てんかんは遺伝する?症状や原因、治療方法について

てんかんは、誤解されている病気のひとつです。患者は病気自体の苦しみと、偏見による苦しみの2重苦にあります。そこでまず、てんかんの「基礎の基礎」を紹介します。

「てんかんは脳の中に『嵐』が起きて発作が起きる病気。明確な原因は分かっていない。国内の患者数は100万人。命を失うことはまれ。薬によって8割の人は発作が止まり、普通の生活を送っている」

これは公営社団法人日本てんかん協会のサイトの文章を要約したものです。

この記事では、てんかんの遺伝について解説します。てんかんの正しい知識を身に付けてください。

てんかん

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てんかんと脳

てんかんという病気を知るには、脳の仕組みを知る必要があります。少し長くなりますが、そこから解説していきます。

大脳

てんかんは、脳の病気です。脳は大きく、大脳と小脳と脳幹に分かれていて、てんかんの患者は大脳に支障をきたします。

大脳は「考える」「感じる」「記憶する」「話す」などを司っています。

ニューロン

大脳の「活動」は、ニューロンと呼ばれる細胞が担っています。ニューロンは大脳の中に数百億個存在し、電気によって動いています。ニューロンの仕事は、情報処理と情報伝達です。正常に機能しているときは、ニューロンの電気的な活動は、規則正しいリズムで行われています。

ところがてんかんを発症すると、このリズムが乱れてしまいます。ニューロンが過剰に発射されてしまうのです。この「ニューロンの過剰な発射」のことを、患者や医師たちは比ゆ的に「脳の嵐」と呼んでいます。

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てんかんの症状

意識消失

てんかんの発作は、発作の始まりから意識を失う「全般発作」と、意識を保ちながら発作が起きたり、発作の途中から意識を失う「部分発作」に分かれます。この2つは「脳の嵐」が、脳全体に起きているか、脳の一部に起きているかで分けられています。

その2種類の中でも、症状は細かく分かれていて、それぞれに名称が付いています。細かすぎると感じるかもしれませんが、てんかんを知る上で「発作」の理解は欠かせないので、お付き合いください。

全般発作

全般発作の中で最も深刻な症状は「強直発作」です。意識を消失した上に、全身が硬直する症状です。「間代発作」も深刻で、これは強直発作の直後に起き、全身がガクガクと痙攣します。

意識を消失する点で同じなのですが、数秒から数十秒で回復するタイプの発作もあります。それを「単純欠神発作」といいます。

「単純」があれば「複雑」もあります。「複雑欠神発作」は、意識消失に加えて、「舌なめずり」「もみ手」「全身が一瞬ビクッとする」といった症状が現れます。

「姿勢」に注目した発作の名称もあります。前屈したり、両手を上げたりする姿勢が現れる発作を「点頭発作」といいます。全身の筋肉の緊張が強まったときに現れます。

逆に筋肉が弛緩して、力が抜けたように倒れ込むことがあります。これを「脱力発作」といいます。

部分発作

意識を保ちつつ発作を起こす状態を「単純部分発作」といいます。「複雑部分発作」は、発作の始まりは意識があったのに、発作中に意識が消失したときの症状名です。

発作の始まりが部分発作で、途中から全身のけいれんが生じる発作を「2次性全般化発作」といいます。

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てんかんの原因

てんかんには、「原因があるてんかん」と「原因不明のてんかん」があります。

症候性てんかん

「原因があるてんかん」のことを「症候性てんかん」といいます。しかしこの記事の冒頭で「てんかんの明確な原因は分かっていない」と申し上げました。

どういうことかというと、ここで紹介する「原因」とは、「その病気を発症した後にてんかんが起きている」という意味なのです。つまり「その病気を発症したら、なぜてんかんが起きるのか」という「本当の原因」は解明されていないのです。

「症候性てんかん」は、脳に障害が認められた場合の診断名です。脳の障害とは、例えば仮死状態で生まれてきた人は、脳が傷ついていることがあります。大人になってからも、脳梗塞や脳卒中を発症した後に、てんかんが起きる人もいます。

交通事故などで頭部に大きな衝撃が加わった後も、てんかんを発症した事例が報告されています。

特発性てんかん

そして、てんかんの患者の中には、あらゆる検査を行っても脳に異常が見つからない人がいます。このタイプのてんかんを「特発性てんかん」といいます。

年齢

子供

てんかんが起きる年齢層で最も多いのは、3歳以下です。そして18歳以下での発症が全体の8割を占めます。そして「治りやすいタイプ」のてんかんは、20歳になるまでに薬を中止できることも多いのです。こうしたことから、てんかんは「若い人の病気」と考えられてきました。

しかしいまは、超高齢社会に突入し、脳梗塞や脳出血を発症するお年寄りが増えたため、高齢の症候性てんかんも増加傾向にあります。

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てんかんと遺伝

遺伝

てんかんは長らく「少数の例外を除いて遺伝しない」と考えられてきました。しかし最近の研究では、てんかんの患者の子供がてんかんを発症する率は5%程度ほどであるということが分かりました。この数値は、全国民のてんかん発症リスクの2倍程度に当たるそうです。

つまり遺伝性の疑いが消しきれないのです。遺伝性があると考えられているてんかんは、「結節性硬化症」「常染色体優性夜間前頭葉てんかん」「良性家族性新生児けいれん」です。

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てんかんのニュースについて

業務中や運転中にてんかんの発作が起きて、大きな事故を起こすと、テレビや新聞に取り上げられることが多いです。こうした報道は、この病気に対する偏見の温床となるのですが、「報道の意義はない」とは考えない方がよいかもしれません。

それは報道によって、「きちんと治療を受けていれば、事故を起こすリスクは限りなく小さくできる」ことが分かるからです。

過失

例えば2011年の事故は、クレーン車を運転していた加害者がてんかん発作を起こし、通学途中の子供を跳ね飛ばし、6人が死亡しました。加害者はてんかんの治療を受けていましたが、薬の服用を怠っていました。

2012年には、軽自動車の暴走で8名が死亡しました。この加害者は、てんかんの診断が下っていたにもかかわらず、病気を深刻せずに自動車免許を更新していたという「過失」が分かっています。医者や家族も、加害者に「運転しないように」と忠告していたそうです。

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てんかんの治療

てんかんにはいくつか種類があります。その種類によって「治りやすさ」や「発作の起きにくさ」が違っています。

治るてんかん

「良性小児てんかん」は、20歳になるまでに完全に治るタイプのてんかんです。そのほか「小児欠神てんかん」も治りやすい病気といわれています。

発作を抑えられるてんかん

「若年ミオクロニー」というてんかんは、抗てんかん薬という薬を服用することで、「完全に発作を抑えることができる」といわれているてんかんです。ただ「治る」わけではありません。

つまり、薬の服用を止めると発作が再発する可能性があるのです。薬の中止による「若年ミオクロニーてんかん」の再発率は、8割程度といわれています

ほぼ発作を抑えられるてんかん

成人の「側頭葉てんかん」は、薬の進化により、患者の8割は発作を抑えることができます。

難治性てんかん

治る見込みが薄いてんかんを「難治性てんかん」といいます。「ウエスト症候群」「レノックス・ガストー症候群」という名称で診断されることがあります。

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まとめ

勉強

病気に対する偏見が生まれる原因は、無知によることが多いようです。病気を知ることは、偏見をなくすことに貢献します。

さらに、病気を「正確に恐れることができ」「過剰に恐れないで済む」というメリットもあります。人生において、病気に対してこのように感じることができるのは、意義深いと考えます。

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