ある日、鏡を見てみたら唇が黒くなっていて驚いた!という方はいませんか?よくある、プールなどで唇が紫色に変色してしまうアレとも違う・・・この黒ずみは一体なんなのでしょうか。
実は、唇の色は体の健康に深く関わっているのです。唇の色が変わってきたら、それは体から発信された、SOSのサインかもしれません。危険なサインを見落とさないためにも、唇の色と健康の関りについて知っておくことは非常に大切です。
なぜ唇の色が黒くなるのか
ナチュラルメイクをしたいのに、ヌーディ―カラーが似合わない、という方はいませんか?淡いピンクやベージュなど、色の薄い口紅を塗ると、どうも自分の唇となじまず浮いてしまう、とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
実は、淡い色の口紅がなじまないのは、唇がくすんでいるせいなのです。ではなぜ、唇の色がくすんでしまうのでしょうか?
日焼けによるもの
唇が日焼けするなんて、あまり聞いたことがないかもしれませんが、唇も強い紫外線を受ければ日焼けしてしまうのです。特に、唇には皮脂を分泌させる分泌腺というものが存在しないため、外からの刺激に非常に弱いのです。
唇が日焼けしても、肌のように黒くなるわけではありません。その代わり、唇全体が乾燥してひび割れたり、腫れたり、場合によって出血してしまったりすることがあります。日焼けによる炎症が収まる頃には、唇にシミが残ってしまうこともあるんですね。
予防するには
リップクリームを塗る
顔や首、腕などに日焼け止めを塗るように、唇もしっかりとUVケアをしてあげることが大切です。オススメなのは、UVカット効果の高いリップクリームを塗ることです。顔用の日焼け止めでも代用できますが、やはり唇に塗るのは抵抗があるという方、唇が荒れてしまう方にはリップクリームがよいでしょう。
泥パックをする
すでに日焼けをしてしまったという方には、泥パックでのケアがオススメです。即効性はありませんが、続けることで効果が徐々に現れます。保湿効果により唇の状態がよくなり、シミも徐々に薄くなってゆくでしょう。
レーザーによる治療
日焼け対策を今からしても、すでにできてしまったシミを消すことはできません。どうしても気になるという方は、レーザーでシミを消してしまう方法もあります。一度につき数千から数万円の費用がかかりますが、ほかの治療法に比べて効果は高いです。
レーザーと聞くと痛みがあるのではないかと不安になる方もいらっしゃると思いますが、唇はほかの肌に比べて新陳代謝がよく、アフターケアなしでもすぐに回復するので心配はいりません。レーザーを当てた直後は色が抜けて白くなりますが、すぐに元の色に戻ります。手っ取り早くシミを取ってしまいたい方は、選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか?
ただし、レーザー治療は色の濃い部分に反応しますから、白っぽいシミには効果がありません。治療を受けられる場合には、そのあたりも念頭に置いて検討されるとよいでしょう。
血行不良
唇は粘膜でできているためとても薄く、そのために血液の状態が如実に表われます。唇が黒ずんでいるということは、それだけ血行が悪い証拠でもあるのです。血行不良を放っておくと心筋梗塞や脳梗塞、脳卒中などの深刻な病気を引き起こし兼ねません。体からのサインを見逃さず、早めに対処することが大切ですよ。血流がよくなれば、自然と唇の色も自然な健康食に戻ります。
血行不良の原因
油の摂りすぎや喫煙などにより血液がドロドロになると、血の色は鮮やかなものから黒っぽいものへ変化します。ですので、唇が黒い場合には、生活習慣を振り返ることから始めましょう。何か体に負担のかかるようなことをしていないか、じっくり考えてみましょうね。
食習慣
甘いものや油っこいものを摂りすぎると、血中の中性脂肪やコレステロールが増え、血液がドロドロになる原因になります。中性脂肪が多いと肝臓での処理が上手く行われず、「レムナント」という燃えカスのようなものが血中に残り、血小板が固まりやすくなったり、白血球が血管壁にくっついてしまったりと、血管の詰まりにつながる要因になるのです。糖分の摂りすぎは血糖値も上げ、病気の原因になりますから、偏りのない、バランスのよい食事を心がけましょう。
喫煙や飲酒
タバコを吸うことで血管が収縮し、血液の流れが悪くなります。また、悪玉コレステロールが増えることで血管の弾力性が失われることにもつながります。さらに、飲酒によって脱水症状になると、血中の水分量が減り、血液がドロドロになるのです。
ストレス
人は、ストレスを受けると脈が速くなって血圧が上がります。それにより、コレステロールが高くなり、血流の悪化につながるのです。また、ストレスを受けると無意識の内に汗をかくため、ストレスの多い生活を続けると、発汗量が多くなり、結果として水分不足による血液ドロドロ状態になってしまうのです。
運動不足
運動により新陳代謝が促され、血中の中性脂肪やコレステロールが燃焼されます。運動不足が続くと、体の中に中性脂肪やコレステロールが溜まり、血液の流れが滞ってしまうのです。
唇のくすみ
普段なにげなく行っていることが、唇のくすみの原因になっていることがあります。ついついやってしまいがちなNG習慣についてご紹介しましょう。当てはまるものはありませんか?
唇をなめる
唇が乾燥すると、ついついやってしまいがちなコレ。リップクリームを塗ればいいのに、ついついぺろっとなめてしまいますとね。しかし、唇をなめるとその分乾燥が進みます。肌と同じように、唇も乾燥すると透明感を失いくすんでしまします。気ににっても、決してなめないようにしましょうね。
口紅が残っている
毎日のクレンジング、面倒ですよね。特に口紅は、きちんと落しているつもりでもなかなか落ちず、気付かない内に残ってしまうこともあります。唇に残った口紅の色素や油分によって色素沈着を起こすと、唇のくすみにもつながりますから、厄介です。
しかし、落ちないからといって指でゴシゴシこするのは逆効果ですよ。色素沈着は摩擦によっても起こるので、落とす時は専用のリムーバーを使いましょう。
リップクリームをつけたまま寝ている
リップクリームは保湿成分が入っているため、寝る前に塗る方が唇によさそうですよね。しかし、リップクリームに含まれる油分が乾燥の原因になってしまうのです。ですから、寝る前は必ずリップクリームを落とし、化粧水などで保湿するようにしましょう。
喫煙している
血行不良のほかにも、喫煙にはデメリットがあります。ビタミンCはくすみの原因となるメラニンの生成を抑える働きがありますが、喫煙によってビタミンCが破壊されてしまうのです。そのため、メラニン色素が沈着しやすく、さらにタバコに含まれるタールの沈着により、唇がくすんでしまうのです。
唇が黒いのは病気のせい?
唇は非常に薄いため、血液の健康状態を映す鏡とも言えます。もしも唇が黒ずんでいる時は、病気が隠れている可能性もありますので、注意が必要です。特に、唇の黒ずみは腎臓の病気が考えられますから、早めに専門医を受診されることをオススメします。
腎臓は血液をろ過し、血中の老廃物や塩分を体外に排出するする役割を担っているため、非常に重要な器官です。腎臓が血行不良になると血液の循環が上手くいかなくなり、唇の色が黒っぽくなるのです。
特に、動脈硬化を起こしている場合にはドロドロした血液になるため、血栓ができ、さらに血流が悪くなります。また、動脈硬化の場合、初めから唇が黒ずんでいるわけではなく、紫色から黒っぽい色へ変化していきますので、注意が必要です。
どちらにしても、唇の色がきれいなピンク色でない場合には不健康な状態ですから、体の変化を意識して生活するようにしましょう。
唇をきれいなピンク色に戻すには
健康なピンク色は、日々のちょっとした工夫で取り戻すことができます。簡単にできることばかりですから、ぜひ試してみてくださいね。
リップクリームの塗り方を変える
リップクリームを塗る時、ついつい唇の形に沿って塗っていませんか?それだと縦ジワ部分に成分が行き届かず、しっかりと保湿することができません。リップクリームを塗る時は、縦ジワに合わせて塗るように心がけましょう。
また、メイク時には、口紅の前にUVカット効果の高い口紅を塗るとよいですね。これで、保湿だけでなくUV対策もバッチリです。
メイク落としは唇もしっかりと
夜、メイクオフする時、ファンデーションやマスカラにばかり集中して、口紅が残っていませんか?口紅含まれる成分や色素はくすみの原因になりますので、しっかり落としましょうね。もちろん、寝る前には化粧水でバッチリ保湿することも重要です。
唇のマッサージ
唇の周りを軽くマッサージすることで、ターンオーバーが促進されます。唇の周りを数か所に分け、各3秒ずつ行うだけの簡単なマッサージで、健康的な唇を取り戻しましょう。
まとめ
体調が悪い時、疲れが溜まっている時、ついつい顔色にばかり目が向いてしまいがちですよね。しかし、唇は健康を映す大切な鏡です。また、ほかの箇所よりもかなりデリケートなのだということを頭に入れ、手厚くケアしてあげましょう。
肌の紫外線対策には手間をかけても、唇のケアを怠っては意味がありません。また、唇の色が悪いと、見た目としても不健康に見えますし、メイクも映えませんよね。ナチュラルメイクが似合うような唇美人を目指して、日々お手入れに励みましょう。