寝違えが治らない時の対処方法は?予防方法も紹介!

突然の寝違え。読者の皆さんも、1度は経験したことがあると思います。首が痛かったり、首が回らなかったりなどの症状が現れます。ほとんどの寝違えは、数日ほどで自然と治ってしまいますよね。

ですが、長引いてなかなか治らない寝違えや、頻繁に起こる寝違えには、他の病気や原因が隠されているかもしれません。

【なぜ寝違えるのか?】【予防法は?】【どのような病気が隠されているの?】など、様々な寝違えの症状と原因についてご紹介します。

寝違えが長引いてしまってお困りの方、よく寝違えてしまう方はぜひご一読ください。

寝違えの種類

寝違え・骨・脊椎

朝起きたら「首が痛い」「首が回らない」などの症状を引き起こす寝違えですが、原因を大きく3つに分けてご紹介します。

筋肉や腱(けん)

まずは、首の骨(頸椎)の周りにある筋肉や腱が原因になるものです。腱とは、首の骨と筋肉をつなぎ支えるものと思っていただければ結構です。「筋違え」「筋違い」などと呼ばれることもあります。

筋肉は、血行不良や負担をかけることなどで凝りを生じますよね?これは、首の筋肉も同じ事です。首の骨だけでは到底支えることのできない頭の重さを、肩から首の筋肉や腱がサポートしています。

頭の重さを支える首の筋肉は、私たちが思っている以上に負担がかかっています。パソコンやスマートフォンの操作をする時、少し前のめりになったりしていませんか?それだけでも重心がずれて、首全体に負担がかかっていることになるのです。

普段の姿勢の悪さや負担のかかる体勢をとることで、首の周りの筋肉が凝ったり神経が痛んだり腱が痛みます。

寝ている間は姿勢に気を配ることもできませんから、寝ている間にトドメをさしてしまい、「首が痛い」「首が回らない」といった【寝違え】の症状がでてきます。

学校の理科室などにあった人体骨格模型を思い出してみてください。節状の骨が首の部分にあります。では、首の骨に似た節状の物を机の上に置いて、頭と同じ重さの何かを乗せた時、それを支えていられるでしょうか?

実際にやってみなくても分かりますよね、頭が転げ落ちてしまいます。つまり、首の周りの筋肉や腱はただついているだけではなく、支えるために働いているのです。

電車などで居眠りをしている人を見ると、首をカックンカックンとして睡魔とたたかっている人や、首をだらーんと垂らして熟睡している人がいますよね。眠ると筋肉が緩んでしまうので、頭を起こしておくことができなくなります。

そのような状態で不自然な体勢をとると、筋肉や腱が無理に引き延ばされて痛めてしまう原因になるので、眠る姿勢にも注意が必要です。

また、寝ている間に体の一部が圧迫され、首の筋肉が血行不良になることで痛みが生じることもあります。

頸椎(けいつい)や靱帯(じんたい)

首が痛い・頸椎ねんざ・むちうち症など

首の骨(頸椎)とそれを支える靭帯が損傷して寝違えの症状が出ることがあります。頸椎に関連する病気の一部として、以下のものが挙げられます。

頸椎椎間板ヘルニア(けいついついかんばんへるにあ)

頚椎と頚椎をつないでいる椎間板が損傷して痛みを伴う病気。

むちうち症(頸椎捻挫-けいついねんざ-)

事故や運動、遊びなど理由は問わず、首が前後左右に急に動いた時に頸椎が損傷し痛みなどの症状がでます。

変形性頸椎症(へんけいせいけいついしょう)

加齢などで頸椎が変形し神経を圧迫したり触れたりすることで、痛みなどの症状がでます。

胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)

血管や神経が鎖骨の近く「胸郭出口(きょうかくでぐち)」と呼ばれる部分で、骨の変形や筋肉、日常生活などにより圧迫されたり引き延ばされたりして痛みなどの症状がでます。

頸椎は脊髄(せきずい)などの神経に近いため、問題があると痺れや痛みといった症状がでやすいです。

その他の病気

「くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)」など別の病気によって、寝違えたような痛みを自覚することがあるようです。その場合は「嘔吐や吐き気」「手足のしびれ」など、首以外にも症状がでることが多いです。

腋窩神経(えきかしんけい)が原因!?

首の骨・腋窩神経・寝違い

某医療漫画で、脇にある腋窩神経が圧迫されて、首に寝違えのような症状がでるとありました。改善策としてストレッチのようなものを勧めており、寝違えた登場人物は症状が改善していくというストーリーだったように思います(すごく大まかですみません!)

さて、原因は腋窩神経なのかというと、それは分かりません。上の【寝違えの種類】でも挙げたように、首に寝違えの症状がでる原因は様々です。漫画の中では専門のお医者様が患者さんを診て指導されていましたが、私たちが勝手に判断して対処するのは危険といえます。

というのも、頸椎や靱帯の損傷であった場合に、ストレッチや体操などでさらに痛める危険があるのです。「以前寝違えた時に、痛くても首をぐるぐる動かしていたら治った」と言って、寝違える度に同じ対処方法を採用している知人がいますが、これも危険です。

何度もいいますが【寝違えの原因は様々!】だからです。筋肉の凝りや血行障害などが原因であるから有効だった可能性があり、毎回通用するとは限らないことを知っておいてくださいね。

寝違えの治療と対処法

寝違え・体操・ストレッチ

寝違えの大半は数日~1週間ほど時間をかけて良くなっていきます。寝違えが治らない場合は、どうすれば良いのでしょうか。

寝違えてすぐにやってはいけないこと

「痛い」と感じるということは、筋肉や骨が炎症したり傷ついている可能性があります。無理に動かしたり温めたり、マッサージや体操をするのはやめましょう。可能ならば、整形外科の受診をお勧めします。

炎症は温めるとひどくなることもあるので、冷たすぎない物(氷を数個入れた水袋など)で一時的に冷やしてみましょう。過剰に冷やしすぎるのも、血行が悪くなるので考え物です。

原因が分からないうちからあまりギンギンに冷やしすぎるのも良くないので、余分な熱を冷ませればいいやくらいの気持ちで行ってください。気持ちいいと感じたり、痛みが和らぐようであれば続けてください。

ほとんどの寝違えが、数日間安静にしていれば良くなっていきます。この場合、一時的な筋肉や腱の損傷などが考えられるので、痛みが和らいだら温めて血行を良くし、筋肉のコリなどをほぐして再発の予防に努めましょう。

日頃から、首や肩周りのストレッチなどを行うと予防になります。

それでも治らない

1週間ほどしても治らない場合や、我慢できないほど痛かったり、首以外にも【しびれ・頭痛・嘔吐・吐き気】といった症状がでる時は、最寄りの整形外科を受診してください。

頸椎も含む背骨には脊髄などの中枢神経があり、これが損傷すれば人間の活動に支障がでてきます。腕や足が折れてもなかなか死にませんし、骨がくっついてリハビリをすれば元に戻ることも多いですよね。

首や背骨が折れた場合は脊髄などが傷つき、傷ついた場所から下(首なら首から下、腰なら腰から下)が麻痺することもあります。それだけ大事な神経が密集している場所ですから、少し面倒でもギャンブル的な対処をせずに安静にして、なるべく早く整形外科を受診することをお勧めします。

寝違えの予防法

首の痛み・整体・治療・マッサージ

◇姿勢をよくする

すでに寝違えてしまっている方は、整形外科の先生に許可を得てから【整骨院・鍼灸院・整体院】を利用するのも有効です。整形外科での治療がある場合はそちらを優先してください。

人間の体はどこか一部の骨が歪んでしまうと、全体が歪んでしまうといわれています。首の歪みを解消したり予防するほか、歪みから生じる筋肉の凝りを解消することもできます。

また、歯並びなどに問題があると噛み合わせが悪くなり、体の骨が歪んでしまうこともあるようです。今まで気にしたことがなかった方は一度、歯科医院で噛み合わせのチェックをしてもらうと良いでしょう。

◇筋肉を鍛える、筋肉の凝りをほぐす

骨のサポートをしている筋肉が衰えると、骨にかかる負担が大きくなり骨が悲鳴をあげてしまいます。無理な筋トレをする必要はありませんが、日頃から意識して筋肉を鍛えるようにしましょう。

筋肉が凝っている状態も、筋肉が硬くなり故障しやすくなります。お風呂や温泉、マッサージや体操などを利用して、凝りを溜めないように心がけましょう。

首の筋肉は、片手で左右どちらかの耳の上あたりに手のひらを当て、手のひらと頭をぐーっと押しつけるようにすると、首に力が入るのが分かると思います。ゆっくりと10秒ほど数え、ゆっくりと力を抜いてください。

左右前後とも、この方法で鍛えることができます。あまり一生懸命にやるのではなく、少し力がはいっているな~と思うくらいで行ってください。腕立てや腹筋のように一生懸命やると、骨に負担がかかって逆効果ですからご注意ください。

片側の筋肉だけを鍛えるとそちら側に引っ張る力が強くなり、骨が歪む原因になります。鍛える時は左右前後まんべんなく鍛えましょう。

まとめ

寝違え・こりをほぐす・マッサージ

◇寝違えの原因

・筋肉や腱の損傷、炎症

・頸椎や靱帯の損傷、炎症

・その他「くも膜下出血」など他の病気

◇寝違えの治療と対処法

・痛いときは安静にして軽く冷やしてみる

・痛みが和らいだら血行をよくして凝りをほぐす

・一週間以上治らない時、他の症状がでた時は整形外科を受診する

◇予防法

・姿勢を正しくし、骨の歪みや筋肉の凝りを予防する

・骨をサポートする筋肉を鍛え骨の負担を減らす

・筋肉の故障を予防するために凝りは早めに対処する

以上が、寝違えについてのまとめです。筆者も1~2年に一回くらい寝違えますが、一度だけ2ヶ月ほど続き、辛かったことがありました。視覚症状や全身症状もでていたので、骨や神経が原因だったのだと思います。幸い、詳しい検査をする前に改善したので笑い話になりましたが、首の脆さを思い知らされました。

数日で治ることがほとんどですが、こういうこともありますので、長引くときはためらわずに整形外科を受診してくださいね!

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