頭痛と鼻血の症状が現れる病気は?対処方法も紹介!

私達は日常生活において、鼻血はちょっとした事で簡単に出てしまうので、それほど気には留めませんよね。しかし意外に危険な鼻血もあるのです。

頭痛もまた同様に、頻繁に起こりやすい症状であるが故に薬を服用するだけでそのまま放置してしまいがちです。

しかし実はこの2つの症状が同時に併発した場合には、様々な病気の可能性があるのです。今回は、頭痛と鼻血のメカニズム、そして考えられる様々な疾患についてご紹介していきます。

頭痛のメカニズム

あたまいたい

頭痛の時、痛みを感じているのは、脳そのものでも頭蓋骨でもありません。頭部の痛みは、太い血管・硬膜・骨膜・頭皮・脳神経・上部頸髄神経・頭を覆う筋肉などが、圧迫を受けたり、引っ張られたり、炎症を起こしたりする事から引き起こされるものなのです。

様々な種類の頭痛を、私達は単に「頭痛」とだけ呼びがちですが、なんと国際頭痛分類によると14ものグループに分類されるのです。代表的な頭痛として、「偏頭痛」・「群発頭痛」・「緊張性頭痛」などが挙げられます。

鼻血のメカニズム

鼻血の女性

鼻の内側は、柔らかく弱い粘膜で覆われているだけで、保護する皮膚もありません。ですから大変傷つきやすく弱い構造です。その上、血管も張り巡らされているので、ちょっとした事で、出血しやすくなっています。これが鼻血が出る仕組みです。

特に出血しやすい部位を「キーゼルバッハ部位」と呼びます。鼻中隔という、鼻腔の内部を左右に分ける壁から1㎝ほど奥にある部分です。ここからの出血は、血管も細いので、ほとんどがすぐに止血します。

しかし、なかなか出血が止まらない場合は、キーゼルバッハ部位より、奥の部分で出血している可能性があります。鼻の奥には、太い動脈も通っているので、止血には時間がかかり、出血量も大量です。鼻血については、鼻血がでる原因とは?病気の可能性や止めかたを知ろう!の記事を読んでおきましょう。

頭痛と鼻血の症状が現れる疾患

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では、その2つの症状が同時に現れる病気について紹介します。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは、アレルギーが原因となり引き起こされる鼻粘膜の炎症を言います。「通年性」と「季節性」の2種類あり、「通年性」の代表的な原因は、ダニやカビ、また「季節性」では、スギやヒノキなどの花粉による炎症です。

ハウスダストや花粉などのアレルゲン(抗体)が、鼻の内側にある鼻粘膜に付着すると、肥満細胞(炎症や免疫反応などの生体防御機構に重要な役割を持つ)から、ヒスタミンやロイコトリエンといった化学伝達物質が分泌されるのですが、これに対してアレルギーを持っている場合、過剰な防衛反応が起こります。これがアレルギー性鼻炎なのです。

鼻がつまる・くしゃみが止まらない・水のような鼻水が代表的な症状ですが、鼻の粘膜に炎症が起こるので、粘膜が傷つき、鼻血も出やすく、頭痛を引き起こす事もあります。

偏頭痛/片頭痛

偏頭痛の特徴は、片側の頭のこめかみから目にかけて、脈打つようにズキズキと痛むことです。時には、両方のこめかみの辺り、後頭部まで痛む時もあります。動くと痛みが増すので、安静にしておくほうがいいでしょう。この頭痛は、遺伝的な要素があると考えられています。

偏頭痛のメカニズムは、かつてストレスや気圧の変動により、頭部・顔面の血管が収縮と拡張を起こし、周囲の神経を圧迫し、頭痛を引き起こすと考えてこられました。

最近では、三叉神経が何らかの刺激を受けると、その終末から炎症を起こす物質が放出され、その炎症物質により、血管の周りが炎症を起こし、血管が拡張します。その刺激が三叉神経を経由し脳に伝わり、頭痛が起こるのではないかとも言われています。

しかしながら、いまだ解明されていない事がたくさんあり、これらの他にも様々な原因の可能性があります。

メカニズムがまだはっきりとわからないとは言え、上記で起こった血管の収縮、拡張が鼻の内部にある毛細血管にも影響を与え、それで鼻血がでやすくなるのは確かです。偏頭痛については、偏頭痛の治し方を紹介!原因を知って正しい対処方法を知ろう!の記事を参考にしてください。

副鼻腔炎(蓄膿症)

鼻の穴の奥にある空間を鼻腔と言います。鼻腔は、周囲を顔の骨に囲まれていて、その骨に副鼻腔と呼ばれる空洞があります。この副鼻腔と鼻腔は、小さな穴でつながっているのです。

副鼻腔炎とは、副鼻腔の中に入った細菌やウィルス、花粉などが原因となり炎症を起こし膿(うみ)が溜まっていく状態を言います。

症状として、鼻水・鼻づまり・頭痛・頬の奥の痛み・鼻の周りの痛み・眼の下の痛みなどが挙げられます。さらに、鼻を何度もかむことにより、鼻孔内の毛細血管が傷つき、鼻血がでる事もあります。

特に注意したい事は、眼の周囲における炎症です。視覚異常から激しい頭痛を伴うと失明の恐れもあります。頭痛・鼻血・眼窩周囲に異常が見られたら、直ぐに医師の診察を受けて下さい。副鼻腔炎については、蓄膿症が臭い!症状や予防方法を知っておこう!の記事を読んでおきましょう。

自律神経失調症

貧血 眠気

自律神経失調症とは、生活習慣の乱れやストレスが要因となり、交感神経と副交感神経のバランスが崩れて起こる症状の総称です。

症状

  • 頭痛
  • めまい
  • 鼻血
  • 耳鳴り
  • 目の乾き
  • 立ちくらみ
  • 手のしびれ
  • 肩こり
  • 無気力 など

*自律神経失調症には、大変多くの症状があるため、自己判断するのが難しい病気です。不安に思われる方は、病院で診察を受けてみて下さい。

熱中症

高温多湿の環境に適応できなくなる事で生じる様々な症状の総称を「熱中症」と言います。

症状

  • めまい
  • 発熱
  • 立ちくらみ
  • 筋肉の痙攣
  • 頭痛
  • 筋肉痛
  • 疲労感
  • 鼻血 など

*鼻血は、体温が上昇する事により、急激に血圧も上がるので、鼻の粘膜より出血しやすくなるのです夏場に頭痛と鼻血の症状が同時に出た場合は、熱中症を疑って下さい

重症になると死に至る危険性もあるので、応急処置が必要です。水分補給にはくれぐれも気をつけるようにしましょう!

高血圧症

・高血圧とは?

まず、血圧には「収縮期血圧」と言って、心臓が縮んだ時の血圧と、心臓が広がった時の「拡張期血圧」があります。一般に言われる、「上の血圧」が収縮期血圧、「下の血圧」が拡張期血圧にあたります。

では、高血圧とはどのような状態なのでしょうか?

高血圧症診療ガイドラインによると、上の血圧が140mmHg以上、下の血圧が90mmHg以上の状態を言います。

・高血圧症とは?

高血圧症には、2種類あります。「本態性高血圧症」と「二次性高血圧症」です。

本態性高血圧症:原因がはっきりしない高血圧です。遺伝的体質や生活習慣からくる肥満、ストレス、運動不足、飲酒、喫煙、塩分の過剰摂取などの原因により血液の調節メカニズムが影響を受け、血圧が上昇します。

二次性高血圧症:はっきりとした原因がわかっている高血圧です。病気を治療すれば治るものもあります。

高血圧は、放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中などの合併症を起こしやすくなるので、注意が必要です。時には、頭痛、鼻血の症状も引き起こします。高血圧による鼻血は、通常の鼻血とは異なります。鼻腔の奥からの大量の出血・頭痛・めまいが同時に起こった時は、出来るだけ早く医師の診断を受けることをお勧めします。

白血病

血

白血病は、血液のガンとも呼ばれています。遺伝子変異を起こした白血球細胞が骨髄で増殖し、正常な白血球を作る事が出来なくなる病気です。血液中での異常な白血球細胞により、正常な止血作用に影響を与え、出血傾向の症状が出ます。

症状

  • 頻繁に鼻血が出る
  • 内出血ができやすい
  • 頭痛
  • 発熱
  • 貧血
  • リンパ節の腫れ
  • 歯茎からの出血
  • 関節痛
  • 嘔吐   など

上咽頭がん(じょういんとうがん)

「のど」は、咽頭(いんとう)と喉頭(こうとう)の部分から出来ています。咽頭は、上咽頭・中咽頭・下咽頭に分かれており、上咽頭とは、ちょうど鼻腔のつきあたりの部分をいいます。「上咽頭がん」とは、そこにできる悪性腫瘍です。

症状

  • 鼻づまり
  • 鼻血
  • 難聴
  • 頭痛
  • 耳鳴り
  • 歯痛
  • 視力障害 など

*外科手術には、大変困難な部位のため、治療は、放射線照射や抗がん剤などの利用が主となります。

頭痛と鼻血の対処法・予防

頭痛

頭痛の種類にあった対処が必要です。ここでは、偏頭痛(片頭痛)の時の対処法と予防を紹介します。

対処法

  • 暗く、静かな所で体を横にする
  • 痛みのある箇所を冷やしたり、圧迫する
  • 睡眠をとる
  • 緑茶やコーヒーなど、カフェインの入ったものを飲む
  • 鎮痛剤の服用

予防法

  • 食事はしっかりと摂る
  • アルコールの飲み過ぎに注意
  • 寝過ぎ/寝不足
  • 人混みを避ける
  • 熱いお風呂、サウナに注意

鼻血

まず、慌てずに、座る立っていてもどこかにもたれるかして、顔は、正面あるいは少し下に向けて下さい。上を向いたり、横向きに寝転ばないようにして下さいね

止血には、圧迫が効果的ですので、親指と人差し指で、小鼻をつまんで圧迫してみましょう。大体、5~10分ほどで血は止まるでしょう。

冷やすのも効果的です。氷嚢や冷やしたタオルなどで鼻を冷やしてみて下さい。血管が収縮し、早く止血できますよ。

まとめ

頭痛と鼻血の症状が併発した時に考えられる疾患についてご紹介しました。ちょっとした原因から深刻なものまで、これを読まれて、急に不安に感じられた方もいらっしゃるかもしれません。

頭痛にしろ、鼻血にしろ頻繁に症状が出る時は、何らかの病気の可能性が考えられます。出来るだけ早く病院で診察を受け、原因を確かめて下さい。

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