は2〜3%程度です。
じゃあ、巨大児っぽいって言われたらどうするの?
身も蓋もありませんが、「健康な妊婦」であることを目指して、丁度よく食べ、丁度よく動き、糖尿病などの糖代謝異常があればキチンと治療する以外の方法がありません。でも、それって、巨大児でなくても同じことなんですよね。
ただ、巨大児の場合は、「巨大児の正確な診断は無理」「肩甲難産などの異常分娩を予測するのはもっと無理」という条件の下で、医師から「分娩誘発するか、帝王切開にするか、待機して試験分娩にするか、どれがいいですか?」と尋ねられることがあり(もちろん、説明は受けますが)、他のケースより考えて決めなくてはならないことが増えます。
まとめ
「案ずるより産むが易し」も「一寸先は闇」も、産科の宿命だとよく言われます。
巨大児のケースもこれに当てはまり、巨大児は難産や赤ちゃんの合併症の原因となる可能性がありますが、巨大児でなくても難産も赤ちゃんの合併症も起こり得ます。でも、巨大児なのに、つるりと安産ということも、とても良くあるのです。
もちろん、できることなら安産でというのは、当たり前の気持ち。せめて、丁度よく食べ、丁度よく身体を動かし、病気があるのなら治療して、少しでもリスクファクターを減らすようにはしたいところです。
なお、出産予定日を超過したら、必ずしも巨大児になるというわけではありませんが、巨大児の確率が高くなるのも本当なので、その場合は自己判断せず、医師に相談してくださいね。
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