朝起きるとなんとなく頭が重い、日中ズーンとした重い痛みやズキンとした痛みがある。など頭痛に悩まされている方は割と多いのではないでしょうか?その頭痛は風邪から来るものなのでしょうか?それともなにか重要な疾患の前兆なのでしょうか?そんなことも考えてしまうのではないでしょうか?
ここでは風邪からくる頭痛と頭痛が特徴のほかの疾患の可能性についてまとめてみました。あなたの頭痛は大丈夫ですか?
風邪とは?
風邪とは、どんな症状のことをいうのでしょう?
正式名称は、風邪症候群といって鼻や喉(上気道)の急性炎症の総称です。ウィルスや菌が粘膜から感染して炎症を起こすことで発熱、くしゃみや鼻水、鼻づまり、喉の痛みや咳、たんなどの症状が現れます。
風邪の原因となるウィルスは詳しく分類すると100種類以上あるといわれています。しかし普段よくかかるのはその中の10種類程度といわれています。またウィルス以外にも細菌による感染によって起こるものもあります。溶連菌やマイコプラズマ、クラミジアなどです。
どちらの場合も、季節に関係なく夏に猛威を振るうウィルスもあれば、乾燥した寒い季節に流行するインフルエンザのようなウィルスもあるので、私たちは一年中気をつけなければいけません。
頭痛とは?
一口に頭痛といってもさまざまな原因があります。また頭痛はおおまかにその仕組みから2つに分けることができます。
片頭痛
片頭痛は、何かしらの原因で脳の血管が急激に拡張して起こる頭痛です。脳の血管が拡張することによって周りの神経を刺激して痛みを発するのです。
原因としては、ストレスや何か神経をつかうような物事の後に、その緊張から解き放たれると今まで緊張感でしまっていた血管が一気に拡張して片頭痛が起こることがあります。
また睡眠不足や反対に過度の睡眠、光や音の刺激や女性ホルモンの変動などの体内の変化によっても片頭痛は起こります。
緊張型頭痛
緊張型頭痛とは、頭の横の筋肉や首や肩の筋肉が緊張し、固まることで起きる頭痛です。
筋肉が緊張して固まることで血流も悪くなります。さらに筋肉内に疲労物質や老廃物などが溜まると、その周辺の筋肉を刺激して頭痛が起きます。
緊張型頭痛の原因は、主に精神的・身体的ストレスのことが多く、またコンピューターを操作して長時間同じ姿勢でいる人に良く起こる頭痛です。また筋肉の緊張ではなくうつ病などの心の病が原因となって起こる緊張型頭痛もあり、その原因をはっきり突き止めることはとても難しいといわれています。
風邪の時の頭痛とは?
では、風邪の時の頭痛はどうして起きるのでしょうか?
風邪の症状は原因となるウィルスや菌が粘膜に感染して体内に侵入してきたことで起こります。その症状はさまざまで鼻水や咳などがでます。しかし頭痛や発熱に関しては実はウィルスが原因ではありません。頭痛や発熱はウィルスが入った体内で起きている免疫機能によって起こるものなのです。
人間の身体の中にはウィルスが侵入してくると白血球を増やして活性化させて入ってきた異物をやっつけようとがんばります。そのときに脳の血管を拡張させて血流を良くしようとするのです。そのために周りの神経まで刺激して頭痛となって現れるのです。
同じように熱も体内の温度を上げてウィルスと戦う準備をする作業なのです。風邪の時に身体が発熱したり、頭痛が起きるのは、自分の身体がウィルスと一生懸命戦っている時だと認識しましょう。
自分でできる対処法
では風邪の時の頭痛を和らげるためにどんなことをすればよいのでしょう?
痛い箇所を冷やす
頭痛の原因のひとつに脳の血管が拡張することが分かっています。そのため、脳を冷やすことにより血管の拡張を抑えることが出来れば、頭痛は和らぎます。
ただし気をつけてほしいのは、痛い患部のみを冷やすことです。脳以外の部分を冷やしてしまうと風邪を治そうとする力が押さえられてしまいます。冷やすのはあくまでも頭部であり、患部です。
頭痛に効くツボを押す
風邪の時に起きる頭痛なら、風邪に効くツボを押すことで風邪が治まり頭痛も治まるかもしれません。
一般的に風邪に効くツボといわれるものは、
①風門(ふうもん)
背中にある肩甲骨と肩甲骨との間にあるツボのことをいいます。うつぶせになった状態で誰かに押してもらうもがベストですが、そのような状況にない!という人はその場所をどこかに当てて自分で押したり、カイロを張ったりしても効果があります。
②風府(ふうふ)
めまいや頭痛、目の疲れなどに効果があるといわれているツボです。後頭部と首の境目のところにあります。ここを両手で頭を押さえた状態で親指でこのツボを押さえてすぐ離すという動作を、5回から10回ほど繰り返すと効果があるといわれます。
③風池(ふうち)
視力の回復や眼病に効くといわれ、肩こりや頭痛にも効果的です。こちらは風邪による筋肉のこりからくる頭痛に効果的です。耳の後ろの骨と後頭部の髪の毛の生え際を結んだところの真ん中辺りにツボがあるので、そこをぐっと押さえて離します。
カフェインを適量とる
コーヒーや紅茶などのカフェインは血管を収縮させる働きがあります。痛いと思ったら、カフェインを取って様子を見てもよいでしょう。片頭痛のような過剰な血流による頭痛には効果的な方法です。片頭痛とコーヒーについては、偏頭痛はコーヒーで治る?有効に取り入れるための方法は?の記事を参考にしてください。
早く直すために~風邪の対処法
まずは身体を温かくして適度な湿度を保ち、安静にしていることが一番です。その上で状況により医療機関から処方されたお薬を服用する、または市販の風邪薬などを服用するのが一般的には早く治す方法といわれます。
また日頃から精神的・身体的ストレスを解消してゆっくりと心身ともに身体を休めることも大切です。
自分の身体の免疫力を最大限生かす環境を整えることが、風邪を早く治す方法だといえます。免疫力を高める方法としては、免疫力を高める方法は?食べ物などを紹介!の記事を参考にしてください。
風邪ではない場合の頭痛と疾患の可能性
では、風邪が原因の頭痛ではないときはほかにどんな疾患が考えられるのでしょうか?
くも膜下出血
肉体的・精神的ストレスや頭部の外傷によって脳細胞表面と、くも膜の間に出血が起こり、ひどい頭痛とともに吐き気や嘔吐の症状がでます。最も死亡率の高い疾患です。50代から60代に多いといわれていますが、若い人にもでる疾患ですので、注意が必要です。
髄膜炎
ウィルスや細菌などが脳にまで広がることによって、脳や脊髄の周りにある膜に炎症が起き首から後頭部にかけてひどい頭痛と、うなじあたりにこわばりがでます。また発熱も伴います。
この疾患は頭部を動かしたり身体に力を入れると痛みが強くなる特徴があります。症状が軽いからといって放っておくと脳に後遺症が残ります。
脳出血
脳内の血管が破れて脳内に大きな血の塊が出来ます。それが脳を圧迫し頭痛の原因となります。また圧迫の度合いによっては意識障害や吐き気や嘔吐、また手足や全身の感覚が麻痺するなどの障害があらわれます。
脳腫瘍
脳腫瘍は頭蓋骨の組織に腫瘍ができる疾患です。最初は頭部に痛みや重さを感じて、徐々に激しい頭痛や吐き気や嘔吐、また視力障害、手足や全身の痙攣などの症状が現れます。朝起きがけに頭痛が起きることが多く、痛みも強いといわれます。
慢性硬膜下血腫
頭部の外傷などで脳の硬膜と脳の間に血液がたまり、血の塊が出来ます。それが脳を圧迫して頭痛や吐き気や嘔吐といった症状を引き起こします。
また症状が進むと記憶力が低下したり意識障害などの重度な症状も引き起こします。50歳以降の男性に多い疾患で、年齢から痴呆症と間違えられることもあり、注意が必要です。
まとめ
いかがでしたか?
一口に頭痛といっても、そのタイプによって、対処法は変わります。まずは自分の頭痛がどのような原因で起こっているのかを把握することが大切です。
また頭痛が重大な疾患の前兆であることも多いので、普段から痛さの度合いやそのほかに不調はないか、よく観察しておくことも大切です。
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