頭がクラクラする原因は?対策方法や病気について!

急にに立ち上がったときなどに、頭がクラクラする症状を覚えることはありませんか?
"立ちくらみ”のように一過性で済むこともありますが、なかなか治らず、耳鳴りや不安といった症状をともなう場合もあります。

頭がクラクラする症状を起こす病気には、どのようなものがあるのでしょうか。原因について調べてみました。

めまいの種類

頭がくらくらする(フリー画像)

「頭がクラクラする」といっても、スーッと血の気が引くような感じだったり、ふわふわと揺れ続けるようだったり、さまざまな症状があります。めまいは、大きな異常がなくても、日常的に起こる症状です。大きく分けて2種類があります

回転性のめまい

「目が回る」などと表現される、自分自身、あるいは周囲のものがぐるぐると回っているように感じるめまいです。吐き気やバランス感覚の喪失、耳鳴りなどの症状をともなう場合があります。回転性のめまいは、身体のバランスを保つ平衡機能の異常によって起こるため、平衡機能にかかわる内耳や脳、神経路の異常が考えられます。

回転性のめまいを起こす病気で代表的なものに、メニエール病があります。突発性難聴の場合も、めまいや吐き気などの症状があらわれます。

非回転性のめまい

体がふわふわと浮いている、あるいはふらふらと揺れているように感じるめまいです。脳幹や小脳など、平衡感覚をコントロールする脳の部位に関連して起こることが多く、貧血や発熱、精神的ストレスなどが原因の場合もあります。

非回転性のめまいは、浮動性、動揺性のめまいともいわれます。

頭がクラクラする原因と対処法は?

頭がくらくらする、めまいの原因には、いろいろなことが考えられます。

鉄欠乏性貧血

頭がくらくらする症状の原因として、まず思い浮かぶのが貧血です。貧血とは、血液中の赤血球の数や、ヘモグロビンの濃度が低い状態をいいます。ヘモグロビンは、酸素と結合する性質があり、肺で取り込んだ酸素を体の隅々へと運んでいます。ヘモグロビンの量が少ないと、脳などに酸素が十分に運ばれなくなり、動悸や息切れ、疲れやすさ、めまいなどの症状が起こります。

・対策

貧血の予防と改善には、食事療法が有効です。1日3食、栄養バランスのよい食事を心がけ、鉄分を多く含む食品をなるべく多くとりましょう。

鉄分を多く含む食材:ほうれんそう、レバー(牛、豚、鶏)、魚介類、ひじき、たまごの卵黄

鉄分だけでなく、ビタミン類も多く採るようにすると、造血効果が増します。

低血圧

血圧が正常よりも低い状態を、低血圧といいます。低血圧には持続性のものと一過性のものとがあり、とくに自覚症状のない低血圧と、疲れやすさ、倦怠感、不眠、めまい、頭が重いといった、さまざまな症状が現れる場合があります。

急に立ち上がったとき、血圧が変動して脳に送られる血液量が不安定になり、頭がクラクラすることがあります。これを「起立性低血圧」といい、急に体を動かした瞬間に血圧が低下して、立ちくらみやめまい、失神などを起こします。

・対策

低血圧の症状は、運動や規則正しい生活習慣で改善できます。ストレスをためないようにすることも大切です。低血圧については、低血圧の原因とは?症状や病気の可能性についての記事を読んでおきましょう。

自律神経、ホルモンバランスの乱れ

自律神経には、体の活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や睡眠中に活発になる副交感神経とがあり、呼吸や消化、血流などを絶えずコントロールしています。疲労やストレスなどが原因で、このふたつのバランスが損なわれるのが「自律神経の乱れ」で、吐き気や多汗、倦怠感、手足のしびれ、動悸、めまい、不眠などの症状があらわれます。

ホルモンバランスの乱れも、めまいを起こす原因になります。月経が始まる1週間前ごろにも、頭がクラクラしたり、肌荒れや精神不安などの症状が現われます。排卵を境に分泌量が切り替わるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の変動が、PMS(月経前症候群)を引き起こすのです。

また、女性ホルモンが急激に減少する更年期も自律神経のバランスが崩れやすくなり、のぼせや動悸、めまいなどが起こることがあります。

・対策

自律神経は不規則な生活やストレスによって働きが乱れてしまうため、適度な休養や運動を取り入れた、規則的な生活を心がけることが大切です。

無理をせず、疲れたら休息をとり、人間関係などでもストレスを抱えないようにしましょう。

鉄腕アトム

脳や神経の異常

脳に異常があってめまいが起こる病気は、小脳や脳幹の脳卒中(脳梗塞、脳出血)が考えられます。回転性、あるいは非回転性のめまいが起こり、頭が痛い、ろれつが回らない、吐き気など、ほかの症状も現れていれば、すぐに専門医の診断を受けましょう。

人間の脳は、耳からの聴覚情報、目からの視覚情報、手足、首など、筋肉や神経路からの知覚情報を受けて、姿勢を調節しています。しかし、これら平衡感覚にかかわる内耳や視覚、筋肉、目や耳の働きをコントロールする脳に異常が起こると、頭がくらくらする、めまいの症状が起こります。

耳の病気

耳に原因があり、強い回転性のめまいを起こす病気で代表的なものは、メニエール病です。内耳リンパの異状による病気で、めまいのほかに耳鳴り、難聴などもあらわれます。

メニエール病の原因ははっきりと解明されていませんが、ストレスと関係があるといわれています。精神や肉体に疲れを感じていたり、睡眠不足のときに、発作が起こることが多いといわれます。発症年齢は30~50代の働きざかりが多く、女性に多い病気です。

ちなみに、内耳の三半規管は、体の回転運動をとらえる器官です。内部はリンパ液で満たされていて、リンパ液の流れの変化で体の回転をとらえる感覚細胞があり、脳幹へと情報が伝えられます。

・対策

異常を感じたら、専門医の診察を受けましょう。日常生活でストレスを抱えこまないようにし、規則正しい生活を心がけましょう。

ヘッドフォン

肩こり、眼精疲労

頭がくらくらする症状には、脳卒中やがんなどの深刻な病気が潜んでいることがあれば、肩こりや眼精疲労のような、日ごろの不調で動揺性のめまいが起こる場合もあります。

首のまわりの筋肉が凝ると、筋肉の緊張と血流障害が引き起こされ、めまいを誘発します。頚椎の中には、首から脳や内耳へ血液を送る「椎骨脳底動脈」があり、この動脈の血流が滞ると、脳に十分な血液が運ばれずにめまいが起こるのです。

・対策

休息や適度な運動を心がけて、肩こりなどの不調を改善しましょう。

肩

まとめ

めまいが起こる仕組みは複雑で、耳、目、首、脳などさまざまな部位の原因が考えられます。
"たかがめまい”と油断せず、原因を知ることが大事です。

一過性と思っていたのに、症状がくり返したり、重くなっていくようなら、医療機関を受診して不安を取り除きましょう。

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