股関節が急にポキポキ鳴るようになり、違和感を感じている方はいらっしゃいませんでしょうか?
実はそれは骨盤のゆがみのサインだと言われています。股関節は骨盤と接続しているため、骨盤がゆがめば、股関節の角度もゆがみます。
逆に、骨盤を整えれば、股関節も自然と調節されるという事です。この記事では股関節が鳴る原因や正しい対処法を御紹介いたします。
股関節が鳴る原因
では、早速股関節が鳴る原因を紹介します。
骨盤のゆがみによるもの
股関節は骨盤と接続しているため、骨盤のゆがみによって股関節がゆがむと言う現象が起こりやすいと言われています。
骨盤は身体の中心にあるため、上半身や下半身から影響を受けます。特に脚や腕からの影響が最も大きく、首や腰からの影響も比較的大きいと言われます。骨盤はたくさんの筋肉や靭帯に囲まれているため、それらから影響を受けるのです。
人は真っ直ぐ歩こうとする習性があります。例えば、首や腰がどちらかにねじれていると、ねじれている方に体が傾きます。その際に、そのままねじれている方に歩くのではなく、骨盤を逆にねじり前に進むように意識が判断します。
すなわち、そもそも症状のある股関節だけに問題がある場合は少なく、腕・脚・腰・首などの部位の異常→骨盤のゆがみ→股関節のゆがみ…と繋がっているのです。そのため、その部位に異常があるかを整形外科などで調べてもらい、適切な処置を施すことが大切なのです。
ストレッチやヨガで股関節周辺を動かし過ぎ
股関節が鳴るのは一概に悪いことだとは言えません。ストレッチやヨガなどで関節を活発に動かすようになると、緊張しきった筋が骨のようになり、固まりかけた関節をほぐすために鳴る場合が多いです。股関節自体は鍛えにくく、普段はなかなか意識してほぐしたりはしないと思います。
これは他の部位の関節でも同じことで、膝・肩・首などが鳴るのも同様の理由の場合が考えられます。何年も歪んだ姿勢をしている人には多く見られるため、悪い姿勢を直したら、筋肉の緊張も減って、コリも解消したという話もあります。
ストレッチなどで股関節が鳴る場合は、固まっている関節のコリや疲労感を減らすためであるため、痛みを伴うものでない限り悪い事ではありません。ただ、動かし過ぎの場合もありますので、無理のない程度にトレーニングするようにしましょう。
赤ちゃんの場合は股関節の脱臼の可能性あり
赤ちゃんは、成人と違って股関節そのものが柔らかく、未発達の状態であるため、脱臼しやすいという特徴があります。ただ、たとえ脱臼していたとしても泣いて訴えるということもないため、発見が遅れてしまう事が多いと言われています。
しかしながら、乳幼児期に早期に発見し、対処しながら成長すれば、股関節の状態の多くは改善し、問題なく過ごせる場合がほとんどです。赤ちゃんは股関節が弱いことを認識し、様子を観察するようにしましょう。
赤ちゃんの脱臼には大きく分けて3通りの症例があります。股関節の完全な脱臼、股関節の亜脱臼、臼蓋形成不全によるものの3つです。
股関節の屋根に当たる部分を大腿骨の骨頭と言います。この大腿骨骨頭部分の球関節や股関節がずれてしまうなどの脱臼を股関節完全脱臼と言います。亜脱臼とは関節が外れかかっている状態を指します。
通常は、球関節部分は簡単には外れないようになっているのですが、赤ちゃんの場合、股関節が未発達であるため、こういった症状が考えられるのです。臼蓋形成不全とは、大腿骨骨頭が股関節にしっかりはまることが出来ないため、関節の摩耗や脱臼を引き起こす傾向のある疾患です。
オムツ交換などの負荷により股関節が外れる事も考えられるため、無理な姿勢をさせないよう気を配ってあげるのが大切となるでしょう。
弾発股
弾発股になっていると股関節が鳴ってしまう場合があります。
弾発股とは何か?
股関節が鳴る症状のうち、股関節の周りの筋肉や腱が、骨にひっかかることにより鳴る症状を「弾発股」と言います。読み方は「だんぱつこ」と読みます。
弾発股には、どの部分がひっかかるかで大きく3つのタイプに分けることが出来ます。
1つめは、股関節の外側の太ももの付け根辺りでひっかかりを感じ、音が出るタイプで最も多い症例だと言われています。2つめは、足の中側の付け根である鼠蹊部辺りでひっかかりや音が出る症例です。3つ目は、股関節を使いすぎ、軟骨がすり減っていたり、変形性股関節症の方に多く見られ、股関節の中側でガリガリと音がする症例です。
変形性股関節症とは、股関節にある軟骨が何らかの理由によりすり減り、股関節が痛くなったり、動かしにくくなったりする病気で、女性に多いと言われています。
上記の3つの股関節の鳴り方に近いものがある場合、一度病院で詳しく調べてみることをおすすめします。
弾発股の原因と症状
主な原因としては、股関節のゆがみ、激しいスポーツによる股関節の使い過ぎ、運動不足で筋力が弱いことによって引き起こされると言われています。他、上記で説明した変形性股関節症や、先天性股関節脱臼、先天性臼蓋不全などの病気が原因で引き起こされる事もあります。
股関節が鳴る以外に以下のような症状がある場合は、弾発股の可能性があります。
- 股関節を動かすと、ポキッ、コツン、ゴリゴリといった何種類かの異なる音がする場合。
- 股関節が外れるような感覚があったり、違和感がある場合。
- 股関節の可動する範囲が狭く、大きく動かすと痛い場合。
- 足を動かすと、お尻や足の付け根が痛い場合。
弾発股の治療法と対策
弾発股の治療としては、大腿骨と靭帯や腱の間で引っかかりが生じ、炎症が生じることによって起こるため、この炎症を抑えることが大切です。
すなわち、安静にするのが第一で、運動によって起こった弾発股ならば、少しの間は安静にしたり、運動量を減らすことが必要となります。引っ掛かりが出るあぐらや開脚のような体勢は控えるべきですが、適切な筋力トレーニングやストレッチは効果的なので、指導者の指示に従いましょう。
炎症が治まるまではしばらく消炎剤を服用します。炎症を抑えることで、股関節痛はなくなってきます。痛みがなくなったからといって、安静期間を十分とらないと再発する危険性もありますので、油断しないように注意が必要です。
骨盤のゆがみなどから来る弾発股の場合は、これらのゆがみをとって正常な形にする事が大切です。骨盤のゆがみによって、股関節の位置も正常ではなくなっているため、筋肉が緊張し、症状が引き起こされます。股関節をゆっくり動かすストレッチをすることで、固くなった筋肉をほぐし、筋肉や靭帯の柔軟性を回復させます。整骨医院に通い、ゆがみを治すのが効果的だとも言われます。
どうしようもない骨盤のゆがみや、何度も炎症を起こす場合、手術が必要になることもありますが、まずはご自身の基本姿勢を見直してみることが大切です。
自分でも出来る股関節のストレッチ
身体の柔軟性は人によってさまざまで、硬い人もいれば柔らかい人もいます。しかし、体の硬い人でもストレッチを続けることで、体が徐々に柔らかくなっていくと言われています。体の柔軟性はダイエット効果を高めるとも言われていますので、ぜひご自身でも試してみて欲しいと思います!
1、あぐらをかくようにして床に座り、足の裏同士を合わせます。合わせた足先を持ち、背筋を伸ばしたまま前傾していきます。リラックスして息を吐きながら、ゆっくりと丁寧に体を倒します。痛いと思う前の、少し気持ちの良いくらいがベストです。そこまで倒したら、息を吸いながら、ゆっくりと元の体勢に戻していきます。このストレッチを数回繰り返します。
※背中が丸まらないように注意することが大切です。そこまで前に倒れなくても良いので、背筋を伸ばして前傾するのを意識しましょう。
2、床に仰向けに横になります。片脚を両腕で持ち、息を吐き出しながらお腹に近づけるように引き寄せます。これも気持ちよいと感じるところまでで止めます。ここまで引き寄せたら、息を吸いながらお腹に引き寄せていた脚を元に戻します。元の仰向けの状態に戻ったら、軽く数回深呼吸をし、リラックスします。落ち着いたら反対の脚でも同様にストレッチをします。これまでの動作を数回繰り返します。
3、脚を肩幅より大きく開き、膝の角度が90度になるように腰を落とします。足はガニ股の状態にして、重心を左右に移動させます。重心の移動は数回繰り返します。次に上体を前に出し、両足のかかとを掴むようにし、同様に左右の重心運動を行ないます。こちらも数回繰り返しましょう。
※左右の重心運動をする時に、移動した方向と逆の足は、地面にかかとをつけ、つま先をあげるようにして、ストレッチをします。
股関節が鳴る場合の予防と対策
正しい姿勢で生活することが大切です。腕や足一つでも、ゆがんだ状態で生活していると骨盤のゆがみに繋がり、股関節もゆがむという結果になります。ご自身の体で、どこかバランスが悪く動かしている部分があるようならば、正しい姿勢に少しずつ改善する事で股関節の痛みが治る場合もあります。
ご自宅でも簡単にできるストレッチも御紹介いたしましたので、股関節をゆっくりと動かし、筋肉や靭帯をほぐしてあげるようにしましょう。痛いと感じるまで無理をするのではなく、気持ちが良いと感じるところまで動かすのが大切です。
酷い痛みが生じたり、股関節が外れるような違和感がある場合には、自己判断せずに整骨医院や整体の方に相談しましょう。個々人の症状によって、治療法が変わってきます。間違った方法を行なったり、無理をしすぎると重症化することがあるので注意が必要です。
まとめ
「そういえば関節がよく鳴る」など感じていた方もいらっしゃったかと思いますが、関節が鳴る理由は分かりましたでしょうか?股関節は骨盤と繋がっており、体を支える大事な部分です。
しかし、意外と着目されず、放っておいて重症化する方も少なくありません。ぜひ、これを機会に股関節のストレッチを始め、鍛えてみてはいかがですか?
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