想像妊娠とは?症状や原因、対策や治療法を知ろう!犬も想像妊娠するの?

想像妊娠とは、実際に妊娠していないのに、妊娠したような症状が生じ、女性自身が妊娠したと思いこむ心身症の1種です。偽妊娠(ぎにんしん)、疑似妊娠ともいいます。女性の精神に身体が反応して、変化を起こしてしまうのです。

妊娠をあまりに強く望んでいたり、逆に妊娠することを恐れたり、妊娠に関係する強いストレスを抱えていると、想像妊娠が起こるといいます。

原理は違いますが、イヌやウサギなど哺乳動物にも想像妊娠は起こります。ビックリですね!想像妊娠の原因や症状、妊娠検査薬の反応、その治療法と対策についてお伝えしますね。

想像妊娠の原因と症状

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想像妊娠とは、実際に妊娠していないのに、妊娠初期症状が発生して、女性本人も妊娠したと思い込む心身障害(心身症)です。ヒトの心に体が反応して、肉体的な変化が起きてしまうのです。想像妊娠をした女性の中には、実際にお腹が大きくなることもあります。

2010年のアメリカ、2013年のブラジルで起こった事例ですが、出産予定日を過ぎても赤ちゃんが生まれないので、帝王切開を行ったところ、赤ちゃんは影も形もありませんでした。帝王切開するまで、想像妊娠だとわからなかったのですね。

日本では、妊婦さんのエコー検査は当り前ですが、多くの国や地域で、妊婦さんの超音波検査をしません。そのため、出産予定日超過まで、想像妊娠か本当の妊娠か、わからないことがあるようです。

[想像妊娠の原因]

ヒトの女性が想像妊娠をする原因は、妊娠に関係する強いストレスです。

「何としても妊娠したい」「妊娠しなくてはいけない」という妊娠に対する思い、「子供が欲しい」という願望が強すぎると、想像妊娠してしまうことがあります。

逆に、「絶対に妊娠したくない」と妊娠を強く拒否したり、恐れたりしていても、想像妊娠が起こります。

また、過去に流産や妊娠中絶を経験した女性は、妊娠に対する不安が極めて強くなり、想像妊娠してしまうことがあるようです。

妊娠に対する強すぎる願望や恐怖、不安が強いストレスとなり、脳が「妊娠している」と誤認して、卵胞ホルモン(エストロゲン)を多く分泌するようになります。そのために、妊娠初期症状が生じると考えられます。しかし、まだよくわからないことが多いようです。心とホルモンの関係は複雑すぎます。

女性ホルモン

女性ホルモンには、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)があります。

女性ホルモンのホルモンバランスが崩れると、生理周期が乱れたり、生理がなくなったりする生理不順が起こります。生理日が8日以上続く過多月経、卵胞が成熟しないうちに排卵されてしまう頻発月経なども、ホルモンバランスの乱れのせいです。

ホルモンバランスの乱れは、ホルモン治療でも整えられますが、ストレスの解消や日常生活・食習慣の改善が大事です。

(卵胞ホルモン=エストロゲン)

卵胞ホルモン(エストロゲン)は、女性らしい身体をつくり、妊娠準備を整える働きをします。卵巣内の卵胞を成熟させ、排卵・受精の準備をします。卵胞が受精すると、子宮内の環境を整えて、受精卵が着床しやすくします。

卵胞ホルモンの働きにより、女性は妊娠できると言えます。

(黄体ホルモン=プロゲステロン)

黄体ホルモン(プロゲステロン)は、妊娠を継続できるように身体の環境を整える働きをします。

受精卵が着床し、着床し続けられるように、基礎体温を上げたり、子宮内環境を整えたりします。出産後の育児に備えて、乳腺を発達させます。

[想像妊娠の症状]

想像妊娠すると、実際に妊娠した時と同じ妊娠の初期症状が生じます。さらに、お腹が大きくなり、本当の妊婦さんと同じような姿になることもあります。

出産予定日が近づくと、陣痛や出血が起こることもあります。そのため、予定日が過ぎても、「妊娠している」ことを疑わない人もいるほどです。

①月経閉止、または、月経の遅れ

妊娠すると、月経が閉止します。想像妊娠の場合も、月経(生理)が閉止したり、あるいは遅れたりします。遅れて生理が始まっても、経血量が少なく、妊娠中の不正出血や着床出血との見分け方が難しくなります。

生理は、女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)の働きで起こります。女性ホルモンは、脳下垂体や大脳視床下部から分泌される性腺刺激ホルモンによって制御されています。精神的な負荷、つまり強いストレスは性腺刺激ホルモンに作用して、女性ホルモンのホルモンバランスを崩し、無月経や月経不順(生理不順)などを引き起こします。

想像妊娠は、妊娠に対する強いストレスと関係していますから、脳下垂体や大脳視床下部が影響を受けて、生理が止まったり、遅れたりするのです。

②おりものの増加・微量の出血

妊娠に対する強いストレスによって、脳は「妊娠している」と誤認していますから、女性ホルモンの分泌にも異常が起こります。

ホルモンの影響で、子宮内膜が増加して、おりものが増えたり、微量の出血があったりします。

③つわり(悪阻)

脳が「妊娠している」と誤解するため、ホルモン分泌の異常が起こります。ホルモンの作用により、つわり(悪阻)が起きます。ムカムカする・吐き気がする・嘔吐などの症状が出ます。食欲が減退します。唾液の分泌量が多くなります。

眠気が強く、眠くてたまりません。頭重感・全身の倦怠感が生じます。においに敏感になったり、偏食になったり、変な物を食べたがったりします。

食欲不振になる女性が多いのですが、逆に何か食べていないと落ち着かないという女性もいます(たべづわり)。

④乳房の張り・乳輪の黒ずみ・母乳の分泌

ホルモンの作用により、乳房(胸)が張ります。乳首(乳輪)が黒ずみます。母乳(初乳)が出るようになります。

⑤腹部の膨張・胎動の感覚

妊婦さんと同じように、お腹が大きく張ってきます。お腹の中で胎児が動いているように感じることがあります。胎児の存在を物理的に感じるようになります。

これもホルモンの影響です。ホルモン作用により、皮下脂肪が増えたり、便秘が起きたりして、腹部が膨張したように見えます。腸の蠕動を胎動と誤認します。

⑥陣痛・出血

出産の予定日近くまで想像妊娠の状態が続くと、陣痛が起きたり、出血したりする人もいます。心は、肉体をここまで変化させることができるのです。

[想像妊娠の対策と治療]

妊娠の兆候があれば、たいていの女性は産婦人科を訪れて診察を受けます。

現在は、妊娠の検査も発達していますから、初期の段階で妊娠しているかどうか、わかります。

治療方法は妊娠検査

想像妊娠の初期治療の方法は、産婦人科の病院で妊娠検査を行うことです。

エコー検査・尿検査・心音計などの検査を、病院で行えば、想像妊娠であることが判明します。検査結果やエコーの画像などを産婦人科の医師に示されて、ほとんどの女性が、想像妊娠であることを納得し、妊娠の兆候が消えます。

特に、妊娠を拒否する気持ちが強くて想像妊娠した場合は、妊娠を否定されて安心し、正常な状態に戻ります。

検査結果を信じない女性もいる

しかし、中には、赤ちゃんの誕生を望む気持ちが強すぎて、病院の検査結果を信じない女性もいます。その場合、妊娠症状は消えません。

多くの女性が赤ちゃん誕生を待ち望み、「ベビ待ち」というサイトまであるほどですから、想像妊娠をする女性の気持ちも理解できます。

想像妊娠の状態が続くことは、ホルモン分泌異常が続き、精神的にも肉体的にも悪影響があります。出産予定日超過しても、赤ちゃんが生まれない不安や苛立ちは想像できないほどつらいものです。産婦人科の医師だけでなく、心療内科の医師や心理カウンセラーの助けを借りることも、治療法・対策方法の1つですね。

でも、想像妊娠の最も大事な対策方法は、人生のパートナーである男性と、よく話し合うことです。「子供が欲しい」という強い思いは、パートナーの男性も同じです。パートナーと話し合うことで、妊娠に対するストレスが軽減されます。

想像妊娠でも妊娠検査薬に反応する?

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「想像妊娠でも妊娠検査薬に陽性の反応(妊娠している反応)が出た」という経験者がいます。また、「想像妊娠でも基礎体温が高いままになる」という経験談もあります。

これは、想像妊娠とは別の婦人科系の病気である可能性があります。

[基礎体温]

妊娠する可能性のある女性は、基礎体温表をつけることが望ましいと言われます。基礎体温表をつけることで、自分の生理周期や排卵時期を知ることができます。赤ちゃんが欲しいならば、まず基礎体温表を作ることです。自分の基礎体温の変化の状態を把握することが、妊活の第一歩です。

避妊する女性も、基礎体温グラフをチェックして、妊娠しやすい時期を知ることで対処しやすくなります。

基礎体温は、いつ計る?

基礎体温とは、朝、目覚めた直後、安静な状態にある時の体温です。目が覚めたら、身体を動かさずにじっとして、寝たまま検温します。

基礎体温の変化

基礎体温には、低温期と高温期があります。排卵日を境にして、排卵日前の月経期と卵胞期は低体温、排卵後の黄体期は高体温になるのが、理想的な状態です。

排卵が起きると、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増加し、脳の体温調節に作用して体温が高くなります。妊娠すると、基礎体温は上昇したままになりますが、妊娠していなければ、やがて体温は下がり、低温期に入ります。高温期は排卵日から14~16日間です。

低温期は、生理が終わってから排卵日までの間です。生理周期は25~38日と、個人差がありますから、低温期も生理周期によって11~24日と、人によって異なります。

排卵は、低体温期の中でも最も体温が低い日から数日内に起きます。

基礎体温の異常

基礎体温が、きれいに低温期と高温期の二層にならない場合は、ホルモンのバランスに異常が起きていたり、婦人科系疾患があったりします。

(黄体機能不全)

基礎体温の高温期は通常14日程度ですが、10日以下であれば、「黄体機能不全」という病気の可能性があります。

黄体ホルモンの分泌量が減少し、生理不順になり、妊娠準備を整えられなくなります。子宮内膜を厚くして、維持することができなくなります。そのため、受精卵が着床しにくくなります。着床しても、子宮内膜が剥がれ落ちるので、妊娠を継続できません。

(黄体依存症)

妊娠していないのに、高温期が16日以上続く場合は、「黄体依存症」「ハルバン症候群」という病気です。ホルモンバランスが崩れて、黄体ホルモンが過剰分泌してしまうのです。

黄体ホルモンの過剰分泌のため、生理前症候群に似た症状が生じます。胸の張り・乳房痛・下腹部の膨満感・下腹部痛・頭重感・倦怠感・イライラ・情緒不安定が起きます。

高温期には生理が起きませんから、黄体依存症は、不妊の原因になります。

(低温期が長い、または、高温期がない)

低温期が11~24日以上長く続いて、生理開始になる場合は、「遅延性排卵」の可能性があります。低温期が続いて高温期がないまま生理開始になった場合は、「無排卵月経」の可能性があります。どちらも、不妊の原因になります。

(高温期の出血)

高温期に生理が起きることは、ありません。高温期に生理のような出血があるのは、「不正出血」といいます。

妊娠すると、「着床出血」が起きることがあります。受精卵が子宮内膜に着床することで、出血するのです。通常の生理よりも、出血の量も日数も少ないのが普通です。妊娠しても、着床出血が必ず起きるというわけではありません。

不正出血は、婦人科系疾患が原因で起きることが多いようです。子宮内膜症・子宮筋腫・子宮頸癌・子宮体癌・卵巣腫瘍、クラミジアなどの感染症により、高温期にも生理のような出血が起きることがあります。

不正出血があったら、すぐに産婦人科を受診することをオススメします。

[想像妊娠でも高温期が続く?]

通常、排卵すると、黄体ホルモンの分泌量が増加して体温が上昇します。妊娠すれば、体温は上昇したままになります。

想像妊娠の場合は、排卵日から14~16日程度で高温期が終わり、基礎体温は下がります。実際に妊娠していないので、妊娠を継続できるように子宮の環境や体の状態を整える必要がないのです。

でも、想像妊娠なのに、高温期が続く場合があります。前述したように「黄体依存症(ハルバン症候群)」のためです。想像妊娠は強いストレスによるものですから、ストレスによりホルモンバランスが崩れて、黄体ホルモンが過剰分泌になることもあるのでしょう。

[想像妊娠でも妊娠検査薬は陽性反応になる?]

妊娠検査薬は、尿中に排出されるヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(ヒト絨毛性ゴナドトロピンホルモン=hCGホルモン)を調べます。尿中にhCGホルモンが排出されていれば、陽性反応が出ます。

想像妊娠で、妊娠検査薬の陽性反応が出ることはありません。

hCGホルモン(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)

hCGホルモンは、胎盤となる絨毛組織から分泌されるホルモンです。卵子が受精して、子宮内膜に着床する頃から、盛んに分泌されるようになります。

想像妊娠では、受精卵が着床しないので、hCGホルモンは分泌されません。ですから、想像妊娠では、基本的に、妊娠検査薬は陰性反応しかしないのです。

妊娠検査薬の使用時期

通常の妊娠検査薬は、推定排卵日の14~16日後から、hCGホルモンの陽性反応が出るようになっています。あるいは、生理開始予定日の7日後くらいから、ほぼ確実な反応が出ます。

生理予定日を過ぎても生理がない場合は、生理開始予定日の1週間後、あるいは、排卵日と推定される日から21日過ぎた頃に検査すると、妊娠しているかどうか、わかります。

化学流産

妊娠検査薬で陽性反応が出たので、産婦人科を受診したら、「妊娠していません」と言われることがあります。

そのため、「想像妊娠でも、妊娠検査の陽性反応が出る」と思いこむ人もいますが、想像妊娠で陽性反応が出たのではありません。

自分で検査した時に陽性反応が出たのは、受精卵が着床したためです。でも、1度は着床した受精卵が維持しきれず、妊娠に至らないことがあります。受精卵が流れてしまうので、「化学流産」といいます。

妊娠検査薬で陽性反応があったのに、病院で検査すると妊娠していないとわかるのは、化学流産が起きたためです。

[予定通り生理が始まらない時は?]

生理が、いつも予定通りきちんと始まり、きちんと終わる女性は、むしろ珍しいかもしれません。女性の生理を司る女性ホルモン、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)は、大脳視床下部や脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンの影響を受けます。ストレスや心労、過労などによって、ホルモンバランスが崩れることは、よくあります。

ホルモンバランスが崩れると、生理予定が狂って不順になります。また、婦人科系疾患によっても、生理不順が起きます。

生理開始日になっても、予定通り生理開始がなければ、性交渉のある女性は、まず妊娠の可能性があります。「子供が欲しい」という思いが強いと、想像妊娠ということもあります。それだけではなく、ホルモンの分泌異常や婦人科疾患が起きていることもあります。

生理開始予定日が過ぎても、生理開始がなければ、産婦人科を受診することをオススメします。特に、子供が欲しくて妊活している女性は、ホルモンの分泌異常・ホルモンバランスの乱れ・婦人科系疾患が不妊の原因になるので、産婦人科の医師に相談するといいですよ。

犬の想像妊娠(偽妊娠・疑似妊娠)

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犬など哺乳動物は、想像妊娠することがあります。想像妊娠するメカニズムはヒトと異なりますが、妊娠してもいないのに、妊娠の症状が生じるのは同じです。

特にペットの犬は想像妊娠することが珍しくありません。犬の場合は、「偽妊娠」「疑似妊娠」といいます。

[犬の偽妊娠のメカニズム]

犬の偽妊娠(想像妊娠)は、ヒトの女性のような心理的原因ではなく、発情期におけるホルモン変化によって起こります。

犬が発情期に入って排卵すると、妊娠維持のために、卵巣から黄体ホルモンが分泌されます。そのため、犬の身体や行動に変化が起きます。しかし、発情期に交尾しなかったり、交尾しても妊娠しなかったりすると、排卵後しばらくして、発情後期に入ると、黄体ホルモンの分泌が終わります。

しかし、ホルモン分泌に個体差があるのは、人間も犬も同じです。黄体ホルモンの分泌が活発すぎると、妊娠していなくても分泌し続ける傾向があります。発情後期に入っても、黄体ホルモンの分泌が続くのです。このような黄体ホルモンを主体とするホルモンの影響で、疑似妊娠症状が起きます。

[犬の偽妊娠の症状]

ほとんどの犬が、排卵後に疑似妊娠状態になります。1種の生理現象ですね。短期間なので、飼い主が気づかないこともあります。乳腺が腫大したり、乳房を圧迫すると乳汁が出たりします。

しかし、長期に渡って妊娠状態が続くのは、ホルモン分泌過剰という病的様態と言えます。乳腺腫大や乳汁分泌に加え、腹部膨満などの身体状態が妊娠と同じようになります。また、玩具を子犬代わりにして執着したり、新聞紙などで巣作りしたり、やたらに攻撃的になったりします。

[犬の偽妊娠から起きる病気]

犬が発情期の度に、偽妊娠を繰り返すと、ホルモン変化の影響により、卵巣・子宮・乳腺に疾患を生じるリスクが高くなります。また、偽妊娠の繰り返しは、犬の身体にも精神にも負担が大きくかかります。

偽妊娠によって起きやすくなる病気に、子宮蓄膿症と乳腺炎、乳腺腫瘍があります。

子宮蓄膿症

発情期の排卵後、黄体ホルモンが分泌される黄体期に入ると、犬は免疫力が低下します。細菌が子宮に侵入して増殖します。炎症を起こして、子宮内に膿が溜まる病気が「子宮蓄膿症」です。黄体ホルモンの過剰分泌など卵巣のホルモンバランスが乱れていると、子宮蓄膿症が発症しやすくなります。

原因菌は、大腸菌・ブドウ球菌・サルモネラ菌などです。

(子宮蓄膿症の症状)

初めは無症状です。進行すると、元気がなくなり、食欲が減退します。吐くこともあります。陰部から膿が出る犬もあります。膿が出ない方が重篤です。膿が多量に溜まると、腹部がふくれます。多飲多尿が見られます。

子宮が破れて膿が流出すると、腹膜炎を起こして、短時間で死亡します。

(子宮蓄膿症の治療方法)

開腹手術をして、膿の溜まった子宮と卵巣を摘出し、腹腔内を抗生物質で洗浄します。早期に発見して手術すれば、たいてい回復します。

乳腺炎

乳房から母乳が出るようになると、犬は気にしてなめます。細菌が乳腺に侵入して感染し、炎症を引き起こします。

治療法は、抗生物質の投与です。

乳房をなめないように、エリザベスカラーを着けたり、洋服を着せたりして、乳腺炎を予防します。

乳腺腫瘍

犬は体のあちこちに腫瘍や癌ができます。ホルモンバランスの乱れから、乳腺腫瘍、つまり乳癌ができやすくなります。悪化すれば、死に至ります。

治療法は摘出手術や抗癌剤投与ですが、人間と違って、なぜ苦しい痛い思いをしなければならないのか、犬には理解できません。

[犬の偽妊娠の対策]

偽妊娠状態が続く時は、獣医師に相談することをオススメします。

疑似妊娠を繰り返すことは、犬にとって良いことではありません。身体的にも精神的にもリスクが大きすぎます。疑似妊娠の繰り返しが、命にかかわる重篤な病気を引き起こすこともあります。

犬の偽妊娠の対策は、避妊手術(不妊手術)です。卵巣を摘出してしまえば、偽妊娠は起きなくなります。卵巣と子宮を全摘出してしまえば、子宮蓄膿症の心配もありません。

犬がかわいそうな気もしますが、長生きしてもらうためには仕方がないかもしれません。ペットは家族の一員ですから、1日でも長く一緒にいたいと思います。飼い主のわがままかもしれませんが、犬を失った心の空洞は、なかなか埋められるものではありません。

避妊手術をしないのであれば、発情期には、お尻や腹を刺激しないようにし、常に犬の状態を注意深く観察します。少しでも様子がおかしければ、すぐに獣医師に連れて行ってください。

まとめ

想像妊娠は、実際には妊娠していないのに、妊娠と同じ症状が起きる心身症の1種です。心の問題が、肉体的な変化を引き起こしてしまうのです。

想像妊娠は、「子供が欲しい」「何としても妊娠したい」という強い思いや、「絶対に妊娠したくない」という妊娠への恐れ、流産を経験したために生じる妊娠への不安感など、妊娠に対するストレスが原因で起こります。

特に「赤ちゃんを産みたい」「赤ちゃんが欲しい」という強い「ベビ待ち」の気持ちが、大きなストレスとなります。

妊娠に対する強いストレスが長く続くと、大脳が「妊娠している」と誤認して、卵胞ホルモンを多量に分泌するために、想像妊娠が起きるようですが、まだよくわからないことが多いようです。

想像妊娠すると、つわりや眠気、倦怠感、頭重感、胸の張り、母乳の分泌など、妊娠初期と同じ症状が起きます。お腹が大きくなって、胎児の動きを感じる人もいます。出産予定日が近づくと、陣痛や出血をする人もいます。

でも、想像妊娠ですから、妊娠検査薬が陽性反応になることはありません。産婦人科で検査すれば、妊娠していないことが、はっきりわかります。検査で妊娠が否定されれば、たいていの場合、妊娠兆候は減退します。

しかし、妊娠願望が強すぎると、病院の検査結果を信じないので、妊娠症状が続きます。

想像妊娠の治療方法は、第一が産婦人科の検査で妊娠を否定することですが、妊娠願望が強すぎる女性、妊娠に対するストレスが強すぎる女性には、心療内科や心理カウンセラーの助けが必要です。何よりも、パートナーである男性の、女性への理解と思いやりが大事です。

想像妊娠している女性は、パートナーの男性とよく話し合い、妊娠に対するストレスを軽減するようにしてくださいね。

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