唇の両端が切れてしまい、裂けて血がでてくる炎症を「口角炎」といいます。
冬場に経験したことのある人も多いのではないでしょうか。口角炎になると、口を大きく開けれないし、見た目にも美しいとは言えませんよね。
さらに一度口角炎になると、ついつい口を開けたりしてしまうことで傷口が開いて、なかなか治らないことがよくあります。
今回は、口角炎についての記事を書いています。口角炎に悩まされている人や、早く治したいとお考えの人はぜひ読んでみてください!
口角炎とは
まずは、口角炎がどういった炎症なのかを知っておきましょう。
・症状
まず、唇の両脇が赤くなります。そこに、亀裂が入ったりひび割れが発生したりし、痛みを感じます。口を大きく開けた時に傷口が広がる場合が多く、傷口が大きくなると出血する場合があります。
・ヘルペスとの違いについて
よく勘違いをしている人が多いのですが、口角炎とヘルペスは同じではありません。
症状が似ている部分もあるのですが、ヘルペスの方が治療に時間がかかります。さらに、大きな違いとして、口角炎は唇の両端に限定されていますが、ヘルペスは唇に限らず様々な場所に症状が現れます。
さらにヘルペスはウイルスによるものなので、他人にうつしてしまう可能性がありますが、口角炎は他人にうつす心配はありません。
口元のトラブルに関する記事としてこちらの記事も合わせて御覧ください。
・口唇炎とは?種類・症状・原因・治療法を紹介!予防するにはどうすればいい?
•口角炎になる原因
口角炎とは、カンジタという菌が唇の皮膚を刺激することで発生する炎症です。人間の体内に元々滞在している菌なのですが、いったいどういったことが原因で、口角炎が発症してしむのかを知っておきましょう。
①免疫力の低下
ストレスを感じたり、疲労が蓄積して免疫力が低下しているときは口角炎になりやすいようです。
通常の状態であれば、皮膚にカンジタ菌が付着しても口角炎になることはありません。しかし免疫力が低下してしまうことで、皮膚が負けてしまい菌に侵されてしまうことで口角炎になってしまうのです。
主にストレス・疲労・生活リズムの乱れ・その他の病気を患っている時などは免疫力が低下しているので、注意しましょう。
②ビタミン不足
偏った食事を続けてしまい、体内からビタミンが不足してしまうと口角炎になりやすくなるので注意しましょう。
ビタミンには、皮膚の状態を健康に保つ効果があるので、これらが不足することで、皮膚がカンジダ菌に抵抗できなくなるために口角炎になってしまいます。特にビタミンB2・B6が不足すると発症しやすくなります。
これらのビタミン不足になってしまう事を防ぐために、普段の日常生活からバランスよく食事からビタミンを摂取することで口角炎の予防にもなります。偏った食事は避けましょう。
③胃が弱っている
口角炎になる原因のひとつに、胃の調子が弱っているというのがあります。
食べ物を消化するときの一番最初の消化器官というのは口ですよね?その後、喉を通って胃へと運ばれますが、その時に胃の状態が健康でないと口角炎になりやすいというデータがあるのです。胃も口も消化器官という部分に着目すると同じ器官です。
胃というのは体全体の健康を現す部分だと言われます。胃が痛い時というのは、何かしら体に異常がある場合が多いのです。
そのため、胃が弱っているときは口角炎になりやすいので、注意しましょう。
④唾液が出やすい体質
人よりも唾液の分泌量が多く、口角の部分に唾液が付着しやすい体質の人は、口角炎になりやすいといえます。
唾液が付着することで、皮膚が柔らかくなってふやけやすくなります。そうなると、その部分の皮膚が弱くなってしまうので、カンジダ菌に侵食されやすくなってしまうのです。
また、唾液を拭いたりすることで皮膚を刺激してしまい、少しづつかぶれやすい状態になることも原因だと考えられます。
⑤乾燥している
冬場やクーラーが効きすぎた部屋にいることで、口周りの皮膚が乾燥してしまうことは口角炎になる原因の一つと言えます。
乾燥することで、皮膚が健康な状態を維持できなくなり亀裂が入りやすくなります。手のひび割れと同じような感じです。そうして、亀裂が入ったところからカンジダ菌が侵入してしまうことで、口角炎が発生してしまうのです。
特に口周りというのは、水を飲んだり顔を洗ったりと乾燥しやすい環境なので、注意しましょう。
また、唾液は水分を保持している時は皮膚を柔らかくする効果がありますが、乾いてしまった場合は皮膚をつっぱらせてしまう効果もあります。必要以上に唇を舐めるなどの行為は更に唇の皮膚を弱くしてしまう事があります。唾液には若干の消化作用もありますので、唇が荒れやすくなります。乾燥を防ぐためにはリップやワセリンなどの保湿剤を使用することがおすすめです。
⑥リップや化粧品に含まれる成分
口付近の皮膚に使用する口紅や化粧品などの商品やリップなどのものには保湿の成分以外のものも含まれています。香りを出すための香料や着色料などの成分には肌に刺激があるものが含まれています。
肌の強い人は基本的にはこれらの成分で肌が荒れてしまう事は無いですが、敏感肌やアレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの症状を持っている皮膚の弱い人はこれらの成分が影響して肌が荒れてしまうことがあります。
この荒れや乾燥や傷などが原因で口角炎になりやすくなります。特定の化粧品などを使用していて唇が荒れてしまうことがある人はそれらの商品の使用を中止し、保湿などを行う場合はワセリンなどの商品を使用するようにしましょう。
•口角炎の改善方法
もし口角炎になってしまったときは、どのようにすれば改善(治療)できるのかを知っておきましょう。
①食事により改善する
口角炎は、口の皮膚が弱っていることで発生しています。なので、改善するときも皮膚の状態を良くする必要があります。皮膚を健康な状態にし、口角炎を治しやすくするものを食べましょう。
口角炎になった時に摂取したい成分は、皮膚の状態を改善し、細菌予防効果に優れているビタミンB群の「ビタミンB2」「ビタミンB6」傷の治りを助けてくれる「鉄分」の3つの成分です。
・ビタミンB2 レバー・いかなご・納豆・うにetc
・ビタミンB6 ニンニク・まぐろ・鮭・いわしetc
・鉄分 あさり・あおのり・パセリ・しじみetc
以上になります。これらを偏ることなくバランスよく食べましょう!
また、なかなか日常に取り入れることができないという人は、サプリメントやビタミン剤などでバランスよくビタミンなどの栄養を補給するのもおすすめです。
栄養不足になってしまうと肌の免疫力が低下してしまい、乾燥や菌に対する抗力が下がってしまいカンジダ菌が繁殖してしまいやすい環境になってしまいますので栄養をしっかりバランスよく摂取していきましょう。
②唇を清潔な状態に保つ
口角炎になった際は、なるべく唇を清潔に保つようにしましょう。唇の状態が悪いと、カンジダ菌にやられ続けてしまい、なかなか口角炎が治らな状態になってしまいます。
まずは、保湿をしっかりすることです。乾燥していると、治りかけでも唇が切れてしまうで、菌の侵入を許してしまうのです。癖で唇を舐めてしまう人は、乾燥する原因になるので我慢するように心がけてください!
てっとり早く治したいという方は、リップもしくはワセリンを使用しましょう!ワセリンには、保湿効果と菌の侵入を防ぐバリア効果が期待できるので、口角炎を治すにはもってこいなのです。リップには香料などが含まれているので人によってはこれらの成分で肌が荒れてしまう事もあります。その場合でもワセリンなら無駄な成分は含まれていないので保湿効果のみをしっかり得ることが出来ます。
サンホワイトなどの製品のほうが不純物が少ないのでより純度の高い製品を使用するようにしましょう。
唇を清潔な状態に保つ方法を紹介します!
1、まずは、幹部を石鹸や消毒効果のあるもので、殺菌して汚れなどを落とすために洗い流します。
2、洗い流した後は、水分が残らないようにティッシュなどを使って余分な拭き取ります。
3、幹部にワセリンもしくはサンホワイトなどの保湿剤を薄く塗ります。
生活で付着した菌をしっかり殺菌してから、患部をバリアするという方法ですね。寝ている間にも菌が付着するのを防いでくれます!
また、カンジダ菌は口の中から侵入することもあるので、歯磨きやうがい等を行って、口内を清潔な状態に保つことも必要です!
③睡眠をしっかりとる
傷や病気から回復する時は、しっかり睡眠をとって体を休めて、免疫力を高める必要があります。そのためには、質の高い睡眠をとることが一番です。
ストレスや疲れが溜まっていると、なかなか口角炎も治りません。寝ることで、人は体の対抗力をつけて、菌に負けない体を作り体を正常な状態に保てるようになります。
質の高い睡眠をとるために、しっかり入浴することも意識しましょう。疲れやストレスの発散も行うことができて、リラックス効果もあります。自己回復力を高めて、肌の免疫力を高めていきましょう。特に肌の修復をおこなうための成長ホルモンは睡眠中に副交感神経がしっかり働いている時に分泌されます。
このホルモンを正常に働かせることが肌のダメージ修復には重要なので、しっかり睡眠を取っていきましょう。この成長ホルモンが特に分泌されるのは夜22時〜深夜2時までの間に就寝している時間帯になります。
この時間帯はゴールデンタイムとも言われていて非常に効果の高い睡眠を摂ることが出来ます。出来れば、この時間帯にしっかり睡眠が取れているようにしましょう。
質の高い睡眠をとるための方法はこちらの記事に詳しく書いてあるので、是非読んでみてください!
④病院へ行く
口角炎を早急に治したい人や、なかなか完治しない人は病院へ行きましょう。
病院へ行くことで、口角炎に適切な抗真菌薬や炎症を抑えるための抗生物質やビタミン剤などを処方してもらえるほか、適切な対処法などを教えてもらえるので、結果的に治すのを早くすることができます。
また、なかなか治らない場合は、ヘルペスなどにより唇が切れているという場合もあります。その場合は、治療方法が変わってくるので、なるべく早く病院へ行った方が良いでしょう。
⑤市販薬を使用する
薬局などに売られている市販薬を使用する方法です。薬には錠剤タイプの内服薬と外から患部に直接塗るタイプの軟膏タイプの商品があります。
症状に合わせて、どちらかもしくは両方の商品を使用し治療を行っていきましょう。軟膏タイプの商品には殺菌作用のあるもの、抗菌作用のあるもの、抗炎症作用のあるもの、肌の修復作用のあるものなどがあります。
しかし、自分の口角炎の明確な原因が黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などが原因のものなのかカンジダ菌などの真菌が原因のものが原因なので更に効果の高いものは変わってきます。より正しい薬を選択する為には病院で検査する必要があるでしょう。
また1週間市販薬を使用しても完治しないもしくは回復傾向が見られない場合は病院でしっかり治療を受けるようにしましょう。
口角炎になった時の注意点
口角炎が治りかけの時に、唇にかさぶたが出来ることがあります。
このかさぶたは、なるべく剥がさないようにしましょう。かさぶたを剥がしてしまうと、再び出血して皮の状態が悪くなってしまいます。そうなることで、菌が侵入してしまい口角炎が発生するという繰り返しが起きてしまうのです。
剥がしたくなる気持ちはわかりますが、早く治すためには我慢してください。
口角炎がある状態での性行為
口角炎はカンジダ菌が原因の症状ですが、この菌が性交渉のときに口から口へ、口から性器へ感染してしまうことがあります。お互いの免疫力や陰部や口の皮膚の状態が健康であれば感染しても症状が現れることはありませんが、稀に感染してしまう事があります。
膣カンジダ症や性器カンジダ症などの性病などの病気に繋がってしまう可能性があります。口角炎がひどい場合がオーラルセックスなどはなるべく避けたり行為後にしっかりシャワーや歯磨きなどを行って、洗浄を行うようにしましょう。
また同じ理由で関節キスなどでも感染してしまう事があります。飲料の回し飲みなどの行為も避けるようにしましょう。
口角炎は何科に行く?
口内炎などの口の中の治療の場合は歯医者でも診察や治療や薬の処方も可能ですが、口角炎などの唇の症状の場合は歯医者でも可能な場合もありますが、基本的には口腔外科や皮膚科もしくは内科になります。
病院のホームページを見て口角炎などの症状の診断が可能なのか調べてみたり、専門分野の欄に口角炎などの症状の記載が無いか確認してみましょう。
病院に行った場合に処方される基本的な治療薬は、保湿剤、抗真菌薬、抗生物質、ビタミン剤などになります。
1ヶ月以上口角炎の症状が治らない場合は内臓系の胃や腸、肝臓などに何かしらの疾患がある可能性もあります。普段以上に口角炎が頻繁に発生する場合や長期間症状が完治しない場合は病院で検査を含めて治療を行ってもらうほうが良いでしょう。
考えられる危険な病気には糖尿病やHIV(エイズ)などへの感染が危惧されます。これらの病気への発症によって著しく免疫力が低下してしまうことが病気の原因になります。
更に重複して体重の変化や体調不良や尿の量が増えるや尿の臭いがきつくなるなどの症状が併発している場合より注意が必要です。精密な検査を行ってみましょう。
口腔カンジダ症に発展してしまうかも
唇の症状が現れている場合が口の中の免疫力も低下してしまっている可能性もあります。口の中にもカンジダ菌が存在しています。常在菌なので基本的には悪さを起こる事はないのですが口腔常在菌のバランスが崩れてくるとこの病気に発展してしまう危険もあります。基本的にカンジダ菌による感染症は健康な人はかからない日和見感染症になります。
口の粘膜が赤く腫れ上がってしまったり、舌に苔の様な物が生えてしまったりして、痛みが発生したり味覚障害が引き起こります。
一度罹るとなかなか治らないことや、非常に強い痛みが発生してしまうこともありますので症状を発症しないように口の中の環境の改善と、免疫力を高めるために食事などをしっかり行うようにしましょう。
唇が切れている時に痛みが発生するので食事が億劫になりますが、食事をしっかり取らないと更に症状が進行したり治りづらくなるので注意しましょう。
まとめ
口角炎になる原因
- 免疫力が低下している
- ビタミンが不足して、皮膚が健康な状態ではない
- 胃が弱っている
- 唾液により、口角が弱くなっている
- 乾燥している
口角炎の改善方法
- 皮膚の状態を良くするものを食べる
- 唇を清潔な状態に保つ
- 睡眠をとって免疫力をつける
- 病院へ行く
以上が今回の記事のまとめです。
口角炎になっても、意外とほったらかしという人も多いのではないでしょうか?放置すると菌の侵入が進行してしまうので、症状が悪化するうえ、治るのにも時間がかかります。しっかりと対策をとって早めに治すようにしましょう!
また、毎日の食生活や生活リズムを正すことで予防することができます。口角炎にならないように、規則正しい生活を心がけましょう。
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