足の臭いに悩まされているのは、男性だけでなく女性にも多いようです。仕事や生活の仕方にもよりますが、男性の場合(とくにサラリーマンなど)は、立ち仕事も多く革靴を長時間履いていますが、女性の場合には膝丈までのブーツを履く機会も多く、お洒落をする代償として足の蒸れに悩まされているといえます。
さて、ここでは足の臭いの原因と、その対策について紹介をしてみようと思います。そもそも足の臭いはどういう仕組みで起こるのでしょうか。
足の臭いの原因は?
そもそも足はどうして臭うのでしょうか。
主な理由は、もちろん靴を履くといった行為によって足が閉塞的で高温多湿な環境に置かれ、蒸れてしまうことによって起こります。
逆の見方をすれば、ひどい水虫になった時には、足の臭いがきつくなる条件(状態)が作られていて、足下に影響がでてきていることが分かるのです。
こうしたことは、足下の状態が清潔であれば起こりません。しかし、ほとんどの人が毎日のように靴下を履き、その上から革靴やブーツなどを履いて生活しています。見た目がきれいでも、細菌のレベルで足下を清潔に保つことは難しいのです。
仕事をしている日中(もしくは夜勤)のほとんどで、何時間も靴を履きっぱなしだし、体重がのっかって血流は滞り、皮膚は擦れやすく、汗もかきやすい場所ということもあって、雑菌が好む環境が作られています。
ですから例外なく、このようにしてほとんどの人の足は毎日のように臭いを発しています。そして個人の体質や身につけているもの、日々の習慣や対策の仕方によって、よく臭う人と臭いを軽減できている人に分かれます。
臭いの原因は雑菌
足の臭いが発生して広がっていくのは、ほとんどが菌(雑菌)が繁殖する時に臭いを出すとされています。とくにこれらの菌は、足の角質などをエサとして好むため、体に異常を起こさない程度の少ない数としては平常時から存在していて、いつでも繁殖できるような状態にあるのです。
とくに足下の細胞は新陳代謝が緩やかで、なかなか皮膚組織などが入れ替わらず、半端な状態でいつまでも足下にあります。そうしたものが、菌の好むエサとなって繁殖を促します。
この雑菌の中でとくに有名なのが「足白癬(あしはくせん)」と呼ばれる菌です。これは角質内に寄生して繁殖を繰り返しますが、これが水虫の正体なのです。
水虫の人=足臭い、ということではなく、水虫を含めた足下の菌が繁殖する時の臭いが、独特の悪臭を生み出しているとイメージするといいと思います。
足の臭いの強さ
足の臭いは、体の部位の中でも脇の臭いと並ぶほどの臭さだとされています。脇の臭いがでる原因は足下に近いものがありますが、脇の場合はアポクリン線と呼ばれる部位が、異常活動状態になることで臭いが出るとされています。
それ以上に臭いものは「慢性蓄膿症(まんせいちくのうしょう)」や胃腸炎などの口から吐き出す息です。鼻腔や胃などで炎症が起こり「腐った肉の臭い」と言われるほどの悪臭を放ちます。実際に鼻腔や胃で組織が膿んだり腐ってしまったために臭いが出ます。
これらの2つの症状と臭いは、足の臭いに比べて本人が気づきにくい臭いのひとつです。通常は病院にかかった時などに、医師に指摘されて気がつくことが多いようです。
さてここまでに挙げたように、吐く息の臭いはもちろん、脇の臭いや足の臭いは、人と接する時にはどうしても気になってしまいます。足の臭いに関して原因と対策を頭に入れて、気になる臭いを軽減するようにチャレンジしてみましょう。
足は汗をかくか?
足が臭くなる原因として、足が汗をかくからと考えている人もいるようです。もちろん足は汗をかきます。体の中でもよく汗をかく部分でしょう。しかし、汗そのものが臭いの原因というよりも、やはり菌の繁殖によって起こる臭いが原因とされています。
そして汗は、こうした菌が繁殖するきっかけを与え、高温多湿になりやすいなど、さらなる繁殖のための好条件の環境を作るのです。
足の状態をチェック!
それでは具体的に足下のチェックしてみましょう。
1)角質や爪の手入れがされている
まず見るところは、爪の長さや汚れです。普段は気にしていない足の裏もよく観察してみましょう。じっくり見ると、汚れが見つかると思います。こうしたものをエサとして、菌が繁殖をするわけです。
なかでも、角質や爪の中にたまるゴミなどは足下に繁殖する菌の好物です。できるだけ足下の汚れをチェックするように習慣づけ、角質のケアも心がけます。
立ち仕事の多い人は、足下の汚れや疲労感が多いことでしょう。仕事から帰宅したらビールを一杯、そのままごろんと寝てしまう人もいるかもしれません。アルコールが入ることで、足下にむくみの出る人もいます。そうした習慣が足へのストレスや披露を積み重ねることになり、臭いのでやすい環境にしていることもあります。
生活習慣そのものをチェックしてみましょう。
2)靴下や靴を見直す
靴下や靴は、通気性の高いものを使っていますか。何よりも足下が蒸れる状態を解消することが求められます。よく見受けられるのは、靴を脱いだ後も靴そのものに臭いが滞留して、むわっとした蒸れと臭いがなかなか抜けないものです。
もしも蒸れが靴に残りやすい人は、靴の中のインナーソールを吸水性の高いものにして、毎日取り替えるとか、脱臭効果の高い活性炭などを靴を履かない夜の間に入れておくとか、そういった工夫をしてみましょう。
靴の中をアルコールなどで拭くのも効果的です。靴の色落ちしないもので毎日一度は拭いて通気よく乾かすようにしてみましょう。
靴下については、五本指ソックスを愛用する人が多いようです。とくに水虫ができやすい人にとって、五本指ソックスは必須アイテムです。菌が好む状態にしないこと、清潔に保つようにしましょう。
また、靴下の材質をはじめ、靴下の長さ、指先がないもの、逆に指先だけのもの、いろいろなものがあります。自分の生活や仕事のスタイルに合ったものを探してみましょう。
3)糖尿病などにかかっていないか
糖尿病疾患の初期症状では、爪の状態が悪くなったり皮膚の状態が悪くなったりするために、足下の臭いが悪くなることがあると分かっています。これは安易な対応では改善させることは出来ないので、代謝内科など専門科のある病院にかかるようにしましょう。
ちなみに糖尿病は難病のひとつであり、命にかかわることもあるため、もしも気になる症状があれば放置せずに早めの受診をおすすめします。
足の臭いの応急処置
さて、気になる足の臭い。根本原因を解消して臭いを元から絶つことが出来ればそれに越したことはありませんが、まずは手っ取り早くその場だけでもやり過ごせるような、臭いをごかます方法があれば、そうした方法だけでも試したくなります。
それでは、足の臭いを減らすための応急処置と根本の対策を考えてみましょう。まずは応急処置です。
スプレーやウエットティッシュを活用する
足を清潔に保つためのドライタイプのスプレーやウェットティッシュ(ボディケア用)を積極的に活用してみましょう。仕事をしている場合には、香料がわざとらしくついているものより、無香料タイプで除菌が出来るものがおすすめです。
靴下をまめに履き替える
簡単で効果が高いのは靴下を履き替えることです。足の臭いがいつまでもこもったように感じるのは、靴下にうつった臭いが蒸れたままずっと放置されているからです。
靴下であれば、持ち歩く荷物としても邪魔になりません。お昼休みの時とか、休憩の時などに履き替えるといいでしょう。
靴そのものを履き替える
一日の中で靴そのものを履き替える、または一日おきに別の靴を履くのも効果が高い対応方法です。高温多湿になる環境を短い時間でリセットしてしまえば、菌の好む環境ができにくくできます。
また、環境さえ許せば、がっちりとした革靴やブーツではなく、通気性の良いシューズとかサンダルのような物が履ければなお良いですね。たとえば長時間の立ち仕事の多いナースなどは、ナースシューズと呼ばれる通気性が高く、足の負担の少ないシューズを履いています。
足の臭いの根本の対策
次に根本の対策です!
足を丁寧に洗う習慣をつける
足をただ洗うだけではなかなか臭いは抜けませんが、汚れをつきにくくしたり、爪にゴミが溜まらないようにすることは効果的です。それを習慣づけることで、清潔な状態を保つようにします。
足をマッサージする
足のむくみをとり、足のストレスを緩和します。足の状態を健康的な状態で保つようにしましょう。とくにリンパマッサージをすることで、足下に溜まりやすい老廃物を排出して、菌の繁殖しにくい状態に整えられるとも言われています。
爪や角質をケアする
ここまで見た人は、爪を伸ばしたままの状態では良くないことが分かると思います。不潔な環境にしないように、常日頃から爪は出来るだけ短く切りそろえます。また、角質も丁寧に取り除きましょう。
角質用のヤスリ、軽石などを使えば取り除きやすいです。柔らかいほうが削りやすいのですが、そうするとかえって逆に深く削りすぎて、足を痛めてしまいます。人によっては、お風呂に入る前など、角質が固い時のほうが慎重に少しずつ削れるのでやりやすいと言う場合もあるようです。
また近年では、男性用の足下ケアグッズも多く売られるようになっています。薬局などでご自分にあったものを探してみるのもいいと思います。
通気性のいい靴下、靴を履く
応急処置の場合と意味合いは同じです。足をどんなにきれいに洗う習慣を作っても、爪や角質を取り除くようにしても、靴下や靴が蒸れやすいものであれば、どうしても臭いがこもっていってしまいます。
しかし、生活のなかでは好きなように選べる靴や靴下も、仕事上はどうしても指定されたものを履くしかないということも多いかもしれません。そうした場合には、それ以外でやれることを積極的にやりましょう。
皮膚科に相談する
ここまで挙げたものを含めていろいろ試してみたけど、改善しないという場合には、皮膚科に相談をしてみましょう。気がつかなかった汗腺の異常や、多汗症などの疾患が隠れているかもしれません。
まとめ
なにより爪や角質の汚れに気をつける習慣を身につけます。靴下や靴、インナーソールなど、履き物を工夫することで、通気性をよくして臭いがこもらないようにします。
足下にストレスや疲労をためこまないように、生活習慣そのものを見直すことも大切です。足のマッサージも積極的にして、リンパの流れを促しましょう。
人の体からは口臭をはじめ、脇の臭い、足の臭いなど、自分では気がつかない場所から臭いが出ているものです。仕事などで人と接することの多い人はそうした体臭をケアすることで、印象を良くできることもあると思います。
以上を参考に自分にあった方法で臭いを軽減する生活を営んで下さい。
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